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エスリアール王城 出会い
制服と飛び交う噂2
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黒っぽいグレーかな。靴はショートブーツみたい。これは黒なんだ。一番小さい靴はこれかな。どれどれ、靴選びはサイズが合うか一番心配だけど…。
「あ、少しきつい?こっちはどうかな。」
「これ、きつくないしいいかも。うん、2のこれにしよう。」
スタスタ両足を履き替えて歩いて痛い所がないか確認しても大丈夫だった。それじゃあ着替えてみますか。Yシャツを手にとってスカートと一緒にする。
あ、着替える前に、鍵かけるんだった。忘れてた。入って来ないだろうけど念のためしておこう。
カチャン
ジャケットとネクタイ以外、試着してみました。うん、サイズ的に良さそう。
姿見の前で後ろ姿も確認する。着心地もいいし、案外動き安いかも。肩回しをしてみてもシャツは問題ないみたい。
ジャケットも重ねてみよう。改めて見てもいい色。好きだなこういうグレー。少し青みがかってて。
サイズはこれなんか、どうかな。あ、左胸ポケットに金糸で格好いいエンブレムがある。
龍と王冠、2本の剣とSって入ってる。Sクラスのイニシャルかな。
ジャケットの襟や袖には白とネイビーのライン入り。
「う~ん。3だと少し、大きい。こっちか。」
「うん、肩幅余ってないし、かといってきつくもない。2のこれかな。あとは、ネクタイだ。Yシャツの近くで見たような…あ、あった。」
薄いラベンダーいろのネクタイ。良く見ると正面の下の幅が広い所に同系色でエンブレムの刺繍が入っていた。
えーと、ネクタイの結びかたは…幅が広い方が最後に正面だから、こっちを上にして?こっちが下でクロスして?あれ?こっち?う~ん…もう1回最初から。
ダメだ…。パッチンで慣れてた私には本物のネクタイの結び方は難しすぎる。
考えながら挑戦してはみたものの、頭からプシューッと煙が出そうなくらいになり、ひとまず落ちくように、髪のゴムを外して血の巡りを良くした。
パサッ
ポニーテールを外すと、スゥ~とスッキリするよね。一気に血の巡りが良くなるというか。
頭はスッキリしたけど、やっぱり基本がわからない。
うん、教えてもらおう。
聞くは一時の恥、聞かずは一生の恥だ。
カチャン
ネクタイを持ってブラム先生が待つ廊下に出た。そこには先に着替え終わったシオンさんもいた。
「すみません、お待たせして。」
「いいえ、大丈夫ですよ。」
「アーヤもやっぱりネクタイに苦戦した?」
ネクタイを手に持ったままのアーヤを見て、予想していたように話す。
「やっぱりって、もしかしてシオンさんも?」
「ああ、こういった服は私も着慣れていないんだ。さっき、ブラム先生が不格好な形のタイをみかねて直してくれたところだよ。」
何それ。見たかった!イケメンがイケメンのネクタイを直す瞬間を。残念、無念…。
「…実は私も。というより形にすらならなくて…。お手数ですが、先生、やり方を教えて下さい。」
「いいですよ。ひとつずつやり方をお教えしますから、やってみましょう。まず首にかけて、幅の広い方を…。おや?アーヤさんから見てこちらは逆でしたか。こちらをクロスして…?
すみません、自分と向きが逆なので、偉そうに言いながらお伝えすることがなかなか対面だと難しいようです…。
そうです、こうしましょう。」
アーヤの背後に回ったラナ。
?!
背中が一気に緊張するんですけど!
も、もしかして?!
「あ、少しきつい?こっちはどうかな。」
「これ、きつくないしいいかも。うん、2のこれにしよう。」
スタスタ両足を履き替えて歩いて痛い所がないか確認しても大丈夫だった。それじゃあ着替えてみますか。Yシャツを手にとってスカートと一緒にする。
あ、着替える前に、鍵かけるんだった。忘れてた。入って来ないだろうけど念のためしておこう。
カチャン
ジャケットとネクタイ以外、試着してみました。うん、サイズ的に良さそう。
姿見の前で後ろ姿も確認する。着心地もいいし、案外動き安いかも。肩回しをしてみてもシャツは問題ないみたい。
ジャケットも重ねてみよう。改めて見てもいい色。好きだなこういうグレー。少し青みがかってて。
サイズはこれなんか、どうかな。あ、左胸ポケットに金糸で格好いいエンブレムがある。
龍と王冠、2本の剣とSって入ってる。Sクラスのイニシャルかな。
ジャケットの襟や袖には白とネイビーのライン入り。
「う~ん。3だと少し、大きい。こっちか。」
「うん、肩幅余ってないし、かといってきつくもない。2のこれかな。あとは、ネクタイだ。Yシャツの近くで見たような…あ、あった。」
薄いラベンダーいろのネクタイ。良く見ると正面の下の幅が広い所に同系色でエンブレムの刺繍が入っていた。
えーと、ネクタイの結びかたは…幅が広い方が最後に正面だから、こっちを上にして?こっちが下でクロスして?あれ?こっち?う~ん…もう1回最初から。
ダメだ…。パッチンで慣れてた私には本物のネクタイの結び方は難しすぎる。
考えながら挑戦してはみたものの、頭からプシューッと煙が出そうなくらいになり、ひとまず落ちくように、髪のゴムを外して血の巡りを良くした。
パサッ
ポニーテールを外すと、スゥ~とスッキリするよね。一気に血の巡りが良くなるというか。
頭はスッキリしたけど、やっぱり基本がわからない。
うん、教えてもらおう。
聞くは一時の恥、聞かずは一生の恥だ。
カチャン
ネクタイを持ってブラム先生が待つ廊下に出た。そこには先に着替え終わったシオンさんもいた。
「すみません、お待たせして。」
「いいえ、大丈夫ですよ。」
「アーヤもやっぱりネクタイに苦戦した?」
ネクタイを手に持ったままのアーヤを見て、予想していたように話す。
「やっぱりって、もしかしてシオンさんも?」
「ああ、こういった服は私も着慣れていないんだ。さっき、ブラム先生が不格好な形のタイをみかねて直してくれたところだよ。」
何それ。見たかった!イケメンがイケメンのネクタイを直す瞬間を。残念、無念…。
「…実は私も。というより形にすらならなくて…。お手数ですが、先生、やり方を教えて下さい。」
「いいですよ。ひとつずつやり方をお教えしますから、やってみましょう。まず首にかけて、幅の広い方を…。おや?アーヤさんから見てこちらは逆でしたか。こちらをクロスして…?
すみません、自分と向きが逆なので、偉そうに言いながらお伝えすることがなかなか対面だと難しいようです…。
そうです、こうしましょう。」
アーヤの背後に回ったラナ。
?!
背中が一気に緊張するんですけど!
も、もしかして?!
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