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エスリアール王城 出会い
綺麗なお姉さんはオネエさん?!6
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「実は…そうなんです。当日ではなかなか席が埋まっているので、勝手かとは思いましたが予約しています。」
「…アーヤ、せっかくだし、お誘いを受けることにしよう。城にはシュナイゼかレイファンスに先触れを送れば問題ないと思う。」
「じゃあ、お言葉に甘えて行ってもいいんですか?」
「はい。私の方で先触れを送らせて頂きます。」
「ふふ、決まりね。良かったわ。」
「シャルドラクさん。口添えをありがとうございました。」
「ふふ、大したことはしてないわ。お礼なら今度デートするか、シャルって呼んでくれればいいわよ。」
「…わかりました。」
どっちのわかったなのかな?!
二人の会話を見守りながらドキドキするアーヤ。
「では、シャルさんとお呼びすればいいのですか?」
「クスッ、そっちにしたのね。私はそれでも構わないわ。前からそう呼んで欲しかったし。」
「では、そのように。さて、そろそろ制服の試着に向かいましょうか。」
カタン
ラナ先生が立ってシャルさんとカウンターに向かった。
「お会計はラーちゃん持ちでいいのよね?」
「ええ。」
そう言って1枚のカードを取り出した。
「じゃあ、3人分まとめてラーちゃんの講師カードから頂くわよ。」
レジのような機械があるのか、カードを何かにかざして光が見えた。
パアー
ふむ。このやり取り、電子マネーの支払いに似ているかも。支払いの時に犬の鳴き声がするワ○ン♪とか懐かしいな。
「あ、ご馳走様でした。ラ、ブラム先生とっても美味しかったです。」
「ご馳走になりました。」
「どういたしまして。」
あ、店長さんにもお礼を言いたい。
ラナのそばからクルリと振り返ってカウンターのレジ横にいたシャルドラクの方へ歩み寄ろうとしたところで、向こうもアーヤのいるこちらに歩いていた。
「あ、アーちゃん、今呼ぼうと思ってたのよ。良かった。」
「はい?」
「はい、これ。荷物になっちゃうけれど、新作のシフォンケーキなの。良かったら、お土産に持って行って。食べてみた感想を今度聞かせてね。」
ケーキの入った袋を手渡され、ウィンクされた。
「あ、ありがとうございます。私も伝えたかかったことが…あの、先程は冷たいタオルをありがとうございました。
あと、珈琲、とっっても美味しかったです。」
目を見て、笑顔で語るアーヤ。その表情には少し戸惑いが見られるものの、お世辞ではない本心からの言葉のようだとシャルドラクは素直に受け止めた。
「どういたしまして。珈琲、お口にあったのなら何よりだわ。また、いつでもいらっしゃいな。」
「はい!また来ます。」
ペコリとケーキの袋を嬉しそうに見てからお辞儀をしたアーヤ。
近くで見ても綺麗なお姉さん、じゃなかった|お兄お兄さんだったけど、いい人だったな。
店の出入り口の所で待つ二人の元へパタパタと小走りで左右に揺れる長い黒髪は、まるで小動物のテールを思わせ、ついカランカラン♪とドアが閉まるまで小柄な後ろ姿を見送ってしまったシャルドラクであった。
「…アーヤ、せっかくだし、お誘いを受けることにしよう。城にはシュナイゼかレイファンスに先触れを送れば問題ないと思う。」
「じゃあ、お言葉に甘えて行ってもいいんですか?」
「はい。私の方で先触れを送らせて頂きます。」
「ふふ、決まりね。良かったわ。」
「シャルドラクさん。口添えをありがとうございました。」
「ふふ、大したことはしてないわ。お礼なら今度デートするか、シャルって呼んでくれればいいわよ。」
「…わかりました。」
どっちのわかったなのかな?!
二人の会話を見守りながらドキドキするアーヤ。
「では、シャルさんとお呼びすればいいのですか?」
「クスッ、そっちにしたのね。私はそれでも構わないわ。前からそう呼んで欲しかったし。」
「では、そのように。さて、そろそろ制服の試着に向かいましょうか。」
カタン
ラナ先生が立ってシャルさんとカウンターに向かった。
「お会計はラーちゃん持ちでいいのよね?」
「ええ。」
そう言って1枚のカードを取り出した。
「じゃあ、3人分まとめてラーちゃんの講師カードから頂くわよ。」
レジのような機械があるのか、カードを何かにかざして光が見えた。
パアー
ふむ。このやり取り、電子マネーの支払いに似ているかも。支払いの時に犬の鳴き声がするワ○ン♪とか懐かしいな。
「あ、ご馳走様でした。ラ、ブラム先生とっても美味しかったです。」
「ご馳走になりました。」
「どういたしまして。」
あ、店長さんにもお礼を言いたい。
ラナのそばからクルリと振り返ってカウンターのレジ横にいたシャルドラクの方へ歩み寄ろうとしたところで、向こうもアーヤのいるこちらに歩いていた。
「あ、アーちゃん、今呼ぼうと思ってたのよ。良かった。」
「はい?」
「はい、これ。荷物になっちゃうけれど、新作のシフォンケーキなの。良かったら、お土産に持って行って。食べてみた感想を今度聞かせてね。」
ケーキの入った袋を手渡され、ウィンクされた。
「あ、ありがとうございます。私も伝えたかかったことが…あの、先程は冷たいタオルをありがとうございました。
あと、珈琲、とっっても美味しかったです。」
目を見て、笑顔で語るアーヤ。その表情には少し戸惑いが見られるものの、お世辞ではない本心からの言葉のようだとシャルドラクは素直に受け止めた。
「どういたしまして。珈琲、お口にあったのなら何よりだわ。また、いつでもいらっしゃいな。」
「はい!また来ます。」
ペコリとケーキの袋を嬉しそうに見てからお辞儀をしたアーヤ。
近くで見ても綺麗なお姉さん、じゃなかった|お兄お兄さんだったけど、いい人だったな。
店の出入り口の所で待つ二人の元へパタパタと小走りで左右に揺れる長い黒髪は、まるで小動物のテールを思わせ、ついカランカラン♪とドアが閉まるまで小柄な後ろ姿を見送ってしまったシャルドラクであった。
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