夢じゃなかった!?

Rin’

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エスリアール王城 出会い

綺麗なお姉さんはオネエさん?!5

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それにしても………。


あのラーちゃんが微笑んでるわ。ここからでもはっきりとわかるほど表情や雰囲気が柔らかい。

たまに、冷美笑クールビューティースマイルとか作り笑いエセスマイルもあるけれど、そういった表情じゃない自然な微笑みだなんて。

ふうん、何だかけちゃうじゃない。


学院1のクールビューティー(シャルランキング)にあんな顔をさせるなんて、アーちゃんって一体何者?迷客なのはわかるけど。 


シーちゃんもなかなかのクールビューティーね。でもアーちゃんにはずいぶんスウィートな感じ。面白いわ。


そういえば、アーちゃんは何で砂糖とミルクを入れる前にブラックで飲んだのかしら?

結果的に入れて飲んだのだから、苦いままなのは嫌なはず。


「やっぱり苦い」って聞こえてカウンターに戻る前に振り返って見てみれば、意外にも顔は笑ってた。わけがわからなかったわ。


珈琲なんだもの、無糖なら苦いわよ。その後よね、砂糖とミルクを入れてから飲んで泣いたのは。笑っていたし、口に合わなかったようには見えなかったんだけど…どうしてかしら?

シーちゃんがサンドイッチをひとつあげているみたい。小さいのに意外と沢山食べれるのね。


ああ…。

成長期だからかしら?


シャルドラクなりに色々心配していた。

サンドイッチを食べ終え、ケーキにも手をつけ始めた頃、ラナが二人にこの後の予定を説明し始めた。

「休憩後ですが、お二人には制服の試着とサイズ確認をして頂きたいので、準備された控え室に移動します。

その後、入寮する部屋まで一度ご案内して学院見学は終了となります。ブルーローズに戻るのはそれからです。」

「制服…と寮。わかりました。」

制服かぁ。ケーキを食べながらガルシアちゃんの姿を思い出す。

確か、上はぱっと見、落ち着いた色合いで、青みがかったシルバーグレー色のボレロジャケット。ラピスラズリの青をグレーに少し足したような感じだったかな。好きな色だった。

ルヴィくんのは普通のブレザーを長くしたような形だった。膝下位まであったかも。フォーマルな燕尾服に似ていたかな。後ろは尖ってないけど。

ガルシアちゃんのスカートはシルクのように光沢のある白。例えるならパールホワイトかな。ロングなんだけど、幅の広いプリーツスカートだから動きには問題なさそう。裾下は前後で長さが違ってて、少し前の方が短めで後ろが足首位。アクセントなのか水色のラインが入ってた。


白って汚れが目立つから、自前の白い服なんて上下セットの秋冬に使える忘年会用に去年買ったやつぐらいだよ。
スカートで白なんて子供の頃親戚の結婚式で白いレースワンピを着たのが最後だったかな。

ルヴィ君も同じ白いズボン。
確か上のシャツも白で、ネクタイが淡いラベンダー。全体的に品格があって爽やかなイメージだった。


男女ともネクタイ。だからみんなネクタイピンつけるのか。

あ…ネクタイ、結び方、忘れた。高校生の時には簡単なパッチンってできるお手軽ネクタイだったし、自分で結ぶネクタイなんて過去にお父さんのネクタイ借りて学祭で男装した時一回きりだし、もう覚えてないわ。

できるかな…不安だ。


「最後に、ブルーローズの方も無事済んでからお二人のご都合が合えばなのですが、よろしければ本日、お二人の編入祝いとしてある店へ夕食にご招待したく思っていたのですがいかがでしょうか?」

「え?!お祝い、ですか。」

「はい。編入してからでは、なかなかお二人だけ特別にお誘いする機会というのも難しいと思うのです。是非、お連れしたいホウライという店があります。」

「お気持ちは嬉しいのですが、ブラム先生にばかり甘えてしまってもよいものか。」

「そうです。嬉しいですけど、ご迷惑じゃ。」

「やはり、私からの誘いは迷惑でしたか…。」

しゅん…どよ~ん


「う…どうしよう。」

「…………………。」



「行ってらっしゃいよ。せっかくラーちゃんがおごってくれるって言うんだから、食べてきたらいいじゃないの。」

「シャルさん?」


「ごめんなさいね?横から口出しして。でも、ホウライって言ったら王都1、有名なワショクレストランでしょう?」

「ワショク?」


「そうです。アーヤさんの知るワショクです。」

「ワショク、わしょく、和食!?」

「招待って誘う位だからきっと、ラーちゃん予約だってしてるんでしょう?」
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