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番外編7(2024年文披31題)
18・蚊取り線香(蚊取り線香)
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「そろそろ蚊が出てきたわね……」
先程蚊に足の甲を刺された寧々は小さな膨らみに薬を塗る。ちなみに蚊に刺されたところも外傷と認識されるらしく、星音の能力で治せるのだが、流石にそんなものに能力を使わせることはしない。
「ていうか電気のやつ切らしてるじゃない……」
この時間から買いに出かけるのも億劫だ。寧々は昨年しまっておいた渦巻き型の蚊取り線香を取り出した。
「ねえ、さっき蚊に指刺されたんだけど……」
ちょうど火をつけたところで由真が入ってくる。由真は火のついた蚊取り線香を見て何かを察したらしかった。
「足の甲とか指とかって刺されると地味に痒いわよね」
「痒くならないように刺して欲しいよね」
「蚊は血を吸うときに唾液を出すんだけど、それが痒みの原因らしいのよね。でも刺されたときの痛みを麻痺させてもいるらしいわよ」
「その場で痛み感じたらやっつけられちゃうからか……」
由真はそう言いながら、徐々に白い部分を広げていく蚊取り線香を見ていた。
「そう考えると上手くできてるんだなぁ」
「そういう反応する人珍しいわね……」
一見意味がないようなことにも理由があったりする。それについて考えを巡らすことができる由真のことが寧々は好きだ。けれどそれは口に出さず、蚊取り線香の渦巻きが少しずつ灰に変わっていくのを見つめていた。
先程蚊に足の甲を刺された寧々は小さな膨らみに薬を塗る。ちなみに蚊に刺されたところも外傷と認識されるらしく、星音の能力で治せるのだが、流石にそんなものに能力を使わせることはしない。
「ていうか電気のやつ切らしてるじゃない……」
この時間から買いに出かけるのも億劫だ。寧々は昨年しまっておいた渦巻き型の蚊取り線香を取り出した。
「ねえ、さっき蚊に指刺されたんだけど……」
ちょうど火をつけたところで由真が入ってくる。由真は火のついた蚊取り線香を見て何かを察したらしかった。
「足の甲とか指とかって刺されると地味に痒いわよね」
「痒くならないように刺して欲しいよね」
「蚊は血を吸うときに唾液を出すんだけど、それが痒みの原因らしいのよね。でも刺されたときの痛みを麻痺させてもいるらしいわよ」
「その場で痛み感じたらやっつけられちゃうからか……」
由真はそう言いながら、徐々に白い部分を広げていく蚊取り線香を見ていた。
「そう考えると上手くできてるんだなぁ」
「そういう反応する人珍しいわね……」
一見意味がないようなことにも理由があったりする。それについて考えを巡らすことができる由真のことが寧々は好きだ。けれどそれは口に出さず、蚊取り線香の渦巻きが少しずつ灰に変わっていくのを見つめていた。
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