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番外編7(2024年文披31題)

2・求人広告(喫茶店)

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 高校進学を機に、バイトでも始めようと思った。求人サイトをぼんやりと眺めているが、ピンと来るものがない。そもそも能力者というだけで採用されないなんていう話もある。あんまり意味のないような些細な能力だってあるのに。星音は溜息を吐いた。
「あー、これか? 能力者歓迎……」
 たまにそういう求人もある。能力者が多い地区の店などによくある。星音はその特集ページを見ながら、悪くなさそうな求人にチェックをつけていった。
「制服かわいいところとかええな。あとまかない出るとこ……ん?」
 画面に一瞬ノイズが走る。しかしそれは一瞬で消えたため、星音は気のせいだろうと結論付けた。
「喫茶店かぁ。制服かわええなここ。能力者歓迎、時給もそこそこ……治癒系能力を探してる?」
 喫茶店で何でそんな能力が必要なのか。多少疑問に思ったが、星音はその求人から目が逸らせなくなっていた。星音は人の外傷を治すことができる。それがこの店なら役に立つかもしれないのだ。
「……ま、応募だけならタダやし」
 そもそも喫茶店での仕事に多少憧れもあったのだ。星音は寝転がりながら、あまり深く考えずに早速応募ボタンを押した。

***

「あれね、一部の治癒系能力者にだけ表示される求人票だったのよ」
「そんなことできるんや」
「できるけど、本当はやっちゃダメなやつだよ」
 寧々があっさりと犯罪行為を告白する。でもそれがあったからこそ今の星音があるのは事実だ。喫茶アルカイドのバイトを始めてから危険なことに巻き込まれることも増えたし、美味しいスイーツで体重も増えてしまった。それでも応募ボタンを押したことを後悔したことはない。
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