上 下
80 / 130
運命の白き焔

5・運命は何を想う

しおりを挟む
「……ここは……?」
 ぼんやりと由真の視線がさまよう。まだどこか虚ろな目が寧々の姿を捉えた瞬間にわずかに細められる。
「あなたは……?」
「私は渚寧々。なんでここにいるのか説明すると少し長くなるんだけど――」
 寧々は簡単にこれまでの経緯を説明した。北斗の家に警察が乗り込もうとしていたこと。そのときに能力解析ができる寧々が先に侵入したが、そのときにはもうすでに由真以外生きていない状態だったこと。そしてそこから唯一の生存者である由真を救い出したこと。由真は静かにその話を聞いて、ぽつりと呟いた。
「生き残ったのは、私だけ……」
 その声の響きに寧々は目を瞠る。もし彼女が事件を起こした張本人なら、こんな声は絶対に出さない。彼女は犯人ではない。
「表の方の子たちはどうなったの?」
 表、という言葉が何を指すのか一瞬わからなかった。けれどすぐに隠れ蓑にしていた児童養護施設のことを言っているのだと寧々は気が付いた。そこにいた子どもたちもすべて能力者だったと考えると、寧々が入り込んだ段階で死んでいたと考えて差し支えないだろう。その上寧々がすべてを燃やしてしまったのだから、助かった子供は一人もいないはずだ。
「……私達がもう少し早く行ければよかったのかもしれないけど」
 由真はそれ以上何も尋ねようとはしなかった。普通もっと聞くべきことがあるだろう。彼女は自分自身のことは一つも聞こうとしない。寧々はナースコールを使って歩月を呼び出しながらも、俯く由真を見つめた。
「これから歩月先生からも話があると思うけど……自分がどういう状態なのかはわかってる?」
「……だいぶ体は楽になった気がするけど」
「瀕死の状態のときと比べないでくれるかな……」
 受け答えはぶっきらぼうだけれどできている。精神汚染に対する耐性が高いのは本当だったようだ。そうでなければ、そもそも目を覚ましたかどうかすらわからないのだ。そうしているうちに歩月がやってきて、質問をする役割は彼女に交代することになった。
「バイタルは安定しているわね。汚染の度合いがかなり強かったから、毒抜きはあと二回はやらないといけないけど。今までは意識がなかったからよかったけど、起きている状態でやると相当痛いのよね」
「……痛いのは耐えられる方だから」
 そうは言っても歩月の能力は特殊訓練を受けた屈強な男が叫ぶほど痛いことで有名だ。舐めていると文字通り痛い目に遭う。寧々がそう思っていると、歩月が能力を使うための鍼を用意し始めているのが見えた。
「え? 今からなの?」
「本人に意識があったほうが本当はやりやすいのよ。だから麻酔も使ってないんだし」
「起きたばっかりなのに……」
「申し訳ないのだけど、悠長なことは言ってられなさそうなのよ。警察はあなたから事情を聞きたがっているし、そのせいで私は悠子に泣きつかれるし」
 悠子は「意識が戻らず話を聞ける状態じゃない」と言っているらしいが、他からせっつかれて大変な思いをしているらしい。しかも作戦が失敗した上に火災で全部が灰になってしまったことも責められているらしい。同情はするが、火災に関しては寧々がやったことだ。それなのに白々しく同情の言葉を口にすることはできなかった。
「私は大丈夫。痛みには強い方だし」
「でも想像より痛いわよ、きっと」
 歩月はうつ伏せになった由真の背中に鍼を刺していく。その一つ一つに触れて能力を使用し始めた瞬間、由真の顔が僅かに歪んだ。治療されているのにまるで拷問のような痛さだとさえ言われる歩月の能力に声一つ上げなかった人は初めてだった。それには歩月も驚いたようだ。当然だ。痛みに耐えるような訓練を受けている人間すら叫ぶ程の痛みなのだ。痛みに強いという次元ではない。これまでにいったい何があったのか。そう尋ねたくなるほどの異常な事態だった。
「これでしばらく待ってから鍼を抜けば大丈夫。少し楽になるわよ」
「……毒ってどこまでが毒なの?」
「そうね……あなたが毒だと認識する全て、かしら。だから意識があったほうが使いやすいのよ。取り除いてはいけない毒というのもあるけれど、それは私には判断できないから。明らかに生命を脅かすようなものは意識がなくてもやってしまうけれど」
 由真はどうしてそんなことを聞くのだろうそう思いながら二人のやり取りを見守っていると、ポケットに入れた携帯電話が鳴った。寧々は歩月に断ってから病室を出て、通話ボタンを押す。
「どうしたの、悠子」
『あの子の様子を聞きたくて。さっき歩月先生の電話にもかけたんだけど繋がらなかったから』
「先生ならちょうどその張本人の治療中。さっき目を覚ましたのよ」
『意識が戻ったのね? ……よかった』
 悠子の場合は本当に他意なく言っているだろう。けれど警察全体の意見は違う。誰もが由真の口から真実を聞きたがっていた。作戦を潰される形になった機動隊は言わずもがなだ。
『様子はどうなの?』
「話はできるよ。ただあの日のことが話せるかはわからないわね」
『寧々はどう思っているの? 本当にあの子が――』
「……まだわからない。けれど、違うんじゃないかなって思ってる」
 悠子は、いずれ病院に行くと思うと言って電話を切った。事情を聞きに来るのだろう。けれど自分のことよりも他の人間の安否を真っ先に聞くような人に、あの日の話をさせていいものだろうか。寧々は病室に戻り、歩月の能力の作用で眠くなってしまったらしい由真の顔を見ながら、これからどうすべきかを考えていた。



 本当は由真の体調のことも鑑みて長めに入院させておくつもりだった。けれどそれが終わる日は予想よりも早く来てしまった。
「――ったく、仮にも十代の小娘を寄ってたかって追いかけやがって」
「かなり大きな事件だっだからね。もう私たちなんかより情報を集めちゃって」
 由真を病室に残し、寧々と歩月は病院の自販機コーナーで話をしていた。由真がこの病院に入院していることをマスコミなどが嗅ぎつけたらしい。病院にも記者が詰め掛けたが、もちろん由真が一歩も外に出ていないから由真に話を聞くことはできていない。けれど過去の由真のことを色々と調べ上げて、まことしやかな真実を書いていた。寧々たちはそれによって、由真がいまだに見せていない彼女の能力を知ることになった。
「能力が特殊だっていうのも厄介よね。無能力者に対しては何もできないとはいえ」
 外科手術などではどうやっても取り出せない能力者の種を取り出し、壊すことができる力。それは以前ハルから聞いていた『七星』の一人の能力と同じだった。
「由真はこれ以上ここに迷惑をかけたくないとは言ってるんだけど」
「でもまだ体調が安定していないのよね……時々能力が押さえきれなくなるみたいで」
 あの日、由真に何が起きていたのかはわからない。この数日、寧々は左目を駆使して由真を見ることに努めた。そのなかで見えてきたものもある。
「暴走には至ってない……けれど、限りなくそれに近い状態でとどまっている……ように見えるわ。ハル姉に頼んで、能力を制御するための装置も作ってもらってるけど、能力が特殊なのもあってすぐには難しいみたいで」
「だから本当は退院させたくないんだけど……家には帰りたくないようだし」
「そもそも親に会おうともしてないからね……流石にそれで親元に返すのもどうかと思うし」
 由真の両親、そして兄は何度か面会に訪れてはいたが、由真は一度一人で来た兄に会ったきり、家族とは顔を合わせようとしなかった。その理由を由真が口にしたことはない。けれどいつもそのあとで能力が抑えきれなくなって苦しむことになる。表面上は優しい家族に見えるが、由真の方は何か思うところがあるのだろう。
「まあでも……一族のほとんどが無能力者なのに一人だけ能力者とか針の筵でしょうしね。由真さえいいと言えばうちで預かる話はついてる……っていうかハル姉がつけてくれたんだけど」
 由真が嫌がっているとは言わずに、能力の不安定さを理由に押し切ったらしい。能力者事件の調停人なんていう胡散くさい仕事の人間――人間ではないが――の言葉をよく信じてくれたものだ。面会を拒んでいる理由もどうやらそれになっているらしい。実際のところは感情が大きく乱れることがなければある程度は安定しているのだが。
「ひとまず近日中にうちで引き取るのが一番いい形になるかもしれないわね……」
「そうしたら今度はそっちに取材とか行くんじゃない?」
「うちは慣れてるもの。うちの店の口コミ評価見たことある? 星1なんだからね」
 味以外で評価されているのは喫茶店としては不本意だが、そんな評価をいちいち気にしてはいられない。逆に能力者が集まる店になってきているのは好都合とも言える。
「いずれにしても退院の準備は進めなきゃいけなさそうね……。気が進まないけれど、他の患者さんもいるし……」
 寧々と歩月が何度目かの溜息を吐いた瞬間、歩月の胸ポケットに入れている院内用の電話が鳴った。
「え? 急患? ……わかった、すぐ行くわ」
 歩月が慌てて動き出す。寧々も少し遅れてその後を追った。この病院において、急患に対応するために歩月が呼び出されるのは、大体が能力者絡みだ。正面玄関ではなく通用口で数人の看護師が寧々と同じくらいの年齢の少年をストレッチャーに乗せている。
「歩月先生、この子は――」
 寧々にはわかってしまう。もう手遅れだ。種の中にあるものが漏れ出してきてしまうのが暴走状態で、それが進行すると多くの人は身体の方が先に耐えきれなくなって死んでしまう。目の前の少年の場合は、その能力も災いしていた。自分の体内で毒を作り出す能力。それが暴走してしまえば、当然本人の身体が蝕まれていく。歩月は少年に鎮静剤を打ってから、その首筋に軽く触れた。
「毒は遅効性でそれほど強くはない――けど」
 少年の母親らしき女が泣き崩れている。暴走の原因はわからないが、もう彼女にもわかっているのだろう。もう彼を助ける方法はない。このまま眠らせ、別室に隔離しながらその死を待つしかない。そう寧々が結論付けたその瞬間、背後から足音が聞こえて寧々は振り返った。
「由真……」
「その人――」
「……残念だけど、もう助からない」
 由真はその言葉を聞かずに、少年にゆっくり近付いて、その場にいた誰も止める間もなく少年の上半身を起こしてその背中に触れた。何をするつもりなのかと寧々が尋ねる前に、少年の背に触れている部分が白く淡く光り、胡桃のような形をした小さな赤いものが取り出される。それはひっきりなしに黒い煙のようなものを吐き出していた。
 由真が何かを呟き、それを強く握り締める。その瞬間、寧々の目は少年から能力者特有の赤い光が消えるのを見た。まるで無能力者になってしまったかのようだ。
「今、何を……」
「この人の種を取り出して、壊した。だからもう暴走が原因で死ぬことはない。毒の方は私にはどうにもできないけど」
 ハルが言っていた。種に干渉する能力の持ち主であれば、重度の暴走状態に陥っている人でも助けることはできると。種が壊されれば能力は失うことになるけれど、命だけは繋ぐことができる。そしてその通りの事態を寧々はたった今目の当たりにしたのだ。
「処置室に運んで。すぐに毒抜きするから」
 歩月はすぐに冷静に戻って指示を出す。取り残された寧々と由真は無言で向かい合った。
「――ありがとう、助けてくれて」
 由真がいなければ助けられなかった。寧々はそう思って素直にその言葉を口にする。しかし由真は静かに首を横に振った。
「私はやりたいことをやっただけ。私は――誰のことも助けられはしない」
 その暗い声に、絶望を孕んだ声に、寧々は何も言えなくなった。何と声をかけるべきなのか。悩みながら由真を見つめた寧々は、その左手に赤い筋が描かれていくのに気が付いた。
「っ……由真、その血」
 赤色を辿るようにその服を捲り上げる。その左腕には無数の傷痕があり、その上に真新しく深い傷ができていた。
「能力の、代償なの……?」
「……そうみたい。種を壊す度に傷ができる。相手が抵抗しなければ傷も浅いけど……さっきの人は、本当は能力を失うことを望んでいなかった」
 相手が抵抗しなければ傷は浅い。つまりその逆の場合は傷は深くなる。由真の傷は明らかに深かった。それは未だに血が止まる気配がないことからもわかる。
「代償があるってわかってたのに……使ってくれたのね」
「そんなんじゃないよ、私は」
「由真が何を思おうと、死んでしまうよりはよかったって、私は思う。とりあえずその傷何とかしないと」
 寧々は由真の手を引いて処置室の扉をノックした。看護師の一人が扉を開ける。寧々は何も言おうとしない由真をちらりと見てから、ことの経緯を説明した。歩月は由真の傷を見てから、看護師の一人に声をかける。
「縫うほどの傷ではないから、止血して、あとは経過を見るわ。……それにしても、本当に痛みに強いのね」

 これまで何があったのだろうかと聞きたくなるほどだ。普通ならもっと痛そうな顔をしてもいいだろうに、一瞬も痛みに顔を歪めるようなことはなかった。
「けれど怪我をしたときはすぐに言ったほうがいいわ。大したことのない傷が化膿して大変なことになってしまうこともあるんだから」
 歩月の言葉に、由真はおずおずと頷いた。寧々は処置室を出て由真を病室に送って行きながらも、何を話せばいいか迷っていた。
「――ハルさんから聞いたんだけど」
「うん」
 先に口を開いたのは由真だった。ハルは一体何を話したのだろうか。訝しく思いながらも次の言葉を待つ。
「寧々とハルさんがしている仕事のこと。能力者関係の事件を解決するなんでも屋みたいなものだって」
「まあ、その理解で概ね間違ってはないけど」
「……私でも、その仕事を手伝える?」
「え?」
 寧々の頭が一瞬ついていけなかった。それは予想外の言葉だった。由真の能力は確かに有用だが、危険を伴う仕事をやらせようとは思っていなかった。まして代償がほとんどない能力ならいざ知らず、その左腕に残る傷を見たあとでその能力を使えと言える人はほとんどいないだろう。
 力を使えばその身が傷つく。それは本人もわかっているはずだ。自分の体はどうなってもいいとでも思っているのだろうか。
「――駄目よ」
 だから寧々は、突き放すようにそう言った。
 自分勝手だとはわかっていた。けれど由真が傷つくところを見たくはなかった。何しろずっと探し続けてきた運命なのだ。本当なら宝箱にでも入れて鍵をかけてしまっておきたい。しかしそんな不自由さが似合う人でないこともわかっていた。彼女は自由で、しなやかで、どこにでも飛んでいけそうな強さをまとっているべきだ。
「理由を聞いてもいい?」
「今の由真は能力があまりにも不安定すぎる。そんな人を戦いの場に連れてはいけない。まあ……喫茶店の仕事の方なら手伝ってくれてもいいんだけど」
 正直ハルと二人で店を回すのには限界がある。何よりハルが店を空ける時間もそれなりにあるのだ。そして寧々とハルが急な事件のために現場に行かなければならないとき、店はどうしても休みになってしまう。店を手伝う人間も必要だったのは事実だ。
「……そう」
「どうして手伝いたいって思ったの?」
「何となく……その仕事なら、私でも誰かを助けられるんじゃないかと思って」
 人が誰かを助けたいと思うとき、その奥では本当は自分が救われたがっている、という話を聞いたことがある。もしかしたら由真もそうなのだろうか。北斗の家で何があったかはわからない。けれど幸せな状態ではなかっただろう。おそらくはそこに行く前も。そうでなければ、家族のことを拒んだりはしない。話を聞く限り、そして由真の持つ能力の特殊さを考えれば、彼女がほとんど誘拐に近い状態であの施設に連れて行かれたのだろうと推測することはできた。
「今はまだ、首を縦に振ることはできないわ。でもいつか、もう一度そう思ったときはそのときにもう一度考える」
「……わかった」
「ところでさっきの質問は、うちに住むことを決めたってことでいいのよね?」
 由真は頷く。由真が家に戻るのであれば、寧々たちの関係はここで一旦切れることになっていた。けれどその仕事を手伝いたいと言い出したということは、寧々たちと関わり続けていくことを選んだということだ。
「それなら、私からも話しておかなければならないことがあるわ」
 寧々はそう言って、これまでの経緯を簡単に説明した。寧々の使命――もう一人の自分に託された由真のことについては隠したまま、ハルが人間ではないこと、寧々の最終的な目標が七つの人工知能を手中に収め、世界を変えることであること。そして北斗の家で寧々がしたこと。由真はそれについて静かに聞いていたが、最後にぽつりと零した。
「……寧々も、人を殺したことがあるのね」
「そうよ。『も』ってことは、由真もあるの?」
「みんなそう思ってるんでしょ?」
 明確な答えではなかった。けれど問いの時点で答えはわかっていた。理由はどうあれ、人を殺したことがある。しかし彼女は私利私欲のために人を殺せるような人ではない。それなら寧々のほうが余程――だから、寧々は口元に笑みを浮かべる。
「大丈夫よ。全部燃やしてしまったのだから、あなただろうが他の誰かだろうが、もう誰にもわかりはしないわ」
「――もし本当に私がやったとしたら、寧々はそれを隠蔽した共犯になるよ?」
「わかってるわよ。そのときは私たち二人、一緒に罪を背負えばいいわ」
 由真はそれ以上何も言わなかった。けれどその表情はどこか安心しているようにも見えた。本当はどうなのだろう。由真と過ごしているうちに、彼女が犯人ではないと思うようになってきた。けれど時折その罪を背負っているような顔をする。いずれにしろ寧々自身が全てを灰にしてしまった以上、由真が口を開かないうちは真実は明らかにはならないのだ。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

俺に着いてこい〜俺様御曹司は生涯の愛を誓う

恋愛 / 完結 24h.ポイント:56pt お気に入り:15

いとなみ

現代文学 / 連載中 24h.ポイント:1,691pt お気に入り:16

瞬間、青く燃ゆ

ライト文芸 / 完結 24h.ポイント:1,663pt お気に入り:149

雨上がりの虹と

ライト文芸 / 完結 24h.ポイント:113pt お気に入り:33

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:6,682pt お気に入り:1,618

猫と幼なじみ

ライト文芸 / 完結 24h.ポイント:426pt お気に入り:249

流されドスケベ!まひろさん ~よくある!AVインタビュー!~

BL / 完結 24h.ポイント:35pt お気に入り:23

【完結】四季のごちそう、たらふくおあげんせ

ライト文芸 / 完結 24h.ポイント:170pt お気に入り:19

お前が欲しくて堪らない〜年下御曹司との政略結婚

恋愛 / 完結 24h.ポイント:156pt お気に入り:13

出会い系で知り合ったのが会社の同僚だった話

BL / 完結 24h.ポイント:468pt お気に入り:827

処理中です...