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第1話 糊・1
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新しい糊を買ってこなければならない。いつも使っている糊は切り抜きの三辺分しか残っていなかった。これでも貼り付けるには十分ではある。白いノートに新聞の切り抜きを貼り付けた私は、そこに書かれている小さな文字を目で追い始めた。
数日前に大阪で起きた殺人事件。現行犯逮捕された犯人はまだ十四歳の少女で、そのことが世間を大きく騒がせている。記事には少女の証言や、少女の部屋から押収されたノートに書かれていた言葉が並べられていた。殺すのは誰でもよかった。ただ人を殺してみたかった。悪びれなくそう語る姿は多くの人の批判にさらされ、当の本人が不在のまま、彼女のプライベートも含め様々なことが語られている。
このノートももう十冊目だ。始めたのは中学生になった頃だった。糊が足りなくて浮いた下の一辺を指先で弄んでいると、部屋のドアがノックされた。私はノートを引き出しにしまってからドアを開ける。
「何だ、お兄ちゃんか」
兄の遼の姿を認めた私は、深い溜息を漏らす。兄だったらノートを隠す必要はなかったのだ。
「何か用?」
「用ってほどの用はないけど」
兄を部屋の中に招き入れ、ベッドの上に座らせる。私は引き出しからノートを取り出して兄に尋ねた。
「お兄ちゃん、糊持ってる?」
「テープのりなら部屋にあったと思うけど」
「あとで貸して」
言いながらノートに貼った新聞記事を読んでいると、兄が私の横に立った。相変わらず熱心だとでも思っているのだろうか。少し長い前髪に隠されているはずなのに、兄がどこを見ているのだけははっきりとわかる。兄は私の手元をじっと見つめていた。
「変なことしてるって思ってる?」
「いや。世の中にはそれを一生懸命研究してる人だっているし、変なことではないと思うけど」
兄はいつもそう言う。けれど私がやっていることが世間的には変なことであるというのはわかっていた。この行為が母親に知られたとき、母は夜中に私を心配して泣き、それから私への態度が変化した。私はそれだけのことをしている。人を殺してしまった少年たちのことをひたすら調べているなんて、親からしてみれば心配の種でしかなかったのだろう。
ただ誰かを殺したかった。相手は誰でもよかった。そんな理由で人を殺す人がいれば、いじめに耐えかねて人を殺す人もいる。後者には同情の声が聞かれることもあるが、前者は大概批判される。けれど私にとっては動機は何でもよかった。幼くして人を殺してしまった人たちに惹かれていただけだ。
「詩乃」
ノートの上に置かれた手に、兄の手が重ねられる。こういうとき、私はいつもこの人を殺してしまいたいと思う。いつもつけている人差し指の指輪は既に外されている。結婚指輪でもないし、恋人がいるわけでもない。ただつけたいからつけているだけのものを外すのは、私の体に傷をつけないためだ。けれどこれから始まる行為のことを思えば、指輪ごとき何なのだろうと思ってしまう。ひどい矛盾だ。死ねばいいのに、と心の中で悪態をつきながら、それでも私は黙ってそれを受け入れた。
指が絡む。うなじに柔らかいものが触れて、肩に少し重みがかかった。私の手から離れたもう一つの手が腕をゆっくり昇っていき、鎖骨をなぞって、襟口から服の下に入り込む。その手の冷たさに声が漏れた。背もたれに体を預けると、十五年は使っている椅子が軋むような音を立てる。体の芯がびくりと震えて、足の間に熱を感じた。
ああ、もう少しで読み終わるところだったのに。五分も待てないのか。私の目は諦めて閉じたノートの表紙をまだ追っていたけれど、不躾な指はそんなことはお構いなしに私の中に入り込んだ。
何でこんなことをしているのだろうかという思いと、思考を押し流すような熱が同時に襲ってくる。一緒に暮らしている母親の目を盗んでやっている行為に愛なんて甘いものはない。でも性欲処理だと片付けるには優しすぎる。視線だけで兄をベッドに誘い込み、ワイシャツの前を開けた兄の胸板に手を置いた。
深い色の瞳が獣の色を帯びる。兄が何を考えているかなんて知らないし、知ろうとも思えない。私に利益がなければこんな行為はとっくにやめている。体がふわりと浮くようなこの感覚は嫌いではない。高いところから落ちたときの不安定さと、落ちた先に柔らかく体を受け止める物があるという確信。でも私たちの行為が正しくないということは言われなくてもわかっている。だが、わかっていても止められるようなものではなかった。
一連の行為が終わって、兄は避妊具の先に溜まった白い徒花を一瞥してから、万が一にも見つからないようにとそれを慎重に処理する。三年もこんなことをしていればお互いに慣れてしまう。三年経ってもわからないのは、何のきっかけがあってこれが始まったのかということだけだ。どうせろくな理由ではないのだろう。聞かない方がきっといい。いじめられた子供が復讐のために人を殺すのと、ただの興味本位で人を殺すのとは、全然違うように見えても人殺しという点では同じなのだ。動機が何であれ行為そのものには変わりはない。
死んでしまえばいいのに。そう思いながら乱れた服を直す。今ここで私がナイフでその喉を切り裂けば、兄は死んでくれるだろうか。毎度そう考えるわりには、私の手は一度も動いたことがない。
「人を殺してみたかったんだってさ」
「ああ、大阪の事件か?」
私は頷いた。どうして兄にそんなことを話したのかは自分でもよくわからなかった。言ったって理解されないことは母親を見ていればわかる。それが普通の反応だ。自分の子供がそんなことに興味を持てば、それを実行に移すのではないかと不安に思うのは当然だろう。
何よりも私が、いつか自分が人を殺してしまうかもしれないと思っている。この指はいつも死へと惹かれていく。兄はざわめく私の指をなだめるように、私の手を握り込んだ。
「そんな理由で人を殺す人も、酷いいじめに遭って追い詰められて人を殺してしまう人も、子供というだけで同じ法律で守られる」
SNSやニュースサイトへのコメントを見れば、それに不満を持っている人が多くいることがわかる。子供だって悪いことをしたら大人と同じように裁かれるべきだ。ましてや人を殺してみたかったなんて理由で殺人を犯す人間なんて死刑になればいい、くらいのことは平気で書き込まれている。彼らはきっと一度も自分が人を殺すかもしれないという恐怖に怯えたことがないのだろう。そしてそんな恐怖に怯えながらも、まだ何もしていないから捕まっていないだけの人間が隣にいるかもしれないと思ったこともないのだろう。
私はもう二十一歳だ。守られる年齢ではない。昔の法律でももう大人だ。それでもずっと、私の中には彼らと同じものが棲み着いたままだ。誰かが人を殺す度に、どうしてあの頃の私は人を殺すためにナイフを持たなかったのだろうと考えてしまう。
「そうだ、詩乃」
兄が私の指を親指でなぞりながら唐突に話題を変える。この話に着地点なんてないとわかっていたのだろう。
「来月から一人暮らしすることにしたから」
「何でいきなり」
「知多の方に異動になって、職場が少し遠くなるんだ。通えなくはないんだけど、まあ俺もいい年だし」
いい年とは何歳からか。何歳になったら親元から離れて独立したほうがいいことになるのだろうか。職場と家が遠くなるというのはきっかけとして十分だろうけれど、その異動の話がなければ兄はいつまでもこの家にいたのだろうか。それとも今度は結婚を理由にしてここを出て行ったのだろうか。私はベッドに倒れ込んで天井を見上げる。
「恋人でも出来た?」
「恋人がいるのに妹に手を出してたらやばい人だろ」
「やばい自覚はあったんだ」
「こんなことは終わらせた方がいいって、俺もわかってるんだよ」
私はベッドサイドに置いていた赤いマニキュアの瓶を兄に投げつけた。分厚い瓶は床に落ちても割れずにフローリングの上を転がる。
「死ねばいいのに」
頭を押さえたまま私を見つめる兄の目からは、どんな感情も読み取れなかった。自分で始めたことのくせに何を言っているのか。三年もこんなことを続けてきて、今頃別々に暮らして耐えられるのか。今ここで兄の首を絞めてやったらどうなるのだろう。苦痛に歪む表情をその整った顔に重ねながら、私は床に転がったマニキュアの瓶を拾った。私はその一部始終を目で追っていた兄から、わざと顔を背けて尋ねる。
「で、住むところは決まったの?」
「部屋はもう決まった。見るか?」
「いや、いい。どうせ行かないと思うし」
「遊びに来ればいいと思うけど」
遊びに行くような距離ではない。近すぎるのだ。会うだけなら兄の方が来ればいい。わざわざ会いに行くような関係でもない。
「遊びに行く用事がないんだけど」
「あれ、俺が預かってようか?」
兄が机を指差して言う。机の上には閉じられたノートが置いてあった。
「一人暮らしの家なら見つからないって?」
「見つからないようにしてるのは知ってるから」
「こんなことより、お兄ちゃんがやってることの方が見つかったらまずいと思うけど」
母は泣くどころの騒ぎではないだろう。でもこれももう少しで終わるのだろう。兄が一人暮らしを始めたら、私達が墓場まで持っていく秘密は、箱にしまわれた過去になるかもしれない。
兄の都合で始まったことは、兄の都合で勝手に終わらせられる。私は秘密からようやく解放されるはずだった。私の秘密なんて大したことはない。そもそも子供の頃に一度知られてしまったことだ。人を殺した子供の記事を集めたところで、それ自体は何の罪にも問えないのだから。
私が母に隠れてやっていることも、かつてそれが母に見つかったときのことも知っているはずの兄は、一度も私に聞いてきたことがない。私はそれに対する答えをずっと用意しているのに。
人を殺したいと思っているのか?
兄にそう聞かれたなら、私はこう答えるだろう。
私はあなたのことを殺してみたいのだ、と。
数日前に大阪で起きた殺人事件。現行犯逮捕された犯人はまだ十四歳の少女で、そのことが世間を大きく騒がせている。記事には少女の証言や、少女の部屋から押収されたノートに書かれていた言葉が並べられていた。殺すのは誰でもよかった。ただ人を殺してみたかった。悪びれなくそう語る姿は多くの人の批判にさらされ、当の本人が不在のまま、彼女のプライベートも含め様々なことが語られている。
このノートももう十冊目だ。始めたのは中学生になった頃だった。糊が足りなくて浮いた下の一辺を指先で弄んでいると、部屋のドアがノックされた。私はノートを引き出しにしまってからドアを開ける。
「何だ、お兄ちゃんか」
兄の遼の姿を認めた私は、深い溜息を漏らす。兄だったらノートを隠す必要はなかったのだ。
「何か用?」
「用ってほどの用はないけど」
兄を部屋の中に招き入れ、ベッドの上に座らせる。私は引き出しからノートを取り出して兄に尋ねた。
「お兄ちゃん、糊持ってる?」
「テープのりなら部屋にあったと思うけど」
「あとで貸して」
言いながらノートに貼った新聞記事を読んでいると、兄が私の横に立った。相変わらず熱心だとでも思っているのだろうか。少し長い前髪に隠されているはずなのに、兄がどこを見ているのだけははっきりとわかる。兄は私の手元をじっと見つめていた。
「変なことしてるって思ってる?」
「いや。世の中にはそれを一生懸命研究してる人だっているし、変なことではないと思うけど」
兄はいつもそう言う。けれど私がやっていることが世間的には変なことであるというのはわかっていた。この行為が母親に知られたとき、母は夜中に私を心配して泣き、それから私への態度が変化した。私はそれだけのことをしている。人を殺してしまった少年たちのことをひたすら調べているなんて、親からしてみれば心配の種でしかなかったのだろう。
ただ誰かを殺したかった。相手は誰でもよかった。そんな理由で人を殺す人がいれば、いじめに耐えかねて人を殺す人もいる。後者には同情の声が聞かれることもあるが、前者は大概批判される。けれど私にとっては動機は何でもよかった。幼くして人を殺してしまった人たちに惹かれていただけだ。
「詩乃」
ノートの上に置かれた手に、兄の手が重ねられる。こういうとき、私はいつもこの人を殺してしまいたいと思う。いつもつけている人差し指の指輪は既に外されている。結婚指輪でもないし、恋人がいるわけでもない。ただつけたいからつけているだけのものを外すのは、私の体に傷をつけないためだ。けれどこれから始まる行為のことを思えば、指輪ごとき何なのだろうと思ってしまう。ひどい矛盾だ。死ねばいいのに、と心の中で悪態をつきながら、それでも私は黙ってそれを受け入れた。
指が絡む。うなじに柔らかいものが触れて、肩に少し重みがかかった。私の手から離れたもう一つの手が腕をゆっくり昇っていき、鎖骨をなぞって、襟口から服の下に入り込む。その手の冷たさに声が漏れた。背もたれに体を預けると、十五年は使っている椅子が軋むような音を立てる。体の芯がびくりと震えて、足の間に熱を感じた。
ああ、もう少しで読み終わるところだったのに。五分も待てないのか。私の目は諦めて閉じたノートの表紙をまだ追っていたけれど、不躾な指はそんなことはお構いなしに私の中に入り込んだ。
何でこんなことをしているのだろうかという思いと、思考を押し流すような熱が同時に襲ってくる。一緒に暮らしている母親の目を盗んでやっている行為に愛なんて甘いものはない。でも性欲処理だと片付けるには優しすぎる。視線だけで兄をベッドに誘い込み、ワイシャツの前を開けた兄の胸板に手を置いた。
深い色の瞳が獣の色を帯びる。兄が何を考えているかなんて知らないし、知ろうとも思えない。私に利益がなければこんな行為はとっくにやめている。体がふわりと浮くようなこの感覚は嫌いではない。高いところから落ちたときの不安定さと、落ちた先に柔らかく体を受け止める物があるという確信。でも私たちの行為が正しくないということは言われなくてもわかっている。だが、わかっていても止められるようなものではなかった。
一連の行為が終わって、兄は避妊具の先に溜まった白い徒花を一瞥してから、万が一にも見つからないようにとそれを慎重に処理する。三年もこんなことをしていればお互いに慣れてしまう。三年経ってもわからないのは、何のきっかけがあってこれが始まったのかということだけだ。どうせろくな理由ではないのだろう。聞かない方がきっといい。いじめられた子供が復讐のために人を殺すのと、ただの興味本位で人を殺すのとは、全然違うように見えても人殺しという点では同じなのだ。動機が何であれ行為そのものには変わりはない。
死んでしまえばいいのに。そう思いながら乱れた服を直す。今ここで私がナイフでその喉を切り裂けば、兄は死んでくれるだろうか。毎度そう考えるわりには、私の手は一度も動いたことがない。
「人を殺してみたかったんだってさ」
「ああ、大阪の事件か?」
私は頷いた。どうして兄にそんなことを話したのかは自分でもよくわからなかった。言ったって理解されないことは母親を見ていればわかる。それが普通の反応だ。自分の子供がそんなことに興味を持てば、それを実行に移すのではないかと不安に思うのは当然だろう。
何よりも私が、いつか自分が人を殺してしまうかもしれないと思っている。この指はいつも死へと惹かれていく。兄はざわめく私の指をなだめるように、私の手を握り込んだ。
「そんな理由で人を殺す人も、酷いいじめに遭って追い詰められて人を殺してしまう人も、子供というだけで同じ法律で守られる」
SNSやニュースサイトへのコメントを見れば、それに不満を持っている人が多くいることがわかる。子供だって悪いことをしたら大人と同じように裁かれるべきだ。ましてや人を殺してみたかったなんて理由で殺人を犯す人間なんて死刑になればいい、くらいのことは平気で書き込まれている。彼らはきっと一度も自分が人を殺すかもしれないという恐怖に怯えたことがないのだろう。そしてそんな恐怖に怯えながらも、まだ何もしていないから捕まっていないだけの人間が隣にいるかもしれないと思ったこともないのだろう。
私はもう二十一歳だ。守られる年齢ではない。昔の法律でももう大人だ。それでもずっと、私の中には彼らと同じものが棲み着いたままだ。誰かが人を殺す度に、どうしてあの頃の私は人を殺すためにナイフを持たなかったのだろうと考えてしまう。
「そうだ、詩乃」
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いい年とは何歳からか。何歳になったら親元から離れて独立したほうがいいことになるのだろうか。職場と家が遠くなるというのはきっかけとして十分だろうけれど、その異動の話がなければ兄はいつまでもこの家にいたのだろうか。それとも今度は結婚を理由にしてここを出て行ったのだろうか。私はベッドに倒れ込んで天井を見上げる。
「恋人でも出来た?」
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「やばい自覚はあったんだ」
「こんなことは終わらせた方がいいって、俺もわかってるんだよ」
私はベッドサイドに置いていた赤いマニキュアの瓶を兄に投げつけた。分厚い瓶は床に落ちても割れずにフローリングの上を転がる。
「死ねばいいのに」
頭を押さえたまま私を見つめる兄の目からは、どんな感情も読み取れなかった。自分で始めたことのくせに何を言っているのか。三年もこんなことを続けてきて、今頃別々に暮らして耐えられるのか。今ここで兄の首を絞めてやったらどうなるのだろう。苦痛に歪む表情をその整った顔に重ねながら、私は床に転がったマニキュアの瓶を拾った。私はその一部始終を目で追っていた兄から、わざと顔を背けて尋ねる。
「で、住むところは決まったの?」
「部屋はもう決まった。見るか?」
「いや、いい。どうせ行かないと思うし」
「遊びに来ればいいと思うけど」
遊びに行くような距離ではない。近すぎるのだ。会うだけなら兄の方が来ればいい。わざわざ会いに行くような関係でもない。
「遊びに行く用事がないんだけど」
「あれ、俺が預かってようか?」
兄が机を指差して言う。机の上には閉じられたノートが置いてあった。
「一人暮らしの家なら見つからないって?」
「見つからないようにしてるのは知ってるから」
「こんなことより、お兄ちゃんがやってることの方が見つかったらまずいと思うけど」
母は泣くどころの騒ぎではないだろう。でもこれももう少しで終わるのだろう。兄が一人暮らしを始めたら、私達が墓場まで持っていく秘密は、箱にしまわれた過去になるかもしれない。
兄の都合で始まったことは、兄の都合で勝手に終わらせられる。私は秘密からようやく解放されるはずだった。私の秘密なんて大したことはない。そもそも子供の頃に一度知られてしまったことだ。人を殺した子供の記事を集めたところで、それ自体は何の罪にも問えないのだから。
私が母に隠れてやっていることも、かつてそれが母に見つかったときのことも知っているはずの兄は、一度も私に聞いてきたことがない。私はそれに対する答えをずっと用意しているのに。
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