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第4話 召喚されし勇者日向の価値
しおりを挟む ジェルマンさんが案内した場所は本がずらりと並んだ大図書館だった。
「ここはどこなんですか?」
「ルクスニア王国が誇るアステルム大図書館です。ここで日向様には知識をほかの勇者様より多く得てもらいます」
「…………理由を聞いてもいいですか?」
「いいでしょう。とても申しにくいのですが、日向様のステータスはルクスニア王国に住んでいる民よりもはるかに低い。ゆえに私は戦力にならないと判断しました。しかし、勇者が持つスキルや潜在能力はたまに偶発的に覚醒する場合もございます。ですので、日向様には知識をつけながら、ある程度の実践訓練を積ませることにしました」
なるほど、戦力外だけど、勇者という希少性にまだ価値を見出していると。だから、知識をつけさせながら、様子見ってことかな。でも結局、期待はしていないと。
まぁ、それはそれでいいか、殺されないなら。
「わかりました」
「ご理解いただけてありがとうございます。しかし、心配しないでください。私たちは決して、全てにおいて平等に接し致しますので、ご気軽にわからないことがあれば、お尋ねください」
礼儀正しく、誰にでも紳士に接するジェルマン。すごくいい人なんだと思うけど、どうも裏があるような雰囲気を感じる。
もしかして、疲れているのかも。
「ご丁寧にありがとうございます」
「いえいえ、私たち、いや人類みな魔王の討伐を願っているのです。それがなせるのなら、どうなことでも些細なことでも全力でっ!ですので、日向様も遠慮しないでくださいね」
「あ、はい」
魔王の討伐。それが人類にとってどれほどの悲願なのか、少しだけ伝わったような気がした。
「では、明日から、訓練が始まりますので、お部屋でゆっくりとお休みください。案内は私がいたします」
「お願いします」
ほかの勇者より少し遅れて案内された部屋はまるで豪華なホテルのような装飾がされていた。
黄金に輝くベット、無駄に光る鏡、椅子には宝石が埋め込まれていた。
「この部屋だけでいくらになるんだろう」
案内された部屋を物色し終えると、ベットに腰を据えて、自身のステータスを確認する。
ーーーーーーーーーーーーーーー
名前:柊日向
レベル:1 年齢:17歳 天命:勇者
力:10
魔力:1
耐性:10
素早さ:20
器用さ:10
スキル一覧:言語理解10 斬1 勇者1
ーーーーーーーーーーーーーーー
さらっとみんなのステータスを確認したとき、スキル欄には最低でも5っほどスキルを持っていた。にも関わらず、僕は3っだけ。しかも、そのうちに2つはありきたりなスキル。
不幸かつ不運、そしてこのステータスを見て確信したのは、僕が戦闘において不向きということ。
ジェルマンさんは知識をつけながら、ある程度の戦闘をこなしてもらう言動をしていたが、今のステータスだけでもほかの4人と約100倍の差がある。
レベルを上げてステータスを上げても、ほかの4人もレベルを上げてステータスを上げる。
つまり、絶対にほかの4人に追いつくことはできないことがここでわかるわけだ。
なら、僕ができることは一つ。みんなにはない価値を作るしかない。
だけど、そう簡単に価値を作ることは不可能だ。だが一つだけ手っ取り早い価値が一つだけある。それが、知識だ。
僕たちは、この世界の常識を知らないし、魔物の特徴や文化など本当に何も知らない赤ん坊のようなものだ。
魔物の戦い方やスキルの使い方などの訓練をしていたら、身につけた知識なんてすぐに忘れてしまう。なら、僕が4人の代わりに、図書館になればいい。
それが、僕が手っ取り早く示せる価値だ。
「あとは、スキル内容の確認だな」
スキル一覧にあるスキルを押すと、押したスキルの内容が表示された。
ーーーーーーーーーーーーーーー
言語理解10
・あらゆる言語を最適化し、翻訳し、発した言葉も最適化し、翻訳する。
斬1
・あらゆる概念、物質、現象、存在などを斬ることができる。(ただし魔物は例外)
勇者1
・勇者の証。
■勇者の権能一覧
・現在のスキルレベルでは使用できません
・現在のスキルレベルでは使用できません
・現在のスキルレベルでは使用できません
・現在のスキルレベルでは使用できません
ーーーーーーーーーーーーーーー
「まぁ、さすがにね」
スキル内容の確認。これはすごく重要だ。名前からある程度予想するのもいいが、細かくしておいて損はないし、勘違いしている場合、取り返しのつかないことになる。
「さてさて、え~と…………うん?」
スキル内容確認していく中、奇妙なスキルを見つけた。
それはスキル・斬というスキルで、内容はものすごい抽象的な内容だが、魔物は例外と記載されている。
「…………ふん、これはどうしようか」
唯一、武器になると思っていたスキルが魔物には使えない。ただ、逆に言えばそれ以外は斬ることができるということだ。
「試したいけど、試し方は明日にならないとわからないし、どうしようもないか」
ベットにうつぶせになりながら、天井を見上げていると、ノック音が聞こえてくる。
「日向様、お食事に準備ができました」
そういえば、まだご飯を食べてないや。
そう自覚すると、急におなかが鳴り、空腹を感じた。
「わかりました」
返事をすると、扉が開かれ、そこにはメイドが一人が立っていた。
「では、食事場所へ案内いたします」
こうして僕はメイドさんの後ろについていった。
「ここはどこなんですか?」
「ルクスニア王国が誇るアステルム大図書館です。ここで日向様には知識をほかの勇者様より多く得てもらいます」
「…………理由を聞いてもいいですか?」
「いいでしょう。とても申しにくいのですが、日向様のステータスはルクスニア王国に住んでいる民よりもはるかに低い。ゆえに私は戦力にならないと判断しました。しかし、勇者が持つスキルや潜在能力はたまに偶発的に覚醒する場合もございます。ですので、日向様には知識をつけながら、ある程度の実践訓練を積ませることにしました」
なるほど、戦力外だけど、勇者という希少性にまだ価値を見出していると。だから、知識をつけさせながら、様子見ってことかな。でも結局、期待はしていないと。
まぁ、それはそれでいいか、殺されないなら。
「わかりました」
「ご理解いただけてありがとうございます。しかし、心配しないでください。私たちは決して、全てにおいて平等に接し致しますので、ご気軽にわからないことがあれば、お尋ねください」
礼儀正しく、誰にでも紳士に接するジェルマン。すごくいい人なんだと思うけど、どうも裏があるような雰囲気を感じる。
もしかして、疲れているのかも。
「ご丁寧にありがとうございます」
「いえいえ、私たち、いや人類みな魔王の討伐を願っているのです。それがなせるのなら、どうなことでも些細なことでも全力でっ!ですので、日向様も遠慮しないでくださいね」
「あ、はい」
魔王の討伐。それが人類にとってどれほどの悲願なのか、少しだけ伝わったような気がした。
「では、明日から、訓練が始まりますので、お部屋でゆっくりとお休みください。案内は私がいたします」
「お願いします」
ほかの勇者より少し遅れて案内された部屋はまるで豪華なホテルのような装飾がされていた。
黄金に輝くベット、無駄に光る鏡、椅子には宝石が埋め込まれていた。
「この部屋だけでいくらになるんだろう」
案内された部屋を物色し終えると、ベットに腰を据えて、自身のステータスを確認する。
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名前:柊日向
レベル:1 年齢:17歳 天命:勇者
力:10
魔力:1
耐性:10
素早さ:20
器用さ:10
スキル一覧:言語理解10 斬1 勇者1
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さらっとみんなのステータスを確認したとき、スキル欄には最低でも5っほどスキルを持っていた。にも関わらず、僕は3っだけ。しかも、そのうちに2つはありきたりなスキル。
不幸かつ不運、そしてこのステータスを見て確信したのは、僕が戦闘において不向きということ。
ジェルマンさんは知識をつけながら、ある程度の戦闘をこなしてもらう言動をしていたが、今のステータスだけでもほかの4人と約100倍の差がある。
レベルを上げてステータスを上げても、ほかの4人もレベルを上げてステータスを上げる。
つまり、絶対にほかの4人に追いつくことはできないことがここでわかるわけだ。
なら、僕ができることは一つ。みんなにはない価値を作るしかない。
だけど、そう簡単に価値を作ることは不可能だ。だが一つだけ手っ取り早い価値が一つだけある。それが、知識だ。
僕たちは、この世界の常識を知らないし、魔物の特徴や文化など本当に何も知らない赤ん坊のようなものだ。
魔物の戦い方やスキルの使い方などの訓練をしていたら、身につけた知識なんてすぐに忘れてしまう。なら、僕が4人の代わりに、図書館になればいい。
それが、僕が手っ取り早く示せる価値だ。
「あとは、スキル内容の確認だな」
スキル一覧にあるスキルを押すと、押したスキルの内容が表示された。
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言語理解10
・あらゆる言語を最適化し、翻訳し、発した言葉も最適化し、翻訳する。
斬1
・あらゆる概念、物質、現象、存在などを斬ることができる。(ただし魔物は例外)
勇者1
・勇者の証。
■勇者の権能一覧
・現在のスキルレベルでは使用できません
・現在のスキルレベルでは使用できません
・現在のスキルレベルでは使用できません
・現在のスキルレベルでは使用できません
ーーーーーーーーーーーーーーー
「まぁ、さすがにね」
スキル内容の確認。これはすごく重要だ。名前からある程度予想するのもいいが、細かくしておいて損はないし、勘違いしている場合、取り返しのつかないことになる。
「さてさて、え~と…………うん?」
スキル内容確認していく中、奇妙なスキルを見つけた。
それはスキル・斬というスキルで、内容はものすごい抽象的な内容だが、魔物は例外と記載されている。
「…………ふん、これはどうしようか」
唯一、武器になると思っていたスキルが魔物には使えない。ただ、逆に言えばそれ以外は斬ることができるということだ。
「試したいけど、試し方は明日にならないとわからないし、どうしようもないか」
ベットにうつぶせになりながら、天井を見上げていると、ノック音が聞こえてくる。
「日向様、お食事に準備ができました」
そういえば、まだご飯を食べてないや。
そう自覚すると、急におなかが鳴り、空腹を感じた。
「わかりました」
返事をすると、扉が開かれ、そこにはメイドが一人が立っていた。
「では、食事場所へ案内いたします」
こうして僕はメイドさんの後ろについていった。
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