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106話〜消毒と言えば?〜

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 無理をした結果、俺は無事に変化を遂げる事ができた。
 入って来た魔族の血を受け入れ、一つになった結果得た力。

 それは風に加えて最近扱えるようになった水の操作に加えて、雷を操るというものだった。

「ちっ……厄介な力を……でもこれなら!!」

 そう言ってセーラが触手を伸ばしたのは、中庭に集まっていた騎士達。
 その中から新たな人質を取るつもりなのだろう。

 でも遅い。
 全てが遅い。

 ガガガガァァァン!! 

「ッヒィ!?」

 全ての触手が、空から落ちてきた雷によって打ち散らされる。

「く、クソが!!」

 状況が不利と判断したセーラは、中庭から城内へと逃げようと駆け出す。
 が、それは叶わない。
 まるで見えない壁にぶつかったように、弾かれる。

「な、なに!?」

 ペタペタと見えない壁に手を当て、戸惑うセーラ。
 その時、背後から声が駆け抜けた。

「ぶっつけ本番で、上手くいくか分からなかったけど……どうやら上手くいったようね!!」
「お前ぇぇ……」
「あんたにバレないように、ちょっとずつ結界を張っていたのよ!!」
「ミナモ……」
「今よハヤテ!! 今ならあの女は逃げられない!! 私が、絶対に逃さない!!」
「ちっ……上がダメなら下からビャアァァァッ!?」

 咄嗟に地面を掘って逃げようとしたセーラを雷撃が打つ。

「っ、く!! ハヤテあんた!!」
「逃す訳無いだろ……」
「ちっ……こうなっ」
「遅い……」

 セーラが動こうとした時には既に雷がその身を貫き焦がす。

「くっ……ククッ、無駄よ!! 私の体にはいくつも心臓があるんだか」
「なら、その心臓を全て止めてやる!! 止まるまであと何発だ? 何発落とせば止まるか? 実験と行こうじゃないか!!」
「ちっ……イカれてんのかよオマアァァァァァッ!!」
「それに一体化したとはいえスライムならあるはずだ。そのスライムが元から持っていたはずの核がな!!」
「まっ、まさか!?」
「お前が果てるか核が砕けるか……競争だな」
「や、やめっ……」
「雷槌よ……」
「やめてっ……」
「打て!!」
「やめてえぇぇぇぇぇぇっ!!」

 その日、王城周辺の民は不思議な光景を見たと言う。
 王城目掛けて、雲一つない空から幾筋もの雷が絶えず落ちた様を。
 民は不思議そうに眺めていたそうだ。



「あぅ……ぁ……あっ……」

 プスプス……と白煙を上げながら俺の目の前で仰向けに倒れているセーラ。
 スライムの核は度重なる雷撃によって砕かれており、その姿は魔族としてのセーラへと戻っている。

「ひっ……ぐ……い、痛い……よぉ……」
「……どうして、お前はそうなってしまったんだろうな」

 そう問いかけながら右手を向ける。

「くヒィッ!? も、もうビリビリはやめっ」
「どれだけの人間がお前にそう言ったんだろうな」
「お願いしまっ」
「どれだけの人間の言葉をお前は無視してきたんだろうな」
「いやっ」

 直後、俺の手から雷撃が放たれる。

 直後に上げられたセーラの悲鳴は、雷の轟音によってかき消された。





 中庭での一件から五日。
 俺は王城の地下牢に来ていた。

「ムフゥ!! ンムゥゥゥッ!!」

 俺の目の前の牢の中で、セーラは雁字搦めに戒められていた。

 目は塞がれ、猿轡を噛まされ、椅子に縛り付けられた上で足は鎖で床と繋がれ、両腕も手錠をされた上で鎖でグルグル巻きにされている。

 使われている鎖は教国でカガリに使われた物と同じ魔力霧散の効果を持つ特別な鎖となっている。
 そのおかげで今のセーラには反抗するだけの力は無い。

 またそこに騎士達による尋問が加わる。
 が、鎖は巻かれたまま。
 更には魅了されては困るので目隠しはされたまま。
 声による魅了もされる可能性があるとして猿轡を噛ませたまま尋問が行われる。
 結果彼女は騎士達の問いかけに答える事はできずに痛め付けられる。

 はなから尋問する気等無いのだ。
 彼等はただ、恨みを晴らしたいのだ。
 そしてその恨みを晴らしているだけなのだ。

「聞こえるか」
「ふむぅ? ……むふふ!! むふぅ!!」
「今日これから、お前の処遇を決めて来るよ。俺もそこに呼ばれていてな……どんな刑にしようか今から考えているんだ」
「むむぅ!! むーっ!!」
「全身を串刺しにして火炙りにしようか」
「むーっ!! むー!!」
「それともお前の魔族としての耐久性を生かして、クロノダイラントの群れの中に放り込もうか」
「むむーっ!! むーむー!!」
「あぁ、そうだ……縛ったまま生き埋めというのも面白そうだな」
「むむーっ!! むー!!」

 彼女の目隠しに染みができている。

「想像したのか? バカめ……」
「うぅむ~……むむーむぅー!!」
「……そろそろ、話し合いの時間だ」
「むむー!!」
「悪いな。今の俺にはお前が何を言っているのか分からないんでな。行かせてもらうよ」
「むぁぁぁっ!! むぅぁぁぁぁぁぅ!!」

 鎖を鳴らし、暴れようともがくが当然そんな力は残されていない。
 そんなセーラを憐れみながら、俺は会議が行われる部屋へと向かった。



「よく来たなハヤテ。もう体は平気か?」
「ハッ!! ご心配いただき、ありがとうござちます」
「久しいなハヤテ!! 少し大きくなったんじゃないか?」
「……それは、多少は」
「そうかそうか。ほれ、余の隣に座れ座れ」
「で、ではお言葉に甘えて」

 久し振りに会ったジンバの隣の席に座る。

「さて、皆に集まってもらったのは他でもない。先日、そこのハヤテの尽力によって捕らえた魔女セーラの処遇についてだ」
「当然、処刑するべきです!!」
「どのように?」
「習わし通り、魔女ですので火刑です。それしか有り得ません!!」
「だが奴は既にその身を魔族へと変えている。ただの火刑でどうにかなると思いか?」
「連日焼けば良いでしょう。そうすればいつかは死にます」
「連日とはどれ程の期間を想定か?」
「そんなもの、死ぬまでに決まっているでしょう」
「長い間はできませんぞ。なにより、近隣への安全の配慮もありますからな」
「ならどうする気だ!! 魔女だぞ!!」
「そうだ魔女だぞ!! 我等の手から逃げた、悪しき魔女を捕らえたのだぞ!!」

 テーブルを叩き、熱くなる文官達。
 だがジンバは落ち着いた様子で返す。

「なら、貴殿等の家の前で焼けばよろしい。それならば問題はあるまい」
「な!?」
「それとこれとは話が別だ!!」
「ほう? 他所なら良くて、自分はダメと言うのか?」
「そ、それは……」
「言い淀むという事はそういう事よ」
「ぐぬぬ……」

 悔しそうな顔をしつつ、顔を真っ赤にしてジンバを見る文官達。

「してハヤテ、お前はどうしてやりたい?」
「……え、俺?」
「うむ。お主とあの魔女の間の因縁は深いだろう。そしてその因縁に終止符を打ち、捕らえたのはお前だ。ある程度は聞いてやりたい」
「そのような勝手は!!」
「ではここで、互いに埒の開かぬ問答を延々と繰り返すか?」
「……そ、それは」
「ならばいっそ、此度の功労者である彼に決めてもらって方が手っ取り早いだろう」
「そうですが……」

 表情を曇らせる文官達。
 俺としては文官達を困らせたくはないが、俺が決めて良いのなら決めさせてもらうか。

「……今のアイツは魔族化をしています」
「そうだな」
「その事を含めて、後悔させてやりたいんです」
「……と言うと?」
「人の身であれば迎えられるはずの終わりを迎えられない刑……と言いましょうか」
「ふむ……」
「成程……」
「難しそうだな……」

 終わりの無い刑。
 それが奴にとって相応しい刑だろう。

「例えばどんな刑だ?」
「海に沈めるとか……生き埋めとかですかね」
「シンプルだな……」
「今のアイツにとって死は救いになってしまいます。ならばその救いを、俺は奪いたいのです」
「ふむ……」
「……それでも、アイツが奪った者は帰ってきませんけどね」 
「……分かった。ならばその願い、最大限考慮するとしよう。皆、それで良いな?」
「ハハッ」
「王がそう言うのでしたら」
「……」
「ジンバ? 何か問題でもあるか?」
「……」

 腕を組み、目を閉じて何か考えているジンバに、ウゼルが心配そうに問いかける。
 うぅむと目を閉じながら、呻くように考え込むジンバ。
 ウゼルも文官達も心配そうに彼を見ているが、彼は突然目を開いてこう言った。

「ならば我が領内にあります、タケリビ山へ沈めますか」
「なっ!? さ、流石にそれは……」
「魔族でしたら耐えられましょう。耐えられずとも、彼奴あやつの回復速度でありましたら死ぬまでの間、十分に苦しみましょう」
「……タケリビ山ってなんだ?」
「うん? ハヤテ殿はご存知ないか。タケリビ山とは我が領内にあります火山であります。その火口に奴を落とすのは如何でしょうか?」
「火山に落とす、か……」

 ジンバの提案を聞いて少し考える。
 おそらく、今のセーラなら火山に落とされても耐えられるだろう。
 ただ、その熱までは無理だろう。
 死にずにずっと焼かれ続ける。

(……それが良いか)

 火山に落としておけば勝手に苦しめられるし、それが良いだろうと思い、俺は頷いた。

「それが一番だと思いますよ。ではジンバさん、よろしくお願いします」
「承った。だが移送の用意に少し時間がかかる。三日後でもよろしいか?」
「十分早いじゃないですか。全然、むしろ早くて助かりますよ」
「そうか。では、支度に取り掛かるとしよう。失礼する」

 そう言って退室するジンバ。
 その後ウゼルが話し合いはこれで終わりと解散を宣言し、その日は解散した。



「……よう。また来たぞ」

 二日後、俺はセーラの牢屋へと来ていた。

「……何か、用?」
「ははっ、外してもらえたんだな。良かったじゃねぇか」
「ちっとも良くないわよ。力は戻らないし。ご飯も……」
「だろうな」

 セーラは牢の中で手持ち暇そうにしていた。
 というのも今のセーラは縛られていない。
 その代わり、魔力霧散の効果を持つ首輪を腕輪を着けられているのだ。
 自由に牢の中を歩けるとはいえ、状況は何も変わっていない。

「飯が不味い? おいおい、食えるだけありがたく思えよ」
「でもあんな物……」
「それだけお前は恨まれてんだよ。お前は」
「でも……だって!!」
わらと泥を煮込んだスープに、ハエのたかるパン……か。ククッ……いったいどんな悪い事をしたらそんな物を出されるのかねぇ?」
「……い、今では本当に反省しているわよ」
「本当かねぇ」
「……信じてもらおうなんて思ったないわ。でも」
「あぁそうだ。そういえばお前に差し入れ渡されたんだった」
「……え?」

 そう言って俺は持って来た紙袋をセーラに投げ渡す。

「お前に婚約者を寝取られて遊ばれた女性からだそうだ」
「……これは、パン?」
「恨まれてロクな食事を出してもらえてないと思ったらしくってな。作ったそうだ」
「そんな……私、あんなに酷い事したのに……」

 紙袋からパンを取り出し、そのパンを見てポタポタと涙をこぼすセーラ。
 まだ泣く心があったんだな~と思いつつ、パンを持って来た女性の指が包帯だらけだったのを思い出す。

「い、いただきます……」

 パンを食べ始めるセーラをよそに、その女性の指が数本短くなっていた事も思い出す。
 するとその時だった。

「うっ!? ……うげっ!! ゲェッ!! ゲホゲホッ!!」

 突然セーラがパンを吐き出したのだ。
 それも血と共に吐いたのだ。

 何か毒でも仕込まれたかと思ったが、今のセーラの体は魔族の体。
 人の毒が効くかは分からない。
 そう思いながらパンを見てみると何かがキラリと光った。
 なんだろうと思い見てみるとなんて事はない。
 小さく砕かれた刃物だった。

 多分セーラはパンに練り込まれた刃物で口の中や奥を切ったのだろう。
 魔族でも口内は弱いのだろうかと思いつつ、牢の中に入る。

「いっ、いぃ……痛い、よ……」

 蹲り、飲み込んだ分を吐き出そうとするセーラの前で立ち止まる。

「なぁセーラ」
「ハ、ハヤテ……口の中が」

 俺を見上げ、助けを求めるセーラ。
 その顔を俺は蹴りつける。

「ヒブッ!?」
「おいおいセーラ。ダメじゃないか……人様から頂いた食べ物を粗末にしちゃ」
「いっ、痛い!! 痛いよぉ!!」
「ほらほら、食べなきゃダメだよ~?」

 その顔を踏み付けながら食べるように促す。
 人からの好意を無碍にしちゃいけないからな。

「ほら、ちゃんと食えよ……」
「むっ、むごぉ……むぐぅ……」

 パンを口に押し当て、無理矢理押し込む。

「っく……えっぐ……うぅ……」

 無理矢理食べさせられ、無事完食したセーラ。
 ボロボロになった口から血を垂らしながら泣くセーラを他所に牢から出る。

「……道を踏み外さなければ、こうなる事は無かったのにな」

 外に出て、中にいるセーラを眺める。

「お前みたいなのに恋をしていたなんてな……ほんと、俺の汚点だわ」
「うっ、うぅ……ま、待ってぇ……」

 弱々しい声でセーラが俺を呼ぶが、それを無視して俺はその場を去った。





 そして、その日が来た。

「まさか来てくれるとはな」
「俺の手で落としてこそ、やっと終わるんだ。だからだよ」
「そうか……」

 ジンバとその部下達と共にタケリビ山へと来たのだが、火山というだけあって熱い。
 火口に行くために当然登っているのだが、当然熱さも強くなってくる。

「ウル、大丈夫か?」
「……グゥァウ」
「もう少しだ。頑張ってくれ」
「……ガゥル」

 ウルも舌を出しており、息が荒い。
 休憩の時は水をしっかりあげているので大丈夫だとは思うのだが、ジンバ達の馬より疲労の色が濃いように見える。

「熱さになれんとキツイですからね。何度も来ればウルさんも慣れますよ。俺の馬がそうでしたよ」
「あ、自分の馬もそうでしたよ」
「ウルさんにも苦手な物があったんですね」

 周囲の騎士達が話しかけてくるが、ウルは鬱陶しそうに耳をパタパタッと振って返している。

「にしてもあの魔女、大人しいですね」
「そうだな。あの静けさがかえって不気味ですよ」
「だな……」

 騎士達が言うのは当然セーラの事だ。
 何か打開策を考えているのか、馬が引く牢屋の中でおとなしくしている。

「まぁ、今度ばかりは奴も終わりっしょ」
「シッ。そういう事言うなって」
「そうだぞ。そうだぞ」
「うっ、すまん」

 そんな会話を聞き流しながら俺は遂に、火口へとたどり着いた。



「待って!! 待ってよ!! ねぇ待ってってば!!」

 俺はセーラの尻尾を掴み、引きずるように火口に落ちるスレスレに向かっていた。

 対するセーラは四つん這いになり、両手両足で踏ん張るがズルズルと引きずられている。
 当然だ。
 今のコイツは魔力霧散の首輪と腕輪が取り付けられている
 これのせいで魔力は一向に貯まらず、今はただの無力な魔族の娘。
 俺に敵うわけ無いのだ。

「待ってよ!! 待てって!! 待って下さいお願いします!! ねぇ!! ねぇハヤテ!! ねぇってば!!」

 叫びながら俺を呼ぶが関係無い。

 一歩、また一歩と火口へと近づいて行く。

「このまま行ったら私死んじゃう!! ねぇ!! 流石に死んじゃうから!!」
「安心しろ。熱で腕輪とかは溶けるから」
「それでも死ぬって!!」
「腕輪とかが溶ければ魔力は復活。その魔力でお前は再生できるから死にはしないよ」
「そういう問題じゃねぇって!!」
「そういう問題だよ」

 遂に到着したので、落ちる間に飛び去られないように翼の骨を折る。
 今のセーラは最低限の魔力しか持てないので、回復には時間がかかる。
 そのせいで折られた翼は明後日の方を向いている。
 うん、痛そうだ。

「ね、ねぇ……待ってよぉ」

 セーラの首を掴んで立たせる。

「何でだ?」
「私、ここまでされなきゃいけないの? ただ、幸せになりたくって……お金持ちになりたくって、権力が欲しくて……」
「それでお前は周囲に多大な迷惑をかけた。その責任は、取らないとな」
「何でよ……私は、私は悪くない!! だって!! だって!!」
「あぁそうだ。昨日手紙が届いたんだけどな、お前の親が死んだそうだ」
「……えっ」
「娘のした事に対する、親が出来る責任の取り方だそうだ」
「そんな、そんなの……嘘よ」
「って訳でよ。お前、もう帰る所ねぇんだよ」

 俺の言葉にセーラの両目から涙が溢れ出す。

「何で……何でよ!! 私は、私はただ幸せになりたかっただけなのに!! こんなに責められなきゃいけないの!?」

 俺に首を掴まれたまま叫びだすセーラ。

「私はただ幸せになりたくて頑張っただけ!! 幸せになるためにライバルを蹴落としただけ!! 幸せを掴むために力を求めただけ!! 幸せになりたくて……」
「でもお前は道を踏み外した」
「そんな……私は!! 自分が幸せになるために精一杯頑張っていただけなのに!! だってそれにそんな事、誰も教えてくれなかった!!」
「さようならだ」
「私は、私はァ !!」

 放り投げるように、突き飛ばすように。
 俺はセーラの首から手を離す。

「幸せになりたかっただけなのにィィィィィッ!!」

 真っ直ぐ火口を落ちて行き、溶岩に落ちるセーラ。
 次の瞬間、形容し難い絶叫が俺の耳に届いた。
 幸いな事に、魔族化したセーラはその耐久性から首輪と腕輪が溶ける前に焼き尽くされる事はなかった。

 そして首輪と腕輪が溶けてからが彼女にとっては地獄の始まりだ。
 体表が焼けても魔力によって回復する。
 叫ぶ際に口から溶岩が入り、中から焼かれても回復する。
 彼女の特性である高速回復のおかげで、彼女は死ぬ事もできずに焼かれ続ける。
 翼が回復しても皮膜が焼けて飛べず、壁際まで泳いで向かい登ろうとしてもそんな力は残っていない。

 内と外を絶えず焼かれ続ける。
 死という救済を、俺は与えない。

 一生ここで苦しめ。
 それこそ、この山が消えるまでずっと苦しみ続けろ。
 それが俺からの復讐。

「……ハヤテ」
「……帰ろう、ジンバ。ここにもう用はない」
「う、うむ」

 こうして俺達は帰路に着いた。

 こうして俺のセーラへの復讐は終わった。
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