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104話〜悪因悪果は終わらない〜

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「久しぶりだなハヤテ!! しばらく見ない内に少し大きくなったか?」

 リヒティンポスからクラング王国に帰ったハヤテ達はそのまま王城により、ウゼル王に謁見を求めた。

 当然、急な申し出なので断られるだろうと思っていたのだが、意外な事にあっさりと通され、驚かされた。

「少し見ない内に仲間が増えましたね」
「クルア様もお元気そうでなによりです」

 久し振りにあったクルア様は、初めて会った時と違って少しお淑やかになったように見える。

「貴公等の活躍は余の耳に度々入っていたぞ。その度に嬉しく思ったものだ」
「ありがとうございます」
「して、今日はどうした? 顔を見せに来ただけではあるまい?」
「やはりお分かりになりますか」
「うむ。何だ? 言ってみよ」
「では、言います……私は、自分の領地が欲しいです」
「……ほう?」
「何と!?」

 ウゼル様が目を細め、宰相は驚き、クルア様はにこやかに笑っている。

 そんな中真っ先に口を開いたのは宰相だった。

「き、貴様!! 何を言い出すかと思えば!!」
「よいよい。だがハヤテよ、何故急に領地を求めるようになった?」
「はっ、私にやっと夢ができましたので」
「夢? 言ってみよ」
「ウゼル様!!」
「よいよい。続けよハヤテ」
「はっ。私は、人と魔族が共に笑いながら過ごせる国を作りたいのです」
「国? 世をではなくてか?」
「はい。私の手の届く範囲……守れる範囲でそれを実現させたいのです」
「ふむ……いっその事、世界中をそうしたくはないのか?」
「……できる事ならそうしたいとは思います。ですが、それでは都合の悪い人がいるのもまた事実。故に私は、世界ではなく国でそれを作りたいのです」
「ふん。国でも都合の悪い者はおるわい」
「宰相、お前は少し黙れ」
「し、しかし……」
「これは王からの命令だ。聞けぬのか?」
「……ははぁ」
「それでよい……ハヤテ、お前の言いたい事は分かった。分かったが……」

 眉間に皺を寄せ、こう言った。

「その頼みは聞いてやれん」

 その言葉には残念という思いが込められているように聞こえた。

「……理由を聞いても、よろしいでしょうか?」
「うむ。まぁ一言で言うなら……功績不足だな」
「ハヤテは頑張っているよ!!」
「グルルルル……」
「ユミナ、ウル。落ち着け……功績が足りないでしょうか? 申し訳ないがウゼル王。我等のリーダーであるハヤテは聖装に選ばれ、二つの勇者の祝福を受けた稀有な存在。更には魔族軍との戦いには積極的に加わり、敵将を倒せずとも追い返す等の働きをしております。決して、功績不足ではないかと」
「うむ。ロウエンの言いたい事は十分分かる。分かるがな、それで“は”まだ足りんのだよ」
「それで“も”まだ足りませんか」
「確かに聖装に選ばれた事は偉大な事。その聖装がアクエリウスに祀られていた物ならなおさらな」
「でしたら」
「だがな、戦には皆が出ているのだ。皆戦っているのだ。それにな、ハヤテ以上に長い間戦い、功績を挙げている者も大勢いるのだ。お前に領地を授けるには、その者達を黙らせられるほどの功績が必要なのだよ」
「……」

 ウゼル様とロウエンの視線がぶつかり合う。
 互いに一歩も譲らない様子の中、俺が口を開く。

「そういう事でしたら分かりました」
「ハヤテ……良いのか?」
「あぁ。ならば簡単な事……皆が納得する程の手柄を挙げるだけ。そうだろう?」
「ま、まぁ……そうだが」
「分かりましたウゼル様。皆が納得のいく手柄を挙げ、再びこの話をするとしましょう」
「分かってくれて嬉しいよ。ハヤテ。余、個人としてはお前を買っているからな。王族故に自由に支援できんのが辛いな……」
「いえ。急な来訪にも対応して頂けただけでも我が身に余る嬉しさですので」
「そうか。ならば話を聞きに来て良かったよ」

 そう言って微笑むウゼル様。
 その笑みに俺も笑みで返す。

 と、その時だった。

「た、大変です!!」
「何事だ騒々しい!!」

 部屋のドアを勢いよく開け、一人の騎士が駆け込んで来たのだ。

「も、申し訳ありません!! 火急の知らせにて御免!! 城内にて敵襲です!!」
「なに!?」
「ウゼル様!! ここは危険です。すぐに避難を」
「う、うむ……そうだな。ハヤテ、すまんが頼めるか?」
「はい。勿論です……城を襲う不届き者、討ち取ってご覧にいれましょう」
「……頼りにしているぞ」
「ハハッ!!」

 退室するウゼル様からの緊急依頼を受け、俺達は即座に敵襲のあった地点に向かう。



「……臭うな」
「あぁ、ここまで濃い血の匂いが城内でするとはな。革命でも起きたか?」
「ロウエン」
「分かってる分かってる。やる事はしっかりやるさ……ただ、これだけの血を出させる相手だ。油断はできんな」

 駆けながら交わされる会話。
 殺伐とした口調で交わされる会話。
 鼻腔へと駆け込む濃い血の匂い。

 その匂いの出所は中庭。
 青々とした芝生が敷かれ、真ん中にある噴水は時に訓練後の騎士達を視界から涼ませていた。
 騎士だけじゃない。侍従達の安らぎの場だった場所はもう無かった。

「っ……これは」

 青々と芝は赤く染まっていた。

「想像以上だな、こりゃ……」

 噴水は割れ、水が溢れ出ていた。

 敵を囲む騎士達の間をすり抜け、襲撃者とを目撃する俺達。
 俺達に背を向けた敵は、騎士の一人を捕らえておりその鋭い牙を首筋に突き立てている。

 パキッ、バキッ……バリバキッ……

 という耳を塞ぎたくなる音が騎士から聞こえる。
 音が鳴る度に騎士の四肢がビクビクと震え、やがては糸が切れたかのように動かなくなる。

 だが問題はそこじゃなかった。
 その敵の姿には見覚えがあったのだ。

「……アハッ、新しいオモチャが来たと思ったらぁ……」
「お前は……」
「ハヤテじゃな~い」
「セーラァァッ!!」

 背中が爆ぜ、黒い翼が現れる。
 それを見たセーラの翼が広げられる。

「まさかお前が、お前の方から来てくれるとはな!!」

 今までセーラがして来た事に対する怒りが、思い返される。
 が、それと同時に別の感情も生まれる。

「ここでお前を討ち取れば、手柄としては申し分無い……皆、分かっているな!!」

 そう、ウゼル様の言っていた功績。
 城を襲った魔族を討ち取ったとなれば手柄になる。
 それを分かった皆も、各々得物を手に頷く。

「ハハッ……私を討ち取る? バカも休み休み言いな!!」
「今日こそ!!」

 直後に俺達は衝突する。
 二つの勇者の力を持った俺と、人を捨てて魔族へとなってセーラ。
 聖装の刃と鋭い爪がぶつかる。

 切り飛ばした側から新たな鋭い爪を生やすセーラ。

「マリカ!! カガリ!! 合わせろ!!」
「はい!!」
「かしこまり!!」

 後ろに跳んだ俺の脇をすり抜けるように駆け抜けたマリカとカガリがセーラに襲いかかる。
 マリカは直剣、カガリは爪で切り掛かる。

「人間と人に心堕とされた魔族が、勝てると思ったか!!」
「その人間と!!」
「堕とされた魔族に!!」
「「貴女は討たれる!!」」
「ちっ……このゴミがァァァッ!!」

 その爪で二人の喉元を狙うセーラ。
 だがその爪は、祝福の討伐者によって威力が底上げされた剣によって切り飛ばされる。

「ッ、チィッ!!」
「ロウエン!!」
「遅れるなよ、エンシ!!」
「言われなくとも!!」

 刀を構えたロウエンと槍を構えたエンシが突撃し

「ウギィィァアァァァッ!?」

 その両翼を二人で切り飛ばす。

「ユミナ!!」
「行くよミナモ!!」

 ミナモは鞭を巧みに操って宙に陣を描き、そこから氷の鋭い弾を、ユミナは迅速の手捌きで数十の矢を放つ。

「ギッ!?」

 放たれた氷弾と矢はセーラの身を貫き、傷付けていく。

「な、何故だ!? 何故!? ……私は人の身を捨て、強くなったはずなのに!!」
「そこが間違いなんだよ!!」
「えっ……」

 頭上に光輪を携えたアニキの渾身の右拳がセーラの顔面にめり込み……

「…….ブベビャアァァァァァァッ!?」

 男でも出さない悲鳴をあげながら殴り飛ばされる。

「ハヤテ!!」
「っ……ぐっ、ヴウゥアウッ!!」

 鼻からボタボタと血を垂らしながら呻くセーラ目掛けて駆け出す。

「今度は逃さない!!」
「ふざけんな!! この意気地無しがァァァァッ!!」

 鼻から血を振り撒きながら爪を振りかざすセーラ。

「っ……遅い!!」

 そんな彼女の爪を躱し、その肩に槍を突き立てる。

「あぐっ!? ……アァァァッ!!」
「風よ!!」

 反対の爪を振るわれるより先に槍を通してセーラの体内に風を送り込む。
 だがセーラはそれに気付き、身を引いて刃を抜く。
 が、既には風は注がれていた。

 パァンッ!! 

「イギッ!! ……ギィッ!? クッソガィァァァッ!!」

 風船が弾けるような音と、セーラの絶叫が響き渡る。

 彼女の右腕が、右肩が吹き飛んだのだ。
 吹き飛んだのだ腕は塵のようにサラサラと風に吹かれて消える。

「っ……とと」

 槍を無理に抜かれた事もあり、バランスを崩した俺は無理に追撃せずに一度体勢を立て直す為に下がる。

「ハヤテ!!」
「済まない、仕留め損ねた!!」
「いや、結構な痛手は負わせている。このまま行けば押し切れる!!」
「そうだな……皆、頼むぞ!!」

 俺の言葉に皆が頷く。

「ッ……ッザケヤガッテ」

 が、追い込まれているはずのセーラは傷口に手を当てながら肩を震わせていた。

「この格下風情が!! ふざけんなよ!! ふざけてんじゃねぇぞ!! 人間風情ガァァァッ!!」

 怒りのあまりにその目を震わせながら俺たちを睨みつける。

「本当は城をメチャクチャにしてから使うつもりだったけど……関係ないわね」
「おいおい、追い込まれて遂に狂ったか?」
「ククッ……そんな事を言っていられるのも」

 セーラが何かを取り出す。
 それは紫色の液体で満たされたクリスタル。

「今のうちよ!!」

 それを彼女は地面に叩き付けて割る。

「っ!? アイツ、何を……」

 そのクリスタルの中から出て来たのは紫色の液体……ではない。
 その身をプルプルと震わせるモンスター。

「スライム?」

 そう、スライムだった。
 が、それを見てセーラは笑う。

「アッハハハハハハ!! 終わりよ終わり!! アンタ達はもうお・わ・り!! この子は恐ろしいのよ!! なんせ魔族軍が開発した恐ろしいモンスターだからね!!」

 ゲラゲラと笑いながら喋るセーラとその足元でモゾモゾと蠢きながら成長するように巨大化していくスライム。

「みんな!! みぃ~んなこの子に飲み込まれるのよ!! ザマァ見ろ~!! この私の腕を切り落としたんだから、当然の報いよね!! アァ~ッハッハッハ~!!」

 背中を反り返らせながら甲高い声で笑うセーラ。
 だが、その声は突然消えた。

「あぇ……何やってんのよ、アンタはほら。さっさとアイツ等を食べなさいよ」

 巨大化したスライムがいつまでも俺達に襲い掛からない事を不思議に思ったセーラが、スライムを見上げる。

 プルプルと震えながらセーラを見下ろすスライム。

「ちょっと、私の声が」

 その時だった。

 ジュゾッ!! ジュジュジュジュッ!! 

 まるで麺を啜る時に立てる音をあげながら、スライムはセーラの口に飛び込んだのだ。

「ふんむぐ!?」

 突然の事に目を見開き、白黒させるセーラ。
 対してスライムの方は止まる気配は無く、ドンドンとその身をセーラの中に詰め込んでいく。

 そして詰め込まれていくセーラの方だが、その腹はみるみると膨らんでいき、あっという間に妊婦より大きく膨らんだ。

 が、それでもスライムはまだ残っており、三分のニ程残っている。

 ふぐぅっ、ふぐぅっと苦しそうな息をしつつ、身体をビクビクと痙攣させるセーラ。
 敵ではあるが、見ていてちょっと同情する。
 つかユミナとマリカは耐えれないのか目を背けているし、カガリとエンシさんは手を口に当て、ミナモとロウエンですら引いている。

「ゴボゴガァッ!? ゲソボゲゲゲェッ!!」

 チュルンッ……という軽い音を立ててスライムはその身をセーラの中に納めた。
 その身を納められたセーラの腹は大きく膨らみ、地面に着いている。

 プルプルと震える腹からは、中に納められたスライムが透けて見えている。

 苦しそうに短い息を繰り返すセーラは白目を剥いている。

 そんな時だった。
 腹部のスライムが胎動を始め、徐々に縮み始めたのだ。
 それと同時に変化が生じる。

 吹き飛んだのだ右腕が再生し、下半身は溶け合いながら肥大化。

 メキメキッと音を立てながら頭に角が生える。

 パキパキパキッと音を立てて脇腹から胸にかけて、蜘蛛の足の様な物が肋骨の様に覆う。

「あ~……なんだこりゃ」

 変貌していくセーラを見上げて、ロウエンがこぼす。

「ッ、クハハハハハハ!! 良いわ良いわ!! 力で満ち溢れる!! 最ッ高の気分だわ!!」

 白目の部分を黒に、黒目の部分を赤に染め、俺達を見下ろしながらセーラが話す。
 下半身はムゾムゾと時折蠢きながらも、その形は蛇のように長い。

「さぁ、まずは誰から潰してあげようかしら!!」

 魔族から魔物へ。
 ラミアに似た姿へと変貌したセーラ。

 そんな彼女を睨み付けながら、俺達は得物を握る手に力を込めた。
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