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第3章『冒険者の街アーバン』
包囲
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「アーシャ、それは多分この辺りの森がダンジョンの影響を受けているからでしょう。魔の森で倒した魔物は魔石になります。つまり魔の森は簡易的なダンジョンの領域という事ですね。……まあ、これは本に記載されていた情報ですけど」
……マジで?それってダンジョンを放っておいたら魔物が溢れ出てくるだけではなく、ダンジョンの周りの環境もダンジョンに侵食されてしまうって事なんじゃないのか?
「そういう事だったのね!違和感の原因も分かったし、このまま立ち止まっていてもしょうがないから探索を始めるわよ!!」
魔の森の中は鬱蒼とした木々と薄く広がる霧のせいで真っ暗かと思っていたが、外と比べて少し薄暗くなっただけだった。しかし霧のせいで見通しが悪く、湿度も高い。そのせいでアーシャ達は居心地が余り良くないようだ。ところが俺は見通しが悪い以外の影響は受けてない、それどころかこの森に入った時からSPが自動で回復している。
……都合が良いと言ってしまえばそれまでだが、これってモロにダンジョンの影響を受けてるって事だよな?アーシャの両親はそんな注意をしてなかったからおそらく大丈夫だとは思う。しかし頭では理解していても、ダンジョンに操られたりしないか不安になってしまう。
「ここが繁猿のダンジョンかしら?」
「……魔の森に入ってここまで来たのは初めてだから自信はありませんが、地図通りならここの筈です」
俺達の前には木々が複雑に絡まりあって歪な円を形成している奇妙なオブジェがあった。その円の中は闇で覆われており、向こう側を見通せない。
「まあそんな事、入ってみればすぐに分かるわ!」
ここまでの道中では雑魚の魔物、それも1匹ずつでしか遭遇しなかったから消耗は殆ど無いに等しい。準備万端といったところだ。
「……魔物に包囲されたみたい。ダンジョンに入れば追って来ないと思うけど、どうする?」
「ダンジョンに入る前の肩慣らしに丁度良いわね!倒しておくわよ!!」
せっかく気持ちを切り替えてダンジョンに入る決意をしたのに、邪魔が入ったようだ。
……うわー、マジかよ。木々の間から姿を現したのは、体長1メートル程で縞々模様の蜘蛛だった。正確に言えば30匹程の蜘蛛の群だ。黒と黄色の警戒色がとても毒々しく、正直なところ関わりたくない。
意思があるかは不明だが、俺達を何重にも囲っている様子からは『絶対に逃がさないぞ!』という意志を感じる気がする。……なんなのコイツら?
――――――――――――――――――――――――
【ステータス】
ランク:D
種族名:クピドゥス・ストラティオティス
個体名:未獲得
レベル:17/30
状態:正常
能力値
HP:358/391
SP:264/310
MP:213/247
攻撃力:143
防御力:113
素早さ:138
魔法力:98
魔防力:104
パッシブスキル
[猛毒耐性Lv2][探索Lv3][規律Lv3][連携Lv3]
アクティブスキル
[毒咬みLv4][操糸術Lv3][焼毒Lv3][粘糸Lv3][跳躍Lv2]
称号
[強欲の残滓][先兵]
――――――――――――――――――――――――
気になる称号とスキルも確認しておこう。
――――――――――――――――――――――――
【称号】
[強欲の残滓]
根源から無数に世代を経て希釈された残り香。
【スキル】
[焼毒]
付着した箇所から徐々に範囲が広がっていく毒。犯された箇所からはまるで炎に炙られているかのような痛みを感じる。SPを消費する。
――――――――――――――――――――――――
こんなキモい奴にアーシャが咬まれてしまったらと思うと、鳥肌が立つ……気がする。それにコイツらの毒は[毒消し]で解毒できなさそうだから絶対に咬ませないようにしないと。
……マジで?それってダンジョンを放っておいたら魔物が溢れ出てくるだけではなく、ダンジョンの周りの環境もダンジョンに侵食されてしまうって事なんじゃないのか?
「そういう事だったのね!違和感の原因も分かったし、このまま立ち止まっていてもしょうがないから探索を始めるわよ!!」
魔の森の中は鬱蒼とした木々と薄く広がる霧のせいで真っ暗かと思っていたが、外と比べて少し薄暗くなっただけだった。しかし霧のせいで見通しが悪く、湿度も高い。そのせいでアーシャ達は居心地が余り良くないようだ。ところが俺は見通しが悪い以外の影響は受けてない、それどころかこの森に入った時からSPが自動で回復している。
……都合が良いと言ってしまえばそれまでだが、これってモロにダンジョンの影響を受けてるって事だよな?アーシャの両親はそんな注意をしてなかったからおそらく大丈夫だとは思う。しかし頭では理解していても、ダンジョンに操られたりしないか不安になってしまう。
「ここが繁猿のダンジョンかしら?」
「……魔の森に入ってここまで来たのは初めてだから自信はありませんが、地図通りならここの筈です」
俺達の前には木々が複雑に絡まりあって歪な円を形成している奇妙なオブジェがあった。その円の中は闇で覆われており、向こう側を見通せない。
「まあそんな事、入ってみればすぐに分かるわ!」
ここまでの道中では雑魚の魔物、それも1匹ずつでしか遭遇しなかったから消耗は殆ど無いに等しい。準備万端といったところだ。
「……魔物に包囲されたみたい。ダンジョンに入れば追って来ないと思うけど、どうする?」
「ダンジョンに入る前の肩慣らしに丁度良いわね!倒しておくわよ!!」
せっかく気持ちを切り替えてダンジョンに入る決意をしたのに、邪魔が入ったようだ。
……うわー、マジかよ。木々の間から姿を現したのは、体長1メートル程で縞々模様の蜘蛛だった。正確に言えば30匹程の蜘蛛の群だ。黒と黄色の警戒色がとても毒々しく、正直なところ関わりたくない。
意思があるかは不明だが、俺達を何重にも囲っている様子からは『絶対に逃がさないぞ!』という意志を感じる気がする。……なんなのコイツら?
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【ステータス】
ランク:D
種族名:クピドゥス・ストラティオティス
個体名:未獲得
レベル:17/30
状態:正常
能力値
HP:358/391
SP:264/310
MP:213/247
攻撃力:143
防御力:113
素早さ:138
魔法力:98
魔防力:104
パッシブスキル
[猛毒耐性Lv2][探索Lv3][規律Lv3][連携Lv3]
アクティブスキル
[毒咬みLv4][操糸術Lv3][焼毒Lv3][粘糸Lv3][跳躍Lv2]
称号
[強欲の残滓][先兵]
――――――――――――――――――――――――
気になる称号とスキルも確認しておこう。
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【称号】
[強欲の残滓]
根源から無数に世代を経て希釈された残り香。
【スキル】
[焼毒]
付着した箇所から徐々に範囲が広がっていく毒。犯された箇所からはまるで炎に炙られているかのような痛みを感じる。SPを消費する。
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こんなキモい奴にアーシャが咬まれてしまったらと思うと、鳥肌が立つ……気がする。それにコイツらの毒は[毒消し]で解毒できなさそうだから絶対に咬ませないようにしないと。
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