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第3章『冒険者の街アーバン』
遭遇
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……旅に出て今日で3日目だ。期待していたイベントもなく、俺達はひたすら草原を歩き続けていた。
時々見かける魔物も、兎や牛といったこちらから攻撃しなければ害のない魔物ばかりだ。食料は十分にあるのでそれらは無視し、移動する時間に回した。
そして俺はというと、[状態異常耐性]のレベル上げを続けていた。あぁそういえば、1つだけ変わったことがある。【下級】の状態異常を引き起こす薬が効かなくなったことだ。仕方がないので、今は【中級】の[石化薬]を使っている。
「あっ、狼の群れよ!……こっちに向かってくるみだわ。囲まれる前に倒すわ!!」
15匹ほどだろうか、狼の群れが包囲するように散らばりながらこちらに近付いてきた。他は灰色だが、1匹だけ黒い毛皮で体が一回り大きな狼がいる。おそらくあれが群れのリーダーだろう、……ステータスは。
――――――――――――――――――――――――
【ステータス】
ランク:D+
種族名:ブラックウルフ
個体名:未獲得
レベル:28/35
状態:正常
能力値
HP:694/785
SP:387/534
MP:243/283
攻撃力:177
防御力:128
素早さ:174
魔法力:99
魔防力:96
パッシブスキル
[硬毛Lv4][搾取Lv4][威厳Lv2][毒耐性Lv4][麻痺耐性Lv4]
アクティブスキル
[噛み付きLv4][爪撃Lv3][統率Lv2][咆哮Lv3][身体強化Lv4][風魔法Lv2]
称号
[群れの長]
――――――――――――――――――――――――
……まあまあ強い。だが、ホブゴブリンの群れを倒したアーシャ達には敵わないだろう。ついでに他の狼も確認しておこう。
――――――――――――――――――――――――
【ステータス】
ランク:D
種族名:グレイウルフ
個体名:未獲得
レベル:21/30
状態:正常
能力値
HP:421/537
SP:218/472
MP:157/191
攻撃力:123
防御力:114
素早さ:137
魔法力:67
魔防力:79
パッシブスキル
[硬毛Lv3][献上Lv4][連携Lv2][毒耐性Lv4][麻痺耐性Lv3]
アクティブスキル
[爪撃Lv3][噛み付きLv3][追跡Lv4][身体強化Lv2][風魔法Lv1]
称号
[手下]
――――――――――――――――――――――――
……特に変わったスキルもないし、これはただの消化試合だな。傍から見れば3人の少女は、絶体絶命の状況といえる。……しかし内情を知れば、全く逆のことを思うだろう『狼さん逃げてー!』と。だが俺はアーシャに牙を剥いた奴らを許すつもりはないけどな。
狼からすれば、3人の少女と1匹の狼しかいないように見える筈だ。しかしその実、ここにいるのは無力な少女なんかではない。むしろ狼の方が狩られる側だ。
「『風の精霊よ切り刻め』シャープトルネード!大きいのが避けたわ!ターニャっ!」
「了解!……くっ、ソフィー援護お願いします!」
竜巻を避けて飛びかかってきたブラックウルフをターニャが押さえ込む。しかし、鋭い爪で引っ掻かれ足に怪我を負ってしまった。
「分かった。……こっちを見なさい駄犬、[挑発]」
[挑発]されたブラックウルフは注意をソフィーに向けてしまう。その瞬間、ズバッと首をターニャに切りつけられた……致命傷だな。
アーシャは、魔法が直撃し虫の息になった狼にトドメを刺している。[回復薬]の出番だな。……え?いや、狼に掛けて何度も痛ぶるつもりはない。『そんなこと思ってない』だって?疑ってすまないな、[回復薬]はターニャに使うつもりだ。
俺はアーシャの腕を離れ、ターニャの方に向かっていく。
『ターニャ、ちょっといいか?』
急に[回復薬]を掛けたらビックリしてしまうだろうから、事前に声を掛けておく。
「はい?なんでしょうか?」
……ピュー
「痛っ……くない?」
『怪我は治っているか?まだ治ってなかったら言ってくれ』
傷を放っておいたら傷跡が残ってしまう。せっかくの綺麗な肌に傷跡が残ったら大問題だからな。遠慮なく言ってくれ。
「ネラ、ありがとうございます。足にできた傷なので旅に支障が出ると思ったのですが、お陰で変わらず歩けそうです」
『どういたしまして』
そういうつもりではなかったが、役に立てて何よりだ。俺も目的は果たせたしこれでいい。……今回は軽い怪我で済んだが、深い傷だったら治せなかったかもしれない。……早く強くなって、仲間を護れるようになりたい。
俺達は狼の死骸がアンデッドにならないように処理した後、また目的地へ歩き出した。
時々見かける魔物も、兎や牛といったこちらから攻撃しなければ害のない魔物ばかりだ。食料は十分にあるのでそれらは無視し、移動する時間に回した。
そして俺はというと、[状態異常耐性]のレベル上げを続けていた。あぁそういえば、1つだけ変わったことがある。【下級】の状態異常を引き起こす薬が効かなくなったことだ。仕方がないので、今は【中級】の[石化薬]を使っている。
「あっ、狼の群れよ!……こっちに向かってくるみだわ。囲まれる前に倒すわ!!」
15匹ほどだろうか、狼の群れが包囲するように散らばりながらこちらに近付いてきた。他は灰色だが、1匹だけ黒い毛皮で体が一回り大きな狼がいる。おそらくあれが群れのリーダーだろう、……ステータスは。
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【ステータス】
ランク:D+
種族名:ブラックウルフ
個体名:未獲得
レベル:28/35
状態:正常
能力値
HP:694/785
SP:387/534
MP:243/283
攻撃力:177
防御力:128
素早さ:174
魔法力:99
魔防力:96
パッシブスキル
[硬毛Lv4][搾取Lv4][威厳Lv2][毒耐性Lv4][麻痺耐性Lv4]
アクティブスキル
[噛み付きLv4][爪撃Lv3][統率Lv2][咆哮Lv3][身体強化Lv4][風魔法Lv2]
称号
[群れの長]
――――――――――――――――――――――――
……まあまあ強い。だが、ホブゴブリンの群れを倒したアーシャ達には敵わないだろう。ついでに他の狼も確認しておこう。
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【ステータス】
ランク:D
種族名:グレイウルフ
個体名:未獲得
レベル:21/30
状態:正常
能力値
HP:421/537
SP:218/472
MP:157/191
攻撃力:123
防御力:114
素早さ:137
魔法力:67
魔防力:79
パッシブスキル
[硬毛Lv3][献上Lv4][連携Lv2][毒耐性Lv4][麻痺耐性Lv3]
アクティブスキル
[爪撃Lv3][噛み付きLv3][追跡Lv4][身体強化Lv2][風魔法Lv1]
称号
[手下]
――――――――――――――――――――――――
……特に変わったスキルもないし、これはただの消化試合だな。傍から見れば3人の少女は、絶体絶命の状況といえる。……しかし内情を知れば、全く逆のことを思うだろう『狼さん逃げてー!』と。だが俺はアーシャに牙を剥いた奴らを許すつもりはないけどな。
狼からすれば、3人の少女と1匹の狼しかいないように見える筈だ。しかしその実、ここにいるのは無力な少女なんかではない。むしろ狼の方が狩られる側だ。
「『風の精霊よ切り刻め』シャープトルネード!大きいのが避けたわ!ターニャっ!」
「了解!……くっ、ソフィー援護お願いします!」
竜巻を避けて飛びかかってきたブラックウルフをターニャが押さえ込む。しかし、鋭い爪で引っ掻かれ足に怪我を負ってしまった。
「分かった。……こっちを見なさい駄犬、[挑発]」
[挑発]されたブラックウルフは注意をソフィーに向けてしまう。その瞬間、ズバッと首をターニャに切りつけられた……致命傷だな。
アーシャは、魔法が直撃し虫の息になった狼にトドメを刺している。[回復薬]の出番だな。……え?いや、狼に掛けて何度も痛ぶるつもりはない。『そんなこと思ってない』だって?疑ってすまないな、[回復薬]はターニャに使うつもりだ。
俺はアーシャの腕を離れ、ターニャの方に向かっていく。
『ターニャ、ちょっといいか?』
急に[回復薬]を掛けたらビックリしてしまうだろうから、事前に声を掛けておく。
「はい?なんでしょうか?」
……ピュー
「痛っ……くない?」
『怪我は治っているか?まだ治ってなかったら言ってくれ』
傷を放っておいたら傷跡が残ってしまう。せっかくの綺麗な肌に傷跡が残ったら大問題だからな。遠慮なく言ってくれ。
「ネラ、ありがとうございます。足にできた傷なので旅に支障が出ると思ったのですが、お陰で変わらず歩けそうです」
『どういたしまして』
そういうつもりではなかったが、役に立てて何よりだ。俺も目的は果たせたしこれでいい。……今回は軽い怪我で済んだが、深い傷だったら治せなかったかもしれない。……早く強くなって、仲間を護れるようになりたい。
俺達は狼の死骸がアンデッドにならないように処理した後、また目的地へ歩き出した。
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