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第1章『始まりの森編』
運命の出逢い
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振り返るとそこには、……目の覚めるような金髪の美少女が居た。
小ぶりな顔に簡単に壊れてしまいそうな華奢な体つき、まるで童話に出てくる妖精の様だ。
「いや……魔物に言葉は通じないわね、声に反応して振り返ったのかしら?……まぁいいわ止まったんだから、誰も聞いてないし問題ないわ!」
何かゴメンな、俺が聞いてて……。
「貴方、影から見ていたけど中々面白いわね!私の従魔にしてあげるわ、感謝なさい!!」
……えぇ?なんか美少女が現れた!と思っていたら、急にスカ〇トされる流れになるなんて。でもこんな可愛い子の側に居られるなら、そんなに悪い事ではないかもしれない。
「従魔契約の前に上下関係を理解させた方が契約しやすくなるし、力の差を見せつけてあげるわ!」
……唯の美少女じゃなくてバイオレンス美少女だった。
この世界ってドラ〇エモンスターズ、それともポケ〇ンの世界だったのか?もし俺が勝てば……従人契約みたいな感じになるのか?
はっ!いったい俺は何を考えていたんだ?だが、これはしょうがないだろう。急に話し掛けられたと思ったら、スカ〇トされる流れになった。混乱してもしょうがない筈だ!
「行くわよ!」
しょうもない事を考えていたら少女が飛びかかって来た。ちょっ――!
『ちょっと待ったぁ!?止まってくれ!!』
「きゃあっ!?……誰よ、出て来なさい!私を驚かせた事への落とし前をつけてあげるわ!!」
……ヤバい、どこのヤクザだよ。
『目の前に居るだろ?』
「え……?誰も居ないわよ!大体、[念話]で話し掛けてきた時点で貴方が隠れている事は分かっているのよ!」
『お前から話し掛けてきたんじゃないか?』
「もしかして魔物が話した?そんな知性のあるモンスターは、ランク:A以上の化け物しかいない筈なのに。……そういえば、魔王も弱かった頃から会話できるほどの知性があったと聞いた事があるわ」
魔王か、そんなヤツが居るなんてやっぱりここは異世界なんだな。
「私と従魔契約をしないかしら?貴方にも色々な利益があるのよ」
そういえば、まだ鑑定してなかったな……。
――――――――――――――――――――――――
【ステータス】
ランク:―
種族名:エルフ
個体名:アリシア・ルシラ
レベル:36/99
状態:正常
能力値
HP:394/602
SP:224/481
MP:325/807
攻撃力:106
防御力:118
素早さ:157
魔法力:276
魔防力:113
パッシブスキル
[森の加護Lv5][毒耐性Lv3][麻痺耐性Lv2][契約Lv2]
アクティブスキル
[弓術Lv5][精霊魔法Lv6][隠密Lv3][探知Lv2][身体強化Lv2]
称号
[精霊の寵愛][森の護り手][寂しがり屋]
――――――――――――――――――――――――
……あー、はいはいはい。これ断ったら即処刑パターンだよな?
うん、[森の加護]とか[精霊の寵愛]ってどんな効果なんだろうか?鑑定。
――――――――――――――――――――――――
【称号】
[精霊の寵愛]
精霊にとても愛された存在である事を示す称号。この称号を持つ者は、種族に関わらず[精霊魔法]を使えるようになり効果も上昇する。
[森の護り手]
森の生態系など、森の均衡を維持する存在に与えられる称号。
【スキル】
[森の加護]
森で行う行動に補正が掛かる。スキルレベルが上がるにつれ、効果も上昇する。
――――――――――――――――――――――――
「ねぇ、聞いてる!?返事くらいしなさいよ!!」
……現実逃避しゅーりょー。
『少し待ってくれ、考える時間が欲しい。……従魔契約はどういう物なんだ?』
「興味があるのね?説明してあげるわ!従魔契約は契約者同士の魂を結びつける事によって、経験値を分け合ったり、契約した相手の場所が何となく分かる……みたいな感じね!!」
……魂を結び付けるって、片方が死んだらもう片方も死ぬとかないよな?
「基本的には弱い魔物と契約するわ!成長するまでは守ってあげて、成長してからは一緒に強くなっていくパートナーになるのよ!!」
……パートナーなんてこの世界に来てから、全く考えてなかった。
「それに、魔物は進化するとステータスがかなり下がってしまうの!逆にエルフやドワーフ、人間、魔族はレベルが上がりにくい代わりに、ステータスは下がらないから安心して進化できるわ!!」
ん?ステータスが下がった事なんて一度もなかった筈だぞ。
「他には従魔の世話をしてあげるのよ!身体を洗ったり、美味しいご飯を作ってあげたりね!!」
美味しいご飯だと!?……どんなご飯だろうか?[擬態]を使えば人の身体になれるかもしれないが、俺には料理の心得なんてない。
それに、これ以上一人で居ては人間性が失われていくだろう。他にも進化やレベルアップを手伝ってくれるみたいだし、一人で戦うよりも仲間がいる方が心強いと思う。
こんな千載一遇のチャンスを逃す手はない!
『……分かった、従魔になろう』
アリシアの曇っていた顔はほころび、太陽の様に眩しい笑顔を浮かべた。
「本当!じゃあ早速契約を始めましょう!!」
『……ところで、従魔契約はどうやってやるんだ?』
「あっ、まだ説明してなかったわね![契約]と[精霊魔法]を使うの。人との間で契約する場合は[契約]だけで良いんだけど、魔物と契約するには[精霊魔法]が必要なのよ!!」
「[精霊魔法]を使えるのはエルフとドワーフだけだから、人間や魔族は従魔契約ができないわ!」
『そうなのか、種族同士はどんな関係なんだ?』
「魔物なのにそんな事が知りたいだなんて、……貴方って本当に変わった魔物ね?」
そりゃどうも、好きで魔物になったわけじゃないからな。体は魔物でも、心は人間のままでいたいと俺は思っている。
「人間と魔族は対立していて、エルフとドワーフは中立を保っているわね。だから、人間の国と魔族の国のどちらにエルフやドワーフがいても問題ないわ!」
……そうか、だがそれも最早関係無いな。俺は今からエルフの従魔になるんだし。
『じゃあ、従魔契約とやらを始めてくれないか?』
「そうね始めるわよ!……『汝と倶に歩んだ行く末に祝福あれ』ソウルコントラクト!!」
身体が優しい光に包み込まれる。これが従魔契約なのか、……温かくて心地良いな。
こんなに穏やかな気持ちになったのはこの世界に来てから初めてだ。……そうか俺、疲れてたんだな。
……意識が遠くなっていき、俺は眠りに落ちた。
小ぶりな顔に簡単に壊れてしまいそうな華奢な体つき、まるで童話に出てくる妖精の様だ。
「いや……魔物に言葉は通じないわね、声に反応して振り返ったのかしら?……まぁいいわ止まったんだから、誰も聞いてないし問題ないわ!」
何かゴメンな、俺が聞いてて……。
「貴方、影から見ていたけど中々面白いわね!私の従魔にしてあげるわ、感謝なさい!!」
……えぇ?なんか美少女が現れた!と思っていたら、急にスカ〇トされる流れになるなんて。でもこんな可愛い子の側に居られるなら、そんなに悪い事ではないかもしれない。
「従魔契約の前に上下関係を理解させた方が契約しやすくなるし、力の差を見せつけてあげるわ!」
……唯の美少女じゃなくてバイオレンス美少女だった。
この世界ってドラ〇エモンスターズ、それともポケ〇ンの世界だったのか?もし俺が勝てば……従人契約みたいな感じになるのか?
はっ!いったい俺は何を考えていたんだ?だが、これはしょうがないだろう。急に話し掛けられたと思ったら、スカ〇トされる流れになった。混乱してもしょうがない筈だ!
「行くわよ!」
しょうもない事を考えていたら少女が飛びかかって来た。ちょっ――!
『ちょっと待ったぁ!?止まってくれ!!』
「きゃあっ!?……誰よ、出て来なさい!私を驚かせた事への落とし前をつけてあげるわ!!」
……ヤバい、どこのヤクザだよ。
『目の前に居るだろ?』
「え……?誰も居ないわよ!大体、[念話]で話し掛けてきた時点で貴方が隠れている事は分かっているのよ!」
『お前から話し掛けてきたんじゃないか?』
「もしかして魔物が話した?そんな知性のあるモンスターは、ランク:A以上の化け物しかいない筈なのに。……そういえば、魔王も弱かった頃から会話できるほどの知性があったと聞いた事があるわ」
魔王か、そんなヤツが居るなんてやっぱりここは異世界なんだな。
「私と従魔契約をしないかしら?貴方にも色々な利益があるのよ」
そういえば、まだ鑑定してなかったな……。
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【ステータス】
ランク:―
種族名:エルフ
個体名:アリシア・ルシラ
レベル:36/99
状態:正常
能力値
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魔法力:276
魔防力:113
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アクティブスキル
[弓術Lv5][精霊魔法Lv6][隠密Lv3][探知Lv2][身体強化Lv2]
称号
[精霊の寵愛][森の護り手][寂しがり屋]
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……あー、はいはいはい。これ断ったら即処刑パターンだよな?
うん、[森の加護]とか[精霊の寵愛]ってどんな効果なんだろうか?鑑定。
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【称号】
[精霊の寵愛]
精霊にとても愛された存在である事を示す称号。この称号を持つ者は、種族に関わらず[精霊魔法]を使えるようになり効果も上昇する。
[森の護り手]
森の生態系など、森の均衡を維持する存在に与えられる称号。
【スキル】
[森の加護]
森で行う行動に補正が掛かる。スキルレベルが上がるにつれ、効果も上昇する。
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「ねぇ、聞いてる!?返事くらいしなさいよ!!」
……現実逃避しゅーりょー。
『少し待ってくれ、考える時間が欲しい。……従魔契約はどういう物なんだ?』
「興味があるのね?説明してあげるわ!従魔契約は契約者同士の魂を結びつける事によって、経験値を分け合ったり、契約した相手の場所が何となく分かる……みたいな感じね!!」
……魂を結び付けるって、片方が死んだらもう片方も死ぬとかないよな?
「基本的には弱い魔物と契約するわ!成長するまでは守ってあげて、成長してからは一緒に強くなっていくパートナーになるのよ!!」
……パートナーなんてこの世界に来てから、全く考えてなかった。
「それに、魔物は進化するとステータスがかなり下がってしまうの!逆にエルフやドワーフ、人間、魔族はレベルが上がりにくい代わりに、ステータスは下がらないから安心して進化できるわ!!」
ん?ステータスが下がった事なんて一度もなかった筈だぞ。
「他には従魔の世話をしてあげるのよ!身体を洗ったり、美味しいご飯を作ってあげたりね!!」
美味しいご飯だと!?……どんなご飯だろうか?[擬態]を使えば人の身体になれるかもしれないが、俺には料理の心得なんてない。
それに、これ以上一人で居ては人間性が失われていくだろう。他にも進化やレベルアップを手伝ってくれるみたいだし、一人で戦うよりも仲間がいる方が心強いと思う。
こんな千載一遇のチャンスを逃す手はない!
『……分かった、従魔になろう』
アリシアの曇っていた顔はほころび、太陽の様に眩しい笑顔を浮かべた。
「本当!じゃあ早速契約を始めましょう!!」
『……ところで、従魔契約はどうやってやるんだ?』
「あっ、まだ説明してなかったわね![契約]と[精霊魔法]を使うの。人との間で契約する場合は[契約]だけで良いんだけど、魔物と契約するには[精霊魔法]が必要なのよ!!」
「[精霊魔法]を使えるのはエルフとドワーフだけだから、人間や魔族は従魔契約ができないわ!」
『そうなのか、種族同士はどんな関係なんだ?』
「魔物なのにそんな事が知りたいだなんて、……貴方って本当に変わった魔物ね?」
そりゃどうも、好きで魔物になったわけじゃないからな。体は魔物でも、心は人間のままでいたいと俺は思っている。
「人間と魔族は対立していて、エルフとドワーフは中立を保っているわね。だから、人間の国と魔族の国のどちらにエルフやドワーフがいても問題ないわ!」
……そうか、だがそれも最早関係無いな。俺は今からエルフの従魔になるんだし。
『じゃあ、従魔契約とやらを始めてくれないか?』
「そうね始めるわよ!……『汝と倶に歩んだ行く末に祝福あれ』ソウルコントラクト!!」
身体が優しい光に包み込まれる。これが従魔契約なのか、……温かくて心地良いな。
こんなに穏やかな気持ちになったのはこの世界に来てから初めてだ。……そうか俺、疲れてたんだな。
……意識が遠くなっていき、俺は眠りに落ちた。
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