暗黒神ですが人間界に降りてきました

まこる

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謎の女

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「オラッ! ちったあ楽しませろ、よっ! 」

「グハッ!! 」

集団、特に野田に蹴られている。口の中が切れまくりで、腹はとにかく鈍痛だ。

「く、くそ......」

水原は昔から、コッソリ魔法を使うのが苦手だった。人間界に降りてきた時に、一番苦労していたのは水原だ。そんな水原、下手に魔法を使ったらとんでもない威力が出てしまうため、怒りを必死に抑え込んでいたが、ついに少々漏れだしてしまった。
後ろの方に置いてあった、雨漏りを受け止めるバケツ。その水の一部が勝手に動きだし、野田の後頭部にピチャッとかかった。

「ん? なんだこりゃ? 」

その隙を見逃さなかった水原は、野田の懐に飛び込み、思い切りタックルをした。

「うおおおおお!!! 」

「ぐっ!! この、ボケが!! 」

野田は負けじと、膝と肘で水原のみぞおちをプレスした。

「あ、あ......」

だんだんと水原の目から、光が無くなってきた。神なのでこのまま死ぬこともなく、ずっと殴られ続けるんだろうか。

「水原!! 」

黒田が見たのは、明らかな集団リンチの光景。友人が痛め付けられている現場だった。

「こ、この......」

「ああん? こいつのダチか? 先公にこのことバレるとまずいからな......決めたぜ。お前も口止めのためにボコボコにしてやる! 」

ヒヒヒと笑いながら近付いてくる野田達。黒田はその中で色々なことを考えていた。
魔法を使うか? いや、今の精神状態で上手く魔法が使えるかは怪しい。
そのまま殴りかかるか? いや、多分死ぬだろう。体格差がありすぎる。
ではどうすれば。黒田は悩みに悩んでいた。しかしその時、後ろから誰かの声が聞こえた。

「神への反逆は、重罪ですよ」

その人物は、見たことのない女だった。
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