死刑になったら転生しました ~しかもチートスキル付きだとぉ?~

まこる

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竜人編

帰還と旅立ち

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「......しかし、久しぶりだな、シャクナク。あの時は世話になった」

「......そう思い出に浸っている場合ではないでしょう。あなたは、神に生かされたのですから」

「......お前は知っているんだな」

「はい。貴方がこの場所に落ちた直後、創造神ゲユイナルから啓示を受けました。さあ、今すぐ戻りなさい。都カルーデへ。創造神はこう言っていました。暴走する破壊神を止める術を探してください、と」

「それで人助け。いや、神助けができるなら、喜んで」

ユラシアは竜人の村を出る準備をし始めた。そこへ、早足でリナがやってきた。

「あの、私の事、忘れてないですよね? 」

「ああもちろんだ。ここへ置いていきはしないさ」

それを聞くとリナは安心したようにニッコリと笑った。

リナに続いて、村の竜人が全員そこへ集合した。

まず喋ったのは村長だった。

「ユラシアさん、でしたか。この度は村を救ってくださり、ありがとうございました。最初のご無礼をお許しください」

「いや、分かってくれたならいいんだ」

次に出てきたのは、村長の娘、メリーであった。顔を斜め下に向けている。リナに対しての申し訳なさの表れであった。

メリーはリナの方へ向いた。

「メリー......」

「リナ......悪かったわ。別にあんただけが悪いんじゃなかったのに、あんたを裏切り者扱いしちゃった。許してとは言わないわ」

「ううん。悪いのは私。メリーは別に、正しいことをしたの。許すも何もないよ」

「リナ......」

メリーは知らず知らずの内に涙を流し、同じく涙を流していたリナと抱き合った。

「向こうに行っても元気でね......! 」

「うん......! 」

-数分後-

皆に見送られながら、リナは自分が生まれ育った村を旅立った。シャクナクの案内で、都カルーデまで行くのだ。

「しかしリナ。村の皆はお前のことをもう悪く思っていないんだったら、あのまま村に残っていてもよかったんじゃないか? 」

そのユラシアの疑問は、リナにとっては愚問だった。

「ふふ、女性って、あることに関しては行動力が凄まじいんですよ? 」

恋愛経験など微塵もないユラシアは、鈍感にもほどがあった。

「あること? なんだそれは? 」

「ふふーん、秘密でーす」

にこやかに頬笑みながら、リナはルンルンで歩いていた。

一方シャクナクは、ユラシアのあまりの鈍感さに若干引いていた。

「......それはないです」

「な! なんだシャクナク! お、お、俺は何かしたのか!? 」

これでユラシアの周りにいる女性は、合計で三人ということになるのだ。


シャクナクとの再会を喜んだユラシア。しかし、ユラシアはこれから待ち受ける更なる感動的な再会に関して、この時は何も知らなかった。
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