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魔王編
決着
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二人の勝負が始まった。いや、始まってしまった。神の領域に達するほどの二人の実力は、世界を滅亡させるのに十分なのだ。
ユラシアは先に仕掛けていった。
「殺」
最初に発動させたスキルが、危険すぎてユラシア自身も使うことを戸惑っていた、シンプルかつ最強のスキルである。しかし、そんなことでやられては、魔王としての素質など糞食らえだ。
「無駄だ。余は既に異界の星と繋がることを可能にした。その能力の前では、貴様も無力ということだ」
ゼホノゴスは玉座から浮かび上がり、先ほどから発動していたスキルを言った。
「星座スキル、双子座。不老不死となるスキルだ」
「この......」
不老不死と不老不死。戦っても勝敗はつかない。ゆえに、どちらが先に折れるかの戦いとなることを双方理解していた。
「蠍座。毒針に悶え苦しむがよい」
しかし、ユラシアの無敵を突き破ることはできなかった。
「創造......加速」
ユラシアは、どんなものでも切り裂くような魔性の剣を作り出した後、自身のスピードを極限まで高め、高速で魔王を攻撃していった。
しかし、魔王はそれを避けた。避けたというより、すり抜けさせたというほうが正しいかも知れない。
「蟹座。外界からの刺激を一切遮断する能力だ。これで貴様からの攻撃は当たらん」
「こ、この......」
埒が明かない。剣を握りながら次の手を考えていると、ユラシアの頭に音声が流れ込んできた。
「ユラシア、聞いてるか」
あの声だ。シャクナクが破壊神と呼んでいたあの。
「ゼホノゴスは俺がやる。お前のスキルじゃ同じことを繰り返すだけだ」
その声が終わると、ゼホノゴスはいきなり胸を押さえた。
「こ、これは......グワアアアアア!!! 」
「ゼホノゴスが、消えていく......」
「余が、余が消えてしまう!! もう少し、あと少しで、神に、なれる、はず......」
決着のつかないこの勝負、破壊神が終わらせてしまった。あれだけ強いゼホノゴスを。
「本当に、死んだんですか? 」
「にわかには信じられん。ユラシア殿があんなにも苦戦していたのに......」
「......帰ろう」
「あ、ちょっと......」
なんとも気持ちのよくない勝利。苦虫を噛み潰したような顔で、ユラシアは魔王城をあとにした。
ユラシアは先に仕掛けていった。
「殺」
最初に発動させたスキルが、危険すぎてユラシア自身も使うことを戸惑っていた、シンプルかつ最強のスキルである。しかし、そんなことでやられては、魔王としての素質など糞食らえだ。
「無駄だ。余は既に異界の星と繋がることを可能にした。その能力の前では、貴様も無力ということだ」
ゼホノゴスは玉座から浮かび上がり、先ほどから発動していたスキルを言った。
「星座スキル、双子座。不老不死となるスキルだ」
「この......」
不老不死と不老不死。戦っても勝敗はつかない。ゆえに、どちらが先に折れるかの戦いとなることを双方理解していた。
「蠍座。毒針に悶え苦しむがよい」
しかし、ユラシアの無敵を突き破ることはできなかった。
「創造......加速」
ユラシアは、どんなものでも切り裂くような魔性の剣を作り出した後、自身のスピードを極限まで高め、高速で魔王を攻撃していった。
しかし、魔王はそれを避けた。避けたというより、すり抜けさせたというほうが正しいかも知れない。
「蟹座。外界からの刺激を一切遮断する能力だ。これで貴様からの攻撃は当たらん」
「こ、この......」
埒が明かない。剣を握りながら次の手を考えていると、ユラシアの頭に音声が流れ込んできた。
「ユラシア、聞いてるか」
あの声だ。シャクナクが破壊神と呼んでいたあの。
「ゼホノゴスは俺がやる。お前のスキルじゃ同じことを繰り返すだけだ」
その声が終わると、ゼホノゴスはいきなり胸を押さえた。
「こ、これは......グワアアアアア!!! 」
「ゼホノゴスが、消えていく......」
「余が、余が消えてしまう!! もう少し、あと少しで、神に、なれる、はず......」
決着のつかないこの勝負、破壊神が終わらせてしまった。あれだけ強いゼホノゴスを。
「本当に、死んだんですか? 」
「にわかには信じられん。ユラシア殿があんなにも苦戦していたのに......」
「......帰ろう」
「あ、ちょっと......」
なんとも気持ちのよくない勝利。苦虫を噛み潰したような顔で、ユラシアは魔王城をあとにした。
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