死刑になったら転生しました ~しかもチートスキル付きだとぉ?~

まこる

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魔王編

魔王城

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魔王城の中はいかにも悪者が住んでいる場所だった。なんとも嫌な雰囲気が漂う。

「......おかしいな」

「どうしたんだラエル」

「いや、普通侵入を拒むためにもっと兵を置くはずだろう。しかし、魔王城に入ってから一度も敵と会っていない......」

「うむ、確かにおかしい」

しかし、その状況にした魔王の真意を見つけることはできず、ユラシアたちは魔王城を進んでいった。

-魔王の間-

あっけなくたどり着いてしまった魔王の間。ユラシアたちは実に緊張していた。

「......入るぞ」

扉を開けると、ユラシアたちより2メートルほど高い場所に魔王が鎮座していた。しかし、どこか上の空だ。

「おい魔王、お前を倒しにやってきた。おとなしく死ね」

血の気が多くなっているユラシアと対を成すように、魔王は口を開き、非常にゆっくりと喋り始めた。

「......余にはわからん」

遠くを見つめながら、魔王はいった。

「なんだと? 」

「余はえらばれし体のはず。しかし、どうしても神に近づけぬ。だがどうだ? 何年も何年も余が研究をしてきてもできなかったというのに、貴様は生まれた日から神に等しい力があった......」

魔王は自身の顔の前に手のひらを出し、過去を思い出すように視線でなぞった。

「貴様を捕らえれば、余は神となり、世界に名を轟かせることになるのだ」

魔王が台詞を言い終わった瞬間、ユラシアの脇から白い何かが飛び出してきた。シオネだ。シオネは魔王に向かって牙を剥き、噛みつこうとしたが、魔王の見えないバリアによって防がれてしまった。

「そんなことのためにユラシアさんをあんな目に逢わせたんですか? ふざけないで下さい!! 」

「獣人の女。何をそのように怒るのだ」

「シオネのいうことはもっともだ。神になっても、残るのは孤独だけだ! 」

二人の熱弁に何の興味も示さない魔王。魔王の目的は元より一つであった。

「さあ神にえらばれし者よ。貴様の持てる全ての技を使い、余を打ち倒してみよ。できなければ、余の体の一部となってもらう」

「そんなのはごめんだな」

「では全力で、抗って見せよ!! 」
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