27 / 48
学園生活編
四天王最後の戦い
しおりを挟む
サキが唱えたスキルは、自身を中心に土や泥を固めて集め、巨大な泥人形を作るという能力である。その人形は、本体自身のように動く。
その巨大なゴーレムは、体長20mほど。普通ならば怖じ気付いて動けなくなるほどの巨体である。
「......」
「ウオオオオオ!!! 」
ゴーレムは手始めに、その巨大な拳でユラシアを潰そうとした。大きく振りかぶり、足元にいるユラシアに向かって下段突きを放った。
しかし、ユラシアのスキルで弾かれ、その手は砕け散った。しかし、修復する素材は地面に無限に存在する。手を瞬時に直して、再び完全なゴーレムの姿となった。
「ウオオオ、オオオオオ!!! 」
「......サキ! 目を覚ませ! 」
声をかけても返事がない。仕方なく、ユラシアはスキルを使ってサキを止めようとした。しかし、またあの重い声が聞こえてきた。
「させぬ」
ゼホノゴスは、ユラシアの足に枷を着けた。ただの枷ならよかった。しかし、魔王がかけた枷。普通ではないことは確かである。
「これは、またか!! 」
そう、スキルを封印する枷である。形は違えど性質は同じ。ユラシアは再び特定のスキルを使えなくなった。
「これでよい。あとは、崩壊するまで放っておけばいい」
「この......なんだこれは......! 」
あの時の枷とは違う。確実に力が失われていく。スキルを発動しようとも、その気力や体力さえも吸い取られていく。それに、前の枷より使えるスキルが制限されている。そう、無敵が使えなくなっているのだ。
そんなユラシアを狙って、サキが入ったゴーレムは、もう一度ユラシアに拳を振りかざした。しかし、その拳に立ち向かった者達がいた。
狙撃手 ギャンガ。
「で、でけぇ。これがサキの最終形態......」
格闘家 イガロス。
「腕がなるぜ! 」
不死鳥 アリス。
「ミツルをこんなにするなんて......あいつ絶対にぶち殺す!!! 」
そして、今まで気絶状態だったセレーネ。
(ユラシアくんが倒れてるわ......なんとしてでも助けないと、許してもらえない)
この四人、仮にも四天王と一般生徒。使う側と使われる側だった者達が今、手を取り合って戦う。これも、ユラシアがやってきたことの成果である。
「俺とセレーネが援護する! お前らが積極的に攻撃してくれ! 」
「言われなくてもやるぜオラ!! 」
「ミツルの仇ぃ!!! 」
(援護援護......頑張るわ! )
まずはセレーネの幻影での妨害。ゴーレムの目の前にユラシアの幻を出現させて、偽物のユラシアと戦わせる。
そこへ、ライフルによる射撃によってゴーレムの両足を撃ち抜いたギャンガ。ゴーレムはうつ伏せに倒れた。ギャンガのライフルは特殊で、生物でも無機物でも、貫かれれば修復するのは困難を極める。流石のゴーレムも修復に手間取っているようだ。
そんな中、イガロスとアリスが両側から遠回りしてきた。そして、ゴーレムの頭の両側に立つと、頭に向かって走り始めた。
頭に向かって二人とも渾身の一撃。ゴーレムの頭は跡形もなく砕けた。そこには、気絶したサキの姿があった。
「サキ......! 」
「ミツル! お前は動かなくてもいい! 」
ギャンガがサキを引きずってユラシアの元へもっていく過程で、サキの胸に埋め込まれていたコアは割れ砕け、跡形もなくなってしまった。
「気絶しているのか......とりあえず医務室だ。俺のことはいい」
「わかった......その足枷どうにかしてろよ! 」
「ああ......どうしたものか」
ユラシアは足枷を見つめた。魔王が作った枷だ。人間に破壊することはできないだろう。
そんなことを考えていると、またあの声が聞こえてきた。魔王とは違う。あの声だ。
神の声だ。
その巨大なゴーレムは、体長20mほど。普通ならば怖じ気付いて動けなくなるほどの巨体である。
「......」
「ウオオオオオ!!! 」
ゴーレムは手始めに、その巨大な拳でユラシアを潰そうとした。大きく振りかぶり、足元にいるユラシアに向かって下段突きを放った。
しかし、ユラシアのスキルで弾かれ、その手は砕け散った。しかし、修復する素材は地面に無限に存在する。手を瞬時に直して、再び完全なゴーレムの姿となった。
「ウオオオ、オオオオオ!!! 」
「......サキ! 目を覚ませ! 」
声をかけても返事がない。仕方なく、ユラシアはスキルを使ってサキを止めようとした。しかし、またあの重い声が聞こえてきた。
「させぬ」
ゼホノゴスは、ユラシアの足に枷を着けた。ただの枷ならよかった。しかし、魔王がかけた枷。普通ではないことは確かである。
「これは、またか!! 」
そう、スキルを封印する枷である。形は違えど性質は同じ。ユラシアは再び特定のスキルを使えなくなった。
「これでよい。あとは、崩壊するまで放っておけばいい」
「この......なんだこれは......! 」
あの時の枷とは違う。確実に力が失われていく。スキルを発動しようとも、その気力や体力さえも吸い取られていく。それに、前の枷より使えるスキルが制限されている。そう、無敵が使えなくなっているのだ。
そんなユラシアを狙って、サキが入ったゴーレムは、もう一度ユラシアに拳を振りかざした。しかし、その拳に立ち向かった者達がいた。
狙撃手 ギャンガ。
「で、でけぇ。これがサキの最終形態......」
格闘家 イガロス。
「腕がなるぜ! 」
不死鳥 アリス。
「ミツルをこんなにするなんて......あいつ絶対にぶち殺す!!! 」
そして、今まで気絶状態だったセレーネ。
(ユラシアくんが倒れてるわ......なんとしてでも助けないと、許してもらえない)
この四人、仮にも四天王と一般生徒。使う側と使われる側だった者達が今、手を取り合って戦う。これも、ユラシアがやってきたことの成果である。
「俺とセレーネが援護する! お前らが積極的に攻撃してくれ! 」
「言われなくてもやるぜオラ!! 」
「ミツルの仇ぃ!!! 」
(援護援護......頑張るわ! )
まずはセレーネの幻影での妨害。ゴーレムの目の前にユラシアの幻を出現させて、偽物のユラシアと戦わせる。
そこへ、ライフルによる射撃によってゴーレムの両足を撃ち抜いたギャンガ。ゴーレムはうつ伏せに倒れた。ギャンガのライフルは特殊で、生物でも無機物でも、貫かれれば修復するのは困難を極める。流石のゴーレムも修復に手間取っているようだ。
そんな中、イガロスとアリスが両側から遠回りしてきた。そして、ゴーレムの頭の両側に立つと、頭に向かって走り始めた。
頭に向かって二人とも渾身の一撃。ゴーレムの頭は跡形もなく砕けた。そこには、気絶したサキの姿があった。
「サキ......! 」
「ミツル! お前は動かなくてもいい! 」
ギャンガがサキを引きずってユラシアの元へもっていく過程で、サキの胸に埋め込まれていたコアは割れ砕け、跡形もなくなってしまった。
「気絶しているのか......とりあえず医務室だ。俺のことはいい」
「わかった......その足枷どうにかしてろよ! 」
「ああ......どうしたものか」
ユラシアは足枷を見つめた。魔王が作った枷だ。人間に破壊することはできないだろう。
そんなことを考えていると、またあの声が聞こえてきた。魔王とは違う。あの声だ。
神の声だ。
20
お気に入りに追加
370
あなたにおすすめの小説
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜
水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。
その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。
危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。
彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。
初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。
そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。
警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。
これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

気づいたら美少女ゲーの悪役令息に転生していたのでサブヒロインを救うのに人生を賭けることにした
高坂ナツキ
ファンタジー
衝撃を受けた途端、俺は美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生していた!?
これは、自分が制作にかかわっていた美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生した主人公が、報われないサブヒロインを救うために人生を賭ける話。
日常あり、恋愛あり、ダンジョンあり、戦闘あり、料理ありの何でもありの話となっています。
没落貴族の異世界領地経営!~生産スキルでガンガン成り上がります!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生した元日本人ノエルは、父の急死によりエトワール伯爵家を継承することになった。
亡くなった父はギャンブルに熱中し莫大な借金をしていた。
さらに借金を国王に咎められ、『王国貴族の恥!』と南方の辺境へ追放されてしまう。
南方は魔物も多く、非常に住みにくい土地だった。
ある日、猫獣人の騎士現れる。ノエルが女神様から与えられた生産スキル『マルチクラフト』が覚醒し、ノエルは次々と異世界にない商品を生産し、領地経営が軌道に乗る。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

ゴミスキルでもたくさん集めればチートになるのかもしれない
兎屋亀吉
ファンタジー
底辺冒険者クロードは転生者である。しかしチートはなにひとつ持たない。だが救いがないわけじゃなかった。その世界にはスキルと呼ばれる力を後天的に手に入れる手段があったのだ。迷宮の宝箱から出るスキルオーブ。それがあればスキル無双できると知ったクロードはチートスキルを手に入れるために、今日も薬草を摘むのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる