死刑になったら転生しました ~しかもチートスキル付きだとぉ?~

まこる

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学園生活編

四天王最後の戦い

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サキが唱えたスキルは、自身を中心に土や泥を固めて集め、巨大な泥人形を作るという能力である。その人形は、本体自身のように動く。

その巨大なゴーレムは、体長20mほど。普通ならば怖じ気付いて動けなくなるほどの巨体である。

「......」

「ウオオオオオ!!! 」

ゴーレムは手始めに、その巨大な拳でユラシアを潰そうとした。大きく振りかぶり、足元にいるユラシアに向かって下段突きを放った。

しかし、ユラシアのスキルで弾かれ、その手は砕け散った。しかし、修復する素材は地面に無限に存在する。手を瞬時に直して、再び完全なゴーレムの姿となった。

「ウオオオ、オオオオオ!!! 」

「......サキ! 目を覚ませ! 」

声をかけても返事がない。仕方なく、ユラシアはスキルを使ってサキを止めようとした。しかし、またあの重い声が聞こえてきた。

「させぬ」

ゼホノゴスは、ユラシアの足に枷を着けた。ただの枷ならよかった。しかし、魔王がかけた枷。普通ではないことは確かである。

「これは、またか!! 」

そう、スキルを封印する枷である。形は違えど性質は同じ。ユラシアは再び特定のスキルを使えなくなった。

「これでよい。あとは、崩壊するまで放っておけばいい」

「この......なんだこれは......! 」

あの時の枷とは違う。確実に力が失われていく。スキルを発動しようとも、その気力や体力さえも吸い取られていく。それに、前の枷より使えるスキルが制限されている。そう、無敵インビンシブルが使えなくなっているのだ。

そんなユラシアを狙って、サキが入ったゴーレムは、もう一度ユラシアに拳を振りかざした。しかし、その拳に立ち向かった者達がいた。

狙撃手 ギャンガ。

「で、でけぇ。これがサキの最終形態......」

格闘家 イガロス。

「腕がなるぜ! 」

不死鳥 アリス。

「ミツルをこんなにするなんて......あいつ絶対にぶち殺す!!! 」

そして、今まで気絶状態だったセレーネ。

(ユラシアくんが倒れてるわ......なんとしてでも助けないと、許してもらえない)

この四人、仮にも四天王と一般生徒。使う側と使われる側だった者達が今、手を取り合って戦う。これも、ユラシアがやってきたことの成果である。

「俺とセレーネが援護する! お前らが積極的に攻撃してくれ! 」

「言われなくてもやるぜオラ!! 」

「ミツルの仇ぃ!!! 」

(援護援護......頑張るわ! )

まずはセレーネの幻影での妨害。ゴーレムの目の前にユラシアの幻を出現させて、偽物のユラシアと戦わせる。

そこへ、ライフルによる射撃によってゴーレムの両足を撃ち抜いたギャンガ。ゴーレムはうつ伏せに倒れた。ギャンガのライフルは特殊で、生物でも無機物でも、貫かれれば修復するのは困難を極める。流石のゴーレムも修復に手間取っているようだ。

そんな中、イガロスとアリスが両側から遠回りしてきた。そして、ゴーレムの頭の両側に立つと、頭に向かって走り始めた。

頭に向かって二人とも渾身の一撃。ゴーレムの頭は跡形もなく砕けた。そこには、気絶したサキの姿があった。

「サキ......! 」

「ミツル! お前は動かなくてもいい! 」

ギャンガがサキを引きずってユラシアの元へもっていく過程で、サキの胸に埋め込まれていたコアは割れ砕け、跡形もなくなってしまった。

「気絶しているのか......とりあえず医務室だ。俺のことはいい」

「わかった......その足枷どうにかしてろよ! 」

「ああ......どうしたものか」

ユラシアは足枷を見つめた。魔王が作った枷だ。人間に破壊することはできないだろう。

そんなことを考えていると、またあの声が聞こえてきた。魔王とは違う。あの声だ。

神の声だ。
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