死刑になったら転生しました ~しかもチートスキル付きだとぉ?~

まこる

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学園生活編

二人の戦い

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試合が始まる時間まで、ユラシアは依頼主、ギャンガから渡されたリストを眺めていた。

リストNo.1 サキ。多くの女子生徒をまとめあげている男子生徒。男の体に女の心。それを巧みに使って生徒を牛耳っている。

リストNo.2 セレーネ・シエルコット。男子生徒に良からぬ方法で近付き、虜にしてしまう妖艶な魅力を漂わせた女。人の男を平気でとる。

「おい、そろそろ始まるぞ。第3闘技場を貸し切ってるらしいぜ」

ギャンガが迎えに来た。ユラシアは紙を制服のポケットにしまって、その闘技場に向かった。

-第3闘技場-

四天王の二人がやり合う試合とだけあって、場内はお祭り騒ぎだ。観客席も満員に等しかった。座る席をとるのも精一杯だ。

その試合を面白がっている者もいた。

「賭けて賭けてー! イガロスは2.2倍! アリスは1.6倍だよー!! 」

「......アリスの方が強いのか? 」

賭けの声を聞いたユラシアは、どさくさに紛れてポップコーンを買っていたギャンガに聞いた。

「そりゃそうだぜ。イガロスのスキルとアリスのスキルじゃ相性がな......」

そんな話をしていると、両者が入場した。二人とも、制服を軽く加工した戦闘服に着替えていた。

「あんたのスキルじゃ、私に傷を負わせるのは難しいかもね」

「ナメるなよ。再生もできないぐらいに木っ端微塵にしてやる」

会場全体がどよめいた。しばらくの沈黙の後、戦いのゴングがならされた。

「勝負開始!! 」

最初に仕掛けたのはイガロスだ。独特な構えで、スキルを使った。

格闘ファイトスキル......筋力強化パワーアップ!! 」

そのスキルは、イガロスの肉体を一時的に強化し、人並外れたパワーと、肉体の強化を行うものである。

スキルによってスピードも上がったイガロスは、拳が唸るままにアリスに向かっていった。

しかし、ここでアリスもスキルを発動する。

不死鳥フェニックススキル。ウイング

スキルによって、アリスの両腕は炎を纏った翼となり、イガロスの拳を飛んで避けた。

「ハエかテメェは!! 」

「レディに向かって失礼ね! 火球ファイアボール! 」

イガロスに向かって、アリスの翼から火の玉が飛び出した。

その様子を見て、ギャンガはさっきの続きを言った。

「見ての通り、アリスのスキルとイガロスのスキルじゃタイプが違うんだ。近距離と遠距離じゃ、優位なのは遠距離」

しかし、肉体を強化しているイガロスは、火の玉を自身の拳で殴り消した。

「炎を殴るなんて......」

「今のが炎? 南風かと思ったぜ」

こんなにわかりやすい煽り文句にのる者などいないと思っていた。しかし、そこでのるのがアリスという人物である。

「ば、バカにしないでよね! 豪炎マイティフレイム!! 」

アリスが両翼をイガロスの方に向けると、火炎放射機のように火を噴いた。しかし、その炎は並大抵の温度ではない。鉄などあれば瞬時に溶かしてしまうレベルだ。

硬化メタリック

だが、そこで負けるイガロスではない。咄嗟の判断でスキルを発動して、自分の体を特殊な金属で覆った。それによって炎は、イガロスに火傷も負わせずに終わった。

「くう......! 」

「殺す気かこのアマが! 」

両者一歩も譲らぬ超接戦。そんな熱い戦いに目もくれず、着々と準備を進める者がいた。
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