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僕の手により悦びを覚えさせられる初恋の少女
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〈花畑〉で、ザシャとゲルデは逢瀬を交わしていた。
ふかふかの絨毯に座り、ゲルデが作った蜂蜜パイを葡萄酒と一緒に味わう。いつもならば隣り合って座るが、今日のゲルデは、ザシャたっての希望でザシャの膝に座らされていた。
遠慮がちに柔らかな尻を膝に乗せたゲルデは、居心地が悪そうに、何度ももぞもぞと動いた。そのたびに柔らかな感触がザシャの膝に強く伝わり、ザシャの股ぐらは熱くなり、ゲルデの顔も赤くなった。
「ザシャ、あの……あ、当た、って……ぁう」
ゲルデにそれ以上言わせまいと、ザシャはゲルデの口に蜂蜜パイを押し込んだ。まだ二切れしか減っていない蜂蜜パイは、皿の上にとろりと蜂蜜を広げている。それをじっと見つめたかと思うと、ザシャは人差し指で蜂蜜をすくった。ゲルデが蜂蜜パイを飲み込むのを待ち、ゲルデの口が空っぽになると、待ちわびたように蜂蜜塗れの指を差し出した。
「ざ、ザシャ?」
「舐めてくれるかい、ゲルデ?」
耳元でわざと潜めた声で問うと、ゲルデはきゅっと唇を結んだ。やや伏せられた目が、ちらちらとザシャの指を見る。ゲルデが舐め取るまで、ザシャは手を引っ込めるつもりはなかった。ザシャの意外な押しの強さを知ってしまったゲルデは、諦めたように唇を開き、桃色の舌をひらめかせてザシャの指に絡ませた。
最初は舌先をちろちろと動かし、わずかな蜂蜜を舐め取るだけだった。だがザシャがまだまだ手を引っ込める気がないとわかると、根元まで舌を滑らせた。根元に舌が到達すると、唇で挟むように食み、そのまま指先が現れるぎりぎりまで引き抜く。そこまで到達すると口を開き、ザシャの人差し指をすっぽりと口内に含んだ。
ザシャの指を含んだゲルデは、そのまま口を窄め、ちゅ、ちゅ、と音を立てて蜂蜜を吸い上げる。それでも取り切れない蜂蜜を取るため、口内で熱く柔らかな舌が踊る。ゲルデの舌は生き物のように滑らかに、激しく動いた。だがそれは口内での出来事で、ザシャは直接見ることができない。残念に思いながら、ザシャはゲルデが蜂蜜を嚥下するのを待った。
ちゅぽん、と音を立て、ゲルデの唇がザシャの指から離れた。はぁ、と熱い息が吐き出される。指に蜂蜜は残っていない。ゲルデの口内にも残っていないだろう。だがザシャは「全部飲めたかい?」とゲルデの顔を覗き込んだ。
「全部飲み込んだって、証拠を見せてほしいな」
証拠を見せろと言われ、ゲルデは首を傾げ考え込んだ。考えついた方法は、空っぽの口内を見せることだった。
「ぁ、あー……」
ゲルデは可愛らしい口を大きく開け、れ、と舌を出して何も残っていないことを示して見せた。
ザシャはゲルデの顎をぐいと掴み上を向かせると、突き出された舌をかぷりと食み、蜂蜜の味が残る口内を蹂躙した。無理な体勢で口内を犯され、膝に乗ったゲルデは藻掻いて抗議した。だがザシャはゲルデのたわいない抵抗を物ともせず、片手だけで胴着の紐を解いていく。
無理矢理に上を向かされた状態で舌を吸われ、執拗になぞられ、甘噛みされ、ゲルデは初めてキスをしたとき同様、呼吸を忘れるほど翻弄された。
舌を吸われるときのちゅうっという音、舌が触れ合うときのぬぢゅぐちゅという音、舌を甘噛みされたときのちりっとした痛みと痺れるような快楽。
ゲルデの体はザシャとの情事を思い出し、すっかりその準備を始めている。ゲルデの目が、とろりと甘い光を放った。
散々口内を犯し、胴着の紐を解ききったタイミングでザシャは口を離した。ゲルデの舌が名残惜しげに伸ばされる。ザシャはもう一度、今度は向かい合ってキスをしたくなったが、先へ進むため涙を呑んで我慢した。
「ゲルデ、脱がせるよ」
酸欠と余韻で惚けるゲルデはぼんやりした顔でうなずき、ザシャに促されるままに腕を上げ、するりとケープや胴着を脱いでいった。
スカートも下着も絨毯に投げ出され、ゲルデは青空の下に素肌をさらけ出した。ザシャ自身は脱がないまま、膝に乗せたゲルデの体をまさぐる。
「んっ……う、ふうっ……」
ゲルデが甘い声を漏らし、身じろいだ。重みを感じるゲルデの乳房を、ザシャは後ろから支えるように掴む。包むように撫で、円を描くように持ち上げては下ろす。すでに期待で立ち上がっている乳首は、ザシャの指にいじめてもらうのを待ちわびている。
ゲルデは足をもじもじさせながら、決定打のない快楽に身を捩り、甘えるようにザシャを呼んだ。
「ザシャ……ザシャぁ」
「何だい、ゲルデ?」
「んぅ……。さ、触って、ほしい……」
「今も触ってるじゃないか」
「んん……胸だけじゃ、なくて……あの……その……」
ザシャの手のひらが、何度も乳首をかすめる。だがかすめるだけで、重点的にいじるわけではない。ゲルデの唇から熱い吐息が漏れ、ザシャの膝に柔らかな尻を押しつけるように腰をくねらせる。
ゲルデがどこを触ってほしいか口ごもる間も、ザシャはずっと乳房を撫で、揉み、弱い快感を与え続けた。何とか言葉にせずザシャに触ってもらおうとしていたゲルデだが、しびれを切らし、恥ずかしそうに触ってほしい箇所を口にした。
「ざ……ザシャに、あ、あんっ。乳首の、先っぽ……いっぱいすりすり、してほしいっ……です……」
「ちゃんと言えたね。えらいえらい」
ご褒美、とザシャは指を乳首へ当てた。そして要望通り、先端を弾くように何度も往復させる。ゲルデは口元へ手を当て、漏れ出る喘ぎ声を隠そうとする。それをやめさせる時間も惜しみ、ザシャはゲルデの乳房を揉み、乳首を弾き、その先端をすりすりとこすった。
くねるゲルデの腰が、くいくいと前後に動く。それは無意識にしている動きのようで、ゲルデは目を閉じ、胸への愛撫にもはや隠しきれないとろけた声を上げていた。ゲルデの腰の動きとさらなる快楽を味わおうとする表情に、ザシャは表情筋が緩むのを自覚した。
とろけた表情を、甘えた声を、誘うような動きを、もっとゲルデから引き出したい。その一心で、ザシャはゲルデの乳首を指で挟み、こねくり回した。固くなった乳首はザシャの指による愛撫を喜んで受け入れ、乳房は好き勝手揉みしだくザシャの手に応じ形を変える。ゲルデはザシャの胸板に後頭部を押し当て、ぐっと胸を反らした。
「きもち、いっ……。ザシャのっ、指で……すりすりしてっ、こねこねしてもらうのっ、あっ、あん、ん……っ。きもち。いっ……!」
喘ぎ、吐息混じりに「気持ちいい」と繰り返すゲルデは、胸だけでなく腰も突き出している。ザシャは片手を乳房から足へ移動させ、ゲルデの足を大きく開かせた。開かれた足の中央では、充血してパンパンに膨らんだ陰核が、ザシャからの愛撫を今か今かと待っている。
ザシャの指が、ぴたりと陰核に添えられる。ゲルデの目が開き、ザシャを見上げた。期待と恐れの混じった瞳に笑いかけ、ザシャはゲルデの陰核をくにくにとこね始めた。
「きゃうっ! やっ、ああんっ! ザシャっ、やだっ、やだ待って、乳首と一緒にいじっちゃだめぇ」
体を丸めて腰を引き、ゲルデは陰核への刺激から逃げようとする。だがザシャの膝に座ったままで逃げ切れるわけもない。ザシャはゲルデの腰の動きに合わせて陰核を追いかけ、再び指を添えこね始めた。乳首も同様にこね、絞るように先端を刺激する。ゲルデはあられもない声を上げて身を捩り、ザシャの手から逃れようと悶えた。しかしザシャの膝から降りないのであれば逃げられるわけがないし、ザシャの手が止まることもない。
乳首を扱き、こすり、陰核をしつこくこねる。ゲルデはザシャの腕に抱きついたが、それでもザシャは手を止めない。ゲルデは襲い来る快感に喘ぎ声を上げる以外、できることはなかった。
「あっ、あーっ! あっ、あっ! だめ、だめ、ザシャだめっ、いっちゃ、いっちゃうっ……!」
ぎゅうっとザシャの腕を抱いたゲルデは、体を丸め、自らの内へ快楽を抱き込むように達した。ザシャはとろとろ溢れ出す愛液を指に絡め、ゲルデの陰核に塗りつける。
「今日こそ、舐めてもいいかい?」
ぬるぬると愛液を塗りつけ、皮の剥けた陰核をこね、勃起したままの乳首をしごきながら、ザシャはゲルデに舌での愛撫の是非を問うた。絶頂しても繰り返し与えられる快楽にとろけながら、ゲルデは小さな声で「だめ」と首を振った。
「だ、だめ……きれいじゃないもん……」
恥じらいを含んだ声での拒否は、これで何度目か。ザシャは膝に乗せていたゲルデの体を持ち上げ、抱え、仰向けになるよう絨毯に転がした。
ころんと転がったゲルデは、目を丸くしてザシャを見上げる。ザシャはゲルデの足を持つと、膝頭をゲルデの肩までつくほど持ち上げた。持ち上げた足を開かせ、陰部を露わにし、ゲルデが「待って」と言い切る前に、開かれた恥丘へ顔を近づける。敏感になった陰核は、ザシャにぱくりと食べられた。
ゲルデの腰がびくりと跳ねる。
「きゃあ! やっ、やだザシャ、待っ、あああっ!」
ザシャの舌が口内でうごめき、中に納めた小さな陰核をれろれろと舐め回す。ザシャの舌先が陰核を上下に弾き、左右に嬲るたびゲルデは高い声で鳴いた。強すぎる快感から逃げようと絨毯を引っ掻くゲルデの足を、ザシャはしっかり抱えて固定した。足を抱えられて舐陰から逃げられず、ゲルデは今まで味わったことのない快感にむせび泣いた。
「や、あ、ああっ、あーっ! ざしゃっ、ざしゃあ」
絨毯を掴み、爪を立て、ゲルデは快感に耐える。瞳からぽろぽろと涙を落とし、息を荒らげ、襲い来る快楽を逃がそうと試みる。だがザシャは、ゲルデを快楽の底へ突き落とすため持てる知識をすべて使って愛撫する。舌先で弾くのをやめ、ちゅうっと音を立てて陰核を吸い上げる。かと思えば焦らすように舌全体で陰核を優しく舐める。
指以外での愛撫を受けたことのなかったゲルデは、息も絶え絶えで茶褐色の髪を揺らして首を振り、どうにかザシャに愛撫をやめさせようと訴えた。
「ザシャ、たべないで、そこっ、たべないでぇ」
ぽろぽろと涙を落とし、すんすんと泣き、ゲルデは口での愛撫をやめてくれと懇願する。
「おいしくないっ、そんなとこ、おいしくないよぉ」
ゲルデは普段、とても素直な娘だ。ザシャはそれをよく知っている。だがゲルデは今、嘘をついている。なぜならば、ゲルデの陰核が美味しくないだなんて真っ赤な嘘だからだ。今すぐに胃の腑へ納めたいという衝動に駆られるほど、初めて口に入れたゲルデの雌芯は美味だった。
『食っちまえよ』
ザシャの耳元で、何かがそう囁いた。
『飲み込んじまえよ。この女は〈赤ずきん〉、俺は〈狼〉だろ?』
囁くのは、己の中の〈狼〉だった。〈狼〉はゲルデを食べるよう唆し続ける。ザシャは自分の内にいる〈狼〉に一言「黙れよ」と命じ、ゲルデへの愛撫を続けた。〈狼〉はザシャの命令通り黙ったが、ザシャの食べるような愛撫をニタニタ笑って眺めている。〈狼〉の視線を感じながら、ザシャは無視していた。だが自分の中の衝動がどうにも収まらず、陰核を口に含むのをやめ、舌先でくすぐるような愛撫に切り替えた。抱えていたゲルデの足が、びくんと跳ねる。
「やあああっ。あっあっ。したっ、でっ、なめ、ちゃ……だめ、だめぇっ! これいくっ、すぐ、すぐいっちゃ、いっちゃう、イっちゃうぅ」
何とか陰核から舌先を逸らそうと、動きにくい体勢でゲルデは必死に腰を揺らす。ザシャはそれを腕だけで止め、れるれると陰核を舐め弾いた。ゲルデが息を呑む。ザシャに掴まれている足に力が入り、ぴんと伸ばされる。甘酸っぱい匂いがザシャの肉棒を固く熱くさせた。
「いっ、く……いくっ、いくうぅっ……!」
ぷちゅ、と音を立て、ゲルデの膣から愛液が垂れた。ゲルデが達したとわかっても、ザシャは舌で嬲るのをやめなかった。
今すぐ口に納めたい、口の中で味わいたいという欲求に抗いながら、ザシャはゲルデの陰核を上下左右に舐め揺さぶる。ゲルデはとろけきった声でザシャの名前を呼び続けた。それ以外、ゲルデは言葉を口にできない状態だった。
「ザシャ、ざしゃっ、あああっ、ザシャっ、ザシャぁ」
悶えるゲルデの内腿から、愛液がぽたぽたと絨毯に落ちていく。ザシャの股ぐらをいきり立たせる匂いが強くなり、ザシャは無意識に腰を揺らしながらゲルデへの舐陰を続けた。
挿入したくないわけではない。今すぐにでもゲルデの中へ己が肉棒を埋め込みたかった。しかし、今はゲルデに快楽を覚え込ませる段階なのだ。
――とにかく気持ちよさを覚えさせるんだ。自分一人じゃ物足りないと思うくらいに。僕とじゃなきゃこんな気持ちよさは味わえないと思い込ませるために。
挿入したがる肉棒をむずがらせたまま、ザシャはゲルデの陰核を舌で苛んだ。ゲルデが苦しがるからと楽な体勢に変えようとも、舌や指で柔肌をなぞり、敏感な赤い豆を嬲り、何度果てようと快楽を与えるのはやめなかった。
前戯だけでゲルデが息も絶え絶えになったところで、ザシャはゲルデから口を離した。かすれた息を吐き、焦点の合わない目でゲルデはザシャを見上げた。そしてザシャの股の間でいきり立つ肉棒に目を留め、ひっと息を呑んだ。
「もっ、もお、もお無理……今日はもう、むりだよぉ」
「ご……ごめん、ゲルデ」
起き上がる元気もなく、体を丸め「むり」「今日はだめ」「許して」と小さくなるゲルデに、ザシャは「もうこれ以上はしないよ」「今日はおしまい」「大丈夫だよ」と必死に優しい言葉をかけた。もう無理と繰り返して泣くゲルデをあやしながら、ザシャは〈花畑〉から〈森〉の中の小川へと道を繋げた。
ゲルデに上着を被せ、自分も吊りズボンだけをとりあえず身に付け急いで小川へ出る。そこから清水を汲んだザシャは、動けないゲルデの体を丁寧に洗い清めた。
帰り道でザシャのような〈狼〉に出会えば、まだほんのりと〝女〟の匂いがするかもしれない。そんな程度まで洗われたゲルデは、〈赤ずきん〉の服を元通り着込み、ザシャに送られ家路に就いた。
家の輪郭が見えるような近くまで送られたゲルデは、踏みしめられ均された道に降り立つと、まだ〈花畑〉の道にいるザシャに「また明日」と振り返った。
「あ……明日は、最後までしようね」
「う……。ぜ、善処、するよ」
「それ、できない返事だよぉ」
ようやく笑顔を取り戻したゲルデは、「いじわる」といたずらっぽく言うと、はにかみながらザシャに手を振った。ザシャも手を振りながら、明日からはゲルデの要望通り、中を開発しようと決めた。
明日からもまた挿入なしで自分だけイかされ続けるとも知らず、ゲルデはすっかりご機嫌な足取りで家に入っていった。
ふかふかの絨毯に座り、ゲルデが作った蜂蜜パイを葡萄酒と一緒に味わう。いつもならば隣り合って座るが、今日のゲルデは、ザシャたっての希望でザシャの膝に座らされていた。
遠慮がちに柔らかな尻を膝に乗せたゲルデは、居心地が悪そうに、何度ももぞもぞと動いた。そのたびに柔らかな感触がザシャの膝に強く伝わり、ザシャの股ぐらは熱くなり、ゲルデの顔も赤くなった。
「ザシャ、あの……あ、当た、って……ぁう」
ゲルデにそれ以上言わせまいと、ザシャはゲルデの口に蜂蜜パイを押し込んだ。まだ二切れしか減っていない蜂蜜パイは、皿の上にとろりと蜂蜜を広げている。それをじっと見つめたかと思うと、ザシャは人差し指で蜂蜜をすくった。ゲルデが蜂蜜パイを飲み込むのを待ち、ゲルデの口が空っぽになると、待ちわびたように蜂蜜塗れの指を差し出した。
「ざ、ザシャ?」
「舐めてくれるかい、ゲルデ?」
耳元でわざと潜めた声で問うと、ゲルデはきゅっと唇を結んだ。やや伏せられた目が、ちらちらとザシャの指を見る。ゲルデが舐め取るまで、ザシャは手を引っ込めるつもりはなかった。ザシャの意外な押しの強さを知ってしまったゲルデは、諦めたように唇を開き、桃色の舌をひらめかせてザシャの指に絡ませた。
最初は舌先をちろちろと動かし、わずかな蜂蜜を舐め取るだけだった。だがザシャがまだまだ手を引っ込める気がないとわかると、根元まで舌を滑らせた。根元に舌が到達すると、唇で挟むように食み、そのまま指先が現れるぎりぎりまで引き抜く。そこまで到達すると口を開き、ザシャの人差し指をすっぽりと口内に含んだ。
ザシャの指を含んだゲルデは、そのまま口を窄め、ちゅ、ちゅ、と音を立てて蜂蜜を吸い上げる。それでも取り切れない蜂蜜を取るため、口内で熱く柔らかな舌が踊る。ゲルデの舌は生き物のように滑らかに、激しく動いた。だがそれは口内での出来事で、ザシャは直接見ることができない。残念に思いながら、ザシャはゲルデが蜂蜜を嚥下するのを待った。
ちゅぽん、と音を立て、ゲルデの唇がザシャの指から離れた。はぁ、と熱い息が吐き出される。指に蜂蜜は残っていない。ゲルデの口内にも残っていないだろう。だがザシャは「全部飲めたかい?」とゲルデの顔を覗き込んだ。
「全部飲み込んだって、証拠を見せてほしいな」
証拠を見せろと言われ、ゲルデは首を傾げ考え込んだ。考えついた方法は、空っぽの口内を見せることだった。
「ぁ、あー……」
ゲルデは可愛らしい口を大きく開け、れ、と舌を出して何も残っていないことを示して見せた。
ザシャはゲルデの顎をぐいと掴み上を向かせると、突き出された舌をかぷりと食み、蜂蜜の味が残る口内を蹂躙した。無理な体勢で口内を犯され、膝に乗ったゲルデは藻掻いて抗議した。だがザシャはゲルデのたわいない抵抗を物ともせず、片手だけで胴着の紐を解いていく。
無理矢理に上を向かされた状態で舌を吸われ、執拗になぞられ、甘噛みされ、ゲルデは初めてキスをしたとき同様、呼吸を忘れるほど翻弄された。
舌を吸われるときのちゅうっという音、舌が触れ合うときのぬぢゅぐちゅという音、舌を甘噛みされたときのちりっとした痛みと痺れるような快楽。
ゲルデの体はザシャとの情事を思い出し、すっかりその準備を始めている。ゲルデの目が、とろりと甘い光を放った。
散々口内を犯し、胴着の紐を解ききったタイミングでザシャは口を離した。ゲルデの舌が名残惜しげに伸ばされる。ザシャはもう一度、今度は向かい合ってキスをしたくなったが、先へ進むため涙を呑んで我慢した。
「ゲルデ、脱がせるよ」
酸欠と余韻で惚けるゲルデはぼんやりした顔でうなずき、ザシャに促されるままに腕を上げ、するりとケープや胴着を脱いでいった。
スカートも下着も絨毯に投げ出され、ゲルデは青空の下に素肌をさらけ出した。ザシャ自身は脱がないまま、膝に乗せたゲルデの体をまさぐる。
「んっ……う、ふうっ……」
ゲルデが甘い声を漏らし、身じろいだ。重みを感じるゲルデの乳房を、ザシャは後ろから支えるように掴む。包むように撫で、円を描くように持ち上げては下ろす。すでに期待で立ち上がっている乳首は、ザシャの指にいじめてもらうのを待ちわびている。
ゲルデは足をもじもじさせながら、決定打のない快楽に身を捩り、甘えるようにザシャを呼んだ。
「ザシャ……ザシャぁ」
「何だい、ゲルデ?」
「んぅ……。さ、触って、ほしい……」
「今も触ってるじゃないか」
「んん……胸だけじゃ、なくて……あの……その……」
ザシャの手のひらが、何度も乳首をかすめる。だがかすめるだけで、重点的にいじるわけではない。ゲルデの唇から熱い吐息が漏れ、ザシャの膝に柔らかな尻を押しつけるように腰をくねらせる。
ゲルデがどこを触ってほしいか口ごもる間も、ザシャはずっと乳房を撫で、揉み、弱い快感を与え続けた。何とか言葉にせずザシャに触ってもらおうとしていたゲルデだが、しびれを切らし、恥ずかしそうに触ってほしい箇所を口にした。
「ざ……ザシャに、あ、あんっ。乳首の、先っぽ……いっぱいすりすり、してほしいっ……です……」
「ちゃんと言えたね。えらいえらい」
ご褒美、とザシャは指を乳首へ当てた。そして要望通り、先端を弾くように何度も往復させる。ゲルデは口元へ手を当て、漏れ出る喘ぎ声を隠そうとする。それをやめさせる時間も惜しみ、ザシャはゲルデの乳房を揉み、乳首を弾き、その先端をすりすりとこすった。
くねるゲルデの腰が、くいくいと前後に動く。それは無意識にしている動きのようで、ゲルデは目を閉じ、胸への愛撫にもはや隠しきれないとろけた声を上げていた。ゲルデの腰の動きとさらなる快楽を味わおうとする表情に、ザシャは表情筋が緩むのを自覚した。
とろけた表情を、甘えた声を、誘うような動きを、もっとゲルデから引き出したい。その一心で、ザシャはゲルデの乳首を指で挟み、こねくり回した。固くなった乳首はザシャの指による愛撫を喜んで受け入れ、乳房は好き勝手揉みしだくザシャの手に応じ形を変える。ゲルデはザシャの胸板に後頭部を押し当て、ぐっと胸を反らした。
「きもち、いっ……。ザシャのっ、指で……すりすりしてっ、こねこねしてもらうのっ、あっ、あん、ん……っ。きもち。いっ……!」
喘ぎ、吐息混じりに「気持ちいい」と繰り返すゲルデは、胸だけでなく腰も突き出している。ザシャは片手を乳房から足へ移動させ、ゲルデの足を大きく開かせた。開かれた足の中央では、充血してパンパンに膨らんだ陰核が、ザシャからの愛撫を今か今かと待っている。
ザシャの指が、ぴたりと陰核に添えられる。ゲルデの目が開き、ザシャを見上げた。期待と恐れの混じった瞳に笑いかけ、ザシャはゲルデの陰核をくにくにとこね始めた。
「きゃうっ! やっ、ああんっ! ザシャっ、やだっ、やだ待って、乳首と一緒にいじっちゃだめぇ」
体を丸めて腰を引き、ゲルデは陰核への刺激から逃げようとする。だがザシャの膝に座ったままで逃げ切れるわけもない。ザシャはゲルデの腰の動きに合わせて陰核を追いかけ、再び指を添えこね始めた。乳首も同様にこね、絞るように先端を刺激する。ゲルデはあられもない声を上げて身を捩り、ザシャの手から逃れようと悶えた。しかしザシャの膝から降りないのであれば逃げられるわけがないし、ザシャの手が止まることもない。
乳首を扱き、こすり、陰核をしつこくこねる。ゲルデはザシャの腕に抱きついたが、それでもザシャは手を止めない。ゲルデは襲い来る快感に喘ぎ声を上げる以外、できることはなかった。
「あっ、あーっ! あっ、あっ! だめ、だめ、ザシャだめっ、いっちゃ、いっちゃうっ……!」
ぎゅうっとザシャの腕を抱いたゲルデは、体を丸め、自らの内へ快楽を抱き込むように達した。ザシャはとろとろ溢れ出す愛液を指に絡め、ゲルデの陰核に塗りつける。
「今日こそ、舐めてもいいかい?」
ぬるぬると愛液を塗りつけ、皮の剥けた陰核をこね、勃起したままの乳首をしごきながら、ザシャはゲルデに舌での愛撫の是非を問うた。絶頂しても繰り返し与えられる快楽にとろけながら、ゲルデは小さな声で「だめ」と首を振った。
「だ、だめ……きれいじゃないもん……」
恥じらいを含んだ声での拒否は、これで何度目か。ザシャは膝に乗せていたゲルデの体を持ち上げ、抱え、仰向けになるよう絨毯に転がした。
ころんと転がったゲルデは、目を丸くしてザシャを見上げる。ザシャはゲルデの足を持つと、膝頭をゲルデの肩までつくほど持ち上げた。持ち上げた足を開かせ、陰部を露わにし、ゲルデが「待って」と言い切る前に、開かれた恥丘へ顔を近づける。敏感になった陰核は、ザシャにぱくりと食べられた。
ゲルデの腰がびくりと跳ねる。
「きゃあ! やっ、やだザシャ、待っ、あああっ!」
ザシャの舌が口内でうごめき、中に納めた小さな陰核をれろれろと舐め回す。ザシャの舌先が陰核を上下に弾き、左右に嬲るたびゲルデは高い声で鳴いた。強すぎる快感から逃げようと絨毯を引っ掻くゲルデの足を、ザシャはしっかり抱えて固定した。足を抱えられて舐陰から逃げられず、ゲルデは今まで味わったことのない快感にむせび泣いた。
「や、あ、ああっ、あーっ! ざしゃっ、ざしゃあ」
絨毯を掴み、爪を立て、ゲルデは快感に耐える。瞳からぽろぽろと涙を落とし、息を荒らげ、襲い来る快楽を逃がそうと試みる。だがザシャは、ゲルデを快楽の底へ突き落とすため持てる知識をすべて使って愛撫する。舌先で弾くのをやめ、ちゅうっと音を立てて陰核を吸い上げる。かと思えば焦らすように舌全体で陰核を優しく舐める。
指以外での愛撫を受けたことのなかったゲルデは、息も絶え絶えで茶褐色の髪を揺らして首を振り、どうにかザシャに愛撫をやめさせようと訴えた。
「ザシャ、たべないで、そこっ、たべないでぇ」
ぽろぽろと涙を落とし、すんすんと泣き、ゲルデは口での愛撫をやめてくれと懇願する。
「おいしくないっ、そんなとこ、おいしくないよぉ」
ゲルデは普段、とても素直な娘だ。ザシャはそれをよく知っている。だがゲルデは今、嘘をついている。なぜならば、ゲルデの陰核が美味しくないだなんて真っ赤な嘘だからだ。今すぐに胃の腑へ納めたいという衝動に駆られるほど、初めて口に入れたゲルデの雌芯は美味だった。
『食っちまえよ』
ザシャの耳元で、何かがそう囁いた。
『飲み込んじまえよ。この女は〈赤ずきん〉、俺は〈狼〉だろ?』
囁くのは、己の中の〈狼〉だった。〈狼〉はゲルデを食べるよう唆し続ける。ザシャは自分の内にいる〈狼〉に一言「黙れよ」と命じ、ゲルデへの愛撫を続けた。〈狼〉はザシャの命令通り黙ったが、ザシャの食べるような愛撫をニタニタ笑って眺めている。〈狼〉の視線を感じながら、ザシャは無視していた。だが自分の中の衝動がどうにも収まらず、陰核を口に含むのをやめ、舌先でくすぐるような愛撫に切り替えた。抱えていたゲルデの足が、びくんと跳ねる。
「やあああっ。あっあっ。したっ、でっ、なめ、ちゃ……だめ、だめぇっ! これいくっ、すぐ、すぐいっちゃ、いっちゃう、イっちゃうぅ」
何とか陰核から舌先を逸らそうと、動きにくい体勢でゲルデは必死に腰を揺らす。ザシャはそれを腕だけで止め、れるれると陰核を舐め弾いた。ゲルデが息を呑む。ザシャに掴まれている足に力が入り、ぴんと伸ばされる。甘酸っぱい匂いがザシャの肉棒を固く熱くさせた。
「いっ、く……いくっ、いくうぅっ……!」
ぷちゅ、と音を立て、ゲルデの膣から愛液が垂れた。ゲルデが達したとわかっても、ザシャは舌で嬲るのをやめなかった。
今すぐ口に納めたい、口の中で味わいたいという欲求に抗いながら、ザシャはゲルデの陰核を上下左右に舐め揺さぶる。ゲルデはとろけきった声でザシャの名前を呼び続けた。それ以外、ゲルデは言葉を口にできない状態だった。
「ザシャ、ざしゃっ、あああっ、ザシャっ、ザシャぁ」
悶えるゲルデの内腿から、愛液がぽたぽたと絨毯に落ちていく。ザシャの股ぐらをいきり立たせる匂いが強くなり、ザシャは無意識に腰を揺らしながらゲルデへの舐陰を続けた。
挿入したくないわけではない。今すぐにでもゲルデの中へ己が肉棒を埋め込みたかった。しかし、今はゲルデに快楽を覚え込ませる段階なのだ。
――とにかく気持ちよさを覚えさせるんだ。自分一人じゃ物足りないと思うくらいに。僕とじゃなきゃこんな気持ちよさは味わえないと思い込ませるために。
挿入したがる肉棒をむずがらせたまま、ザシャはゲルデの陰核を舌で苛んだ。ゲルデが苦しがるからと楽な体勢に変えようとも、舌や指で柔肌をなぞり、敏感な赤い豆を嬲り、何度果てようと快楽を与えるのはやめなかった。
前戯だけでゲルデが息も絶え絶えになったところで、ザシャはゲルデから口を離した。かすれた息を吐き、焦点の合わない目でゲルデはザシャを見上げた。そしてザシャの股の間でいきり立つ肉棒に目を留め、ひっと息を呑んだ。
「もっ、もお、もお無理……今日はもう、むりだよぉ」
「ご……ごめん、ゲルデ」
起き上がる元気もなく、体を丸め「むり」「今日はだめ」「許して」と小さくなるゲルデに、ザシャは「もうこれ以上はしないよ」「今日はおしまい」「大丈夫だよ」と必死に優しい言葉をかけた。もう無理と繰り返して泣くゲルデをあやしながら、ザシャは〈花畑〉から〈森〉の中の小川へと道を繋げた。
ゲルデに上着を被せ、自分も吊りズボンだけをとりあえず身に付け急いで小川へ出る。そこから清水を汲んだザシャは、動けないゲルデの体を丁寧に洗い清めた。
帰り道でザシャのような〈狼〉に出会えば、まだほんのりと〝女〟の匂いがするかもしれない。そんな程度まで洗われたゲルデは、〈赤ずきん〉の服を元通り着込み、ザシャに送られ家路に就いた。
家の輪郭が見えるような近くまで送られたゲルデは、踏みしめられ均された道に降り立つと、まだ〈花畑〉の道にいるザシャに「また明日」と振り返った。
「あ……明日は、最後までしようね」
「う……。ぜ、善処、するよ」
「それ、できない返事だよぉ」
ようやく笑顔を取り戻したゲルデは、「いじわる」といたずらっぽく言うと、はにかみながらザシャに手を振った。ザシャも手を振りながら、明日からはゲルデの要望通り、中を開発しようと決めた。
明日からもまた挿入なしで自分だけイかされ続けるとも知らず、ゲルデはすっかりご機嫌な足取りで家に入っていった。
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