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第7章 新たなる旅路
第61話 竜騎帝国からの使者
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「ルキアンの第四皇子ぃ?!」
少年の名乗りを聞き、驚愕の声を上げるコーンズ。
他の者も目を白黒させている。
今さっき話題にしてた飛竜が現れただけでも驚きなのに、それに乗っていたのがルキアンの皇族だとは。
「しかしルキアンの皇族は、初代竜騎帝アリウスに倣い飛竜騎士になると聞いていましたが本当なのですね」
ニコラスと飛竜を交互に見ながら、呟くエリザベス。
その言葉に、ニコラスは気まずそうに目を逸らした。
「何か私、変なこと言いましたか?」
その態度に首を傾げるオートマタ・メイド。
「ええと、その……僕は飛竜騎士ではありません。いえ、なれなかったと言うべきですね。兄たちに比べ体も弱く武術の才も無かったため飛竜騎士にはなれなかったんです……」
ニコラスは顔を伏せて沈んだ声で言葉を返した。
「え? でも飛竜に乗ってましたよね?」
アナスタシアが、率直な疑問を口にする。
それに対してニコラスは、
「ええ。この幼少期より乗騎になるべく共に育ってきたニーアに乗ることはできます。ですが乗りこなすことはできなかった。ニーアに乗って戦うところまで到達できなかったんです」
と答えた。
ニコラスの言葉を聞いて、気まずい沈黙に包まれる一同。
正に余計なことを聞いちまった、という感じである。
どうニコラスに声を掛けていいか、正直分からず、皆目を泳がせている。
「グル~」
喉を鳴らし首を下げて頭をニコラスの背に擦り付ける飛竜ニーア。
飛竜騎士になれなかった、とカミングアウトしたニコラスを慰めようとしているのか。
「ありがとう、ニーア」
振り返り、心優しき飛竜の頭を撫でるニコラス。
気まずい沈黙を破ったのは、竜を殲滅することを誓いし魔剣であった。
「で、ニコラスとやら。何故、こんなの所にいるのじゃ。よもや、妾を探しに来たわけでもあるまい?」
ニコラスは一同の方へと向き直った。
「はい、ここへ来たのは偶然です。父、現竜騎帝アドルフに命を受け、ガナン大陸の西の果てフィナンシュ王国へと向かってる途中、貴方様のことをニーアが感じ取りましたので、罷り越した所存でございます」
「なるほどの」
「オルフェリア様たちは、なぜこんな孤島に?」
「ティラに久方ぶりに逢うての。姉妹喧嘩の末、乗っていた船が沈められた」
「だ、大海竜ティラにですか?!」
事も無げに言ったオルフェリアの言葉に、大声を上げ驚嘆するニコラス。
それもそうであろう。大海竜と言えば、あの黒竜王アハトと同格の存在。驚くなと言う方が無理だ。
「で、皇子さま。フィナンシュまでなんの用なんだ?」
相手がルキアンの皇族であるにも関わらず、ぞんざいな口調のコーンズ。
本来ならば不敬となるところであるが、お供の者もいないし何よりニコラス本人が気にしないたちなのか、問題なく質問に答える。
「あ、はい。キタンの法王庁で聖剣の勇者が誕生したことは御存知ですか?」
「ああ、知ってるよ。と言うか、ソイツに会いに行く途中だったんだからな」
「はい? どういうことでしょうか?」
「俺たちのパーティ名は〈自由なる翼〉。リーダーは、四英雄の内の二人、大鬼殺しヴォーラスと月の戦乙女リリアナの息子ヴァルだ。俺たちはリリアナさんの頼みで、聖剣の勇者となった太陽の申し子の娘さんの様子を見に行くとこだったんだよ」
コーンズの説明を受け、ニコラスは頷いた。
「なるほど。そういうことですか。で、そのヴァルさんは?」
ロウドが顔を俯かせ両拳を握り締めながら、それに答える。
「船が転覆したときに別れ別れに……」
「そうですか……僕が父、竜騎帝から受けた命は、勢いづいた法王庁が聖戦を始めようとするのはまず間違いないので、それに関してフィナンシュ王国の意見を聞いてこい、と」
次に発言したのはオルフェリア。
「ルキアンとしては、聖戦に関して、どう思っとるのじゃ?」
「あ、はい、オルフェリア様。ルキアンの考えとしては、聖戦つまり全面戦争は難しいと思っています。七十年前の人魔戦役で双方共にガタガタになり、長い時間をかけ、やっとここまで復興しました。少なくとも、今のルキアンに魔族との全面戦争に耐える国力はありません。飛竜母もここ二十年は伏せることが多く、新たな飛竜もこのニーアを最後に生まれていませんし」
「そうか。娘も限界なのだな」
人の乗る飛竜を生み出す飛竜母は、オルフェリアの眷属を生み出す力と豊穣と慈愛の女神の力が合わさり生まれたモノ。つまり、オルフェリアの娘と言っていい。
その娘が限界で、新たに飛竜を産めなくなっている。オルフェリアの心は沈んだ。
「使い手と共に魔族や竜と戦うのに夢中で、彼奴のことを気に掛けたことはついぞ無かった。ほんと妾はしょうも無いの。母として何もしてやれなんだ」
またも沈黙に包まれる一同。
今度、沈黙を破ったのは、アナスタシアであった。
「そ、そういえば、ニコラス皇子。飛竜騎士でないとすると……」
それに和やかに応対するニコラス。
「あ、そうですね。僕は飛竜母を亜神として崇める竜母教の神官です。若輩の身ではありますが司祭の階位を賜っています」
驚くロウド。
「え? 僕とそう年齢が変わらないのに、もう司祭なの?」
「いえ、これは私が皇族だから箔を付けるために、上の方が忖度して任じてくれたのだと思います」
コーンズが頷く。
「だよなぁ。成人したての年齢で司祭になれるわけねえもんな」
「はい。今年十五で成人したばかりなので、司祭という肩書きは、はっきり言って肩の荷が重いです」
心底、憂鬱そうなニコラス。
ルキアンの皇族として、周りからの期待の目をかけられ重圧がのし掛かっているのだろう。
それを見てロウドは『貧乏貴族の三男坊で良かった』と心から思うのであった。
「それで皆さんは、これからどうするのですか? あの、もし良かったらなんですけど、私と共にフィナンシュまで来ていただけないでしょうか。僕はルキアンから出たのは初めてなので、ついてきて下さると心強いのですが」
ニコラスの頼みに、〈自由なる翼〉の元からのメンバーであるコーンズが心持ち渋い顔で答える。
「悪いけど、ヴァルたちはキタンに向かってると思うから、俺たちも……」
「それならフィナンシュで返答を貰えたらトンボ返りしますので帰りにキタンに寄る、というのはどうでしょう」
食い下がるニコラスに困り果て、振り向いてロウドたちに視線を向けるコーンズ。
視線を受け、顔を見合わせるロウド、アナスタシア、エリザベスの三人。
「どうする?」
「どうしましょうか?」
「私は、アナスタシア様の意見に賛成します」
と、そこへある意味ニコラスに一番縁の深いモノから言葉が。
「皆よ、すまぬ。できれば、ニコラスに同行してやっては貰えないだろうか。今までルキアンの事情から目を背けていたこともあるので、できるだけ力になってやりたいのじゃ」
オルフェリアの声に含まれた切実な思いを感じ取り、ロウドはコーンズの方へと顔を向ける。
「コーンズ。ニコラス皇子に協力してあげよう。確かにヴァルさんたちと合流するのは大事だけど、ここでニコラス皇子を見捨てるのはどうかと思う」
お坊ちゃまらしい素直な性格がここでまたも炸裂した。
ロウドの真っ直ぐな視線を受けて、頭を掻きむしるコーンズ。
「あ~、たくよう! 分かったよ、そんな目で見んじゃねえよ! 皇子さまのお供すりゃいいんだろ!」
「うん! ありがとう、コーンズ!」
駆け寄り、コーンズの手を握ってブンブン振るロウド。
「あ、ありがとうございます!」
一緒に来てくれると、大喜びのニコラス。
しかし、そんな皇子さまに冷水を浴びせる一言が。
「あの~、そもそもなぜお供の者も連れず、お一人でフィナンシュへ?」
エリザベスである。
それに対して言いずらそうにモゴモゴと答えるニコラス。
「えと、ですね……僕は……飛竜騎士になれなかったために、父や重臣たちからの受けが悪くて……ニーアと一緒なら供の者はいらないだろう……と」
それを聞いて、素直な反応を示すロウドとアナスタシアの年少二人。
「なんだよ、それ! 子供を他国に使者に送るのにお供を着けてあげないなんて!」
「ほんとですよね!」
遥か眼下の海を見下ろしながら、コーンズが口を開く。
「なあ、ロウド。なんで俺たちだけ、ここなんだ?」
コーンズのボヤキに答えるロウド。
「仕方ないでしょ。ニーアの背に乗れなかったんだから」
彼ら二人は、空を飛ぶニーアの後ろ脚に鷲掴みにされていた。
何故かというと、ニーアの背に乗るのが三人で精一杯だったからだ。
故に、ニコラス、アナスタシア、エリザベスの三人だけ背に乗り、ロウドとコーンズの二人は下肢に鷲掴みとなったのだ。
「コーンズさん、ロウドさん! 申し訳ありません!」
ニーアの背というか首の付け根に跨がっているニコラスが、下の二人に謝罪の声をかける。
「ま、死にはすまいよ。気にするな」
ロウドの腰から外され、アナスタシアに抱えられているオルフェリアは、事も無げに呟いた。
こうしてロウドたち一行は、ルキアンの皇子ニコラスと共にフィナンシュ王国へと向かうことになったのだ。
竜騎帝国からの使者 終了
少年の名乗りを聞き、驚愕の声を上げるコーンズ。
他の者も目を白黒させている。
今さっき話題にしてた飛竜が現れただけでも驚きなのに、それに乗っていたのがルキアンの皇族だとは。
「しかしルキアンの皇族は、初代竜騎帝アリウスに倣い飛竜騎士になると聞いていましたが本当なのですね」
ニコラスと飛竜を交互に見ながら、呟くエリザベス。
その言葉に、ニコラスは気まずそうに目を逸らした。
「何か私、変なこと言いましたか?」
その態度に首を傾げるオートマタ・メイド。
「ええと、その……僕は飛竜騎士ではありません。いえ、なれなかったと言うべきですね。兄たちに比べ体も弱く武術の才も無かったため飛竜騎士にはなれなかったんです……」
ニコラスは顔を伏せて沈んだ声で言葉を返した。
「え? でも飛竜に乗ってましたよね?」
アナスタシアが、率直な疑問を口にする。
それに対してニコラスは、
「ええ。この幼少期より乗騎になるべく共に育ってきたニーアに乗ることはできます。ですが乗りこなすことはできなかった。ニーアに乗って戦うところまで到達できなかったんです」
と答えた。
ニコラスの言葉を聞いて、気まずい沈黙に包まれる一同。
正に余計なことを聞いちまった、という感じである。
どうニコラスに声を掛けていいか、正直分からず、皆目を泳がせている。
「グル~」
喉を鳴らし首を下げて頭をニコラスの背に擦り付ける飛竜ニーア。
飛竜騎士になれなかった、とカミングアウトしたニコラスを慰めようとしているのか。
「ありがとう、ニーア」
振り返り、心優しき飛竜の頭を撫でるニコラス。
気まずい沈黙を破ったのは、竜を殲滅することを誓いし魔剣であった。
「で、ニコラスとやら。何故、こんなの所にいるのじゃ。よもや、妾を探しに来たわけでもあるまい?」
ニコラスは一同の方へと向き直った。
「はい、ここへ来たのは偶然です。父、現竜騎帝アドルフに命を受け、ガナン大陸の西の果てフィナンシュ王国へと向かってる途中、貴方様のことをニーアが感じ取りましたので、罷り越した所存でございます」
「なるほどの」
「オルフェリア様たちは、なぜこんな孤島に?」
「ティラに久方ぶりに逢うての。姉妹喧嘩の末、乗っていた船が沈められた」
「だ、大海竜ティラにですか?!」
事も無げに言ったオルフェリアの言葉に、大声を上げ驚嘆するニコラス。
それもそうであろう。大海竜と言えば、あの黒竜王アハトと同格の存在。驚くなと言う方が無理だ。
「で、皇子さま。フィナンシュまでなんの用なんだ?」
相手がルキアンの皇族であるにも関わらず、ぞんざいな口調のコーンズ。
本来ならば不敬となるところであるが、お供の者もいないし何よりニコラス本人が気にしないたちなのか、問題なく質問に答える。
「あ、はい。キタンの法王庁で聖剣の勇者が誕生したことは御存知ですか?」
「ああ、知ってるよ。と言うか、ソイツに会いに行く途中だったんだからな」
「はい? どういうことでしょうか?」
「俺たちのパーティ名は〈自由なる翼〉。リーダーは、四英雄の内の二人、大鬼殺しヴォーラスと月の戦乙女リリアナの息子ヴァルだ。俺たちはリリアナさんの頼みで、聖剣の勇者となった太陽の申し子の娘さんの様子を見に行くとこだったんだよ」
コーンズの説明を受け、ニコラスは頷いた。
「なるほど。そういうことですか。で、そのヴァルさんは?」
ロウドが顔を俯かせ両拳を握り締めながら、それに答える。
「船が転覆したときに別れ別れに……」
「そうですか……僕が父、竜騎帝から受けた命は、勢いづいた法王庁が聖戦を始めようとするのはまず間違いないので、それに関してフィナンシュ王国の意見を聞いてこい、と」
次に発言したのはオルフェリア。
「ルキアンとしては、聖戦に関して、どう思っとるのじゃ?」
「あ、はい、オルフェリア様。ルキアンの考えとしては、聖戦つまり全面戦争は難しいと思っています。七十年前の人魔戦役で双方共にガタガタになり、長い時間をかけ、やっとここまで復興しました。少なくとも、今のルキアンに魔族との全面戦争に耐える国力はありません。飛竜母もここ二十年は伏せることが多く、新たな飛竜もこのニーアを最後に生まれていませんし」
「そうか。娘も限界なのだな」
人の乗る飛竜を生み出す飛竜母は、オルフェリアの眷属を生み出す力と豊穣と慈愛の女神の力が合わさり生まれたモノ。つまり、オルフェリアの娘と言っていい。
その娘が限界で、新たに飛竜を産めなくなっている。オルフェリアの心は沈んだ。
「使い手と共に魔族や竜と戦うのに夢中で、彼奴のことを気に掛けたことはついぞ無かった。ほんと妾はしょうも無いの。母として何もしてやれなんだ」
またも沈黙に包まれる一同。
今度、沈黙を破ったのは、アナスタシアであった。
「そ、そういえば、ニコラス皇子。飛竜騎士でないとすると……」
それに和やかに応対するニコラス。
「あ、そうですね。僕は飛竜母を亜神として崇める竜母教の神官です。若輩の身ではありますが司祭の階位を賜っています」
驚くロウド。
「え? 僕とそう年齢が変わらないのに、もう司祭なの?」
「いえ、これは私が皇族だから箔を付けるために、上の方が忖度して任じてくれたのだと思います」
コーンズが頷く。
「だよなぁ。成人したての年齢で司祭になれるわけねえもんな」
「はい。今年十五で成人したばかりなので、司祭という肩書きは、はっきり言って肩の荷が重いです」
心底、憂鬱そうなニコラス。
ルキアンの皇族として、周りからの期待の目をかけられ重圧がのし掛かっているのだろう。
それを見てロウドは『貧乏貴族の三男坊で良かった』と心から思うのであった。
「それで皆さんは、これからどうするのですか? あの、もし良かったらなんですけど、私と共にフィナンシュまで来ていただけないでしょうか。僕はルキアンから出たのは初めてなので、ついてきて下さると心強いのですが」
ニコラスの頼みに、〈自由なる翼〉の元からのメンバーであるコーンズが心持ち渋い顔で答える。
「悪いけど、ヴァルたちはキタンに向かってると思うから、俺たちも……」
「それならフィナンシュで返答を貰えたらトンボ返りしますので帰りにキタンに寄る、というのはどうでしょう」
食い下がるニコラスに困り果て、振り向いてロウドたちに視線を向けるコーンズ。
視線を受け、顔を見合わせるロウド、アナスタシア、エリザベスの三人。
「どうする?」
「どうしましょうか?」
「私は、アナスタシア様の意見に賛成します」
と、そこへある意味ニコラスに一番縁の深いモノから言葉が。
「皆よ、すまぬ。できれば、ニコラスに同行してやっては貰えないだろうか。今までルキアンの事情から目を背けていたこともあるので、できるだけ力になってやりたいのじゃ」
オルフェリアの声に含まれた切実な思いを感じ取り、ロウドはコーンズの方へと顔を向ける。
「コーンズ。ニコラス皇子に協力してあげよう。確かにヴァルさんたちと合流するのは大事だけど、ここでニコラス皇子を見捨てるのはどうかと思う」
お坊ちゃまらしい素直な性格がここでまたも炸裂した。
ロウドの真っ直ぐな視線を受けて、頭を掻きむしるコーンズ。
「あ~、たくよう! 分かったよ、そんな目で見んじゃねえよ! 皇子さまのお供すりゃいいんだろ!」
「うん! ありがとう、コーンズ!」
駆け寄り、コーンズの手を握ってブンブン振るロウド。
「あ、ありがとうございます!」
一緒に来てくれると、大喜びのニコラス。
しかし、そんな皇子さまに冷水を浴びせる一言が。
「あの~、そもそもなぜお供の者も連れず、お一人でフィナンシュへ?」
エリザベスである。
それに対して言いずらそうにモゴモゴと答えるニコラス。
「えと、ですね……僕は……飛竜騎士になれなかったために、父や重臣たちからの受けが悪くて……ニーアと一緒なら供の者はいらないだろう……と」
それを聞いて、素直な反応を示すロウドとアナスタシアの年少二人。
「なんだよ、それ! 子供を他国に使者に送るのにお供を着けてあげないなんて!」
「ほんとですよね!」
遥か眼下の海を見下ろしながら、コーンズが口を開く。
「なあ、ロウド。なんで俺たちだけ、ここなんだ?」
コーンズのボヤキに答えるロウド。
「仕方ないでしょ。ニーアの背に乗れなかったんだから」
彼ら二人は、空を飛ぶニーアの後ろ脚に鷲掴みにされていた。
何故かというと、ニーアの背に乗るのが三人で精一杯だったからだ。
故に、ニコラス、アナスタシア、エリザベスの三人だけ背に乗り、ロウドとコーンズの二人は下肢に鷲掴みとなったのだ。
「コーンズさん、ロウドさん! 申し訳ありません!」
ニーアの背というか首の付け根に跨がっているニコラスが、下の二人に謝罪の声をかける。
「ま、死にはすまいよ。気にするな」
ロウドの腰から外され、アナスタシアに抱えられているオルフェリアは、事も無げに呟いた。
こうしてロウドたち一行は、ルキアンの皇子ニコラスと共にフィナンシュ王国へと向かうことになったのだ。
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