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第6章 嵐の南方海
第54話 再戦開始
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かくして海賊は敗北した。
甲板の奴らが全て倒された時点で、船内にいた残りの海賊が降伏したのだ。
倒した海賊十五人に対し、残った海数は二十人。
取りあえず武装解除させて拘束、甲板上に転がしている。
こちら側の被害は一切ナシで快勝したのだが、問題はこの海賊どもをどうするか。
この海賊たちを引き連れて航行などできはしない。
などとロウドが考えていると、客船の乗組員である海と解放の神の神官が神聖術を使って沿岸警備隊へと連絡を取っていた。
「大きな船には必ず海の神の神官が乗ってるんだよ。何か事があったら、ああやって神聖術で連絡を取るのさ」
興味深げに連絡を取る神官を見ているロウドにヴァルが説明する。
「なるほど。で、沿岸警備隊の船が来たら引き渡すんですね?」
その言葉にかぶりを振るヴァル。
「いや、この座標を連絡したら、後は放っぽっとく。旅の途中だからな、警備隊が来るまで待ってられん」
「え? あの海賊、拘束したまま放っとくんですか?」
「そうだよ」
「……」
あまりと言えばあまりの扱いに絶句するロウド。
確かに海賊に手厚い扱いをする必要はないかも知れないが、拘束したまま放置とは。
海が荒れたらどうするのだろう。
その思いが顔に出たのか、ヴァルが言う。
「ロウド、一つ言っとく。海賊にしろ、陸の山賊にしろ、人様に襲いかかり略奪を働くような奴らに人権は無い。奴らに情けなど掛けるな。いいな?」
視線に篭められた圧力に萎縮するロウド。
人様の権利を害するような奴らに人権を主張する権利などない。
加害者に掛ける情けなど持つな。
普段のふざけた雰囲気とは違った態度で後輩を諭すヴァル。
「冒険者への依頼の中には、村を襲う海賊・山賊を退治してくれ、なんてのもあるんだ。その際に、相手に情けを掛けていたら始まらねえだろ?」
「でも、もしかしたら賊の方にも事情があるかも……」
「どんな事情があろうと、真っ当に生きてる人を襲って財産奪っていいことにはならん」
ロウドの反論をにべも無く切り捨てるヴァル。
反論を封じられたロウドは、暗い気持ちで客船の方に目を向けた。
そこに見えたのは、船縁に立つミスティファーたちの後ろに忍び寄る一団だった。
その先頭に立つ少女の顔に既視感を覚えるロウド。
「あの子、どこかで……」
「どうした、ロウド?」
呟きを拾ったヴァルに、ロウドは聞く。
「ヴァルさん。ミスティファーさんたちの後ろに立つ女の子、見覚えありませんか?」
その言葉を聞いて、客船のミスティファーたちの方に目を向けるヴァル。
少女の姿を捉え、その目が大きく見開かれる。
「アレは魔老公ムドウの孫娘じゃねえか! ヤバい! ミスティファー、後ろだ!」
ヴァルが声を限りに叫ぶ。
ヴァルの声が届き、ミスティファーたちが後ろを向いたときには遅かった。
魔老公ムドウの孫娘パメラの手から放られた茨の蔓が分裂・増殖して、ミスティファーたちを拘束する。
「な、何これ?!」
「くそったれ!」
「いつの間に」
「きゃあ!」
「アナスタシア様!」
ミスティファー、コーンズ、イスカリオス、アナスタシア、エリザベス、五人全員、茨の蔓に縛り上げられ身動きが取れなくなった。
「さあ、リーズ様。これで邪魔は入りませんわ。ついでにレグもね」
魔法で隠されていた額の角を露わにした魔少女パメラが傍らの二人に言う。
精悍な顔の青年が頷き、己に掛けられた幻覚を解除する。
そこに現れたのは、左目の潰れた青白い肌の美丈夫。
黒光りする騎士鎧に身を包み、左脇には兜を抱えている。
「あ、アイツはリーズ!」
グレタ攻防戦において引き分けとなった魔族の騎士リーズ。
先輩アーサーと兄リチャードの仇の姿を見て、意識が沸騰する。
「なんでアイツがここに! こっちに来い、決着をつけてやる!」
「落ち着け、ロウド」
いきり立つロウドを抑えるヴァル。
悠然と立つ黒騎士に目をやり、その力量を見定めようとする。
リーズの実際に戦う姿を見てないので、実力が分からないのだ。
グレタでは痛み分けになったみたいだが、今のロウドが勝てるのかどうか。
とリーズを見ていると、その脇の大男が声を上げた。
「おい! 大鬼殺しの息子! リーズばっか見てんじゃねえ! お前の相手は俺だ!」
大男の体が膨れ上がり始めた。人間の範疇を越えて巨大化していく。
瞬く間に大鬼の姿に戻った古大鬼のレグ。
その変貌を見て、悲鳴を上げる船員たち。
海賊には強気でも魔族には立ち向かう勇気は無いらしい。
「あ~、窮屈だった」
そう言って首をコキコキと鳴らすレグ。
今まで術を掛けて縮小されていたのか。
解放された巨体の各部をストレッチして伸ばした後、指を鳴らす。
上半身を胸甲が覆い、背には双刃の巨大な斧が出現した。
これも又、術の効果であろうか。
「さあ、パメラ。俺たちをあっちの船に跳ばしてくれ」
自分の半分ぐらいしかない少女に転移を頼むレグ。
しかし、そこに待ったを掛けるリーズ。
「待て。奴らは防具を装備していない。これでは勝負にならん」
「あ~、そっか。どうする?」
これが戦場なら防具を着けてようがなかろうが関係ないが、これは一騎打ち、決闘である。
武器・防具をきちんと装備した対等の状況でなければ意味がない。
「変なことに拘りますこと。まあ、いいです。そこの男、今から茨の拘束を解除するから、仲間の鎧持ってきなさいな」
コーンズにそう言って、茨の締め付けを解除するパメラ。
「余計なことはしないようにね。仲間の命が惜しければ」
パメラはそう言って、脅しのようにアナスタシアを拘束する茨の締め付けを強くする。
「痛い!」
「アナスタシア様! やるなら私にしろ! この魔族!」
痛みに慣れていないアナスタシアが悲鳴を上げ、エリザベスがパメラに食ってかかる。
「わ、分かった。分かったから、緩めてやってくれ」
「なら、早く持ってきなさいな」
脅迫を受けたコーンズは足早に船内に消えた。
そしてしばらくして、ゼイゼイと息を枯らしながら、竜鱗の鎧とロウドの防具一式の入った袋を引きずるようにして持ってくる。
「これがあの二人の防具だ」
コーンズがそう言うと、その身をパメラは再び茨で拘束した。
代わりに約束通り、アナスタシアの締め付けは緩める。
「よし、パメラ。俺たちとこの袋を向こうの船に跳ばしてくれ」
防具の入った袋をレグに抱えさせ、パメラに指示を出すリーズ。
「はい、リーズ様」
首肯し、転移の術の詠唱に入るパメラ。
「くそったれ。黒騎士だけじゃなく、あのアホ大鬼も一緒かよ」
リーズとレグを見て舌打ちするヴァルにオルフェリアが声を掛ける。
「あの黒騎士はロウドの相手として、古大鬼はお前の相手かや、ヴァル?」
「ああ、そうだよ。て、アイツが古大鬼だって分かんのか?」
「術をそれなりに使っている時点で、劣等種たる普通の大鬼ではなかろう。過去に何度か相まみえた事があるからの、古大鬼とは」
「ほう、そうなのか。しかし、ホントに術を使うんだな。大鬼のくせに」
そんなことを言ってると、目の前の空間がぼやけ始めた。
「おっと来やがったな」
ぼやけた像が次第にしっかりとしてきて、黒騎士と大鬼に結像する。
「久方ぶり、と言うほど時は立っていないか」
「大鬼殺しの息子、会いたかったぜ。ほら、さっさと防具着けろや」
防具の入った袋がロウドとヴァルの前に放り出される。
「ヴァルさん……」
「言うとおりにするしかない」
袋から防具を取り出して、装備する二人。
ヴァルは上半身に竜鱗の鎧を着て、前腕と脛に毛皮を巻き付ける。
ロウドは、真銀の兜、真銀の凧型盾、真重鉄の板金鎧。
ロウドの装備を見て、満足そうに微笑むリーズ。
「ほう……装備を一新したのか、面白い。楽しめそうだな」
海賊船の甲板を舞台に、因縁の戦いは始まろうとしていた。
再戦開始 終了
甲板の奴らが全て倒された時点で、船内にいた残りの海賊が降伏したのだ。
倒した海賊十五人に対し、残った海数は二十人。
取りあえず武装解除させて拘束、甲板上に転がしている。
こちら側の被害は一切ナシで快勝したのだが、問題はこの海賊どもをどうするか。
この海賊たちを引き連れて航行などできはしない。
などとロウドが考えていると、客船の乗組員である海と解放の神の神官が神聖術を使って沿岸警備隊へと連絡を取っていた。
「大きな船には必ず海の神の神官が乗ってるんだよ。何か事があったら、ああやって神聖術で連絡を取るのさ」
興味深げに連絡を取る神官を見ているロウドにヴァルが説明する。
「なるほど。で、沿岸警備隊の船が来たら引き渡すんですね?」
その言葉にかぶりを振るヴァル。
「いや、この座標を連絡したら、後は放っぽっとく。旅の途中だからな、警備隊が来るまで待ってられん」
「え? あの海賊、拘束したまま放っとくんですか?」
「そうだよ」
「……」
あまりと言えばあまりの扱いに絶句するロウド。
確かに海賊に手厚い扱いをする必要はないかも知れないが、拘束したまま放置とは。
海が荒れたらどうするのだろう。
その思いが顔に出たのか、ヴァルが言う。
「ロウド、一つ言っとく。海賊にしろ、陸の山賊にしろ、人様に襲いかかり略奪を働くような奴らに人権は無い。奴らに情けなど掛けるな。いいな?」
視線に篭められた圧力に萎縮するロウド。
人様の権利を害するような奴らに人権を主張する権利などない。
加害者に掛ける情けなど持つな。
普段のふざけた雰囲気とは違った態度で後輩を諭すヴァル。
「冒険者への依頼の中には、村を襲う海賊・山賊を退治してくれ、なんてのもあるんだ。その際に、相手に情けを掛けていたら始まらねえだろ?」
「でも、もしかしたら賊の方にも事情があるかも……」
「どんな事情があろうと、真っ当に生きてる人を襲って財産奪っていいことにはならん」
ロウドの反論をにべも無く切り捨てるヴァル。
反論を封じられたロウドは、暗い気持ちで客船の方に目を向けた。
そこに見えたのは、船縁に立つミスティファーたちの後ろに忍び寄る一団だった。
その先頭に立つ少女の顔に既視感を覚えるロウド。
「あの子、どこかで……」
「どうした、ロウド?」
呟きを拾ったヴァルに、ロウドは聞く。
「ヴァルさん。ミスティファーさんたちの後ろに立つ女の子、見覚えありませんか?」
その言葉を聞いて、客船のミスティファーたちの方に目を向けるヴァル。
少女の姿を捉え、その目が大きく見開かれる。
「アレは魔老公ムドウの孫娘じゃねえか! ヤバい! ミスティファー、後ろだ!」
ヴァルが声を限りに叫ぶ。
ヴァルの声が届き、ミスティファーたちが後ろを向いたときには遅かった。
魔老公ムドウの孫娘パメラの手から放られた茨の蔓が分裂・増殖して、ミスティファーたちを拘束する。
「な、何これ?!」
「くそったれ!」
「いつの間に」
「きゃあ!」
「アナスタシア様!」
ミスティファー、コーンズ、イスカリオス、アナスタシア、エリザベス、五人全員、茨の蔓に縛り上げられ身動きが取れなくなった。
「さあ、リーズ様。これで邪魔は入りませんわ。ついでにレグもね」
魔法で隠されていた額の角を露わにした魔少女パメラが傍らの二人に言う。
精悍な顔の青年が頷き、己に掛けられた幻覚を解除する。
そこに現れたのは、左目の潰れた青白い肌の美丈夫。
黒光りする騎士鎧に身を包み、左脇には兜を抱えている。
「あ、アイツはリーズ!」
グレタ攻防戦において引き分けとなった魔族の騎士リーズ。
先輩アーサーと兄リチャードの仇の姿を見て、意識が沸騰する。
「なんでアイツがここに! こっちに来い、決着をつけてやる!」
「落ち着け、ロウド」
いきり立つロウドを抑えるヴァル。
悠然と立つ黒騎士に目をやり、その力量を見定めようとする。
リーズの実際に戦う姿を見てないので、実力が分からないのだ。
グレタでは痛み分けになったみたいだが、今のロウドが勝てるのかどうか。
とリーズを見ていると、その脇の大男が声を上げた。
「おい! 大鬼殺しの息子! リーズばっか見てんじゃねえ! お前の相手は俺だ!」
大男の体が膨れ上がり始めた。人間の範疇を越えて巨大化していく。
瞬く間に大鬼の姿に戻った古大鬼のレグ。
その変貌を見て、悲鳴を上げる船員たち。
海賊には強気でも魔族には立ち向かう勇気は無いらしい。
「あ~、窮屈だった」
そう言って首をコキコキと鳴らすレグ。
今まで術を掛けて縮小されていたのか。
解放された巨体の各部をストレッチして伸ばした後、指を鳴らす。
上半身を胸甲が覆い、背には双刃の巨大な斧が出現した。
これも又、術の効果であろうか。
「さあ、パメラ。俺たちをあっちの船に跳ばしてくれ」
自分の半分ぐらいしかない少女に転移を頼むレグ。
しかし、そこに待ったを掛けるリーズ。
「待て。奴らは防具を装備していない。これでは勝負にならん」
「あ~、そっか。どうする?」
これが戦場なら防具を着けてようがなかろうが関係ないが、これは一騎打ち、決闘である。
武器・防具をきちんと装備した対等の状況でなければ意味がない。
「変なことに拘りますこと。まあ、いいです。そこの男、今から茨の拘束を解除するから、仲間の鎧持ってきなさいな」
コーンズにそう言って、茨の締め付けを解除するパメラ。
「余計なことはしないようにね。仲間の命が惜しければ」
パメラはそう言って、脅しのようにアナスタシアを拘束する茨の締め付けを強くする。
「痛い!」
「アナスタシア様! やるなら私にしろ! この魔族!」
痛みに慣れていないアナスタシアが悲鳴を上げ、エリザベスがパメラに食ってかかる。
「わ、分かった。分かったから、緩めてやってくれ」
「なら、早く持ってきなさいな」
脅迫を受けたコーンズは足早に船内に消えた。
そしてしばらくして、ゼイゼイと息を枯らしながら、竜鱗の鎧とロウドの防具一式の入った袋を引きずるようにして持ってくる。
「これがあの二人の防具だ」
コーンズがそう言うと、その身をパメラは再び茨で拘束した。
代わりに約束通り、アナスタシアの締め付けは緩める。
「よし、パメラ。俺たちとこの袋を向こうの船に跳ばしてくれ」
防具の入った袋をレグに抱えさせ、パメラに指示を出すリーズ。
「はい、リーズ様」
首肯し、転移の術の詠唱に入るパメラ。
「くそったれ。黒騎士だけじゃなく、あのアホ大鬼も一緒かよ」
リーズとレグを見て舌打ちするヴァルにオルフェリアが声を掛ける。
「あの黒騎士はロウドの相手として、古大鬼はお前の相手かや、ヴァル?」
「ああ、そうだよ。て、アイツが古大鬼だって分かんのか?」
「術をそれなりに使っている時点で、劣等種たる普通の大鬼ではなかろう。過去に何度か相まみえた事があるからの、古大鬼とは」
「ほう、そうなのか。しかし、ホントに術を使うんだな。大鬼のくせに」
そんなことを言ってると、目の前の空間がぼやけ始めた。
「おっと来やがったな」
ぼやけた像が次第にしっかりとしてきて、黒騎士と大鬼に結像する。
「久方ぶり、と言うほど時は立っていないか」
「大鬼殺しの息子、会いたかったぜ。ほら、さっさと防具着けろや」
防具の入った袋がロウドとヴァルの前に放り出される。
「ヴァルさん……」
「言うとおりにするしかない」
袋から防具を取り出して、装備する二人。
ヴァルは上半身に竜鱗の鎧を着て、前腕と脛に毛皮を巻き付ける。
ロウドは、真銀の兜、真銀の凧型盾、真重鉄の板金鎧。
ロウドの装備を見て、満足そうに微笑むリーズ。
「ほう……装備を一新したのか、面白い。楽しめそうだな」
海賊船の甲板を舞台に、因縁の戦いは始まろうとしていた。
再戦開始 終了
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