4 / 72
第1章 最初の冒険ゴブリン退治
第4話 地底湖の激闘
しおりを挟む
小鬼の振り下ろした粗末な武器 を盾で受けるロウド。
それなりの衝撃が来るが、左腕の筋肉をぎっちり締めて何とか踏ん張ることができた。
取っ手を握って持っているだけの小型の円形盾だったら耐えられず、すっぽ抜けたかも知れないが、革バンドで腕を固定して取っ手を持つ中型の盾ならば、前腕全体で盾を支えることができるため、ある程度の攻撃にも耐えられる。
「せい!」
掛け声と共に右の長剣を振るい、小鬼を斬り捨てた。
小鬼は、上位の魔族や魔獣などと違い、鎧も纏ってなければ硬質の皮膚も無いので、剣がまともに当たれば一撃で倒せる。
長剣を剣技もクソもなく振り回し、当たるを幸いに小鬼を攻撃しているロウドとは違って、先輩のアーサーとカリンは見事なモノだった。
小鬼の攻撃を真っ正面から受け止めるのではなく、勢いをずらして受け流し、相手が体勢を崩したところに一撃を入れて、確実に仕留めていく。
アーサーの戦鎚が力強く振るわれて小鬼の頭蓋を砕き、カリンの長剣が華麗に閃いて首筋を切り裂いていく。
ロウドが二三匹相手に悪戦苦闘している内に、アーサーとカリンは倍近い小鬼を屠っていた。流石に経験の差というべきであろうか。
雑魚の群れは既に半分近くが戦闘不能になっていた。
「これならイケる!」
とロウドが楽観的な言葉を口にしたとき、そんな甘い考えを叩き潰すかのように上位種が動く。
小鬼神官が魔族語で祈りを捧げ、小鬼呪術師が杖を振りかざして何かを唱え始めた。
呪術師の眼前に拳大の光の塊が出現した。
ソレは気合いと共に前方に突き出された杖に呼応して飛んでいった。
乱戦状態のアーサーたちと雑魚小鬼の頭上を飛び越え、後ろで太陽神への祈りを捧げているジャンの元へと飛んでいき、その胸元へと炸裂する。
「太陽、ぐはっ!」
太陽光と高らかに言おうとしたジャンは、呪術師の放った魔法の矢を胸に食らい、神聖術の中断を余儀なくされた。
熟練ならばダメージを食らっても耐えきり、術を発動させることができるのだが、ジャンには無理であった。
胸を押さえて膝をつくジャン。顔には脂汗が浮いている。
「ジャンさん、大丈夫ですか?!」
先輩冒険者の状況を見て声を上げたロウドの周りでも、上位種の行動の結果が現れていた。
アーサーやカリンはともかく、ロウドは乱戦の中、剣を振り回していただけなので、小鬼の中には、当たり所が良く死なずに済んでいる奴もいたのだが、ソイツらが立ち上がったのだ。
ロウドの剣により負った傷が仄かな燐光に包まれて塞がっていく。
神聖術の基本、治癒である。神の力により多少の傷を癒す奇跡だ。
「ちい! やはり、術者を叩かなきゃ勝ち目はねえ! カリン、雑魚は俺とロウドで押さえる。呪術師と神官をやれ!」
アーサーの言葉に頷きを返すカリン。
ダンスを踏むような華麗なステップで小鬼の間をすり抜け、乱戦を抜け出しにかかる。
その背後から襲おうとした小鬼の頭に戦鎚の一撃をくれ、ロウドに指示を出すアーサー。
「ロウド! 雑魚どもは俺たちで引きつけるんだ! いいな!」
ロウドはそれに「はい!」と答えながら、長剣と盾を振るっていた。
小鬼の攻撃を盾で受け止める余裕などもはや無く、板金鎧の防御力を信じて当たるに任せている。
右の敵は長剣で斬り捨て、左の敵は盾による打撃で打ちのめして、とりあえず敵の数を減らしていくロウド。
しかし一撃で致命傷を与えられなかった小鬼は、小鬼神官の神聖術により癒されて立ち上がってくる。きりが無かった。
「はあ、はあ」
息が切れてくる。
この重装備で戦っているのだ。熟練の戦士や騎士ならともかく、まだ成長期の少年であるロウドには、残るスタミナは少なかった。
「うおお!」
乱戦を抜けたカリンは間合いを一気に詰め、一番厄介な小鬼神官に斬りかかる。
そう回復役である神官さえ潰せば何とかなるのだ。先にやられてしまったが。
甲高い金属音。
カリンの繰り出した長剣は、横合いから出てきた鎚矛によって受け止められていた。
小鬼頭目だ。
小鬼頭目はカリンに一瞥をくれ、牙を見せながら嘲笑に近い笑みを浮かべる。
その馬鹿にしたような笑いに、カリンは怒りを覚えた。
「小鬼の親玉風情が! 舐めるな!」
怒りのままに小鬼頭目に斬りかかるカリン。
だが、この小鬼頭目は手練れだった。
そこそこ経験を積み研ぎ澄まされたカリンの剣技を、あまり細かい挙動には向いていない鎚矛でいなしているのだ。
その状況に更に怒りを覚えるカリン。
「アタシの攻撃を鎚矛で捌くなんて……ざけんなぁ!」
怒り本来斬るべき相手も忘れて、小鬼頭目を攻撃し続ける。
その横で、小鬼呪術師が怪しい挙動をしていることにも気付かずに。
「ムキになってんじゃねえよ、馬鹿が! 神官の方、狙えっての!」
小鬼頭目と切り結び始めたカリンを見て、ぼやくアーサー。
ついムキになり熱くなるのはカリンの昔からの悪い癖だ。
手助けしようにも、こちらはもうどうしようもない状態である。
最初の頃こそ、急所に戦鎚を叩き込んで一撃で仕留めていたが、疲れの見えてきた今はとりあえず当てるのが精一杯。
そして、その致命傷には程遠い傷は神官の治癒によって癒されて、すぐに復帰してくる。
一緒に雑魚と戦っているロウドも、もはや限界のようだ。
「うわあ!」
重くなった腕を必死に振るっているアーサーの耳に、ジャンの悲鳴が聞こえてきた。
顔を向けると、三匹の小鬼に囲まれて攻撃を受けている。
いつの間にか乱戦から何匹かが抜けて、回復役である神官のジャンにトドメを刺しに行ったのだろう。
ジャンは痛む胸を押さえながら、太陽神の象徴武器たる星球鎚矛 (打撃部の星球が太陽のように見えるから)を必死に振るっているが、基本的に鍛錬をしていないために余裕で躱されて掠りもしない。
対して小鬼の石斧や石の穂先の槍などは面白いようにジャンに当たり、傷を無数に増やしていった。殺されるのは時間の問題であろう。
とは言え、ジャンだけではなく全員死ぬのは時間の問題だ。もう勝ちの目は何処にも無い。
巻き込んでしまったロウドに申し訳ない。やはり、彼だけでも逃がしておくべきだったろうか。
ヤンソンさえ逃げなければ、と思う。
幼少期からの友であった。金に汚いところはあるが、一緒にやっていける仲間だと思っていた。
だがそれは、こっちの一方的な思い込みだったのか。
際限なく起き上がってくる小鬼たちとの戦いの中で、アーサーの思いは暗く沈む。
「畜生!」
無力さに声を上げるロウド。
生まれた時から道は決まっていた。自分は三男、どう足掻いても家を継ぐことはできない。
だから子供の頃から剣を馬上槍を、そして馬の扱いを鍛え上げた。己の腕のみでのし上がるために。
ある日、館に吟遊詩人がやって来た。
彼が歌い上げた英雄譚にロウドは心躍らせた。
そして、その内の一つ、『大鬼殺しと月の戦乙女』を聞いて、冒険者に憧れた。
遍歴の騎士を経て王国騎士団に取り立てられる夢は、冒険者として諸国を回り勇名を轟かせるモノへと変わった。
長兄が父の跡を継いだのを機に、勢い込んで冒険の旅へ出た。それがこのざまである。
三兄弟一と誇った鍛え上げた剣技も、魔族相手の実戦ではモノの役にも立ちはしなかった。
確かにさっきは志半ばで死ぬのは覚悟している、と言った。でもやはり、名を上げてから死にたかった。
カリンは焦っていた。
神官を斬るのを邪魔されてムキになったのは確かだ。
だがアーサーの怒声が聞こえ慌てて神官を狙い直そうとしたのだが、それはできなかった。
頭目の技量は自分と同等いやそれ以上であり、少しでも隙を見せればやられる。
攻守は既に逆転し、頭目の振るう鎚矛を必死に受け流している状態なのだ。
両腕には疲れが蓄積しており、鎚矛を剣で受け止める度にすっぽ抜けそうになる。
頭目が鎚矛を振り上げる。
受け止めるために、長剣を構えたカリンに横槍が入った。
横合いから、何かが飛んできて体に絡みつき自由を奪ったのだ。
「な、何?」
見れば蜘蛛の巣のようなモノが体にへばり付いて動きを阻害していた。
小鬼呪術師の放った蜘蛛の網である。
「ひ、卑怯な」
下劣な小鬼に対して卑怯も何もないし、ましてやこれは命のかかった実戦である。
よって頭目の次に取った行動も文句を言われる筋合いのないモノであった。
ニヤリと笑いながら鎚矛をフルスイング。
それは身動きのできないカリンの側頭部に吸い込まれジャストミート。
カリンの体は横っ飛びに飛んで地に落ちた。
体に意思の見られる動きはなく、細かな痙攣だけを起こしていた。
「カリン!」
「カリンさん!」
アーサーとロウドの悲痛な叫びが地底湖ホールに響き渡る。
第4話 地底湖の激闘 終了
それなりの衝撃が来るが、左腕の筋肉をぎっちり締めて何とか踏ん張ることができた。
取っ手を握って持っているだけの小型の円形盾だったら耐えられず、すっぽ抜けたかも知れないが、革バンドで腕を固定して取っ手を持つ中型の盾ならば、前腕全体で盾を支えることができるため、ある程度の攻撃にも耐えられる。
「せい!」
掛け声と共に右の長剣を振るい、小鬼を斬り捨てた。
小鬼は、上位の魔族や魔獣などと違い、鎧も纏ってなければ硬質の皮膚も無いので、剣がまともに当たれば一撃で倒せる。
長剣を剣技もクソもなく振り回し、当たるを幸いに小鬼を攻撃しているロウドとは違って、先輩のアーサーとカリンは見事なモノだった。
小鬼の攻撃を真っ正面から受け止めるのではなく、勢いをずらして受け流し、相手が体勢を崩したところに一撃を入れて、確実に仕留めていく。
アーサーの戦鎚が力強く振るわれて小鬼の頭蓋を砕き、カリンの長剣が華麗に閃いて首筋を切り裂いていく。
ロウドが二三匹相手に悪戦苦闘している内に、アーサーとカリンは倍近い小鬼を屠っていた。流石に経験の差というべきであろうか。
雑魚の群れは既に半分近くが戦闘不能になっていた。
「これならイケる!」
とロウドが楽観的な言葉を口にしたとき、そんな甘い考えを叩き潰すかのように上位種が動く。
小鬼神官が魔族語で祈りを捧げ、小鬼呪術師が杖を振りかざして何かを唱え始めた。
呪術師の眼前に拳大の光の塊が出現した。
ソレは気合いと共に前方に突き出された杖に呼応して飛んでいった。
乱戦状態のアーサーたちと雑魚小鬼の頭上を飛び越え、後ろで太陽神への祈りを捧げているジャンの元へと飛んでいき、その胸元へと炸裂する。
「太陽、ぐはっ!」
太陽光と高らかに言おうとしたジャンは、呪術師の放った魔法の矢を胸に食らい、神聖術の中断を余儀なくされた。
熟練ならばダメージを食らっても耐えきり、術を発動させることができるのだが、ジャンには無理であった。
胸を押さえて膝をつくジャン。顔には脂汗が浮いている。
「ジャンさん、大丈夫ですか?!」
先輩冒険者の状況を見て声を上げたロウドの周りでも、上位種の行動の結果が現れていた。
アーサーやカリンはともかく、ロウドは乱戦の中、剣を振り回していただけなので、小鬼の中には、当たり所が良く死なずに済んでいる奴もいたのだが、ソイツらが立ち上がったのだ。
ロウドの剣により負った傷が仄かな燐光に包まれて塞がっていく。
神聖術の基本、治癒である。神の力により多少の傷を癒す奇跡だ。
「ちい! やはり、術者を叩かなきゃ勝ち目はねえ! カリン、雑魚は俺とロウドで押さえる。呪術師と神官をやれ!」
アーサーの言葉に頷きを返すカリン。
ダンスを踏むような華麗なステップで小鬼の間をすり抜け、乱戦を抜け出しにかかる。
その背後から襲おうとした小鬼の頭に戦鎚の一撃をくれ、ロウドに指示を出すアーサー。
「ロウド! 雑魚どもは俺たちで引きつけるんだ! いいな!」
ロウドはそれに「はい!」と答えながら、長剣と盾を振るっていた。
小鬼の攻撃を盾で受け止める余裕などもはや無く、板金鎧の防御力を信じて当たるに任せている。
右の敵は長剣で斬り捨て、左の敵は盾による打撃で打ちのめして、とりあえず敵の数を減らしていくロウド。
しかし一撃で致命傷を与えられなかった小鬼は、小鬼神官の神聖術により癒されて立ち上がってくる。きりが無かった。
「はあ、はあ」
息が切れてくる。
この重装備で戦っているのだ。熟練の戦士や騎士ならともかく、まだ成長期の少年であるロウドには、残るスタミナは少なかった。
「うおお!」
乱戦を抜けたカリンは間合いを一気に詰め、一番厄介な小鬼神官に斬りかかる。
そう回復役である神官さえ潰せば何とかなるのだ。先にやられてしまったが。
甲高い金属音。
カリンの繰り出した長剣は、横合いから出てきた鎚矛によって受け止められていた。
小鬼頭目だ。
小鬼頭目はカリンに一瞥をくれ、牙を見せながら嘲笑に近い笑みを浮かべる。
その馬鹿にしたような笑いに、カリンは怒りを覚えた。
「小鬼の親玉風情が! 舐めるな!」
怒りのままに小鬼頭目に斬りかかるカリン。
だが、この小鬼頭目は手練れだった。
そこそこ経験を積み研ぎ澄まされたカリンの剣技を、あまり細かい挙動には向いていない鎚矛でいなしているのだ。
その状況に更に怒りを覚えるカリン。
「アタシの攻撃を鎚矛で捌くなんて……ざけんなぁ!」
怒り本来斬るべき相手も忘れて、小鬼頭目を攻撃し続ける。
その横で、小鬼呪術師が怪しい挙動をしていることにも気付かずに。
「ムキになってんじゃねえよ、馬鹿が! 神官の方、狙えっての!」
小鬼頭目と切り結び始めたカリンを見て、ぼやくアーサー。
ついムキになり熱くなるのはカリンの昔からの悪い癖だ。
手助けしようにも、こちらはもうどうしようもない状態である。
最初の頃こそ、急所に戦鎚を叩き込んで一撃で仕留めていたが、疲れの見えてきた今はとりあえず当てるのが精一杯。
そして、その致命傷には程遠い傷は神官の治癒によって癒されて、すぐに復帰してくる。
一緒に雑魚と戦っているロウドも、もはや限界のようだ。
「うわあ!」
重くなった腕を必死に振るっているアーサーの耳に、ジャンの悲鳴が聞こえてきた。
顔を向けると、三匹の小鬼に囲まれて攻撃を受けている。
いつの間にか乱戦から何匹かが抜けて、回復役である神官のジャンにトドメを刺しに行ったのだろう。
ジャンは痛む胸を押さえながら、太陽神の象徴武器たる星球鎚矛 (打撃部の星球が太陽のように見えるから)を必死に振るっているが、基本的に鍛錬をしていないために余裕で躱されて掠りもしない。
対して小鬼の石斧や石の穂先の槍などは面白いようにジャンに当たり、傷を無数に増やしていった。殺されるのは時間の問題であろう。
とは言え、ジャンだけではなく全員死ぬのは時間の問題だ。もう勝ちの目は何処にも無い。
巻き込んでしまったロウドに申し訳ない。やはり、彼だけでも逃がしておくべきだったろうか。
ヤンソンさえ逃げなければ、と思う。
幼少期からの友であった。金に汚いところはあるが、一緒にやっていける仲間だと思っていた。
だがそれは、こっちの一方的な思い込みだったのか。
際限なく起き上がってくる小鬼たちとの戦いの中で、アーサーの思いは暗く沈む。
「畜生!」
無力さに声を上げるロウド。
生まれた時から道は決まっていた。自分は三男、どう足掻いても家を継ぐことはできない。
だから子供の頃から剣を馬上槍を、そして馬の扱いを鍛え上げた。己の腕のみでのし上がるために。
ある日、館に吟遊詩人がやって来た。
彼が歌い上げた英雄譚にロウドは心躍らせた。
そして、その内の一つ、『大鬼殺しと月の戦乙女』を聞いて、冒険者に憧れた。
遍歴の騎士を経て王国騎士団に取り立てられる夢は、冒険者として諸国を回り勇名を轟かせるモノへと変わった。
長兄が父の跡を継いだのを機に、勢い込んで冒険の旅へ出た。それがこのざまである。
三兄弟一と誇った鍛え上げた剣技も、魔族相手の実戦ではモノの役にも立ちはしなかった。
確かにさっきは志半ばで死ぬのは覚悟している、と言った。でもやはり、名を上げてから死にたかった。
カリンは焦っていた。
神官を斬るのを邪魔されてムキになったのは確かだ。
だがアーサーの怒声が聞こえ慌てて神官を狙い直そうとしたのだが、それはできなかった。
頭目の技量は自分と同等いやそれ以上であり、少しでも隙を見せればやられる。
攻守は既に逆転し、頭目の振るう鎚矛を必死に受け流している状態なのだ。
両腕には疲れが蓄積しており、鎚矛を剣で受け止める度にすっぽ抜けそうになる。
頭目が鎚矛を振り上げる。
受け止めるために、長剣を構えたカリンに横槍が入った。
横合いから、何かが飛んできて体に絡みつき自由を奪ったのだ。
「な、何?」
見れば蜘蛛の巣のようなモノが体にへばり付いて動きを阻害していた。
小鬼呪術師の放った蜘蛛の網である。
「ひ、卑怯な」
下劣な小鬼に対して卑怯も何もないし、ましてやこれは命のかかった実戦である。
よって頭目の次に取った行動も文句を言われる筋合いのないモノであった。
ニヤリと笑いながら鎚矛をフルスイング。
それは身動きのできないカリンの側頭部に吸い込まれジャストミート。
カリンの体は横っ飛びに飛んで地に落ちた。
体に意思の見られる動きはなく、細かな痙攣だけを起こしていた。
「カリン!」
「カリンさん!」
アーサーとロウドの悲痛な叫びが地底湖ホールに響き渡る。
第4話 地底湖の激闘 終了
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜
福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。
彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。
だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。
「お義姉さま!」 . .
「姉などと呼ばないでください、メリルさん」
しかし、今はまだ辛抱のとき。
セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。
──これは、20年前の断罪劇の続き。
喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。
※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。
旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』
※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。
※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。真実を確かめるため、アメリアは3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる