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「そうだな。市販の打ち上げ花火は迫力不足で盛り上がらないって事で、そっちにするか」
俊太は目を凝らしてロウソクを見つけると、火をつけてコンクリートの上に立てた。
「暗くてよく見えないから、適当に選んでやっていこう」
私たちは花火を持つと、その先端に火を近づけていく。
シューッと勢いよく音を立て、火花が煌めくように舞った。
「わあ、綺麗!」
火花の色が、緑や赤に変わっていく。
花火が燃えている間はとても明るい。二人の表情も、この時にはよく見えた。
少しすると花火が燃え尽きる。辺りが急に暗くなって、またすぐに次を見たくなった。
「手持ち花火って、なんか夢中になっちゃうよね」
私は両手に一本ずつ持って火をつけた。
「あ、二刀流持ちだ! 僕もやろうっと」
佳くんも両手に花火を持って火をつけると、円を描くように軽く振って見せた。
残像で目がちかちかしたけれど、気持ちが上がって楽しくなる。
「それ、何でやりたくなるんだろうな」
そう言いながら、俊太も二刀流で遊び始めた。
二袋あった花火が、あっという間になくなっていく。
「最後の一本だよ。誰がやる?」
「僕はたった今つけたばかりだから、螢ちゃんがどうぞ」
「俺も今持ってるのが最後でいい。お前がやれよ」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
最後の一本を火に近付ける。
近付けすぎたのか、ロウソクの火が消えてしまった。
「あ……」
「螢ちゃん、ほら、僕の火をあげるから、こっちに来て」
佳くんが後ろから声をかけてきた。
「うん、ありがとう」
返事をして、彼の花火に自分の花火を近付ける。
しかしなかなか燃え移らず、佳くんの花火が終わる頃になって、ようやく燃え出した。
「ギリギリだったね」
そう言って微笑んだ彼の笑顔にドキリとした。
暗闇の中で花火に照らされる彼の顔はとても綺麗で――
――佳くんって、こんなに――。
彼の顔が整っていることは、出逢った日から知っている。
それなのに、どうして今夜は、こんなにも……。
俊太は目を凝らしてロウソクを見つけると、火をつけてコンクリートの上に立てた。
「暗くてよく見えないから、適当に選んでやっていこう」
私たちは花火を持つと、その先端に火を近づけていく。
シューッと勢いよく音を立て、火花が煌めくように舞った。
「わあ、綺麗!」
火花の色が、緑や赤に変わっていく。
花火が燃えている間はとても明るい。二人の表情も、この時にはよく見えた。
少しすると花火が燃え尽きる。辺りが急に暗くなって、またすぐに次を見たくなった。
「手持ち花火って、なんか夢中になっちゃうよね」
私は両手に一本ずつ持って火をつけた。
「あ、二刀流持ちだ! 僕もやろうっと」
佳くんも両手に花火を持って火をつけると、円を描くように軽く振って見せた。
残像で目がちかちかしたけれど、気持ちが上がって楽しくなる。
「それ、何でやりたくなるんだろうな」
そう言いながら、俊太も二刀流で遊び始めた。
二袋あった花火が、あっという間になくなっていく。
「最後の一本だよ。誰がやる?」
「僕はたった今つけたばかりだから、螢ちゃんがどうぞ」
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「じゃあ、お言葉に甘えて」
最後の一本を火に近付ける。
近付けすぎたのか、ロウソクの火が消えてしまった。
「あ……」
「螢ちゃん、ほら、僕の火をあげるから、こっちに来て」
佳くんが後ろから声をかけてきた。
「うん、ありがとう」
返事をして、彼の花火に自分の花火を近付ける。
しかしなかなか燃え移らず、佳くんの花火が終わる頃になって、ようやく燃え出した。
「ギリギリだったね」
そう言って微笑んだ彼の笑顔にドキリとした。
暗闇の中で花火に照らされる彼の顔はとても綺麗で――
――佳くんって、こんなに――。
彼の顔が整っていることは、出逢った日から知っている。
それなのに、どうして今夜は、こんなにも……。
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