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第二幕 金色に彩る
五 これはリンゴですか?
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医院に戻り、汗と泥の付いた服を母屋で着替えて仕事場に戻ると、四畳半部屋で小柄な美少年と大男が談笑しながら茶を飲んでいた。
朔夜が膝を抱えて丸くなれば入れそうなほどの大きさの、肩紐が結袈裟のようになっている薬籠が傍に置かれている。
美少年の名は琥珀、大男は松羽という。二人は薬売りである。
琥珀は勝気そうな顔立ちで瞳が大きく、長い濡羽色の髪を高く結んでいる。
松羽は琥珀よりも年上の青年で、背が高く、鍛え抜かれた筋肉の厚みが鈴懸の硬い生地を押し上げている。
二人は朔夜に気付いて戸口の方へ顔を向けた。
「お、朔夜! 待ってたぞ!」
「おじゃましております」
琥珀は手を振り、松羽は会釈をした。
「来てたのか。悪かったな、田植えの手伝いに行ってて」
「いや、この時期は毎年そうって分かってるから問題ないよ。今来てお茶をもらったところだ」
そう言って琥珀が持ち上げて見せた茶からは湯気が立っていない。
「それならよかった」
朔夜は土間の台所の棚から瓶を取り出した。砂糖で煮たびわの実が入っている。いくつか硝子の器に乗せ、それを持って四畳半の部屋に入った。
「お前ってこういうのを作るのが好きだよな。おいしそう! ありがたくいただく!」
「炭酸水に入れるともっとおいしいんだ。冷えたのがあるから持ってくるよ」
台所に戻ろうとする朔夜を琥珀は慌てて止めた。
「いや、遠慮しとく。松羽が、口の中がパチパチするのが苦手みたいで」
「口の中がパチパチするのが苦手なのは琥珀でしょう」
「松羽だって、このあいだセレーネのカフェでレモネードを頼んだら炭酸が入ってて泣きそうになってたじゃないか!」
言い合いを始める二人。朔夜は後ろ手で静かに戸を閉めてびわの実を二人の前に置き、煙草盆の横に端座して、煙管に火をつけた。
この煙草盆も、一果がお気に入りの職人に造らせた逸品である。
「……そろそろ仕事の話を始めようか」
そう言われて琥珀と松羽はハッとして姿勢を正した。ここに来た目的を思い出したらしい。
「ごめんごめん! あ、でもその前に……」
琥珀は薬籠の中をごそごそと探り、見慣れない厚手の織物の袋を取り出した。
「今日はいいものを持ってきたんだぜ。アルフェッカの香料だ」
「遠かっただろ」
アルフェッカはセレーネを越えてさらに西へ向かったところにある国だ。内陸の珠白と異なり海に面している。
珠白の画家が白の絵具として使う貝殻はアルフェッカとの貿易で入手していると朔夜は聞いたことがある。
「まあな。販路を拡げようと思って、下見のために遊びに行ってみたんだ」
「僕が肩に乗せて連れていきました」
「おつかれ……」
松羽の表情から、その旅の過酷さが窺える。琥珀は続ける。
「今回はお試しということで、お代はいただかないことにしよう。はい、これとこれとこれ」
琥珀に袋を手渡され、朔夜は顔に近付けてひとつずつ香りを確かめた。
「いい香りだろ。名前や使い方について書いてもらったメモも一緒に入れてある。ボクはアルフェッカの言葉が分からないから、翻訳は自分でしてくれよな」
紐を解いて袋を開けると、たしかに香料と一緒に見たことのない文字の書かれた紙切れが入っている。紙にはさまざまな色の繊維が混ざっている。
「アルフェッカ語が分からなくて、どうやって会話したんだよ」
「身振り手振りと雰囲気だ。それと、簡単な挨拶とか『これはリンゴですか?』『はい』『いいえ』くらいは聞いてるうちに覚えたぜ。あ、商売するからにはもちろんこれからきちんと勉強するつもりだ」
「これはリンゴですか、なんてわざわざ聞かなくても分かるだろ」
何も知らない朔夜の言葉に、琥珀は可愛い奴だなとばかりにフンッと笑った。
「世界は広いんだぞ朔夜。アルフェッカにはすごくたくさんの種類の果物があるんだ。ひとくちにリンゴと言っても、形や色は様々だし、他の果物とそっくりなものもあるから、素人には分からない」
「へえ、面白そうだな」
「こんど連れていってやるよ。松羽の右肩にボク、左肩に朔夜が乗ればちょうどいいだろ」
「何がちょうどいいんですか」
静かだった松羽が会話に入ってきた。これには黙っていられなかったらしい。
二人が乗れば左右の均衡がとれるということなんだろうなと朔夜は納得した。
琥珀は気にせず薬籠を開ける。
「そうそう、頼まれていた薬種を渡さないとな。お代はいつも通り薄さんから受け取った」
畳の上に赤い織物を敷き、何十種類もの薬種を薬籠から出して並べ、品の名前と目方を書き連ねた巻物を朔夜に差し出した。
「はい、確認してくれ」
朔夜は煙管を置き、巻物を繰り広げて目を通し始めた。並べられた薬種を確認していく。
調薬で使用する薬種は百種類を超える。そのうちの一部は朔夜自ら薬草園で栽培し加工を行うが、多くは琥珀を通して仕入れている。
朔夜が栽培から調薬までの工程を自ら手掛ける目的は薬種の生産そのものではなく、「どれほど立派な薬師になっても植物の姿を忘れてはならない」という師の教えを守ることだ。
確認を終え、朔夜は巻物を戻した。
「問題ない。欲しい薬種を必ず手に入れて揃えてくれるから、いつも助かってるよ」
「当然だろ。今後ともご贔屓に」
得意げに一礼する。
朔夜は文机の引き出しから綺麗に折封された文書を取り出して琥珀に手渡した。
「次に頼みたいのはこれだ」
「了解」
琥珀が内容を見ずに軽々しく返事をするので、松羽が代わりに手に取って開いた。筆文字で細々と書かれたのをひとつずつ確認する。その横で琥珀はびわの実を食べ始める。
「おいしいぞ。松羽は食べないのか?」
「僕はいま、この依頼に無理がないか確かめているんです。一果先生がこの中に入手困難な薬種や、そもそも存在するのかどうかも怪しいような薬種を紛れ込ませていることがありますから。ほんの半年前に、未確認生物の名前が『生捕り』との但し書き付きで書かれていたのをもう忘れたのですか。びわの実は後でいただきます」
「無理なことがあるわけないだろ。それを何とかするのがボクたちの仕事なんだから」
琥珀がびわの実を一切れ松羽の口元に運ぶと、大きな口が開いた。眉間に皺を寄せてもぐもぐと口を動かす松羽の表情が僅かに緩んでいく。
「朔夜、松羽も気に入ったみたいだ」
「まだたくさんあるから持たせてやるよ」
「やった! それじゃあ、そろそろボクたちは失礼しようかな。ごちそうさま!」
「あ、待ってくれ、もうひとつ大事な要件があるんだった」
朔夜は琥珀にあることを依頼する機会を伺っていた。帰ってしまう前に頼んでおかなくてはならない。
「薬種以外のものも頼めたりするかな……?」
「朔夜の頼みなら、できることはする。いつも世話になってるからな。いろんなところに顔がきくから、役に立てると思うよ」
快い返事に、朔夜は安心した。難しいものではないが、信頼関係のある相手にしか頼めない内容なので、琥珀に断られてしまうと他の候補を探すのが困難なのだ。
「よかった、聞いてみるものだな。………紫水晶は手に入るか?」
「紫石英のこと? 不妊の薬になるんだっけ。あまり使われないけど、薬ではあるよな」
「あ、たしかにそういう薬種もあるって聞いたことはある。でも今回欲しいのは細かく砕いたものではなくて、ある程度の大きさのある原石だ。石英と水銀も一緒に頼む。それと、漆と弁柄と金粉も琥珀に頼もうかな。これも薬種ではなくて、工芸用の」
琥珀と松羽は顔を見合わせる。薬師には似合わない依頼だ。しかし彼の場合は一つの可能性がある。
「お安いご用だけど、何に使うんだ。また一果先生におかしな課題を出された?」
「うん……そんなところだ」
朔夜が曖昧な返事をしながら六畳間に続く唐紙に一瞬視線を向けたのを、商人の鋭敏な目は逃すことができなかった。琥珀は声をひそめて内緒話のように尋ねる。
「……朔夜、詮索して悪い。変なこと訊くけど。唐紙の向こう………六畳間に、何かいる?」
「えっ」
図星です、と顔に書かれている。
「僕も気になっていました。何だか異様な気配を感じます」
「そんなに分かりやすいんだ……」
「珠白ではないところに来たような空気なのに、見知らぬ異国とは思えない。空気の温度は春のものなのに、体の奥が冷えていくように寒い。嗅覚はいつも通りの薬の香りしか捉えていないはずなのに、硬質で白く澄んだ冷たい花のような香りを感じる。……何か妙なものを抱え込んでないか? 言いたくないなら、これ以上は聞かないけど」
──それはきっと白磁山の気配だ。
朔夜はしばらく考えてから六畳間の方へ身体を向けていざり寄り、唐紙の端に手を掛けた。
「……お前らならいいか」
朔夜が膝を抱えて丸くなれば入れそうなほどの大きさの、肩紐が結袈裟のようになっている薬籠が傍に置かれている。
美少年の名は琥珀、大男は松羽という。二人は薬売りである。
琥珀は勝気そうな顔立ちで瞳が大きく、長い濡羽色の髪を高く結んでいる。
松羽は琥珀よりも年上の青年で、背が高く、鍛え抜かれた筋肉の厚みが鈴懸の硬い生地を押し上げている。
二人は朔夜に気付いて戸口の方へ顔を向けた。
「お、朔夜! 待ってたぞ!」
「おじゃましております」
琥珀は手を振り、松羽は会釈をした。
「来てたのか。悪かったな、田植えの手伝いに行ってて」
「いや、この時期は毎年そうって分かってるから問題ないよ。今来てお茶をもらったところだ」
そう言って琥珀が持ち上げて見せた茶からは湯気が立っていない。
「それならよかった」
朔夜は土間の台所の棚から瓶を取り出した。砂糖で煮たびわの実が入っている。いくつか硝子の器に乗せ、それを持って四畳半の部屋に入った。
「お前ってこういうのを作るのが好きだよな。おいしそう! ありがたくいただく!」
「炭酸水に入れるともっとおいしいんだ。冷えたのがあるから持ってくるよ」
台所に戻ろうとする朔夜を琥珀は慌てて止めた。
「いや、遠慮しとく。松羽が、口の中がパチパチするのが苦手みたいで」
「口の中がパチパチするのが苦手なのは琥珀でしょう」
「松羽だって、このあいだセレーネのカフェでレモネードを頼んだら炭酸が入ってて泣きそうになってたじゃないか!」
言い合いを始める二人。朔夜は後ろ手で静かに戸を閉めてびわの実を二人の前に置き、煙草盆の横に端座して、煙管に火をつけた。
この煙草盆も、一果がお気に入りの職人に造らせた逸品である。
「……そろそろ仕事の話を始めようか」
そう言われて琥珀と松羽はハッとして姿勢を正した。ここに来た目的を思い出したらしい。
「ごめんごめん! あ、でもその前に……」
琥珀は薬籠の中をごそごそと探り、見慣れない厚手の織物の袋を取り出した。
「今日はいいものを持ってきたんだぜ。アルフェッカの香料だ」
「遠かっただろ」
アルフェッカはセレーネを越えてさらに西へ向かったところにある国だ。内陸の珠白と異なり海に面している。
珠白の画家が白の絵具として使う貝殻はアルフェッカとの貿易で入手していると朔夜は聞いたことがある。
「まあな。販路を拡げようと思って、下見のために遊びに行ってみたんだ」
「僕が肩に乗せて連れていきました」
「おつかれ……」
松羽の表情から、その旅の過酷さが窺える。琥珀は続ける。
「今回はお試しということで、お代はいただかないことにしよう。はい、これとこれとこれ」
琥珀に袋を手渡され、朔夜は顔に近付けてひとつずつ香りを確かめた。
「いい香りだろ。名前や使い方について書いてもらったメモも一緒に入れてある。ボクはアルフェッカの言葉が分からないから、翻訳は自分でしてくれよな」
紐を解いて袋を開けると、たしかに香料と一緒に見たことのない文字の書かれた紙切れが入っている。紙にはさまざまな色の繊維が混ざっている。
「アルフェッカ語が分からなくて、どうやって会話したんだよ」
「身振り手振りと雰囲気だ。それと、簡単な挨拶とか『これはリンゴですか?』『はい』『いいえ』くらいは聞いてるうちに覚えたぜ。あ、商売するからにはもちろんこれからきちんと勉強するつもりだ」
「これはリンゴですか、なんてわざわざ聞かなくても分かるだろ」
何も知らない朔夜の言葉に、琥珀は可愛い奴だなとばかりにフンッと笑った。
「世界は広いんだぞ朔夜。アルフェッカにはすごくたくさんの種類の果物があるんだ。ひとくちにリンゴと言っても、形や色は様々だし、他の果物とそっくりなものもあるから、素人には分からない」
「へえ、面白そうだな」
「こんど連れていってやるよ。松羽の右肩にボク、左肩に朔夜が乗ればちょうどいいだろ」
「何がちょうどいいんですか」
静かだった松羽が会話に入ってきた。これには黙っていられなかったらしい。
二人が乗れば左右の均衡がとれるということなんだろうなと朔夜は納得した。
琥珀は気にせず薬籠を開ける。
「そうそう、頼まれていた薬種を渡さないとな。お代はいつも通り薄さんから受け取った」
畳の上に赤い織物を敷き、何十種類もの薬種を薬籠から出して並べ、品の名前と目方を書き連ねた巻物を朔夜に差し出した。
「はい、確認してくれ」
朔夜は煙管を置き、巻物を繰り広げて目を通し始めた。並べられた薬種を確認していく。
調薬で使用する薬種は百種類を超える。そのうちの一部は朔夜自ら薬草園で栽培し加工を行うが、多くは琥珀を通して仕入れている。
朔夜が栽培から調薬までの工程を自ら手掛ける目的は薬種の生産そのものではなく、「どれほど立派な薬師になっても植物の姿を忘れてはならない」という師の教えを守ることだ。
確認を終え、朔夜は巻物を戻した。
「問題ない。欲しい薬種を必ず手に入れて揃えてくれるから、いつも助かってるよ」
「当然だろ。今後ともご贔屓に」
得意げに一礼する。
朔夜は文机の引き出しから綺麗に折封された文書を取り出して琥珀に手渡した。
「次に頼みたいのはこれだ」
「了解」
琥珀が内容を見ずに軽々しく返事をするので、松羽が代わりに手に取って開いた。筆文字で細々と書かれたのをひとつずつ確認する。その横で琥珀はびわの実を食べ始める。
「おいしいぞ。松羽は食べないのか?」
「僕はいま、この依頼に無理がないか確かめているんです。一果先生がこの中に入手困難な薬種や、そもそも存在するのかどうかも怪しいような薬種を紛れ込ませていることがありますから。ほんの半年前に、未確認生物の名前が『生捕り』との但し書き付きで書かれていたのをもう忘れたのですか。びわの実は後でいただきます」
「無理なことがあるわけないだろ。それを何とかするのがボクたちの仕事なんだから」
琥珀がびわの実を一切れ松羽の口元に運ぶと、大きな口が開いた。眉間に皺を寄せてもぐもぐと口を動かす松羽の表情が僅かに緩んでいく。
「朔夜、松羽も気に入ったみたいだ」
「まだたくさんあるから持たせてやるよ」
「やった! それじゃあ、そろそろボクたちは失礼しようかな。ごちそうさま!」
「あ、待ってくれ、もうひとつ大事な要件があるんだった」
朔夜は琥珀にあることを依頼する機会を伺っていた。帰ってしまう前に頼んでおかなくてはならない。
「薬種以外のものも頼めたりするかな……?」
「朔夜の頼みなら、できることはする。いつも世話になってるからな。いろんなところに顔がきくから、役に立てると思うよ」
快い返事に、朔夜は安心した。難しいものではないが、信頼関係のある相手にしか頼めない内容なので、琥珀に断られてしまうと他の候補を探すのが困難なのだ。
「よかった、聞いてみるものだな。………紫水晶は手に入るか?」
「紫石英のこと? 不妊の薬になるんだっけ。あまり使われないけど、薬ではあるよな」
「あ、たしかにそういう薬種もあるって聞いたことはある。でも今回欲しいのは細かく砕いたものではなくて、ある程度の大きさのある原石だ。石英と水銀も一緒に頼む。それと、漆と弁柄と金粉も琥珀に頼もうかな。これも薬種ではなくて、工芸用の」
琥珀と松羽は顔を見合わせる。薬師には似合わない依頼だ。しかし彼の場合は一つの可能性がある。
「お安いご用だけど、何に使うんだ。また一果先生におかしな課題を出された?」
「うん……そんなところだ」
朔夜が曖昧な返事をしながら六畳間に続く唐紙に一瞬視線を向けたのを、商人の鋭敏な目は逃すことができなかった。琥珀は声をひそめて内緒話のように尋ねる。
「……朔夜、詮索して悪い。変なこと訊くけど。唐紙の向こう………六畳間に、何かいる?」
「えっ」
図星です、と顔に書かれている。
「僕も気になっていました。何だか異様な気配を感じます」
「そんなに分かりやすいんだ……」
「珠白ではないところに来たような空気なのに、見知らぬ異国とは思えない。空気の温度は春のものなのに、体の奥が冷えていくように寒い。嗅覚はいつも通りの薬の香りしか捉えていないはずなのに、硬質で白く澄んだ冷たい花のような香りを感じる。……何か妙なものを抱え込んでないか? 言いたくないなら、これ以上は聞かないけど」
──それはきっと白磁山の気配だ。
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