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6・面倒事の予感
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朝晩すっかり肌寒く、風が冷たくなった。あの王宮での事件から、もう半年が過ぎている。
ある日、お父様に呼ばれて書斎に伺うと、そこにはシリウスお兄様もいらっしゃった。
「実は、私とシリウスとルナの三人が城に呼ばれていてね。」
お父様はお兄様と私に手紙を見せる。
「隣のラングリーク辺境伯家で転移陣が完成して、王宮にも設置されたのだそうだ。なので陛下との約束通り、次はうちに設置するようにと言われている。」
「陛下とのお約束ですか?」
「ああ、半年前陛下にルナも謁見したとき言っていたろう。アレだよ。」
「アレって転移陣のことだったのですね?」
あの時私は、早く終わって欲しいが為に疑問に思えど突っ込んで尋ねる事はしなかった。
その後も、なるべく思い出したくなかったので、あえて尋ねずにいた。
お父様はにこやかに頷いて話を続ける。
「別にランドリーク伯と私で話をつければ済むことだと思うのだが、どうも陛下が関わりたがっているようでね。城まで行かなければいけない。まあ、ルナにも会いたいみたいだよ。特に王妃様が。」
お父様が苦笑して、お兄様が尋ねる。
「私も行かなければならないのですか?」
「シリウスは、アレクシス様より是非にと言われている。何だか話があるのだとか。心当たりはあるかい?」
お兄様は、思い切り顔を顰める。あるのですね…寧ろ有り過ぎって顔してらっしゃいますわ。お父様も苦笑しています。狡いですわ。私わかりません。置き去りです。
お兄様とアレクシス様ってどちらが頭が切れるのでしょうね。帝王学習得済みというアレクシス様でしょうか。狐と狸の化かし合い、見てみたいですわ。
お兄様がこちらを見ましたが、気づかない振りをしておきましょう。
「ということで、明後日の朝早くにランドリーク家に向けて屋敷を出る。途中街道の宿に一泊。ランドリーク家でまた一泊して、次の日に城へ向かう。くれぐれもレオにバレないようにしてくれよ。護衛は…」
「「いらないでしょう。」」
私とお兄様が、お父様の言葉を遮る。
「ジークが居れば充分でしょう。」
とお兄様が言えば、私は、
「ああでも、エルザは連れて行って良いでしょう?私が護りますわ。」
お父様が苦笑する。護衛対象が、護衛を護るとか、普通は無い。でも、家では結局そうなってしまう。
まあ、お母様とレオが残るから戦力は割きたくない。というのもあるが、私達三人で精鋭の護衛二十人には、余裕で匹敵する。
領地の三分の一が魔の森である我が領は、名ばかりでは護っていけないのだ。
「わかった。じゃあそのつもりで準備しておいてくれ。」
「「はい。」」
私は部屋に戻ると、エルザに明後日からの予定を伝えて支度を頼む。勿論レオに内緒だと言っておく。
その後一人図書室へ向かう。ランドリーク家と道中周辺の地形と最近の状況、街道と宿泊施設について等諸々、調べ尽くす。時を見計らって厨房へ、ここではさり気なくランドリーク家の噂話を探る。今日出来るのはここまでかな。
◇◇◇◇◇
次の日、エルザを連れて町へ出る。宿屋周辺でもお土産屋はあるみたいだけど、時間があるかはわからないから見て回る。
女の子は髪飾り、男の子はレオと同じ歳だから、レオが喜びそうな物で良いかな?或いは楽器?魔道具は女の子が色々作ってるみたいなのよね。そういえばアレクシス様にも必要かしら?第二王子には絶対要らんな。
町の人に話しかけながら色々見て回る。ここの領地は冒険者ギルドがあるから、治安にも目を光らせてないと町が荒れてしまう。魔の森があるから強い人は欲しいけど、弱い人を傷つける人はいらない。バランスは難しいけど、本当の強さを履き違えてる人はいらない。そんな対策の一つとして、Sランク以上の人は一度お父様との面接が必要なの。
粗方買い物が済んだから、ギルド見ていこう。久しぶりだから面白いネタ無いかしら?荒くれ者はおらんかえ。
ギルド前の扉は、営業時間中いつも開けっ放しにしてある。出入口から中を覗くと、受け付けで怒鳴る男一人、常連が三人、新顔が…十人も?常連の一人がこちらに気付き、外に出てしゃがんで、私と視線を合わせてくれた。彼は言う。
「今日は、(ギルドの)定期検診かい?」
「いいえ、飛び込み(近くに寄ったついで)よ。なんかいつもと違う?」
「ここ最近ね。プロ(貴族が雇った影や腕の立つ人)が結構紛れてて…」
「ごめん。そっちは多分私のせいだわ。」
「マリーちゃん何したの?」
「うーん、ちょっと目立つ事をね。」
私は、ギルドで偽名「マリー・ルウ」を使ってる。年齢も十ニ歳と偽証。ランクはAランク。でも両親公認よ。ギルド登録十一歳以上が規程だから特例ね。どうせ町の人とか常連さんは、私が領主の娘だって知ってるし。暗黙の了解よ。多分。
「で、あの五月蝿いのは何だっての?」
「初登録してやるからギルド長出せってさ。」
「ギルド長は?」
「魔の森で怪我人出て、そっち行ってる。」
「そっか、困ったな…」
この状況で私が出ていけば、プロ達の鴨になってしまう。でも、このままにしておくわけにもいかないよね。どうしよう。
「マリー?」
「お兄様。ギルド長も。良かったわ。」
凄いタイミング良く二人が現れた。ギルド内を覗き、何も言ってないのに二人は頷いてくれた。ギルド長は、
「これは私の仕事だから何も心配いらないよ。二人は、奥の部屋に行って待ってて。」
そう言って先頭を切って中に入っていく。ギルド長への視線に隠れるように、私達は奥の部屋へ急いで向かった。エルザを置いてきてしまったわ。大丈夫かしら?
ギルド長は、男を追い返すつもりらしい。この領地では、どんなに強くなっても、それだけではSランクにはなれないと説得している。隣の領地のギルドを紹介するつもりらしいが、男は納得しようとしない。やっぱり貴族に、このギルドを指定されているのだわ。
うーん、何だか既視感が…ギルド…喚く男の背中…夢かな?
「ルナ、どうした?」
「ええ、多分大した事ではないんですけど…先程のカウンターの場面に既視感があって…でも、多分夢なんですよ。」
「ああ、ルナの夢はよく当たるからね。教えてくれる?」
「はい。途切れ途切れなんですけど、カウンターの場面の後に覚えているのは…夜空に無数の火の矢が飛んでいました。森から屋敷に向かってだと思います。それから…お母様とレオが大きな何かに襲われているみたいな…覚えているのはそれだけなんですけど。」
夢って本当に目が覚めると忘れるのよね。嫌な夢だったから、強烈な部分だけは覚えてたんだけど。
お兄様は、微笑んで頷いてくれた。
「それで十分だ。後は任せて。ルナはまだ小さかったから覚えて無いだろうけど、前にも予知した事が有ったんだよ。まあ、その話はまた今度。今日は時間がないからね。でも丁度良かった。ギルドに依頼しようと思って来たとこだったから。」
「ギルドにお兄様が依頼?」
お兄様曰く、明日から数日間の屋敷の警護を依頼しようとしていたらしい。私の予知もどきで具体的に方向性を絞れるとの事。
えっ…あんなので決めてしまって大丈夫ですか?にこやかに笑ってどんどん話を決めていくお兄様、流石です。
「じゃあ、このメンバーでどうだい?これなら報酬なしでも、みんな喜んで受けると思うよ。」
「いや、何もなくても報酬は出すよ。後が怖いからね。」
えーと、お兄様は、どういう人脈づくりをしているのでしょうか。まだ十一歳でしたよね。想像出来ません。
ある日、お父様に呼ばれて書斎に伺うと、そこにはシリウスお兄様もいらっしゃった。
「実は、私とシリウスとルナの三人が城に呼ばれていてね。」
お父様はお兄様と私に手紙を見せる。
「隣のラングリーク辺境伯家で転移陣が完成して、王宮にも設置されたのだそうだ。なので陛下との約束通り、次はうちに設置するようにと言われている。」
「陛下とのお約束ですか?」
「ああ、半年前陛下にルナも謁見したとき言っていたろう。アレだよ。」
「アレって転移陣のことだったのですね?」
あの時私は、早く終わって欲しいが為に疑問に思えど突っ込んで尋ねる事はしなかった。
その後も、なるべく思い出したくなかったので、あえて尋ねずにいた。
お父様はにこやかに頷いて話を続ける。
「別にランドリーク伯と私で話をつければ済むことだと思うのだが、どうも陛下が関わりたがっているようでね。城まで行かなければいけない。まあ、ルナにも会いたいみたいだよ。特に王妃様が。」
お父様が苦笑して、お兄様が尋ねる。
「私も行かなければならないのですか?」
「シリウスは、アレクシス様より是非にと言われている。何だか話があるのだとか。心当たりはあるかい?」
お兄様は、思い切り顔を顰める。あるのですね…寧ろ有り過ぎって顔してらっしゃいますわ。お父様も苦笑しています。狡いですわ。私わかりません。置き去りです。
お兄様とアレクシス様ってどちらが頭が切れるのでしょうね。帝王学習得済みというアレクシス様でしょうか。狐と狸の化かし合い、見てみたいですわ。
お兄様がこちらを見ましたが、気づかない振りをしておきましょう。
「ということで、明後日の朝早くにランドリーク家に向けて屋敷を出る。途中街道の宿に一泊。ランドリーク家でまた一泊して、次の日に城へ向かう。くれぐれもレオにバレないようにしてくれよ。護衛は…」
「「いらないでしょう。」」
私とお兄様が、お父様の言葉を遮る。
「ジークが居れば充分でしょう。」
とお兄様が言えば、私は、
「ああでも、エルザは連れて行って良いでしょう?私が護りますわ。」
お父様が苦笑する。護衛対象が、護衛を護るとか、普通は無い。でも、家では結局そうなってしまう。
まあ、お母様とレオが残るから戦力は割きたくない。というのもあるが、私達三人で精鋭の護衛二十人には、余裕で匹敵する。
領地の三分の一が魔の森である我が領は、名ばかりでは護っていけないのだ。
「わかった。じゃあそのつもりで準備しておいてくれ。」
「「はい。」」
私は部屋に戻ると、エルザに明後日からの予定を伝えて支度を頼む。勿論レオに内緒だと言っておく。
その後一人図書室へ向かう。ランドリーク家と道中周辺の地形と最近の状況、街道と宿泊施設について等諸々、調べ尽くす。時を見計らって厨房へ、ここではさり気なくランドリーク家の噂話を探る。今日出来るのはここまでかな。
◇◇◇◇◇
次の日、エルザを連れて町へ出る。宿屋周辺でもお土産屋はあるみたいだけど、時間があるかはわからないから見て回る。
女の子は髪飾り、男の子はレオと同じ歳だから、レオが喜びそうな物で良いかな?或いは楽器?魔道具は女の子が色々作ってるみたいなのよね。そういえばアレクシス様にも必要かしら?第二王子には絶対要らんな。
町の人に話しかけながら色々見て回る。ここの領地は冒険者ギルドがあるから、治安にも目を光らせてないと町が荒れてしまう。魔の森があるから強い人は欲しいけど、弱い人を傷つける人はいらない。バランスは難しいけど、本当の強さを履き違えてる人はいらない。そんな対策の一つとして、Sランク以上の人は一度お父様との面接が必要なの。
粗方買い物が済んだから、ギルド見ていこう。久しぶりだから面白いネタ無いかしら?荒くれ者はおらんかえ。
ギルド前の扉は、営業時間中いつも開けっ放しにしてある。出入口から中を覗くと、受け付けで怒鳴る男一人、常連が三人、新顔が…十人も?常連の一人がこちらに気付き、外に出てしゃがんで、私と視線を合わせてくれた。彼は言う。
「今日は、(ギルドの)定期検診かい?」
「いいえ、飛び込み(近くに寄ったついで)よ。なんかいつもと違う?」
「ここ最近ね。プロ(貴族が雇った影や腕の立つ人)が結構紛れてて…」
「ごめん。そっちは多分私のせいだわ。」
「マリーちゃん何したの?」
「うーん、ちょっと目立つ事をね。」
私は、ギルドで偽名「マリー・ルウ」を使ってる。年齢も十ニ歳と偽証。ランクはAランク。でも両親公認よ。ギルド登録十一歳以上が規程だから特例ね。どうせ町の人とか常連さんは、私が領主の娘だって知ってるし。暗黙の了解よ。多分。
「で、あの五月蝿いのは何だっての?」
「初登録してやるからギルド長出せってさ。」
「ギルド長は?」
「魔の森で怪我人出て、そっち行ってる。」
「そっか、困ったな…」
この状況で私が出ていけば、プロ達の鴨になってしまう。でも、このままにしておくわけにもいかないよね。どうしよう。
「マリー?」
「お兄様。ギルド長も。良かったわ。」
凄いタイミング良く二人が現れた。ギルド内を覗き、何も言ってないのに二人は頷いてくれた。ギルド長は、
「これは私の仕事だから何も心配いらないよ。二人は、奥の部屋に行って待ってて。」
そう言って先頭を切って中に入っていく。ギルド長への視線に隠れるように、私達は奥の部屋へ急いで向かった。エルザを置いてきてしまったわ。大丈夫かしら?
ギルド長は、男を追い返すつもりらしい。この領地では、どんなに強くなっても、それだけではSランクにはなれないと説得している。隣の領地のギルドを紹介するつもりらしいが、男は納得しようとしない。やっぱり貴族に、このギルドを指定されているのだわ。
うーん、何だか既視感が…ギルド…喚く男の背中…夢かな?
「ルナ、どうした?」
「ええ、多分大した事ではないんですけど…先程のカウンターの場面に既視感があって…でも、多分夢なんですよ。」
「ああ、ルナの夢はよく当たるからね。教えてくれる?」
「はい。途切れ途切れなんですけど、カウンターの場面の後に覚えているのは…夜空に無数の火の矢が飛んでいました。森から屋敷に向かってだと思います。それから…お母様とレオが大きな何かに襲われているみたいな…覚えているのはそれだけなんですけど。」
夢って本当に目が覚めると忘れるのよね。嫌な夢だったから、強烈な部分だけは覚えてたんだけど。
お兄様は、微笑んで頷いてくれた。
「それで十分だ。後は任せて。ルナはまだ小さかったから覚えて無いだろうけど、前にも予知した事が有ったんだよ。まあ、その話はまた今度。今日は時間がないからね。でも丁度良かった。ギルドに依頼しようと思って来たとこだったから。」
「ギルドにお兄様が依頼?」
お兄様曰く、明日から数日間の屋敷の警護を依頼しようとしていたらしい。私の予知もどきで具体的に方向性を絞れるとの事。
えっ…あんなので決めてしまって大丈夫ですか?にこやかに笑ってどんどん話を決めていくお兄様、流石です。
「じゃあ、このメンバーでどうだい?これなら報酬なしでも、みんな喜んで受けると思うよ。」
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