僕を貴方のマスターにしてくださいっ!

亀吉

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僕は先輩を追いかける

マスターになりたい!

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 キーンコーンカーンコーン

 授業の開始を知らせるチャイムが鳴り響く。がらがらとドアが開いて、長い金髪を束ねた、まるで、女性みたいな綺麗な男性が教室に入ってきた。多分、この人と初対面の人だったら、絶対に性別を間違えると思う。
 僕も、彼が自分の口から男性だと言わなかったから、女性だと今でも思ってたと思う。
 「皆、おはよう。今日も全員集まってるわね。さぁ、授業を始めるわよ!」
 まぁ、声は完全に男声なんだよね…………。
 
 何気なく、いつもどうり授業が進んでいく。大量の課題が出されて、皆で溜め息をついて。
 魔法の勉強は簡単………?全くそんなことないよ。普通の学校の5教科みたいな座学。魔法を発動するのに、ひたすら集中しなきゃいけないし、かなり長い文の詠唱。成功率は個人差あるけど、全体的に低い。
 こういう基本的な詠唱魔法は、難易度が凄く高い。この応用なんて今の僕たちじゃ、とてもじゃないけど手が出せないよ。
 詠唱魔法は発声、発動者の体力、疲労感、体調、そして精神状態。これらが影響するから詠唱魔法をばんばん射てるようになるのは、だいたい1年後。
 そして、3年生の始めに詠唱魔法の実技試験があってそこで合格者と不合格者に分けてクラス編成が行われる。
 クラスの種類は2つ。
 1つはマスターって呼ばれる専門技術修得クラス。
 もう1つは、アタッカーって呼ばれる専門技術修得クラス。
 マスターっていうのは、詠唱魔法を得意とする人のことを言って、アタッカーのサポート。例えば、魔力増幅、防御壁を作ってアタッカーを守ったり、アタッカーと連携して大魔法を発動して敵を仕留めたり、複数の敵に全体攻撃をしたり。ただ、アタッカーよりも攻撃は弱いから、あんまり攻撃専門っていう戦型の人は少ないんだよね。
 アタッカーは、詠唱魔法があまり得意じゃなくて基本的に詠唱魔法以外で戦う人こと。
 実は詠唱しなくても魔法は使えるんだよね。
 詠唱魔法のほとんどがサポート魔法。回復系、防御系、スピード上昇、攻撃上昇、などなど。
 一応、攻撃魔法もあるんだけど、大魔法ぐらいしか強くないんだよね。
 一方のアタッカーが主に使う魔法は無詠唱魔法って言って、詠唱をしないグループの魔法。例えば、魔方陣を作ったり、魔獣って言われる魔物の一種を自分のパートナーとして迎えて、そこから力をもらって攻撃する。その他には、自分の使ってる武器や身体を強化したり。
 詠唱魔法みたいに難しくない代わりに、魔力消費が激しくて、得意不得意が激しいんだ。攻撃の能力が凄く高いけどそれ以外のステータスが有り得ないくらい低かったり、なんてことよくあるんだ。
 だから、マスター側とアタッカー側はお互いになくてはならない存在なんだ。

 そして、僕はどうしてもマスターになりたいんだ。理由?
 まぁ、言わなくても分かるかもしれないけど。アタッカー枠で一緒に組んで欲しい人がいるんだよね。

 高等部の四天王って呼ばれてる人たちの1人なんだけどね。
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