お気に入りが僕を抱いてくれない！

突然の入舎

突然の事件発生

　「いや、別にそんなことないと思うよ……？その、僕……あんまり初対面の人とか得意じゃなくて……」
　僕は正直に答えた。
　てか、それ以外の回答なんてない！本当に苦手なんだって！だから、そのセクハラを止めてくれないかな？！

　僕は凄く真剣に願った。願った筈なんだ。
　……なのに、どうして………。一向にセクハラを止めてくれやしないんだ？！
　むしろ、指を器用に使い始めてもきてるよ！あ……！やだっ！ちょっと止めてよ！そこは絶対に触っちゃ駄目なところなのに……！

　「……ひゃんっ……！やらぁあ……」

　メル君が今僕の内股をなぞるように触ってるんです。故意にこんな声を出しているんじゃないんです。誤解しないでください……。
　だって、もどかしい触り方で触られたら誰だって感じちゃうじゃないですかぁ！！てか、内股って感じやすいじゃないですかぁ！！
　それをされてなお、ここまで耐えてきた俺を誰かが誉めるべき……！！

　でも、こんな如何わしい声を出しちゃったのは僕だし、結局出した方が悪いんだし、つまり、僕が悪いんだよね。
　わぁーん。もう僕の今までの経験からするとだいたいはここでゴートゥーザベッドで、チョメチョメするんだよね。中を擦られちゃうんてすよねーー！
　でもね、メル君！ここに、凌君もいますからー！！そこは絶対に覚えといてねー！もっと言うならここ共有スペースだからー！

　「……おい、お前止めとけよ。」
　見かねたのか、凌君がため息をつきながらセクハラに終止符を打ってくれた！
　と、思った次の瞬間。

　『ビーーーー！！！ビーーーー！！！ビーーーー！！！』

　宿舎全体に警報が鳴り響いた。