お気に入りが僕を抱いてくれない！

突然の入舎

発情しまして

　郁が発対面の人間がいるなかで俺を求めてくるだなんて、絶対にあり得ない。
　……はずなんだが、どういうわけか当の本人は俺に対して発情しきっている。そして、それが嘘でない証拠に「ほしぃ…」とまで言ってきた。
　いや、流石にTPOは考えて欲しいんだが、何故か嫌な予感がする。多分、気のせいなんかじゃない。
　とも言うのも、郁は昨日の夜と今朝は類に愛でられていた。つまり、郁は充分類から力を得ているはずなんだ。なのに、郁は今発情しきっている。
　確か、郁は一発中出しされるだけで１日分の力を得ることが出来るはず。だから、そう簡単に能力の枯渇によって発情するなんて有り得ない。それに、発情すると言ってもここまで理性を無くすような感じではなかった。
　そんな考察をしているうちに、郁の能力による発情の為に出している匂いが強くなってきたのがわかる。
　「あぁ……はぁっ…」
　ふと自分の腕の中をみてみると、さっきよりも瞳を潤ませて可愛い過ぎる郁がいた。
　ただ、自身では抑えきれない欲情により初対面の人の目の前で自慰しかねない勢いだ。俺の腕で支えてるからまだ立っていられるみたいだが、ずっとこのままでいるのは不味いだろうな。
　そう考えていたんだが……。
　「……げほっげほっ」
　凌がいきなり咳をし始めた。
　これは紛れもなく郁の匂いが原因だろう。
　とにかく、郁のことを抱くしかないか。
　それ以外に解決方法が思いつかないしな。このあとは、類とライドに任せるしかないな。