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突然の入舎

引き金

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 「……そんなはずはないでしょう。受験生の審査には僕たちも参加しました。合格者は3人です。学校側もそうだといっています。なのに、現在宿舎に顔をみせたのは2名です。」
 初対面だからか、それとも2人のことを責めているのか。いつもよりも凛としていて、聞いているだけで緊張してしまうような声で2人に問いただしていた。
 やっぱり宿長だからそれの威厳ってやつ?があってかっこいいなぁって思うよ。うん、やっぱり燈哉君大好き!
 まぁ、燈哉君はツンデレさんだからそんなことエッチするベッドの上以外では言わないけどね。
    えっと、照れ隠しってやつかな?
 別に、相手に好きだって伝えるのは大事だと思うけど、こう何て言うか、やっぱり2人きりの時がいいって言うか、なんだろう?
 大切な人とは2人きりのの時間の時に甘えたいって言うか……、うん、そんな感じかな。

 「……く……。おい、……郁!」
 「ふぇ?!」
 燈哉君に見とれていたら名前を呼ばれていたのに気がつかなかったみたいだ。
 すごく間抜けな声を出してしまった。
 うう……。なんでこういうところでこんなへましちゃうんだろう?嫌になっちゃうよ。
 「ご、ごめんなさい……。」
 僕は素直に謝ったつもりだったんだけど、燈哉君は靴でつかつかと音をたてながら僕の目の前まで歩いてきた。
 少しだけ困ったような顔をして。
 でも、瞳の色は不満が滲み出てていて僕はばつが悪くなって目をそらしてしまった。
 でも、僕が悪いのは明確だし怒られてしまっても文句は言わない。
 だけど、なんかいつもと感じが違う気がする。体から熱が沸々と上がってくるみたいだ。

 そう思った次の瞬間。
 燈哉君は僕の腰に手を回してきた。


 それが最後の僕の引き金だと知らずに……。
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