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Ω君。
しおりを挟む「野秋君」
彼はそう呼ばれると、その姿を鏡に現した。彼が鏡の飲んだ珈琲を淹れた張本人だ。その容姿は可愛らしい、いかにもな好少年とでも謂うべきであろう。
本来であれば………。
彼は今までの彼らの会話を聞いていたのだろう。あまり浮かない顔をしていた。少し寂しそうな目とへの文字に結んだ口から、優に察することができる。
言うまでもなく、鏡の辛口な公表が気に食わなかったのだろう。
しかし、野秋のそんな表情は端からみれば拗ねた子供のような、そんな可愛らしいものだった。なんの脅威もなく、ただただいつまでも見ていたいような、「愛しいもの」を健全な心で愛でるような、そんな愛くるしい表情。
そして、彼は浅野に促され自己紹介をした。
もちろん、ムスッとした顔のまま。
「始めまして。浅野さんのカフェでアルバイトをすることになりました。如月野秋です。」
彼は必要最低限の自己紹介をしてそれ以上の説明など加えず、無愛想に頭を下げた。
すると、鏡はおもむろに世間一般ではNGとされていることを彼に直接聞いたのだった。
「おい、如月くん?君……………Ωだよね?」
その言葉に、野秋の肩を大きく跳ねたのだった。目を見開き、驚きと恐怖を隠しきれないようだった。
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