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正気を失っていた婚約者
22 ビータの処遇
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領館の応接室はとても美しく、そこだけ別世界のように整えられている。
それもその筈、この部屋に置かれている家具はメルヴィーの家からの持参品なのだ。
そもそもがマグゼラの街自体が、以前は治安も悪く度々領軍の派兵を受けるような機能不全の街だったのだ。
それが、メルヴィーが来たことで治安が回復、完全な自治を取り戻したという経緯がある。ちなみに当時の代官は更迭、現在は領官として働いている。彼自身過去の地位に未練は無く、嬉々としてメルヴィーの部下として働いているようだ。
かなり景気が上向いているとはいえ、財政的にもまだまだ発展途上。港街という都合上収入は多いが、支出も多い。以前は横行していた盗難等の被害の補填の為の借金もあったからだ。放置すれば商人が街を出てしまい、ますます廃れる元になるのだからそこは削れなかったのだろう。
その為、現在も治安維持に経費の大半を使用している。
家具類も以前のものをそのまま使用しているので結構ボロい。さすがに壊れた物は無いが、丁寧に修理して使用しているようだ。
そこに使用人の誰も不満を抱かないのは、食事や衣服、リネン類など、生活に不可欠なものはきちんと整えられているからだろう。
領官として働いている我々も、装飾等は一切無いが肌触りも良く着心地の良い服を用意してもらっているので、貴族であった頃と比べても不満は感じていなかった。
彼女の采配には、贅沢はさせないが不自由はさせないという信念のようなものを感じる。
彼女自身も普段は商人の娘が着るようなシンプルなワンピースを着用しているし。
ちなみに、私が今着ている貴族の前に出る為の服は、メルヴィーが公爵令嬢として相応しくあるためにリリエンデール公爵家から支給されているお金から出ているらしい。勿論彼女のドレスも。
毎月多額の支給を受けているらしいが、普段はほぼ使わずに貯めて飢饉や災害に備えているようだ。
先日彼女のテーブルで見た多額の領収書の正体が判明して、遠い目になったものだ。
カステオやダルトンの分もあったのに、無駄にならないことを祈るばかりである。
この応接室内にはジューダスとビータ、メルヴィー、私、そして給仕役としてグスタフだけが居る。ビータ以外は事情を知っている者ばかりだ。
メルヴィーに促されるまま、ローテーブルを囲むソファに着席すると同時にジューダスがビータの方へと語りかけた。
「さて、ビータくん。彼は私の乳母の息子で、幼い頃は兄上と呼んで親しくしていたのだよ。幸いここにはごく親しい人間しかいないので、そう呼ぶけど、気にしないでくれたまえ」
「は、はぁ。分かりました」
「だって! だからこの場では身分など気にせず発言してくれたまえ、アレス兄上!」
「……」
……そういう設定でいくらしい。本来なら、王族の乳母は高位貴族がするもので、その息子とて勿論貴族だ。
まぁ、その辺りの事情をビータが知るはずもないので、ごまかせているようだ。少し不審がってる節はあるけれども。
しかし、アレス兄上……か。とても懐かしい呼び方だ。私達は三人兄弟で、彼は末っ子だったので、王太子であるセシルス兄上のことはセシル兄上、私の事はアレイスターを縮め、アレス兄上と呼んでくれていた事を今更ながらに思い出した。
グスタフに給仕されたお茶を一口すすったジューダスが今度はメルヴィーに向けて話し出す。
「さて、メルヴィー・マグゼラ子爵。いや、ここはメルヴィー・リリエンデール公爵令嬢と呼ばせていただこう。この度の騒乱の後始末に奔走させてしまいすまなかったね。ようやくカーヴァン侯爵領の復興の目処がたったので挨拶にこさせて頂いたのだ」
「勿体なきお言葉です。殿下」
この話題は予定調和だったのだろう、淡々と語るジューダスに対し、メルヴィーもサラリと答えた。あれだけ苦労させられたのに、この程度の労いで済まされるのはどうかと思うが、仕方のない事だと私の方がため息を漏らしてしまいそうになる。
「以後は、直轄領として、街ごとに代官が置かれる事になり、カーヴァンは領の中心だった街の名前として残る事になった。
侯爵家は解体、関与が疑われている親戚縁者も地位剥奪の上追放。子息はまだ幼い為、別の家に養子に出し、成人まで教育を受けさせた後無関係の家名で子爵位を与えて直轄領から割領して領地を与える予定だ。その際も王国北部の地域を与える事になるので、カーヴァン侯爵家の関係者があの地に戻ることは二度とないだろう」
「かしこまりました。……彼の処遇はいかがされたのでしょうか」
メルヴィーも気になっていたのだろう、少し言いづらそうな問いかけに、私も緊張して次の言葉を待った。
本来処刑される筈だった村人達が流刑と称してマグゼラに来ているが、ビータ殿の処遇について誰も触れようとしなかった。今更重い罪に問われる事はないと思いたい。
「元々カーヴァン侯爵家の問題はすでに王族も聞き及んでいた。最近では商人への借金や、支払いの不履行などもあり、更には不当な重税、鎖国ともいえる流通の停滞。中でも難民被害についてはかなり広範囲に及んでいたようだから多くの貴族達から苦情や調査報告書が上がっていたんだよね」
あの事件の後始末で触れた書類の中には、難民の流出先にはマグゼラだけでなくカーヴァン侯爵領に接する地域全域に起きているという記載があった。
所詮、リリエンデール公爵領の一部であるマグゼラに流れてきた情報なので、詳細な状況は分からなかったが、それだけ多くの地域で被害が出ているなら、もっと甚大な被害が出ている地域もあったのだろう。被害を受けるのは基本的に平民だが、治安が荒れれば貴族だって対処に動かざるを得ない。
「その為、王家側ではすでにカーヴァン侯爵解体へ向けて動いていたんだ。例の事件の前からね。なので、カーヴァン侯爵及び夫人は爵位をすでに剥奪されていたという風に処理した」
つまり、殺人が行われた時にはすでに改易済で、平民同士の揉め事だったという事にしたようだ。
平民同士の喧嘩や殺人は悪くて流刑や強制労働。村の開拓は充分その要項を満たしているという訳だろう。
少々平民に対し甘い処遇に思われるが、そこはメルヴィーの尽力によるものだろう。
まぁ、メルヴィーが関わっていない他地域の難民達は強制的に元の土地に戻されたり、犯罪に関わった者は流刑として険しく人口も少ない北部地域の開拓に向かわせられているらしいので、あながち甘いとも言いづらいが。
「それで、ビータ殿については……」
難民たちの処遇については話してくれたが、ビータの事に中々言及されず、やきもきしてしまう。
貴族同士の会話に口を挟むべきではないのは承知だが、身内だけという場に甘えて発言すると、ジューダスは特に気にする事もなくあっさりと答えてくれた。
「彼に関してはお咎めなしだよ、今回の事件に直接関与したわけじゃないからね。ただ、内情に関わり過ぎているので、野放しには出来ない。そこで、マグゼラ領で引き取って貰えないかと思って連れてきたのだけど、どうかな?」
「承りました。ありがたく頂戴しましょう。グスタフ、連れて行って案内と部屋の用意をお願いするわ」
「かしこまりました」
確かに、平民の喧嘩や殺人の場合裁かれるのは当人同士のみと法律で決まっている。メルヴィーとの交渉の為マグゼラに居たビータには確かなアリバイがあるので罰を受ける事はなかったのだと胸を撫で下ろした。貴族殺しの場合は連帯責任も有り得たので、本当にギリギリのところだったのだろうが。
「心配しなくても、彼とは後でいつでも話せるわ。とりあえずしばらくは領官として働いて貰う予定だから」
私がビータの方を見つめていたのを、彼と話す時間が無かった事に対する不満だととらえたらしいメルヴィーがコソリと耳元で囁いた。
「あぁ、ありがとうメルヴィー。この場に同席させてくれて、感謝している」
本来であれば、貴族同士の会談に主な関係者であるビータはともかく、私のような平民の領官が同席する事は出来ない筈だった。それを、私達がビータの安否を気にしている事を慮って同席させてくれたのだ。高額な衣装を用意してまで。
「なになに、姉さまと兄上ってば仲良いじゃん。あの頃の兄上にこの光景見せてあげたいなぁ。姉さまも、あの頃の貴方とは別人のように生き生きしているし!」
「ジューダス……」
突然なんだその妙に軽薄な物言いはと睨むが、ジューダスの方は楽しそうにクスクス笑っている。
ふと、室内を見回すと、この場にいるのはジューダスを含め三人だけ。ビータやグスタフが居なくなった今、言葉を選ぶ必要がなくなった事に思い至ったのだった。
それもその筈、この部屋に置かれている家具はメルヴィーの家からの持参品なのだ。
そもそもがマグゼラの街自体が、以前は治安も悪く度々領軍の派兵を受けるような機能不全の街だったのだ。
それが、メルヴィーが来たことで治安が回復、完全な自治を取り戻したという経緯がある。ちなみに当時の代官は更迭、現在は領官として働いている。彼自身過去の地位に未練は無く、嬉々としてメルヴィーの部下として働いているようだ。
かなり景気が上向いているとはいえ、財政的にもまだまだ発展途上。港街という都合上収入は多いが、支出も多い。以前は横行していた盗難等の被害の補填の為の借金もあったからだ。放置すれば商人が街を出てしまい、ますます廃れる元になるのだからそこは削れなかったのだろう。
その為、現在も治安維持に経費の大半を使用している。
家具類も以前のものをそのまま使用しているので結構ボロい。さすがに壊れた物は無いが、丁寧に修理して使用しているようだ。
そこに使用人の誰も不満を抱かないのは、食事や衣服、リネン類など、生活に不可欠なものはきちんと整えられているからだろう。
領官として働いている我々も、装飾等は一切無いが肌触りも良く着心地の良い服を用意してもらっているので、貴族であった頃と比べても不満は感じていなかった。
彼女の采配には、贅沢はさせないが不自由はさせないという信念のようなものを感じる。
彼女自身も普段は商人の娘が着るようなシンプルなワンピースを着用しているし。
ちなみに、私が今着ている貴族の前に出る為の服は、メルヴィーが公爵令嬢として相応しくあるためにリリエンデール公爵家から支給されているお金から出ているらしい。勿論彼女のドレスも。
毎月多額の支給を受けているらしいが、普段はほぼ使わずに貯めて飢饉や災害に備えているようだ。
先日彼女のテーブルで見た多額の領収書の正体が判明して、遠い目になったものだ。
カステオやダルトンの分もあったのに、無駄にならないことを祈るばかりである。
この応接室内にはジューダスとビータ、メルヴィー、私、そして給仕役としてグスタフだけが居る。ビータ以外は事情を知っている者ばかりだ。
メルヴィーに促されるまま、ローテーブルを囲むソファに着席すると同時にジューダスがビータの方へと語りかけた。
「さて、ビータくん。彼は私の乳母の息子で、幼い頃は兄上と呼んで親しくしていたのだよ。幸いここにはごく親しい人間しかいないので、そう呼ぶけど、気にしないでくれたまえ」
「は、はぁ。分かりました」
「だって! だからこの場では身分など気にせず発言してくれたまえ、アレス兄上!」
「……」
……そういう設定でいくらしい。本来なら、王族の乳母は高位貴族がするもので、その息子とて勿論貴族だ。
まぁ、その辺りの事情をビータが知るはずもないので、ごまかせているようだ。少し不審がってる節はあるけれども。
しかし、アレス兄上……か。とても懐かしい呼び方だ。私達は三人兄弟で、彼は末っ子だったので、王太子であるセシルス兄上のことはセシル兄上、私の事はアレイスターを縮め、アレス兄上と呼んでくれていた事を今更ながらに思い出した。
グスタフに給仕されたお茶を一口すすったジューダスが今度はメルヴィーに向けて話し出す。
「さて、メルヴィー・マグゼラ子爵。いや、ここはメルヴィー・リリエンデール公爵令嬢と呼ばせていただこう。この度の騒乱の後始末に奔走させてしまいすまなかったね。ようやくカーヴァン侯爵領の復興の目処がたったので挨拶にこさせて頂いたのだ」
「勿体なきお言葉です。殿下」
この話題は予定調和だったのだろう、淡々と語るジューダスに対し、メルヴィーもサラリと答えた。あれだけ苦労させられたのに、この程度の労いで済まされるのはどうかと思うが、仕方のない事だと私の方がため息を漏らしてしまいそうになる。
「以後は、直轄領として、街ごとに代官が置かれる事になり、カーヴァンは領の中心だった街の名前として残る事になった。
侯爵家は解体、関与が疑われている親戚縁者も地位剥奪の上追放。子息はまだ幼い為、別の家に養子に出し、成人まで教育を受けさせた後無関係の家名で子爵位を与えて直轄領から割領して領地を与える予定だ。その際も王国北部の地域を与える事になるので、カーヴァン侯爵家の関係者があの地に戻ることは二度とないだろう」
「かしこまりました。……彼の処遇はいかがされたのでしょうか」
メルヴィーも気になっていたのだろう、少し言いづらそうな問いかけに、私も緊張して次の言葉を待った。
本来処刑される筈だった村人達が流刑と称してマグゼラに来ているが、ビータ殿の処遇について誰も触れようとしなかった。今更重い罪に問われる事はないと思いたい。
「元々カーヴァン侯爵家の問題はすでに王族も聞き及んでいた。最近では商人への借金や、支払いの不履行などもあり、更には不当な重税、鎖国ともいえる流通の停滞。中でも難民被害についてはかなり広範囲に及んでいたようだから多くの貴族達から苦情や調査報告書が上がっていたんだよね」
あの事件の後始末で触れた書類の中には、難民の流出先にはマグゼラだけでなくカーヴァン侯爵領に接する地域全域に起きているという記載があった。
所詮、リリエンデール公爵領の一部であるマグゼラに流れてきた情報なので、詳細な状況は分からなかったが、それだけ多くの地域で被害が出ているなら、もっと甚大な被害が出ている地域もあったのだろう。被害を受けるのは基本的に平民だが、治安が荒れれば貴族だって対処に動かざるを得ない。
「その為、王家側ではすでにカーヴァン侯爵解体へ向けて動いていたんだ。例の事件の前からね。なので、カーヴァン侯爵及び夫人は爵位をすでに剥奪されていたという風に処理した」
つまり、殺人が行われた時にはすでに改易済で、平民同士の揉め事だったという事にしたようだ。
平民同士の喧嘩や殺人は悪くて流刑や強制労働。村の開拓は充分その要項を満たしているという訳だろう。
少々平民に対し甘い処遇に思われるが、そこはメルヴィーの尽力によるものだろう。
まぁ、メルヴィーが関わっていない他地域の難民達は強制的に元の土地に戻されたり、犯罪に関わった者は流刑として険しく人口も少ない北部地域の開拓に向かわせられているらしいので、あながち甘いとも言いづらいが。
「それで、ビータ殿については……」
難民たちの処遇については話してくれたが、ビータの事に中々言及されず、やきもきしてしまう。
貴族同士の会話に口を挟むべきではないのは承知だが、身内だけという場に甘えて発言すると、ジューダスは特に気にする事もなくあっさりと答えてくれた。
「彼に関してはお咎めなしだよ、今回の事件に直接関与したわけじゃないからね。ただ、内情に関わり過ぎているので、野放しには出来ない。そこで、マグゼラ領で引き取って貰えないかと思って連れてきたのだけど、どうかな?」
「承りました。ありがたく頂戴しましょう。グスタフ、連れて行って案内と部屋の用意をお願いするわ」
「かしこまりました」
確かに、平民の喧嘩や殺人の場合裁かれるのは当人同士のみと法律で決まっている。メルヴィーとの交渉の為マグゼラに居たビータには確かなアリバイがあるので罰を受ける事はなかったのだと胸を撫で下ろした。貴族殺しの場合は連帯責任も有り得たので、本当にギリギリのところだったのだろうが。
「心配しなくても、彼とは後でいつでも話せるわ。とりあえずしばらくは領官として働いて貰う予定だから」
私がビータの方を見つめていたのを、彼と話す時間が無かった事に対する不満だととらえたらしいメルヴィーがコソリと耳元で囁いた。
「あぁ、ありがとうメルヴィー。この場に同席させてくれて、感謝している」
本来であれば、貴族同士の会談に主な関係者であるビータはともかく、私のような平民の領官が同席する事は出来ない筈だった。それを、私達がビータの安否を気にしている事を慮って同席させてくれたのだ。高額な衣装を用意してまで。
「なになに、姉さまと兄上ってば仲良いじゃん。あの頃の兄上にこの光景見せてあげたいなぁ。姉さまも、あの頃の貴方とは別人のように生き生きしているし!」
「ジューダス……」
突然なんだその妙に軽薄な物言いはと睨むが、ジューダスの方は楽しそうにクスクス笑っている。
ふと、室内を見回すと、この場にいるのはジューダスを含め三人だけ。ビータやグスタフが居なくなった今、言葉を選ぶ必要がなくなった事に思い至ったのだった。
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