【作家日記】小説とシナリオのはざまで……【三文ライターの底辺から這い上がる記録】

第611回『なぜ脚本家のギャラは上がらないのか？むしろ下がっている？』

世の中、値上げ値上げ値上げ。
一応、バイトの時給も、世間同様に年々わずかに上がってはおりますけれど。

ところが、脚本家のギャランティーはまったく上がりません。
商業長編の一本当たりの目安となるギャラ、この20年、まったく変わらない金額です。
それより安いところも。
そして短編だとか自主映画になると、ノーギャラの場合も多数。
なので本数は増えても、収入に関しては実質的には下がっていると言えるでしょう。

なぜ、ギャラが上がらないのか？
それは映画制作費が下がっているからです。
予算が減る中で、これまでと同じものを作り続けなければいけない。
そして物価高。
消費税が上がったりもしましたよね。
現場は大変だと思います。
スタジオを借りるにも、車を使うにも、小道具や衣装を用意するにも、お金が余計にかかる。
ロケ弁なんてもはや限界ではないでしょうか。
そんな中で、スタッフ・キャストのギャラを上げるなんて無理だと思います。

考えてみれば、ここ数年、超低予算商業映画が作られる本数が大幅に減ったと思います。
お金がない、に尽きるでしょう。
DVDから配信になって、収益面でも稼ぎが少なくなったこともあると思いますが。
その一方で、スマホで撮影・編集し、動画共有サイトにアップする無予算ショートムービーが増えていく……。