【作家日記】小説とシナリオのはざまで……【三文ライターの底辺から這い上がる記録】

タカハシU太

文字の大きさ
上 下
35 / 782

第34回『始まりはオトギ、オトギの後は……?』

しおりを挟む


今頃、やっとやっとの更新です。
3月20日(日)におこなわれた、オムニバス映画『オトギネマ』完成披露試写会。
おとぎ話をベースに、物語の主人公が登場しない、現代が舞台の二人芝居、5編。
ワタクシは共同脚本として、『憐れ、一寸法師!』編に参加しました。
それにしても、全5話、まったくテイストが違っていて、ユニークな面白さがありました。

超低予算自主映画なのに、試写会場を借りて実施するということに驚き。
そして、一般のお客様を無料招待。
たくさんの方に来ていただきましたが、逆に今後の映画祭やイベント上映、配信があった場合、お客さんが来てくれるのか不安に。
とにもかくにも、来ていただいた皆様、どうもありがとうございました。

難波望監督が全身全霊で取り組み、その影響から撮影後は現在に至るまで重い病を抱えることになってしまいました。
それを考えると、複雑な心境です。
特にワタクシは撮影現場に行っても、役立たずのクズ状態で何もできず、体調悪化で臥せたままになるという情けない有様に。
まあでも、脚本家に現場なんて、はなから無理なんですけれど。
現場ができない人間だから、脚本家、物書きをやっているのです。
ちなみに、コンクリートの床に横たわって居眠りしていたワタクシを、難波監督が蹴りを入れて起こした……と誇張してトークしてしまいましたが、実際は足先でつついた程度でした。
ワタクシが声を掛けられても起きなかったくらい爆睡していたので。
ハラスメントや暴力行為は一切ありません!
(※追記……ワタクシが寝ぼけていたせいか、自分の記憶に間違いがあるようで、監督からの蹴りもお触りもなかったと思われます。監督、申し訳ありません。)

今回の脚本作りでは初めての経験がありました。
共同脚本なのですが、これまでは自分が書いたものを誰かが引き継ぐか、あるいは誰かが書いたものを自分が引き継ぐか、というやり方しかやってきませんでした。
だけど、本作は一寸法師のネタを与えられて、共同脚本のSijaさんと白紙の状態から一緒に作ることになりました。
基本、Sijaさんが書き、その方向性でワタクシは進めていくつもりでした。
ところが、監督のOKが何度やり直しても出ない。
どうしていいか分からなくなって、ワタクシはヤケクソになってまったく別のアイデアをいくつか出したら、そのうちの一番あっさりと書いたテキトーなやつをやろうということになってしまって。
い、いいんですか?

今回はシナリオ作家集団トキワが企画に全面協力した作品でした。
そもそも、ワタクシがトキワに参加しようと思い立ったのが、このオトギの企画でした。
トキワは発足時に募集しているのを見かけたのですが、何をする団体なのか分からず、しかも立派な人がきちんとしたことをやろうとしているみたいだったので、ワタクシのようないい加減な人間には務まらないのではと。
その後、オムニバス映画『おっさんずぶるーす』の決起会で難波さんと知り合いになりましたが、難波さんの脚本家としての真摯(&紳士)な姿勢に、ますます自分は無理だとへこむ次第でした。
その後、トキワの活動がどうなっているのか、SNS上ではまったく流れてきませんでした。
ところが、昨年初めくらいに、今は元メンバーになった方が、トキワでオムニバス自主映画を作るということをつぶやいていて。
作品を作り、発信する、そういう活動をしているのか!
ワタクシ、何としても参加したいと、その時にやっと行動を取ることにしました。

こうして、『オトギネマ』が完成に至りました。
そうなるとですね、またこういう機会ができたらいいなと強く思うようになりました。
オトギの第2弾でもいいですし、別のオムニバスでもいいですし。
何か書きたい、作品として形に残したい。
待っているだけでは、何も始まらない。
世の中に出ない脚本は、存在しないとの同じです。

次……それが今、ワタクシが願っていることです。

しおりを挟む
作者:タカハシU太
プロフィール
公式サイト
公式X

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

【短編アンソロジー】去りゆく影たち

タカハシU太
恋愛
出会いがあれば別れもある……そして時には再会も。 *** 各話完全独立した完結作品を掲載。 著者自選の短編集一覧です。

帰って来た!B型の、B型による、B型に困っている人の為の説明書!

メカ
エッセイ・ノンフィクション
呼ばれてないけど帰ってきました。第二弾! 今回は、いろんな童話や出来事にB型を当てはめたりしながら 面白可笑しく、B型を説明できればなぁ・・・なんて思ってます! 是非是非、よろしくお願いします!

アルファポリスでの『書籍化』はナニに魂を売ればデキる?

まみ夜
エッセイ・ノンフィクション
※夢多きお子様は、薄汚い大人にならないように、お読みにならないコトを推奨いたします。 ※個人の感想です。効果、効能を保証するモノでは、ございません。 ※転記は一切許可しておりません。また、引用には著作権法により厳密なルールが定められているので、ご注意ください。 自信満々に物語を書いて、早くも1500ポイント達成かと思っていたら、NEWが取れたら激減。 他の物語に負けないと思っていたのに、お気に入りも一桁、更新しても300ポイント以下。 では、「どうしたらいいか」を前向きに考察をするコラムです。 まずは、「1ページ目を読んでもらえるコトを目標」から始めましょう。 自分が書きたいことを好きに書いているダケで読まれなくていい、という方には無意味な駄文です。 書き手向けの内容ですが、読み専門の方には、より良い物語を探すヒントになる「かも」しれません。 表紙イラストは、lllust ACより、楠あかね様の「魔神」を使用させていただいております。

「B1・・・」~小さなレオの奮闘記~

フォアグラ肝臓
エッセイ・ノンフィクション
2025年春、高等支援学校を卒業するレオは、小学生並みの知識と能力しかない知的障害者。 何も知らない、何もできないレオの療育手帳には「B1」の判定が・・・ レオは地元のとある企業に有期雇用の契約社員として入社が内定した。 そこで出会う親方。そして同じ知的障害の同僚N。 仕事と友情、そして親方とのかかわりを通じて成長を遂げていく、小さなレオの成長日記。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
恋愛
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

投稿インセンティブで月額23万円を稼いだ方法。

克全
エッセイ・ノンフィクション
「カクヨム」にも投稿しています。

処理中です...