【作家日記】小説とシナリオのはざまで……【三文ライターの底辺から這い上がる記録】

タカハシU太

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第3回『短編ホラー脚本、創作秘話?』

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先日、短編ホラーの上映会イベントがあり、その中でワタクシの脚本作を8本、取り上げていただきました。
感謝、感謝です。
各作品の執筆に至る経緯、いろいろあって思い出深かったので、ここに軽く記しておこうと思います。

●『呪胎』
この作品、もしかしたら知っている方がいるかもしれません。
去年、オーディオドラマで取り上げていただいた『オメデタ! オメデタ! オメデタ!』
あの作品を男女逆バージョンにし、さらに後半、驚愕の展開を新たに付け足したのです。
ミステリーサスペンスから、Jホラーへと全然違うテイストになったのではないでしょうか。
本企画がスタートする前に、すでに脚本できていた作品です。

●『泥濘み』
これも『呪胎』同様、過去の実現しなかった脚本が元になっています。
元の脚本は、2度、不幸な目に遭いまして、陽の目を見ず。
執念といいますか、怨念のこもった作品です。
この脚本だけは監督との共作名義で、タイトルも監督が付けました。

●『訪問者X』
昔から集団ストーカーの話がやりたかったんです。
それも彼らの言説が本当だったらという内容で。
1980年代に『V』というアメリカのSFドラマがあって、そこからビジター→訪問者というイメージでタイトルを付けました。
Xは物体Xから流用したのですが、上映会場で「物体Xは……」と、ずっと間違えながら話しかけてくれた方がいました。

●『魔ネキン』
もし、ハリウッド映画をリメイクしていいとなったら、一番は何と言っても『マネキン』(1987)です。
昔からこのネタをやりたくて、でもそのままやるわけにもいかず、だったら男女逆でダークな話がいいなと。
それで15年近く前、ホラー企画で『魔ネキン』のタイトルで考えました。
今回そのファイルがあったので開いてみたら、タイトルと人物名だけで、ストーリーは書いていなくて。
また5、6年くらい前にピンク映画として、このタイトルで警備員を主人公にしたアイデアを提案したこともあります。

●『悪夢のシナリオ』
ワタクシ作の『僕と彼女のシナリオデイズ』『異世界シナリオ戦記』『銀幕の天使』の系譜である、作者と作中キャラの邂逅モノです。
これ、実は3年前にプロットを作り、エロス系Vシネとして企画提案をしたことがあるんです。
ホテルの一室を舞台にした、登場人物4人くらいの超低予算密室劇。
メーカーからOKはもらえませんでしたが。
だからずっとやりたいと思い続けた念願の企画でした。

●『令和四谷怪談』
現代版として、男女逆バージョンでやりたいと、以前から思っていました。
2年近く前、エロス系の企画に提出したことも。
今年、あれに出そうか、これで書いてみようか……などと長編で考えていたら、偶然、本企画で採用になりました。

●『血塗られた貴婦人』
ホラー関連に携わっていた15年ほど前から、血の伯爵夫人エリザベート・バートリを日本に置き換えた話でやりたいと思っていました。
絶対無理だろうと思っていたら、今回、まさかのまさかで実現してしまいました。
余談ですが、女主人は「羽鳥絵里子」という名前にしてみました。

●『ザントマンの影』
上記7作品は、これまでやろうとして実現しなかった企画だったり、やりたくて温めていたネタでしたが、本作だけはまったくの新規で思いつきました。
今夏、たまたま調べ物をしていて、E.T.A.ホフマンの『砂男』の存在を今頃になって知り、ものすごく興味を持ちまして。
特に自動人形がアンドロイドじゃないですか。
なので、元の話に沿って、短編の中に収めてみたのでした。
覗きもありますが、壁越しの話って、いいですね。
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