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初デートってことでいいんですかね!?
触ってもいいよ?
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ちょこちょことまるで雛鳥のように瑛介さんに続いてショップに入っていく。
もともとはスポーツセンターだった建物に増築してできたというeスポーツセンター棟で、最新機器がズラリと並んでいる。壮観! 専門店と同じで商品だけが並んでいる階とは別に、大型スクリーンを備えたゲームセンターみたいになっているところがあって、今日はそこでプレイするらしい。個室にはなっていなくて衝立だけで遮られているネットカフェみたいな感じかな。
今日はスクリーンは使わないみたいで、スクリーンがある方を壇上として、それを囲むようにぐるりと何列もゲーミングPCのブースが並んでいる。瑛介さんは、真ん中より少し右のブースに腰を下ろして、隣の席をちょいちょいと指先で示した。
ここに座れってことですね! 了解です!
手にしていたハンドバッグを足元のカゴに入れて、既に立ち上がっているゲーム画面にログイン。感度を調整。
「マウスとかは交換できるけど、どうする?」
右にいる瑛介さんからの問いに、席にあったヘッドセットを見て「ほかにどんなのがあるんです?」と問い返す。
「ショップ内の大抵のが試せるぞ」
「あ、じゃあちょっと見てきます! 荷物見といてくださいっ」
実は前から気になっていたヘッドセットがあったので、サッと立ち上がって受け付け横の展示品のコーナーに向かう。返事はないけどいいでしょ。
迷うこともなく目的のものを手にして、スタッフさんに声を掛けてから席に戻ったら、瑛介さんは苦笑していた。
「あー……それか」
「これ、買おうか迷ってたやつなんですよね」
いそいそと接続して装着。満面の笑みで瑛介さんの方に椅子を寄せていく。
「どお? どお? 似合ってます?」
今使っているピンクっぽい赤よりもう少し赤みの強い色合いで、猫耳付き。薄いピンクも捨てがたいんだけど、あんまりファンシーだと瑛介さんの隣には不釣り合いかなと自重してみましたよ。
「おー。猫耳可愛いな」
可愛いのは猫耳か? それを付けている私か? わかんないですー!
「ちゃんと見てくれました? 画面ばっか見てないで」
「見た見た」
棒読みすんなし! 全然こっち見てくんないし。
「ひどいー。制裁!」
えいっ、とばかりに爪先で瑛介さんの脛を蹴る。サンダルだからそんなに力は入れてない。
「暴力反対」
「塩対応反対」
ぶうぶうとリアルに声に出しながら蹴り蹴りしていると、
「わかった! わかったから」
ようやく顔を向けてくれた。のはいいんだけど。
何故か、足で足を押さえられてるっていうか、絡めるように足を挟まれて動けなくされたっていうか。
チェアごと向き合って、ガチで見つめ合う形になっちゃってる。
「可愛い。似合ってるよ」
小さくだけど、はっきりと告げた唇から上に視線をずらしていくと、伏目がちの目がしっかりと私の目を見つめていて。
(うっわ……ヤバい、その声、ずるいんだってばあ……!!)
かぁっと、顔中に熱が集まっていく。
「あ、足……」
「お前から仕掛けたんだろ」
すり、と膝を足で擦られて、なんかいてもたってもいられなくなる。
「こんな服で来て……どういうつもり?」
素足にデニムのショートパンツなんで、狙ったわけじゃないけど、ちょっぴりペアルック。上は綿素材のフェミニンなシャツだ。裾とか袖がレース編みみたいに穴あきになっていて、そこからも素肌が見えるのがポイントですよ。
「健康美目指してみたというか? 脚には割と自信あってですね」
「うん。ストッキングいらねぇな」
えへへ。褒められた。
「触ります?」
「今はやめとく」
調子に乗ってついつい口を滑らせたら、にやりと笑って瑛介さんは元の位置に戻ってしまった。
(なんか緊張して妙なこと口走っちゃったけど、図々しかったかな? ま、いっかぁー)
高鳴る胸を誤魔化しながら、私もヘッドセットとマウスの調整のためにチェアを戻したんだった。
もともとはスポーツセンターだった建物に増築してできたというeスポーツセンター棟で、最新機器がズラリと並んでいる。壮観! 専門店と同じで商品だけが並んでいる階とは別に、大型スクリーンを備えたゲームセンターみたいになっているところがあって、今日はそこでプレイするらしい。個室にはなっていなくて衝立だけで遮られているネットカフェみたいな感じかな。
今日はスクリーンは使わないみたいで、スクリーンがある方を壇上として、それを囲むようにぐるりと何列もゲーミングPCのブースが並んでいる。瑛介さんは、真ん中より少し右のブースに腰を下ろして、隣の席をちょいちょいと指先で示した。
ここに座れってことですね! 了解です!
手にしていたハンドバッグを足元のカゴに入れて、既に立ち上がっているゲーム画面にログイン。感度を調整。
「マウスとかは交換できるけど、どうする?」
右にいる瑛介さんからの問いに、席にあったヘッドセットを見て「ほかにどんなのがあるんです?」と問い返す。
「ショップ内の大抵のが試せるぞ」
「あ、じゃあちょっと見てきます! 荷物見といてくださいっ」
実は前から気になっていたヘッドセットがあったので、サッと立ち上がって受け付け横の展示品のコーナーに向かう。返事はないけどいいでしょ。
迷うこともなく目的のものを手にして、スタッフさんに声を掛けてから席に戻ったら、瑛介さんは苦笑していた。
「あー……それか」
「これ、買おうか迷ってたやつなんですよね」
いそいそと接続して装着。満面の笑みで瑛介さんの方に椅子を寄せていく。
「どお? どお? 似合ってます?」
今使っているピンクっぽい赤よりもう少し赤みの強い色合いで、猫耳付き。薄いピンクも捨てがたいんだけど、あんまりファンシーだと瑛介さんの隣には不釣り合いかなと自重してみましたよ。
「おー。猫耳可愛いな」
可愛いのは猫耳か? それを付けている私か? わかんないですー!
「ちゃんと見てくれました? 画面ばっか見てないで」
「見た見た」
棒読みすんなし! 全然こっち見てくんないし。
「ひどいー。制裁!」
えいっ、とばかりに爪先で瑛介さんの脛を蹴る。サンダルだからそんなに力は入れてない。
「暴力反対」
「塩対応反対」
ぶうぶうとリアルに声に出しながら蹴り蹴りしていると、
「わかった! わかったから」
ようやく顔を向けてくれた。のはいいんだけど。
何故か、足で足を押さえられてるっていうか、絡めるように足を挟まれて動けなくされたっていうか。
チェアごと向き合って、ガチで見つめ合う形になっちゃってる。
「可愛い。似合ってるよ」
小さくだけど、はっきりと告げた唇から上に視線をずらしていくと、伏目がちの目がしっかりと私の目を見つめていて。
(うっわ……ヤバい、その声、ずるいんだってばあ……!!)
かぁっと、顔中に熱が集まっていく。
「あ、足……」
「お前から仕掛けたんだろ」
すり、と膝を足で擦られて、なんかいてもたってもいられなくなる。
「こんな服で来て……どういうつもり?」
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「健康美目指してみたというか? 脚には割と自信あってですね」
「うん。ストッキングいらねぇな」
えへへ。褒められた。
「触ります?」
「今はやめとく」
調子に乗ってついつい口を滑らせたら、にやりと笑って瑛介さんは元の位置に戻ってしまった。
(なんか緊張して妙なこと口走っちゃったけど、図々しかったかな? ま、いっかぁー)
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