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Second Contact 王様ゲーム
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「ぷはーっ! やっぱ一杯目はビールっしょ」
口元についた泡を拭いながら円華は目を細めている。
「おお~、マドカ飲みっぷりいいっ」
ウォルターがにこにこと誉めそやし、ままもう一杯、とお代わりを注いだ。
「円華ちゃんのぉーちょっといいトコ見てみたいっ」
と翔子が掛け声をかけ、それに続けて皆で手拍子が始まる。
「はい、ぱーりらっぱりらぱーりら、はいはいっ、ぱーりらっぱりらぱーりら、はいはいっ」
ぐいーっとまた円華が飲み干して、それを拍手で迎える。
「ちょっとぉ、皆も飲みなよ。素面じゃつまんなーい」
またグラスに注がれつつ、円華はウォルターの脇腹を肘で小突く。
一人マイペースに飲んでいた浩司以外口をつけそびれていたので、はいはいと言いながらウォルターが自分のグラスを干した。
あまりにもあっさりと飲まれてしまい、掛け声が間に合わなかったので、満がピューイと指笛を吹いた。
「いやーん、ウォルターのいけずぅ」
どうやら掛け声を掛けたかったらしい翔子は、グラス片手にぶんぶんと腕を振り回し、
「あぶねっ、零れるっ」
と浩司に取り押さえられた。
ごめーん、と舌を出してから翔子が水割りに口を付けたので、「はい、イッキイッキ」と満が手拍子した。間に合わなかったので前置きは省かれている。
翔子がくいーっと飲み干すと皆の歓声と拍手。
「んじゃー次は新菜ちゃんの番っ」
満に促され、一気の苦手な新菜は仕方なく枝豆の殻を皿に置いて自分のグラスを手に取った。すかさず翔子の掛け声が始まり、それに合わせてややゆっくり目に飲み干す。
炭酸モノの一気は性に合わないのだ。
「うっしゃーっ」
「三人ともいい飲みっぷりだね」
満とウォルターが口笛を吹いた。
そうやって皆が盛り上がっているというのに、翔子がふと隣を向くと浩司はフライドチキンにかぶりついていた。
テーブルに置かれたグラスはいつの間にか空になっている。
(浩司くんってほんっとマイペースなんだ……。ま、そこもいいんだけどっ)
新菜にばかり給仕させるわけにはいかないので、翔子が空のグラスを取りお代わりを作った。といっても氷は殆ど解けていなかったのでブランデーを入れるだけだったが。
「サンキュー」
と受け取った浩司は、片手にチキンを持ったままコクコクとまた飲み干してしまった。
また空のグラスを取ると今度は新菜が手を伸ばしてきたので、渡して注いでもらう。
そうやっても翔子が自分の飲食をのんびりする間もなく注いだ端から飲んでしまうので、ついに新菜が戸棚からアルコール九十六度の火酒を持ち出してきた。
「ウォルター、オレンジかレモンある?」
「あー、カクテル作るんなら濃縮果汁あるよ」
ウォルターが冷蔵庫からオレンジの瓶を持ってきてくれたので、それを使ってカクテルを作ると二人に差し出した。
「はい、ウォルターと浩司くんはこれね」
既に二人だけでブランデーの瓶が空になってしまったので、呆れ口調になってしまった。
いくら持ちだしとはいえ、高級酒をガバガバ飲むなんて勿体無さ過ぎる。
「新菜さぁん、私も欲しい~っ」
ハイハイ! と翔子が挙手してねだったが、新菜は溜め息。
「あんたにゃーちとキツイと思うよ。缶チューハイでも飲んでな」
「ええーっ、それって贔屓だあーっ」
既に紅潮している頬を膨らませて翔子はブーイング。
「何言ってんの。あっという間に潰れたいの?」
横目で見ながら、新菜は冷蔵庫からレモンのチューハイを持ち出してきて渡してやった。
「そうそう。早く潰れちゃうとこの後のお楽しみに参加できないよ?」
ウォルターの援護射撃に翔子は目を輝かせた。
口元についた泡を拭いながら円華は目を細めている。
「おお~、マドカ飲みっぷりいいっ」
ウォルターがにこにこと誉めそやし、ままもう一杯、とお代わりを注いだ。
「円華ちゃんのぉーちょっといいトコ見てみたいっ」
と翔子が掛け声をかけ、それに続けて皆で手拍子が始まる。
「はい、ぱーりらっぱりらぱーりら、はいはいっ、ぱーりらっぱりらぱーりら、はいはいっ」
ぐいーっとまた円華が飲み干して、それを拍手で迎える。
「ちょっとぉ、皆も飲みなよ。素面じゃつまんなーい」
またグラスに注がれつつ、円華はウォルターの脇腹を肘で小突く。
一人マイペースに飲んでいた浩司以外口をつけそびれていたので、はいはいと言いながらウォルターが自分のグラスを干した。
あまりにもあっさりと飲まれてしまい、掛け声が間に合わなかったので、満がピューイと指笛を吹いた。
「いやーん、ウォルターのいけずぅ」
どうやら掛け声を掛けたかったらしい翔子は、グラス片手にぶんぶんと腕を振り回し、
「あぶねっ、零れるっ」
と浩司に取り押さえられた。
ごめーん、と舌を出してから翔子が水割りに口を付けたので、「はい、イッキイッキ」と満が手拍子した。間に合わなかったので前置きは省かれている。
翔子がくいーっと飲み干すと皆の歓声と拍手。
「んじゃー次は新菜ちゃんの番っ」
満に促され、一気の苦手な新菜は仕方なく枝豆の殻を皿に置いて自分のグラスを手に取った。すかさず翔子の掛け声が始まり、それに合わせてややゆっくり目に飲み干す。
炭酸モノの一気は性に合わないのだ。
「うっしゃーっ」
「三人ともいい飲みっぷりだね」
満とウォルターが口笛を吹いた。
そうやって皆が盛り上がっているというのに、翔子がふと隣を向くと浩司はフライドチキンにかぶりついていた。
テーブルに置かれたグラスはいつの間にか空になっている。
(浩司くんってほんっとマイペースなんだ……。ま、そこもいいんだけどっ)
新菜にばかり給仕させるわけにはいかないので、翔子が空のグラスを取りお代わりを作った。といっても氷は殆ど解けていなかったのでブランデーを入れるだけだったが。
「サンキュー」
と受け取った浩司は、片手にチキンを持ったままコクコクとまた飲み干してしまった。
また空のグラスを取ると今度は新菜が手を伸ばしてきたので、渡して注いでもらう。
そうやっても翔子が自分の飲食をのんびりする間もなく注いだ端から飲んでしまうので、ついに新菜が戸棚からアルコール九十六度の火酒を持ち出してきた。
「ウォルター、オレンジかレモンある?」
「あー、カクテル作るんなら濃縮果汁あるよ」
ウォルターが冷蔵庫からオレンジの瓶を持ってきてくれたので、それを使ってカクテルを作ると二人に差し出した。
「はい、ウォルターと浩司くんはこれね」
既に二人だけでブランデーの瓶が空になってしまったので、呆れ口調になってしまった。
いくら持ちだしとはいえ、高級酒をガバガバ飲むなんて勿体無さ過ぎる。
「新菜さぁん、私も欲しい~っ」
ハイハイ! と翔子が挙手してねだったが、新菜は溜め息。
「あんたにゃーちとキツイと思うよ。缶チューハイでも飲んでな」
「ええーっ、それって贔屓だあーっ」
既に紅潮している頬を膨らませて翔子はブーイング。
「何言ってんの。あっという間に潰れたいの?」
横目で見ながら、新菜は冷蔵庫からレモンのチューハイを持ち出してきて渡してやった。
「そうそう。早く潰れちゃうとこの後のお楽しみに参加できないよ?」
ウォルターの援護射撃に翔子は目を輝かせた。
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