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俺ってば、どうしちゃったの!?
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すっかり日も高くなった午前十時。俺はのろのろと体を起こしつつ目を擦った。ベッドの主は姿が見えないけれど、いた筈の部分がまだ温もりを残しているからさっきまでは寝ていたんだろう。
腰の辺りまだ違和感があるけどどうかなあ?
ベッドサイドから足を下ろしてそろそろと立ち上がってみる。
うん、今度は大丈夫っぽい。
お腹もくうくういってるし、もうちょっと時間を潰してから朝昼兼用での食事にしよう。
取り敢えずシャワーでもと自分の引き出しを開けてごそごそやっていると、ドアが開いてスポーツタオルを首に掛けた智洋が帰って来た。
シャワーを浴びてきたらしく、ざっと水気を押さえただけの髪がしっとりと頬や首筋に掛かっていて凄くセクシー。思わず見惚れてしまった。
「あ、えと、おはよ……」
「はよ」
視線が絡んで、何となく恥ずかしくてちょっと視線をずらすと、Tシャツの襟ぐりから覗く鎖骨までもが変に色っぽく感じてカアッと頭に血が上る。
いやだーっ!
ちょっ、俺、どうしちゃったんだようっ!
もう心臓までどくんどくん大きな音立て始めて、焦って手に持った着替えをお手玉してしまうくらい挙動不審。
まともに智洋の顔見らんねえよー!
俯いてしまった俺を心配したのか、傍に来た智洋が顎を掬うようにして俺を上向かせた。
「和明? 大丈夫か」
「う、うん。もう立てるみたい」
あ、唇が。
俺よりも薄い下唇が、うっかりばっちり視界に入って、昨晩はこの部分で体中というかなんだか凄いとこまでしっかり口付けられたりあろうことか舐められちゃったりしたんだと思い出して、なんかもうまた腰の奥の方が疼いちゃったりして息が乱れてくる。
きっと物欲しそうな顔で見上げていたんだろう。喉仏が動いて、顎の先にちゅっとキスを落とされた。
「んッ」
息が、温度を上げる。
唇から覗いた柔らかな舌先が喉を伝い、生き物のように筋を残しながら下へ下へと這って行く。鎖骨を挟むように甘く噛まれて、濡れたままの頭をかき抱いた。
「和明、エロすぎ。際限ないんだけど」
「ッふ……だって、智洋見たらさ、感じちゃって」
シャツの裾から入った手の平に腰を撫でられて、押し付けるように腰が動いた。
「嬉しいけど、また立てなくなったらヤベえし」
ハッハと少し荒い息をつく俺の体を名残惜しそうに離すと、智洋は今度は唇を啄ばんでから自分のドライヤーを取り出した。
ホント俺の体ってばどうしちゃったんだよ~!
こ、これが好きな人に抱かれるってことなんだな……俺、性欲強い方だとは思ってなかったし、下手すりゃ一ヶ月以上自分で抜いてなくても全然平気だったのに! なんか、最近おかしいくらいに体が反応しちゃって、いくらでも触りたいし触られたいしで、絶対おかしいんだけどっ!
うえ~っ、流石にこんなんばっかじゃ智洋にも愛想尽かされちゃうよ! さっさとシャワー浴びてエロモードから切り替えねえと!
自分の気合を入れ直して、智洋が使い終えたばかりのシャワールームに飛び込んだ。
十一時過ぎに食堂に着くと、いつもより軽食っぽいメニューがこれでもかというくらいの品数で並んでいた。
そういえば今日は打ち上げ用に午後中ずっと食堂解放されるんだっけと思い出し、同じようにゆっくり目に起きて来たらしい寮生たちの中に混じって、サンドイッチやフルーツポンチをトレイに載せていつもの席で食べた。
仮装パートも打ち上げがあるらしく、それは学園の教室でやるからと智洋は後ろ髪を引かれる素振りをしながらもそっちに行った。
お昼にやってきた携に全身をためつすがめつ見られては何だかまた一人で納得している様子なのがまた戦々恐々で、いっそのこと何か声掛けてくれたらなんて居心地の悪さに包まれながらも、校舎に向かう後ろ姿を見送った。
うーん……いつ携に説明しよう。
これが女の子の恋人が出来たんならきっと嬉々としてとっくの昔に報告してるんだけど、なんかやっぱり気が引けるっつうか。流石の携も男の恋人なんてびっくりするんじゃないかとか、やっぱり躊躇してしまう。
それでも、携ならきっと祝福してくれる、とは思うんだけど。言い出しにくいことに変わりはない。
腕を組んで思案していると、いつのまにやら傍に立っていた浩司先輩に頭をくしゃくしゃとされた。
「カズも手伝え」
手に持ったトレイの上には、フライドポテトやチキンなどのおかずが山盛りになっていて、どうやらこれから談話室に運んで打ち上げをするらしい。
こっちこっちとカウンターの向こうから手を振っているおばちゃんに呼ばれて、手作りの焼き菓子が沢山入ったバスケットを手渡された。
特注だ~!
目を輝かせている俺の隣にはジュースのダンボールを抱えた森本先輩もやってきて、そのままおばちゃんにお礼を言って遊戯室に向かう。
片手に一箱ずつ抱えるなんて、やっぱり森本先輩は力持ちだ。アイドルみたいに甘い顔立ちの癖に凄すぎる。
腰の辺りまだ違和感があるけどどうかなあ?
ベッドサイドから足を下ろしてそろそろと立ち上がってみる。
うん、今度は大丈夫っぽい。
お腹もくうくういってるし、もうちょっと時間を潰してから朝昼兼用での食事にしよう。
取り敢えずシャワーでもと自分の引き出しを開けてごそごそやっていると、ドアが開いてスポーツタオルを首に掛けた智洋が帰って来た。
シャワーを浴びてきたらしく、ざっと水気を押さえただけの髪がしっとりと頬や首筋に掛かっていて凄くセクシー。思わず見惚れてしまった。
「あ、えと、おはよ……」
「はよ」
視線が絡んで、何となく恥ずかしくてちょっと視線をずらすと、Tシャツの襟ぐりから覗く鎖骨までもが変に色っぽく感じてカアッと頭に血が上る。
いやだーっ!
ちょっ、俺、どうしちゃったんだようっ!
もう心臓までどくんどくん大きな音立て始めて、焦って手に持った着替えをお手玉してしまうくらい挙動不審。
まともに智洋の顔見らんねえよー!
俯いてしまった俺を心配したのか、傍に来た智洋が顎を掬うようにして俺を上向かせた。
「和明? 大丈夫か」
「う、うん。もう立てるみたい」
あ、唇が。
俺よりも薄い下唇が、うっかりばっちり視界に入って、昨晩はこの部分で体中というかなんだか凄いとこまでしっかり口付けられたりあろうことか舐められちゃったりしたんだと思い出して、なんかもうまた腰の奥の方が疼いちゃったりして息が乱れてくる。
きっと物欲しそうな顔で見上げていたんだろう。喉仏が動いて、顎の先にちゅっとキスを落とされた。
「んッ」
息が、温度を上げる。
唇から覗いた柔らかな舌先が喉を伝い、生き物のように筋を残しながら下へ下へと這って行く。鎖骨を挟むように甘く噛まれて、濡れたままの頭をかき抱いた。
「和明、エロすぎ。際限ないんだけど」
「ッふ……だって、智洋見たらさ、感じちゃって」
シャツの裾から入った手の平に腰を撫でられて、押し付けるように腰が動いた。
「嬉しいけど、また立てなくなったらヤベえし」
ハッハと少し荒い息をつく俺の体を名残惜しそうに離すと、智洋は今度は唇を啄ばんでから自分のドライヤーを取り出した。
ホント俺の体ってばどうしちゃったんだよ~!
こ、これが好きな人に抱かれるってことなんだな……俺、性欲強い方だとは思ってなかったし、下手すりゃ一ヶ月以上自分で抜いてなくても全然平気だったのに! なんか、最近おかしいくらいに体が反応しちゃって、いくらでも触りたいし触られたいしで、絶対おかしいんだけどっ!
うえ~っ、流石にこんなんばっかじゃ智洋にも愛想尽かされちゃうよ! さっさとシャワー浴びてエロモードから切り替えねえと!
自分の気合を入れ直して、智洋が使い終えたばかりのシャワールームに飛び込んだ。
十一時過ぎに食堂に着くと、いつもより軽食っぽいメニューがこれでもかというくらいの品数で並んでいた。
そういえば今日は打ち上げ用に午後中ずっと食堂解放されるんだっけと思い出し、同じようにゆっくり目に起きて来たらしい寮生たちの中に混じって、サンドイッチやフルーツポンチをトレイに載せていつもの席で食べた。
仮装パートも打ち上げがあるらしく、それは学園の教室でやるからと智洋は後ろ髪を引かれる素振りをしながらもそっちに行った。
お昼にやってきた携に全身をためつすがめつ見られては何だかまた一人で納得している様子なのがまた戦々恐々で、いっそのこと何か声掛けてくれたらなんて居心地の悪さに包まれながらも、校舎に向かう後ろ姿を見送った。
うーん……いつ携に説明しよう。
これが女の子の恋人が出来たんならきっと嬉々としてとっくの昔に報告してるんだけど、なんかやっぱり気が引けるっつうか。流石の携も男の恋人なんてびっくりするんじゃないかとか、やっぱり躊躇してしまう。
それでも、携ならきっと祝福してくれる、とは思うんだけど。言い出しにくいことに変わりはない。
腕を組んで思案していると、いつのまにやら傍に立っていた浩司先輩に頭をくしゃくしゃとされた。
「カズも手伝え」
手に持ったトレイの上には、フライドポテトやチキンなどのおかずが山盛りになっていて、どうやらこれから談話室に運んで打ち上げをするらしい。
こっちこっちとカウンターの向こうから手を振っているおばちゃんに呼ばれて、手作りの焼き菓子が沢山入ったバスケットを手渡された。
特注だ~!
目を輝かせている俺の隣にはジュースのダンボールを抱えた森本先輩もやってきて、そのままおばちゃんにお礼を言って遊戯室に向かう。
片手に一箱ずつ抱えるなんて、やっぱり森本先輩は力持ちだ。アイドルみたいに甘い顔立ちの癖に凄すぎる。
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