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第43章:「何があっても」
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俺の部屋に美和を連れ帰ると、そのままゆっくり美和をベッドに横たえた。
「来週が来ないかもってどういうことだよ?」
美和が逃げられないように、でも優しく、俺は両手首を掴む。
「どういうことだ?」
すると美和は、ちょっと微笑んで言った。
「なんでそんなに焦ってるの?私は単に「何が起こるかわからない」って思っただけ。突然カレンさんに用事が出来てお流れになっちゃうかもしれないし、みんなだって毎回参加できるとは限らないし」
そんな美和の言葉に納得いかない俺はこう続けた。
「―――健さんからなんか連絡が来たんじゃないのか?」
「えっ・・・杏、何を言って・・・?」
少し、美和の瞳が動いた。
健さんが生きていることは敢えていう必要はないと、スティーブは俺に言った。
でも、俺がその事実を知ってることを美和に黙っとけと、口止めもされなかった。
「美和、言えないんだったら言わなくてもいい。だけど、一人で危険なことだけはしないでくれ。頼むから」
「・・・」
「ここに俺がいるんだから一緒に策を練ればいい。そうだろ?」
「・・・」
「もし勝手なことしそうだったら・・・ペンダント外すよ?俺に隠し事できないようにしてやる」
美和がそれに答えずにちょっと目を伏せたから、不安になって抱き寄せた。
ペンダントを外したらきっと、俺の「例の布石」もバレて、また新たな伏線を引かなきゃいけなくなる。
だけど。
そんなことよりも。
美和が健さんのことで何か危ない橋を渡ろうとしているなら、それを阻止する方が先だ。
「俺、美和のこと信じてるから・・・絶対に俺を置いて一人でどっかに行ったりしないって。俺のこと本当に大事に思ってくれてるんだったら、絶対にそういうことすんなよ?」
「・・・」
「俺は何があっても、美和から離れない。だから美和も、俺を置いてくとか絶対に考えんなよ?」
すると美和は俺の問いには答えずに、聞いた。
「杏は・・・」
「ん?」
「私のこと、面倒くさいとか、思ったりしないの?」
は?
なんだ、それ?
「変なことに巻き込まれて、危ない目に合うかもしれないのに・・・」
「そんなこと、考えたこともない。どうやったら美和のこと面倒くさいとか思えんの?」
「え?」
「逆に教えてよ?」
俺は美和の唇に優しく、自分の唇を重ねた。
「美和はもう、俺の一部なんだ。なかったら逆に困る・・・美和のない俺とか、想像できない」
ゆっくり唇を離して美和を見ると、美和は目を逸らしたまま、黙ったままで。
「美和にとって、俺はそういう存在じゃないの?」
そういう存在じゃないって答えられたとしても、俺は美和を絶対に離さない。
そんな自信が俺にはあって、だからそういう質問も出来たんだと思う。
すると美和はゆっくり顔を上げて、言った。
「杏は私にとって・・・」
「ん」
「全てだよ」
「え?」
「杏がもし私より先に死ぬことがあったら、私も死ぬ」
「だめだよ、死んじゃ。くくっ」
その言葉が嬉しかったのと、わざと美和が冗談ぽく言ったんだと思って、思わず笑った。
「だから・・・」
すると美和は真面目な顔で俺を引き寄せ、キスをして・・・こう言った。
「だから、何があっても、生き続けて・・・私のためにも」
「来週が来ないかもってどういうことだよ?」
美和が逃げられないように、でも優しく、俺は両手首を掴む。
「どういうことだ?」
すると美和は、ちょっと微笑んで言った。
「なんでそんなに焦ってるの?私は単に「何が起こるかわからない」って思っただけ。突然カレンさんに用事が出来てお流れになっちゃうかもしれないし、みんなだって毎回参加できるとは限らないし」
そんな美和の言葉に納得いかない俺はこう続けた。
「―――健さんからなんか連絡が来たんじゃないのか?」
「えっ・・・杏、何を言って・・・?」
少し、美和の瞳が動いた。
健さんが生きていることは敢えていう必要はないと、スティーブは俺に言った。
でも、俺がその事実を知ってることを美和に黙っとけと、口止めもされなかった。
「美和、言えないんだったら言わなくてもいい。だけど、一人で危険なことだけはしないでくれ。頼むから」
「・・・」
「ここに俺がいるんだから一緒に策を練ればいい。そうだろ?」
「・・・」
「もし勝手なことしそうだったら・・・ペンダント外すよ?俺に隠し事できないようにしてやる」
美和がそれに答えずにちょっと目を伏せたから、不安になって抱き寄せた。
ペンダントを外したらきっと、俺の「例の布石」もバレて、また新たな伏線を引かなきゃいけなくなる。
だけど。
そんなことよりも。
美和が健さんのことで何か危ない橋を渡ろうとしているなら、それを阻止する方が先だ。
「俺、美和のこと信じてるから・・・絶対に俺を置いて一人でどっかに行ったりしないって。俺のこと本当に大事に思ってくれてるんだったら、絶対にそういうことすんなよ?」
「・・・」
「俺は何があっても、美和から離れない。だから美和も、俺を置いてくとか絶対に考えんなよ?」
すると美和は俺の問いには答えずに、聞いた。
「杏は・・・」
「ん?」
「私のこと、面倒くさいとか、思ったりしないの?」
は?
なんだ、それ?
「変なことに巻き込まれて、危ない目に合うかもしれないのに・・・」
「そんなこと、考えたこともない。どうやったら美和のこと面倒くさいとか思えんの?」
「え?」
「逆に教えてよ?」
俺は美和の唇に優しく、自分の唇を重ねた。
「美和はもう、俺の一部なんだ。なかったら逆に困る・・・美和のない俺とか、想像できない」
ゆっくり唇を離して美和を見ると、美和は目を逸らしたまま、黙ったままで。
「美和にとって、俺はそういう存在じゃないの?」
そういう存在じゃないって答えられたとしても、俺は美和を絶対に離さない。
そんな自信が俺にはあって、だからそういう質問も出来たんだと思う。
すると美和はゆっくり顔を上げて、言った。
「杏は私にとって・・・」
「ん」
「全てだよ」
「え?」
「杏がもし私より先に死ぬことがあったら、私も死ぬ」
「だめだよ、死んじゃ。くくっ」
その言葉が嬉しかったのと、わざと美和が冗談ぽく言ったんだと思って、思わず笑った。
「だから・・・」
すると美和は真面目な顔で俺を引き寄せ、キスをして・・・こう言った。
「だから、何があっても、生き続けて・・・私のためにも」
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