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第32.5章:「その頃、家にて」
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その頃、麻生家のリビングでは―――
「コンちゃん」
「なに、哲ちゃん?」
「あの・・・2人が帰って来ないってことは、うまくいった、ってこと、ですよね?」
「そう思いたいけど・・・実はね、あのエロ親父も帰ってきてないのよ。一応出張ってことにはなってるけど」
「え?!」
「もしかしてあのエロ親父、2人の邪魔してるんじゃないかしら・・・ちょっと心配なのよねぇ」
「何とか確認する方法ないですか?あの2人が連絡もしてこないなんておかしいと思って・・・僕も心配してたんですけど、でも邪魔もしたくなくてどうしようかと思ってたんです」
「それがね、杏にも親父にも美和ちゃんにも繋がらないの。おまけに杏は一度昌に電話を入れててね」
「なんでですか?」
「それが、親父が休暇中かどうか聞いたみたいなのよ。ヘンでしょ?親父が杏に言ってなかったことも、わざわざ杏が昌に確認してきたのも」
「そうですね・・・これは本当に圭さんが絡んでそうですね。コンちゃん、僕はですね・・・」
「ん?」
「かなり圭さんに怒ってるんですよ!」
「杏くんも美和ちゃんもとってもいい子たちじゃないですか。今どきありえない位」
「そうね、そのとおりよ」
「おまけに純愛ですよ。あの2人の間にあるのは!」
「ホントね、うらやましいくらい」
「杏くんのあの若さであの溺愛ぶり―――ありえますか?!」
「ないわよねぇ・・・自分があの年齢だった頃を振り返ってみても・・・」
「なのに、いい大人がその純愛を妨害してるんですよ!ありえないでしょう?!それこそこの世の終わりですよ!」
「あはは。そうよねぇ」
「コンちゃん!笑い事じゃないです!」
「うんうん」
「だから、僕、決めたんです」
「え、何を?」
「1つは「ミワワ」の中の圭さんを悪役に変更します」
「へ?!」
「めちゃくちゃ性格の悪い、裏のあるヤツで、ミワワを虐め、杏くんと美和ちゃんの恋路を邪魔するんです」
「うわ―。ってことは、読者から相当バッシングくるんじゃないの?!」
「そこが狙いです。圭さん、世の中から嫌われてしまえばいいんですっ!」
「うん、それで・・・他にもあるの?」
「はい。もしそれでも圭さんが2人の邪魔をし続けるのであれば、僕は「ミワワ」の連載をストップします」
「へ?!」
「で、理由をマスコミに公表します。それで更に圭さんは間接的にバッシングを受けるはずです!」
「哲ちゃん、あなた何言ってるの?!あのエロ親父にそんなことしたって意味ないかもしれないし、それよりなにより、どうしてそこまでするのよ?!」
「だってですよ?もともと「ミワワ」が描けたのも売れたのも、ミワワとあの2人のお蔭なんですよ?僕は彼らのお陰で夢を叶えることができたんです」
「それはそうかもしれないけど・・・」
「ここで恩返ししなくてどうしますか?!それにあの2人がうまくいかなかったらどうせ「ミワワ」は終わりです。それでも「ミワワ」を描き続けようなんて打算的なこと、僕は考えてませんよ?」
「哲ちゃん・・・」
「僕は恋愛もほとんどしてきてないし、一回もまともに就職したことないし、友達もほんのわずかしかいないですけど、でもですね」
「うん」
「僕は僕なりに一生懸命生きてきたし、お天道様に顔向けできないような、卑怯なことだけはしてきてないって断言できます!人の幸せを邪魔するのようなことだけは絶対にしないと、それだけは誓って生きてきたんです!」
「ステキだわ・・・哲ちゃん!」
「だから圭さんのこと、本当に怒ってるんですよ!僕は本気です!」
「コンちゃん」
「なに、哲ちゃん?」
「あの・・・2人が帰って来ないってことは、うまくいった、ってこと、ですよね?」
「そう思いたいけど・・・実はね、あのエロ親父も帰ってきてないのよ。一応出張ってことにはなってるけど」
「え?!」
「もしかしてあのエロ親父、2人の邪魔してるんじゃないかしら・・・ちょっと心配なのよねぇ」
「何とか確認する方法ないですか?あの2人が連絡もしてこないなんておかしいと思って・・・僕も心配してたんですけど、でも邪魔もしたくなくてどうしようかと思ってたんです」
「それがね、杏にも親父にも美和ちゃんにも繋がらないの。おまけに杏は一度昌に電話を入れててね」
「なんでですか?」
「それが、親父が休暇中かどうか聞いたみたいなのよ。ヘンでしょ?親父が杏に言ってなかったことも、わざわざ杏が昌に確認してきたのも」
「そうですね・・・これは本当に圭さんが絡んでそうですね。コンちゃん、僕はですね・・・」
「ん?」
「かなり圭さんに怒ってるんですよ!」
「杏くんも美和ちゃんもとってもいい子たちじゃないですか。今どきありえない位」
「そうね、そのとおりよ」
「おまけに純愛ですよ。あの2人の間にあるのは!」
「ホントね、うらやましいくらい」
「杏くんのあの若さであの溺愛ぶり―――ありえますか?!」
「ないわよねぇ・・・自分があの年齢だった頃を振り返ってみても・・・」
「なのに、いい大人がその純愛を妨害してるんですよ!ありえないでしょう?!それこそこの世の終わりですよ!」
「あはは。そうよねぇ」
「コンちゃん!笑い事じゃないです!」
「うんうん」
「だから、僕、決めたんです」
「え、何を?」
「1つは「ミワワ」の中の圭さんを悪役に変更します」
「へ?!」
「めちゃくちゃ性格の悪い、裏のあるヤツで、ミワワを虐め、杏くんと美和ちゃんの恋路を邪魔するんです」
「うわ―。ってことは、読者から相当バッシングくるんじゃないの?!」
「そこが狙いです。圭さん、世の中から嫌われてしまえばいいんですっ!」
「うん、それで・・・他にもあるの?」
「はい。もしそれでも圭さんが2人の邪魔をし続けるのであれば、僕は「ミワワ」の連載をストップします」
「へ?!」
「で、理由をマスコミに公表します。それで更に圭さんは間接的にバッシングを受けるはずです!」
「哲ちゃん、あなた何言ってるの?!あのエロ親父にそんなことしたって意味ないかもしれないし、それよりなにより、どうしてそこまでするのよ?!」
「だってですよ?もともと「ミワワ」が描けたのも売れたのも、ミワワとあの2人のお蔭なんですよ?僕は彼らのお陰で夢を叶えることができたんです」
「それはそうかもしれないけど・・・」
「ここで恩返ししなくてどうしますか?!それにあの2人がうまくいかなかったらどうせ「ミワワ」は終わりです。それでも「ミワワ」を描き続けようなんて打算的なこと、僕は考えてませんよ?」
「哲ちゃん・・・」
「僕は恋愛もほとんどしてきてないし、一回もまともに就職したことないし、友達もほんのわずかしかいないですけど、でもですね」
「うん」
「僕は僕なりに一生懸命生きてきたし、お天道様に顔向けできないような、卑怯なことだけはしてきてないって断言できます!人の幸せを邪魔するのようなことだけは絶対にしないと、それだけは誓って生きてきたんです!」
「ステキだわ・・・哲ちゃん!」
「だから圭さんのこと、本当に怒ってるんですよ!僕は本気です!」
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