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第20章:「クリスマスプレゼント」
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「クリスマスプレゼント、くれないか?」
俺にいきなりそんなことを言われて、きょとんとしてる美和。
「え?・・・あははっ!もの凄く真剣な顔してたから何事かと思ったじゃない!」
「ホントは今年のクリスマスプレゼントは無しだってわかってるよ。でも、どうしても今欲しくなった」
「なになに~?何が欲しいの?」
言い方がまるでコドモ扱い。
くく。
ま、いいけど。
「なんでもくれる?」
「それはもちろんモノによるけど・・・私があげられるモノ?」
「美和しかムリなこと・・・それくれたらもう、俺は一生クリスマスプレゼントはいらない。誕生日プレゼントも、一生いらないから」
「なんか怖いなぁ・・・なに?何が欲しいの?」
俺は握ってる美和の手を更にぎゅって握った。
俺はすごく冷静なんだけど、でもカラダが、ちょっと緊張してるような気もする・・・
けど、ちゃんと伝えたいから、俺はちゃんと美和の瞳を見つめた。
「あのさ・・・」
「ん?」
「―――美和の中での一番のポジションを俺にくれないか?」
「どういう、こと?」
美和がちょっと首をかしげた。
「行きしなのジェットの中でも言ったけど、美和はもう、俺の中では一番のポジションにいる。それは俺にどれだけ家族がいようが、これからどれだけ増えようが、それだけは絶対にずっと、永遠に変わらない。根拠はないけどわかる。確信できる」
「・・・」
「俺は―――美和のこと、一生大切にする。誰よりも大切にするよ」
「・・・」
「そしてこれからもずっと、どうやったら美和のこと本当の意味でずっと大切にできるのか、幸せにできるのか一生懸命考える。考え続ける」
「・・・」
「美和とずっと一緒にいられるなら、守れるなら、トレーニングだろうとなんだろうと、何でもやるよ。それが俺の幸せなんだから」
「・・・」
「だから・・・」
「・・・だから?」
「だから・・・俺を美和の彼氏にしてほしい」
「彼氏」という単語が俺の口から出てきたのは想定外で・・・正直自分でも驚いた。
そういうことを考えてたつもりじゃなかったんだけど、カラダが勝手にそう言った、というか・・・。
でも、結果的に俺が望んでるのはそういうことか、と一瞬で思いなおして、そのまま訂正しなかった。
よくわからないけど「アーサー」に来てから、俺が急に変化しているような感覚がある。
まだ一日も経ってないのに。
どこがどう、って聞かれたらよくわからないんだけど、
例えば、こういうことを美和に言おうなんて今の今まで思ってもみなかったし、
客観的に見たらめちゃくちゃ照れそうなことを妙に冷静言ってる自分にも驚いているし。
一方で、
遅かれ早かれこれは美和には伝えていただろうっていう妙な確信もあって、
だったら早い方がよかった、っていうなんとも理由のわからない安堵感みたいなものもあって・・・
なんなんだろうな、これって。
「彼氏・・・?家族じゃなくて?」
「俺は、ただの家族じゃ物足りない・・・きっと美和の中の一番になれないから。俺は美和の唯一になりたいし、美和をもっと自分のモノにしたい」
「そんなこと誰に吹きこまれたの?なんか杏、少女マンガに出てきそうなこと言ってるよ?ふふっ」
そう、どんな時も美和は冷静だ。
俺が美和の傍を離れる、とかいう話以外は。
だから今も、こんな状況下で、自分に告白した男の目の前で、余裕の微笑みを浮かべている。
いや、実はこれって、年上の余裕・・・ってヤツか?
いままでも、こういう経験をたくさんしてきたとか?
―――ってことは、
コドモ扱いされて、うまくはぐらかされるのだろうか。
ま、俺的には長期戦でも構いはしない。
ただ、
この肝心なところを、いま、
美和にちゃんと知っておいてもらうことがとても重要なんだと思う。
―――俺が、これからも美和と、正直に、ちゃんと向き合って生きていくために。
そこを語らずに、
そこをごまかさずに、
これからを、美和と共に生きてゆくのは、絶対にムリだ。
「別に誰にも吹きこまれてないよ。俺の正直な気持ち」
「・・・」
「けど―――まぁ、しいていえば圭さん?」
俺が苦笑しながらをそう言うと
「圭ちゃんかぁ・・・そっか」
美和は再び満天の星を見上げた。
そして、
「いいよ」
え?
「いま、なんて言った?」
「だから、いいよ、杏を私の彼氏にしてあげる」
「・・・そんなあっさり言っちゃっていいの?その言葉、取り返せなくなるよ?」
「・・・」
「これは冗談でも遊びでもない」
「冗談じゃないけど・・・」
「けど?」
「圭ちゃんを越えたときね?」
そう、きたか。
くく。
「どうしたの?」
「なんでもないよ・・・くく」
「でも笑ってるよ?なんかおかしかった?」
「いや、おかしくないよ。美和さ、覚悟しておいて?」
「何を?」
「圭さんを越えられなかったら、美和を越えられないし、美和を越えなかったら俺、圭さんにひどい目合うし」
「え?」
「これで、美和の一番になるための方法が、すげぇわかりやすくなった」
だから俺は左腕を伸ばし、美和を抱きしめて言った。
「圭さんはすぐに越えてみせる。だからその約束、絶対に忘れんなよ」
俺にいきなりそんなことを言われて、きょとんとしてる美和。
「え?・・・あははっ!もの凄く真剣な顔してたから何事かと思ったじゃない!」
「ホントは今年のクリスマスプレゼントは無しだってわかってるよ。でも、どうしても今欲しくなった」
「なになに~?何が欲しいの?」
言い方がまるでコドモ扱い。
くく。
ま、いいけど。
「なんでもくれる?」
「それはもちろんモノによるけど・・・私があげられるモノ?」
「美和しかムリなこと・・・それくれたらもう、俺は一生クリスマスプレゼントはいらない。誕生日プレゼントも、一生いらないから」
「なんか怖いなぁ・・・なに?何が欲しいの?」
俺は握ってる美和の手を更にぎゅって握った。
俺はすごく冷静なんだけど、でもカラダが、ちょっと緊張してるような気もする・・・
けど、ちゃんと伝えたいから、俺はちゃんと美和の瞳を見つめた。
「あのさ・・・」
「ん?」
「―――美和の中での一番のポジションを俺にくれないか?」
「どういう、こと?」
美和がちょっと首をかしげた。
「行きしなのジェットの中でも言ったけど、美和はもう、俺の中では一番のポジションにいる。それは俺にどれだけ家族がいようが、これからどれだけ増えようが、それだけは絶対にずっと、永遠に変わらない。根拠はないけどわかる。確信できる」
「・・・」
「俺は―――美和のこと、一生大切にする。誰よりも大切にするよ」
「・・・」
「そしてこれからもずっと、どうやったら美和のこと本当の意味でずっと大切にできるのか、幸せにできるのか一生懸命考える。考え続ける」
「・・・」
「美和とずっと一緒にいられるなら、守れるなら、トレーニングだろうとなんだろうと、何でもやるよ。それが俺の幸せなんだから」
「・・・」
「だから・・・」
「・・・だから?」
「だから・・・俺を美和の彼氏にしてほしい」
「彼氏」という単語が俺の口から出てきたのは想定外で・・・正直自分でも驚いた。
そういうことを考えてたつもりじゃなかったんだけど、カラダが勝手にそう言った、というか・・・。
でも、結果的に俺が望んでるのはそういうことか、と一瞬で思いなおして、そのまま訂正しなかった。
よくわからないけど「アーサー」に来てから、俺が急に変化しているような感覚がある。
まだ一日も経ってないのに。
どこがどう、って聞かれたらよくわからないんだけど、
例えば、こういうことを美和に言おうなんて今の今まで思ってもみなかったし、
客観的に見たらめちゃくちゃ照れそうなことを妙に冷静言ってる自分にも驚いているし。
一方で、
遅かれ早かれこれは美和には伝えていただろうっていう妙な確信もあって、
だったら早い方がよかった、っていうなんとも理由のわからない安堵感みたいなものもあって・・・
なんなんだろうな、これって。
「彼氏・・・?家族じゃなくて?」
「俺は、ただの家族じゃ物足りない・・・きっと美和の中の一番になれないから。俺は美和の唯一になりたいし、美和をもっと自分のモノにしたい」
「そんなこと誰に吹きこまれたの?なんか杏、少女マンガに出てきそうなこと言ってるよ?ふふっ」
そう、どんな時も美和は冷静だ。
俺が美和の傍を離れる、とかいう話以外は。
だから今も、こんな状況下で、自分に告白した男の目の前で、余裕の微笑みを浮かべている。
いや、実はこれって、年上の余裕・・・ってヤツか?
いままでも、こういう経験をたくさんしてきたとか?
―――ってことは、
コドモ扱いされて、うまくはぐらかされるのだろうか。
ま、俺的には長期戦でも構いはしない。
ただ、
この肝心なところを、いま、
美和にちゃんと知っておいてもらうことがとても重要なんだと思う。
―――俺が、これからも美和と、正直に、ちゃんと向き合って生きていくために。
そこを語らずに、
そこをごまかさずに、
これからを、美和と共に生きてゆくのは、絶対にムリだ。
「別に誰にも吹きこまれてないよ。俺の正直な気持ち」
「・・・」
「けど―――まぁ、しいていえば圭さん?」
俺が苦笑しながらをそう言うと
「圭ちゃんかぁ・・・そっか」
美和は再び満天の星を見上げた。
そして、
「いいよ」
え?
「いま、なんて言った?」
「だから、いいよ、杏を私の彼氏にしてあげる」
「・・・そんなあっさり言っちゃっていいの?その言葉、取り返せなくなるよ?」
「・・・」
「これは冗談でも遊びでもない」
「冗談じゃないけど・・・」
「けど?」
「圭ちゃんを越えたときね?」
そう、きたか。
くく。
「どうしたの?」
「なんでもないよ・・・くく」
「でも笑ってるよ?なんかおかしかった?」
「いや、おかしくないよ。美和さ、覚悟しておいて?」
「何を?」
「圭さんを越えられなかったら、美和を越えられないし、美和を越えなかったら俺、圭さんにひどい目合うし」
「え?」
「これで、美和の一番になるための方法が、すげぇわかりやすくなった」
だから俺は左腕を伸ばし、美和を抱きしめて言った。
「圭さんはすぐに越えてみせる。だからその約束、絶対に忘れんなよ」
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