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第15章:「たった一人を除いて」
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専用ジェットが降り立った先。
そこはまた日本の研究所と同じように、ただひたすら広大な土地。
ただここは、滑走路以外に何も見えない。
おまけに。
日本は既にかなり寒かったけど、ここは・・・蒸し暑い。
「早く中に入りましょう。ここの日差しは強すぎて、肌に良くないんですよ」
日高さんはそう言うと、車に俺達を押し込んだ。
あれ?車?
さっきまでここにあったっけ?
運転手さんの姿、見えないし。
「この車はリモート操作なんですよ。楽ですよね?」
車の中はクーラーがきいていた。
「どのくらいで着くんですか?」
「5分くらいだよ」
隣に座ってる美和が答えた。
綺麗に舗装されている幅広い道路。
俺達以外、走ってる車は見当たらない。
すると突然、その道路が二手に分かれるのが見えた。
俺達は右に逸れていく。
「もうすぐですよ」
日高さんがそう言った途端道路が次第に下り始め、両脇に壁が出来始めた。
そしていつのまにか、俺達はトンネルの中にいた。
両脇の壁、そして天井に光る、オレンジ色のラインが眩しい。
すると。
俺達の乗った車は徐行し始め、巨大な丸い鉄板の前で止まった。
「なんで止まるんですか?」
俺が聞くと
「洗浄です」
「え?」
背後から黒い影を感じ振り向くと、車から2mくらい先の天井から鉄板みたいなものが下りてきていた。
俺達は完全に鉄板に挟まれた状態。
「すぐ終わりますよ」
その言葉が合図だったように突然、物凄い水圧と蒸気で窓の外が真っ白になった。
だけど次の瞬間にはクリアな状態に戻った・・・
目の前の鉄板が開いたからだとわかったのは、車が動き出したから。
そしてそのまま更に100mくらい走ったところで再び停車。
背後の鉄板はまた下りていた。
「このまま下がりますから」
日高さんの言うとおり、車は徐々に下降していく。
車ごとエレベーターに乗っているみたいだ。
どのくらい地下に下がったのかわからないけど、ある程度の深さのところで車が再び停車。
「着きましたよ」
俺と美和は車から降りた。
「杏さんのスーツケースはお部屋に運んでおきます。では私はここで」
「え?」
「杏、こっちだよ?」
美和は俺の左手首を掴み、歩みを進めた。
まっさらな、溝も何もないシルバーの壁。
そこに迷いもなく突き進む美和。
「美和?」
美和がぶつかって怪我するんじゃないか・・・そう不安になって声を掛けた瞬間、壁の一部に隙間ができた。
「こっちだよ」
何が起こっているのか、俺にはよくわからない。
ここはなんなんだ?
美和の隠し部屋よりもハイテクで・・・そして。
壁の向こうは、自然光が燦々と降り注ぐ総ガラス張りの建物。
窓の向こうには緑も見える・・・巨大な熱帯植物たち。
真っ白な廊下には、同じく真っ白な制服を着た、様々な人種の人達が行き来していた。
「Hey Miwa!」
「Long time no see!」
「Talk to you soon, Miwa!」
通り過ぎる人達はみな美和のことを知ってるみたいで、何かしら言葉をかけていく。
おまけに
「Nice to finally meet you, Kyo!(キョウ、ようやく会えたね!)」
と、笑顔で俺に手を振る人達も多くて。
そんな状況に戸惑う俺を見て、
「杏は自己紹介の必要ないからね」
微笑むと同時に、とある部屋の前で美和が足を止めた。
そして真っ白のドアが自動で開く。
「おかえりミワ、そして、ようこそキョウ」
3mくらいある横長のデスクの向こうのディレクターチェアに腰掛けているのは20代半ばくらいの白人男性。
流暢な日本語を話す。
そして彼の隣に立っているのは・・同じく20代半ばくらいの白人女性。
「レオン、サラ、元気だった?」
そっか、この人達が圭さんが言ってた人達か。
「ボクたちは相変わらずだよ。キョウ、初めまして。ボクはここの所長のレオン。彼女はサラ・・・ボクの相棒。公私ともにね?」
そう言うと、レオンは俺にウィンクした。
「ふふっ。じゃ、時間もあまりないことだし、そこに座ってもらって具体的な説明に移りましょう?」
「は?もう?サラはどうしてそんなに合理的なの?ボクはまだキョウの生の声も聞いてないよ?世間話から始めたっていいんじゃない?」
「そんなの大事な話をしててもできるでしょ?2人は今回、2週間しか滞在できないのよ?それに明日はクリスマスなんだから仕事は抜き。世間話は明日ゆっくりすればいいわ。そうでしょ、ミワ?」
「ははっ。そうだね」
あれ?
俺達は24日の朝7時くらいに日本を発った。
フライトが10時間だったから、少なくても今は日本時間の夕方5時。
移動とか待ちとかを含めて夕方6時。
でも、壁に掛っている時計は10時を指している。
俺の腕時計も何故か10時を示している。
そして、降り注ぐ日差しからするといまは朝の10時。
でもここは地下のはず。
わけ、わかんねぇ・・・ここは一体、どこなんだ?
「ほら、キョウの頭の中が????でいっぱいになってきたでしょ?早く話を始めてあげましょ?」
サラが俺を見て笑った。
サラに促され、俺と美和はソファーに腰を下ろした。
レオンとサラも真向かいに座る。
「聞いてると思うけど、ミワはこの春まで3年間、ここで暮らしていたんだよ」
レオンがそう、話を切り出した。
「その直接の理由は、ケン、つまりミワの父親が不慮の事故で亡くなったこと。ここの方がミワにとって安全だと思ったから移ってもらったんだ」
ミワも以前、俺にそう言っていた。
「誤解しないで聞いて欲しいんだけど・・・この地球上にいる他の人間に価値がないって言ってるんじゃない」
は?
なんで突然、そういう話になるんだ?
なんか唐突に規模のデカイ話になってないか?
「でも、両親を亡くした子供達が世界中に数えきれないほど存在する中でミワだけがここで保護されてきたのはなんでだと思う?」
あ、そういうことか。
「俺まだ、詳しい話を聞いてないんですけど・・・あの「家」と関係があるんですよね?喜多嶋さん達もあの「家」を守ってるし」
「その通りだよ。あの「家」には貴重なものがたくさん保管されてる。そしてそれをきちんと理解しているのはミワ、ただ一人なんだ。だからだよ」
「でも・・・」
俺は横に座ってる美和を見た。
美和はいつもと変わらない表情で、俺を見つめている。
「すみません、何も事情がわかってない俺のすげぇバカな質問かもしれないんですけど・・・」
「ん?」
「美和がその「家」に保管されてる貴重なモノのために危険に曝されるんだったら、それらを安全な場所、例えばここに移すっていうことはできないんですか?」
「出来ないことはない・・・「それは絶対にムリなの」」
美和がレオンの言葉に被せた。
「あそこにあるのはね、麻生家の先祖が集めてきたものだけじゃなくて・・・麻生家の人間を信頼してくれて託してくれたモノがたくさんあるの」
「あぁ・・・だから美和は自分で守りたいんだ。麻生家の人間として」
「そうだよ。それにその詳細についてはこの組織・・つまりレオンやサラにも言うつもりはないの。だって、麻生家を信頼してくれた人や私の先祖を裏切ることになるでしょう?」
「美和の気持ちはわかるけど・・・俺は、みすみす美和を危険に曝すようなことはしたくない。なんか他に方法はないのか?」
そう言ってレオンとサラを見ると、2人は何故か微笑んでいる。
なんでだ?
こんな深刻な話をしてんのに。
「キョウ、今回キミにここに来てもらったのはね、そのことについて具体的に話を進めたいからなんだよ」
「どういうことですか?」
「簡単に言うと、大きく分けて3つ話がある。まずはじめに言っておかなきゃいけないのは―――これが1つ目だけど。今ミワがあの家に保管されてるモノの詳細についてはボク達に話すつもりはないと言ったけど・・・「何が保管されてるのか」についてはボク達は大体把握してる。それはミワもわかってるよね?」
「うん・・・ここの情報収集力に勝てるとは思ってないよ」
「ただボク達にわかってないのは、それらをどう使ったらいいのか、どうやったら生かせるのかっていうところ。それはね、いまのところミワしか知らない」
「なるほど・・・ね」
「実物が手元にあったら調べれば分かるモノもあると思う。でもそれだけじゃないはず。きっと外部からわからないように巧妙にに細工・操作してある。キョウも知ってる様に、ミワは特殊な能力の持ち主だ。そしてミワの先祖もそうだったと推測できる。だからね。このことに関して、ミワの考えを先読みできるほどの人間が現在この地球上にいるとは思えない・・・たった一人を除いてね」
「たった一人・・・いるんですか、そんな人?」
「たぶんね。今のところこの地球上にたった一人。トレーニングが必要だけど」
「あの、喜多嶋さんが言ってたんですけど・・・俺が受けてる特殊トレーニングを受けた人が過去に3人いて、そのうちの一人が美和で・・・」
「うん」
「ってことは、その一人は、その残りの2人のうちのどちらかですか?」
そこまで言うと、レオンとサラは顔を見合わせて大笑いし始めた。
「面白いわぁ。ワタシ大好きよ、このコ!」
「やっぱりトレーニングが必要だなぁ・・・急に開花したせいだよなぁ、そういう思考回路は」
なんでそういう発言になる?
すると、隣にいる美和が言った。
「その残りの2人はレオンとサラだよ」
え?
「当然でしょう?こんなに特殊な人達で構成された組織のトップに立つ人なんだから、更に特殊じゃないと」
「ミワ、それ俺達をバカにしてる?」
「してないよ。本当のことだよ。前の所長だって、測定したことはないかもしれないけど、絶対に特殊な人だもん」
「ま、そうよね」
「その人はいま、どうしてるんですか?」
「俺達にポジションを譲って、今はフィールドで仕事してる・・・この仕事は好きだけど人材管理とか交渉事とか面倒なことはイヤなんだって。ま、そのうち会うよ。スティーブっていうんだ。で、話は逸れたけど、その一人っていうのは・・・キョウ、キミだよ」
俺?!
え?!
俺?!
「そんなに驚かなくても。当然の流れでしょう?ミワも信頼してるし、ケイもキョウなら大丈夫って言ってたし」
圭さん?
「だからね、あの「家」の詳細についてどこをどう話すかはミワに任せるけど・・・ボク達は勝手に決めさせてもらったんだ。キミを全力で育てるってね。だからそれに伴って、あと2つ、話さないといけないことがあるんだよ」
そこはまた日本の研究所と同じように、ただひたすら広大な土地。
ただここは、滑走路以外に何も見えない。
おまけに。
日本は既にかなり寒かったけど、ここは・・・蒸し暑い。
「早く中に入りましょう。ここの日差しは強すぎて、肌に良くないんですよ」
日高さんはそう言うと、車に俺達を押し込んだ。
あれ?車?
さっきまでここにあったっけ?
運転手さんの姿、見えないし。
「この車はリモート操作なんですよ。楽ですよね?」
車の中はクーラーがきいていた。
「どのくらいで着くんですか?」
「5分くらいだよ」
隣に座ってる美和が答えた。
綺麗に舗装されている幅広い道路。
俺達以外、走ってる車は見当たらない。
すると突然、その道路が二手に分かれるのが見えた。
俺達は右に逸れていく。
「もうすぐですよ」
日高さんがそう言った途端道路が次第に下り始め、両脇に壁が出来始めた。
そしていつのまにか、俺達はトンネルの中にいた。
両脇の壁、そして天井に光る、オレンジ色のラインが眩しい。
すると。
俺達の乗った車は徐行し始め、巨大な丸い鉄板の前で止まった。
「なんで止まるんですか?」
俺が聞くと
「洗浄です」
「え?」
背後から黒い影を感じ振り向くと、車から2mくらい先の天井から鉄板みたいなものが下りてきていた。
俺達は完全に鉄板に挟まれた状態。
「すぐ終わりますよ」
その言葉が合図だったように突然、物凄い水圧と蒸気で窓の外が真っ白になった。
だけど次の瞬間にはクリアな状態に戻った・・・
目の前の鉄板が開いたからだとわかったのは、車が動き出したから。
そしてそのまま更に100mくらい走ったところで再び停車。
背後の鉄板はまた下りていた。
「このまま下がりますから」
日高さんの言うとおり、車は徐々に下降していく。
車ごとエレベーターに乗っているみたいだ。
どのくらい地下に下がったのかわからないけど、ある程度の深さのところで車が再び停車。
「着きましたよ」
俺と美和は車から降りた。
「杏さんのスーツケースはお部屋に運んでおきます。では私はここで」
「え?」
「杏、こっちだよ?」
美和は俺の左手首を掴み、歩みを進めた。
まっさらな、溝も何もないシルバーの壁。
そこに迷いもなく突き進む美和。
「美和?」
美和がぶつかって怪我するんじゃないか・・・そう不安になって声を掛けた瞬間、壁の一部に隙間ができた。
「こっちだよ」
何が起こっているのか、俺にはよくわからない。
ここはなんなんだ?
美和の隠し部屋よりもハイテクで・・・そして。
壁の向こうは、自然光が燦々と降り注ぐ総ガラス張りの建物。
窓の向こうには緑も見える・・・巨大な熱帯植物たち。
真っ白な廊下には、同じく真っ白な制服を着た、様々な人種の人達が行き来していた。
「Hey Miwa!」
「Long time no see!」
「Talk to you soon, Miwa!」
通り過ぎる人達はみな美和のことを知ってるみたいで、何かしら言葉をかけていく。
おまけに
「Nice to finally meet you, Kyo!(キョウ、ようやく会えたね!)」
と、笑顔で俺に手を振る人達も多くて。
そんな状況に戸惑う俺を見て、
「杏は自己紹介の必要ないからね」
微笑むと同時に、とある部屋の前で美和が足を止めた。
そして真っ白のドアが自動で開く。
「おかえりミワ、そして、ようこそキョウ」
3mくらいある横長のデスクの向こうのディレクターチェアに腰掛けているのは20代半ばくらいの白人男性。
流暢な日本語を話す。
そして彼の隣に立っているのは・・同じく20代半ばくらいの白人女性。
「レオン、サラ、元気だった?」
そっか、この人達が圭さんが言ってた人達か。
「ボクたちは相変わらずだよ。キョウ、初めまして。ボクはここの所長のレオン。彼女はサラ・・・ボクの相棒。公私ともにね?」
そう言うと、レオンは俺にウィンクした。
「ふふっ。じゃ、時間もあまりないことだし、そこに座ってもらって具体的な説明に移りましょう?」
「は?もう?サラはどうしてそんなに合理的なの?ボクはまだキョウの生の声も聞いてないよ?世間話から始めたっていいんじゃない?」
「そんなの大事な話をしててもできるでしょ?2人は今回、2週間しか滞在できないのよ?それに明日はクリスマスなんだから仕事は抜き。世間話は明日ゆっくりすればいいわ。そうでしょ、ミワ?」
「ははっ。そうだね」
あれ?
俺達は24日の朝7時くらいに日本を発った。
フライトが10時間だったから、少なくても今は日本時間の夕方5時。
移動とか待ちとかを含めて夕方6時。
でも、壁に掛っている時計は10時を指している。
俺の腕時計も何故か10時を示している。
そして、降り注ぐ日差しからするといまは朝の10時。
でもここは地下のはず。
わけ、わかんねぇ・・・ここは一体、どこなんだ?
「ほら、キョウの頭の中が????でいっぱいになってきたでしょ?早く話を始めてあげましょ?」
サラが俺を見て笑った。
サラに促され、俺と美和はソファーに腰を下ろした。
レオンとサラも真向かいに座る。
「聞いてると思うけど、ミワはこの春まで3年間、ここで暮らしていたんだよ」
レオンがそう、話を切り出した。
「その直接の理由は、ケン、つまりミワの父親が不慮の事故で亡くなったこと。ここの方がミワにとって安全だと思ったから移ってもらったんだ」
ミワも以前、俺にそう言っていた。
「誤解しないで聞いて欲しいんだけど・・・この地球上にいる他の人間に価値がないって言ってるんじゃない」
は?
なんで突然、そういう話になるんだ?
なんか唐突に規模のデカイ話になってないか?
「でも、両親を亡くした子供達が世界中に数えきれないほど存在する中でミワだけがここで保護されてきたのはなんでだと思う?」
あ、そういうことか。
「俺まだ、詳しい話を聞いてないんですけど・・・あの「家」と関係があるんですよね?喜多嶋さん達もあの「家」を守ってるし」
「その通りだよ。あの「家」には貴重なものがたくさん保管されてる。そしてそれをきちんと理解しているのはミワ、ただ一人なんだ。だからだよ」
「でも・・・」
俺は横に座ってる美和を見た。
美和はいつもと変わらない表情で、俺を見つめている。
「すみません、何も事情がわかってない俺のすげぇバカな質問かもしれないんですけど・・・」
「ん?」
「美和がその「家」に保管されてる貴重なモノのために危険に曝されるんだったら、それらを安全な場所、例えばここに移すっていうことはできないんですか?」
「出来ないことはない・・・「それは絶対にムリなの」」
美和がレオンの言葉に被せた。
「あそこにあるのはね、麻生家の先祖が集めてきたものだけじゃなくて・・・麻生家の人間を信頼してくれて託してくれたモノがたくさんあるの」
「あぁ・・・だから美和は自分で守りたいんだ。麻生家の人間として」
「そうだよ。それにその詳細についてはこの組織・・つまりレオンやサラにも言うつもりはないの。だって、麻生家を信頼してくれた人や私の先祖を裏切ることになるでしょう?」
「美和の気持ちはわかるけど・・・俺は、みすみす美和を危険に曝すようなことはしたくない。なんか他に方法はないのか?」
そう言ってレオンとサラを見ると、2人は何故か微笑んでいる。
なんでだ?
こんな深刻な話をしてんのに。
「キョウ、今回キミにここに来てもらったのはね、そのことについて具体的に話を進めたいからなんだよ」
「どういうことですか?」
「簡単に言うと、大きく分けて3つ話がある。まずはじめに言っておかなきゃいけないのは―――これが1つ目だけど。今ミワがあの家に保管されてるモノの詳細についてはボク達に話すつもりはないと言ったけど・・・「何が保管されてるのか」についてはボク達は大体把握してる。それはミワもわかってるよね?」
「うん・・・ここの情報収集力に勝てるとは思ってないよ」
「ただボク達にわかってないのは、それらをどう使ったらいいのか、どうやったら生かせるのかっていうところ。それはね、いまのところミワしか知らない」
「なるほど・・・ね」
「実物が手元にあったら調べれば分かるモノもあると思う。でもそれだけじゃないはず。きっと外部からわからないように巧妙にに細工・操作してある。キョウも知ってる様に、ミワは特殊な能力の持ち主だ。そしてミワの先祖もそうだったと推測できる。だからね。このことに関して、ミワの考えを先読みできるほどの人間が現在この地球上にいるとは思えない・・・たった一人を除いてね」
「たった一人・・・いるんですか、そんな人?」
「たぶんね。今のところこの地球上にたった一人。トレーニングが必要だけど」
「あの、喜多嶋さんが言ってたんですけど・・・俺が受けてる特殊トレーニングを受けた人が過去に3人いて、そのうちの一人が美和で・・・」
「うん」
「ってことは、その一人は、その残りの2人のうちのどちらかですか?」
そこまで言うと、レオンとサラは顔を見合わせて大笑いし始めた。
「面白いわぁ。ワタシ大好きよ、このコ!」
「やっぱりトレーニングが必要だなぁ・・・急に開花したせいだよなぁ、そういう思考回路は」
なんでそういう発言になる?
すると、隣にいる美和が言った。
「その残りの2人はレオンとサラだよ」
え?
「当然でしょう?こんなに特殊な人達で構成された組織のトップに立つ人なんだから、更に特殊じゃないと」
「ミワ、それ俺達をバカにしてる?」
「してないよ。本当のことだよ。前の所長だって、測定したことはないかもしれないけど、絶対に特殊な人だもん」
「ま、そうよね」
「その人はいま、どうしてるんですか?」
「俺達にポジションを譲って、今はフィールドで仕事してる・・・この仕事は好きだけど人材管理とか交渉事とか面倒なことはイヤなんだって。ま、そのうち会うよ。スティーブっていうんだ。で、話は逸れたけど、その一人っていうのは・・・キョウ、キミだよ」
俺?!
え?!
俺?!
「そんなに驚かなくても。当然の流れでしょう?ミワも信頼してるし、ケイもキョウなら大丈夫って言ってたし」
圭さん?
「だからね、あの「家」の詳細についてどこをどう話すかはミワに任せるけど・・・ボク達は勝手に決めさせてもらったんだ。キミを全力で育てるってね。だからそれに伴って、あと2つ、話さないといけないことがあるんだよ」
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