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・・・
「・・・どうして?」
「迎えに来た」
「・・・」
「逃げないの?」
「え?あ、逃げたほうがいい、の?」
そう言って、美也は俺の腕から逃れようとした。
「くくっ・・・美也、おまえ何やってんだよ?」
「ムリだって」
「え・・・」
「もうムリだよ、逃がさないよ…絶対に」
俺は美也の腕を左手で強く握った。
「ごめん、ちょっと電話」
俺は右手でスマホをポケットから取り出し
親指でボタンを押した。
「野崎さん?!」
ワンコールで吉田は出た。
「捕獲成功。じゃまた」
それだけ言って、電話を切った。
「いこうか」
俺は美也の腕を引っ張った。
「どこへ?」
「上」
吉田は優秀な秘書。
ちゃんとこのホテルのエグゼクティブスイートを押さえてくれてる。
「いっぱい、二人きりで話そう・・・この7年間のこと・・・いや、俺らが生まれてからのこと、全部」
・・・とは言ったけど
部屋のドアを閉めた瞬間
理性が飛んで
美也を抱き寄せて、激しくキスをしてしまった。
これは想定外。
おまけに止められない。
頭ではわかってるのに
カラダが止まらない。
本当にもう、なにもかも、全て、ぶっ飛んでしまった。
美也に今、付き合ってるヤツとか旦那とかがいるのか、とか
俺のこと、今はどう思ってるのか、とか
すげぇ勝手だけど・・・頭ではわかってるんだけど、
美也と二人きりになったら
もう
全てがどうでもよくなってしまった
―――美也が今、
俺の目の前で、存在してくれてることを感じること以外は。
ヤバい―――
誰か俺を止めてくれ―――
俺はもう、間違えたくないんだ―――
と、その時。
美也が腰から砕けた。
俺の理性は突然我に返り、
慌てて、美也を腰から支えた。
だから
二人の唇は、距離を置いた。
「・・・ごめん、美也。こんなつもりじゃなかったんだ・・・」
俺はそのまま美也を抱きかかえ、ソファーに向かう。
美也をゆっくりソファーに横たえると、俺は床に膝を置き、彼女の左手を両手で握った。
「ごめん、本当に話をするつもりだったんだけど、部屋に入ったら理性ぶっとんじゃって・・・」
すごいばつの悪い顔をしたと思う、自分でも。
俺は握った手をそのまま自分の額に押し付けて、祈るように次の言葉を探した。
―――すると
ふふっ、
美也のかすかな声が耳を掠めた。
え?
驚いて徐に顔を上げると、
目の前には
優しく微笑む、美也がいた。
―――ずっと見たかった、美也の笑顔。
―――夢にまで見た、美也の笑顔。
俺、泣きそうだ。
「美也・・・笑って?もう一回笑って?」
俺は美也の左頬に手を当てた。
「え?そんなこと突然言われたってムリ」
美也はまた微笑んだ。
「笑ってる―――俺の前で」
俺は嬉しくて
嬉しくて
横たわっている美也に覆いかぶさるように、ぎゅっと抱きしめた。
―――美也は抵抗しなかった。
「ハル・・・」
俺が覆いかぶさったまま、美也が俺の名前を、俺の耳元で呟く。
もう、胸がいっぱいで、張り裂けそうで・・・言葉にならない。
「ん・・・」
「・・・あの絵、見たんだね」
「あぁ・・・どこで描いたの?」
「いろんなところ」
美也に乗っかってる俺の身体は相当重いだろう、とは思ったけど、
ここから動くつもりは毛頭なかった。
でも、少し負担を軽くしたくて、俺はソファーに軽く膝をつき、重心を変えた。
すると、俺たち二人の間に、隙間が少しできて・・・
美也は両手を動かすと、それを俺の首元にあてた。
―――その瞬間、俺はまた、理性を失いそうになる。
きっとこれは、
美也がまだ、俺を思ってくれてる証拠じゃないかって。
俺を、受け入れてくれるんじゃないか、って。
でも、
美也が俺の瞳をまっすぐ見つめて話を続けようとしていたのがわかったから、
なんとか耐えた。
―――美和の前髪を撫でながら。
「いろんなところ、って?」
「旅先でちょっとずつ描いてきたの。大きいから郵送して。だからね、いろんな場所のいろんな人たちの影響があって、ちょっとオリジナルとは作風が変わっちゃった。ふふ」
美也が俺の目の前で、少し俺から目を逸らして・・・嬉しそうに笑った。
でもすぐに、真剣な表情に変わり、俺の瞳にその瞳を戻した。
美也の、俺をまっすぐに見つめるその両方の瞳は静寂そのもので、
なにか、覚悟のようなものを垣間見せた。
美也が次にどんな言葉を発するのか、
俺はただ、静かに待った。
「・・・完成まで5年かかったの」
「ん」
「今度はあの絵、壊さないようにしないと」
「ん・・・あのさ」
「ん」
「あの絵、俺だよね?」
「・・・」
「俺、うぬぼれていい?」
「・・・」
「美也に、まだ、あんなに愛されてるって・・・思っていい?」
でも、美也は俺の問いはに答えず、逆に質問を返した。
「ねぇハル、、、人間って努力で人を好きになれると思う?」
ある意味、ものすごく勇気のいった、
いわば最後の切り札的俺の問いが、さりげなくかわされる。
再び不安に陥った俺は、
また美也の身体に俺の全体重をかけて、抱きしめた。
「努力したら・・・どうだろ・・・そんなこと、考えたこともないな―――」
一生懸命考えて、その問いに答えようとはしたが、
口から出てきた言葉はそんなどうしようもないもので。
でも美也は・・・思いもよらないような言葉を続けた。
「ハルは・・・やっぱりすごいね」
「え?」
「そんなこと、考えたことないんでしょう?それって、そういう努力をする必要がなかった、ってことでしょう?」
「・・・何が言いたいんだよ?」
「ハルは・・・やっぱり「持てる者」なんだな、って」
パニックモードの俺だから、美也の言わんとしてることがわからないのか?
自分への苛立ちを抑えるため、心を落ち着かせるため、俺は深く呼吸をした。
はぁ。
―――もういっそ、このまま美也を抱いてしまえば、落ち着きを取り戻せるんじゃないか。
そんな邪な感情を、一気に吐き出す。
そんな俺を見てか、美也が少し悲しそうな表情を見せたのに気づき、
俺は慌てて体制を整え直した。
「美也、誤解すんな・・・うまく答えられない自分にちょっと、イラついただけだから」
すると、
突然美也はその両腕を伸ばし、俺を強く引き寄せた。
「・・・美也?」
「この7年間、、、ううん、生まれてからずっと、努力して人を好きになれたら、どんなに楽だろうって思ってきたの」
「・・・」
「好きになれない人も努力で好きになれるのなら、どれほど楽になれるかって・・・」
「・・・」
「人を赦せない自分を、赦せなくて・・・」
「・・・」
「でも、もう―――、もう一度あの絵を描いてよくわかったの。少なくとも私には無理だって」
「・・・」
「私には、努力で人を愛することはできない、って・・・」
「私は・・・」
「ん」
「―――他の人をハルのように愛することはできないの」
「・・・」
「私にはハルだけ」
「・・・」
「ハルの代わりは、いないの」
「・・・」
「・・・おまけに、私の中でハルの存在がどんどん、どんどん大きくなっていって・・・結局、あんなにキャンバスが大きくなっちゃって」
俺は美也の背中に回している腕にもっと力を入れて―――
美也の腕の中で泣いた。
「median」
「・・・?」
「もし会社名がmedianじゃなかったら、連絡しなかった」
「統計学は、神様が私に与えてくれたものだから、無視できなくて・・・」
「ハル・・・」
「ん」
「また、私をそばにおいてくれますか?」
☆☆fin☆☆
----------------------------------
最後まで読んでいただき、ありがとうございました☆
この後、SSが続きます。
「・・・どうして?」
「迎えに来た」
「・・・」
「逃げないの?」
「え?あ、逃げたほうがいい、の?」
そう言って、美也は俺の腕から逃れようとした。
「くくっ・・・美也、おまえ何やってんだよ?」
「ムリだって」
「え・・・」
「もうムリだよ、逃がさないよ…絶対に」
俺は美也の腕を左手で強く握った。
「ごめん、ちょっと電話」
俺は右手でスマホをポケットから取り出し
親指でボタンを押した。
「野崎さん?!」
ワンコールで吉田は出た。
「捕獲成功。じゃまた」
それだけ言って、電話を切った。
「いこうか」
俺は美也の腕を引っ張った。
「どこへ?」
「上」
吉田は優秀な秘書。
ちゃんとこのホテルのエグゼクティブスイートを押さえてくれてる。
「いっぱい、二人きりで話そう・・・この7年間のこと・・・いや、俺らが生まれてからのこと、全部」
・・・とは言ったけど
部屋のドアを閉めた瞬間
理性が飛んで
美也を抱き寄せて、激しくキスをしてしまった。
これは想定外。
おまけに止められない。
頭ではわかってるのに
カラダが止まらない。
本当にもう、なにもかも、全て、ぶっ飛んでしまった。
美也に今、付き合ってるヤツとか旦那とかがいるのか、とか
俺のこと、今はどう思ってるのか、とか
すげぇ勝手だけど・・・頭ではわかってるんだけど、
美也と二人きりになったら
もう
全てがどうでもよくなってしまった
―――美也が今、
俺の目の前で、存在してくれてることを感じること以外は。
ヤバい―――
誰か俺を止めてくれ―――
俺はもう、間違えたくないんだ―――
と、その時。
美也が腰から砕けた。
俺の理性は突然我に返り、
慌てて、美也を腰から支えた。
だから
二人の唇は、距離を置いた。
「・・・ごめん、美也。こんなつもりじゃなかったんだ・・・」
俺はそのまま美也を抱きかかえ、ソファーに向かう。
美也をゆっくりソファーに横たえると、俺は床に膝を置き、彼女の左手を両手で握った。
「ごめん、本当に話をするつもりだったんだけど、部屋に入ったら理性ぶっとんじゃって・・・」
すごいばつの悪い顔をしたと思う、自分でも。
俺は握った手をそのまま自分の額に押し付けて、祈るように次の言葉を探した。
―――すると
ふふっ、
美也のかすかな声が耳を掠めた。
え?
驚いて徐に顔を上げると、
目の前には
優しく微笑む、美也がいた。
―――ずっと見たかった、美也の笑顔。
―――夢にまで見た、美也の笑顔。
俺、泣きそうだ。
「美也・・・笑って?もう一回笑って?」
俺は美也の左頬に手を当てた。
「え?そんなこと突然言われたってムリ」
美也はまた微笑んだ。
「笑ってる―――俺の前で」
俺は嬉しくて
嬉しくて
横たわっている美也に覆いかぶさるように、ぎゅっと抱きしめた。
―――美也は抵抗しなかった。
「ハル・・・」
俺が覆いかぶさったまま、美也が俺の名前を、俺の耳元で呟く。
もう、胸がいっぱいで、張り裂けそうで・・・言葉にならない。
「ん・・・」
「・・・あの絵、見たんだね」
「あぁ・・・どこで描いたの?」
「いろんなところ」
美也に乗っかってる俺の身体は相当重いだろう、とは思ったけど、
ここから動くつもりは毛頭なかった。
でも、少し負担を軽くしたくて、俺はソファーに軽く膝をつき、重心を変えた。
すると、俺たち二人の間に、隙間が少しできて・・・
美也は両手を動かすと、それを俺の首元にあてた。
―――その瞬間、俺はまた、理性を失いそうになる。
きっとこれは、
美也がまだ、俺を思ってくれてる証拠じゃないかって。
俺を、受け入れてくれるんじゃないか、って。
でも、
美也が俺の瞳をまっすぐ見つめて話を続けようとしていたのがわかったから、
なんとか耐えた。
―――美和の前髪を撫でながら。
「いろんなところ、って?」
「旅先でちょっとずつ描いてきたの。大きいから郵送して。だからね、いろんな場所のいろんな人たちの影響があって、ちょっとオリジナルとは作風が変わっちゃった。ふふ」
美也が俺の目の前で、少し俺から目を逸らして・・・嬉しそうに笑った。
でもすぐに、真剣な表情に変わり、俺の瞳にその瞳を戻した。
美也の、俺をまっすぐに見つめるその両方の瞳は静寂そのもので、
なにか、覚悟のようなものを垣間見せた。
美也が次にどんな言葉を発するのか、
俺はただ、静かに待った。
「・・・完成まで5年かかったの」
「ん」
「今度はあの絵、壊さないようにしないと」
「ん・・・あのさ」
「ん」
「あの絵、俺だよね?」
「・・・」
「俺、うぬぼれていい?」
「・・・」
「美也に、まだ、あんなに愛されてるって・・・思っていい?」
でも、美也は俺の問いはに答えず、逆に質問を返した。
「ねぇハル、、、人間って努力で人を好きになれると思う?」
ある意味、ものすごく勇気のいった、
いわば最後の切り札的俺の問いが、さりげなくかわされる。
再び不安に陥った俺は、
また美也の身体に俺の全体重をかけて、抱きしめた。
「努力したら・・・どうだろ・・・そんなこと、考えたこともないな―――」
一生懸命考えて、その問いに答えようとはしたが、
口から出てきた言葉はそんなどうしようもないもので。
でも美也は・・・思いもよらないような言葉を続けた。
「ハルは・・・やっぱりすごいね」
「え?」
「そんなこと、考えたことないんでしょう?それって、そういう努力をする必要がなかった、ってことでしょう?」
「・・・何が言いたいんだよ?」
「ハルは・・・やっぱり「持てる者」なんだな、って」
パニックモードの俺だから、美也の言わんとしてることがわからないのか?
自分への苛立ちを抑えるため、心を落ち着かせるため、俺は深く呼吸をした。
はぁ。
―――もういっそ、このまま美也を抱いてしまえば、落ち着きを取り戻せるんじゃないか。
そんな邪な感情を、一気に吐き出す。
そんな俺を見てか、美也が少し悲しそうな表情を見せたのに気づき、
俺は慌てて体制を整え直した。
「美也、誤解すんな・・・うまく答えられない自分にちょっと、イラついただけだから」
すると、
突然美也はその両腕を伸ばし、俺を強く引き寄せた。
「・・・美也?」
「この7年間、、、ううん、生まれてからずっと、努力して人を好きになれたら、どんなに楽だろうって思ってきたの」
「・・・」
「好きになれない人も努力で好きになれるのなら、どれほど楽になれるかって・・・」
「・・・」
「人を赦せない自分を、赦せなくて・・・」
「・・・」
「でも、もう―――、もう一度あの絵を描いてよくわかったの。少なくとも私には無理だって」
「・・・」
「私には、努力で人を愛することはできない、って・・・」
「私は・・・」
「ん」
「―――他の人をハルのように愛することはできないの」
「・・・」
「私にはハルだけ」
「・・・」
「ハルの代わりは、いないの」
「・・・」
「・・・おまけに、私の中でハルの存在がどんどん、どんどん大きくなっていって・・・結局、あんなにキャンバスが大きくなっちゃって」
俺は美也の背中に回している腕にもっと力を入れて―――
美也の腕の中で泣いた。
「median」
「・・・?」
「もし会社名がmedianじゃなかったら、連絡しなかった」
「統計学は、神様が私に与えてくれたものだから、無視できなくて・・・」
「ハル・・・」
「ん」
「また、私をそばにおいてくれますか?」
☆☆fin☆☆
----------------------------------
最後まで読んでいただき、ありがとうございました☆
この後、SSが続きます。
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