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Chapter 38:「そんなの、言えるわけない」
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【12月21日(金)】
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TOKYO CHIC 2032号
「君に会えたら」 第37話 掲載
*******************************
今年のクリスマスイブは月曜日。
だから今日、21日の金曜日に、ドラマ「君に会えたら」のみんなでパーティを開こうということになった。
主演の高嶋くんと梨瑚ちゃん、他の俳優さんたちもやってきて、メンバー的に華やかな、でもカジュアルなパーティ。
脇さんが三宿のイタリアンレストランを貸し切ってくれた。
「梨瑚ちゃんって、本当に可愛いね。同じ人間とは思えないよ」
私がまじまじと梨瑚ちゃんを見つめると
「いいお化粧品があるんです。今度送りますね?」と笑った。
こんなに可愛くて性格もいいなんて、ホント、神様は不公平だよね。
「純さんって、不思議ですよね」
「なんで?」
「あんな鋭い作品を書くような人に見えないです」
あははっ。私は大笑い。
「それよく言われる。川上さんとか河野さんとか、いつもそれ言うよ?」
「そうでしょうね。作品からのイメージとのギャップが凄くて・・・それがいいんですけど」
「どういう人を想像してたの?」
「なんかもっとすっごい繊細で近寄りがたくて・・・よかったです。そう言う人じゃなくて」
「梨瑚ちゃーん、俺の絢ちゃん返して★」
そこに川上さんが邪魔しに来た。
「俺のってなんですか?!」
「わかってますって、川上さんは純さんLOVEですもんねぇ」
「そうそう!」
「私はもっと梨瑚ちゃんと話したいっ!」
「お前はレズか!」
「川上さん邪魔だからどっか行ってください」
「そんな冷たいコト言うなって・・・マジで凹むだろ?」
そんなかんだで結局は、3人で楽しく話した。
桃野くんは脇さんや他の俳優さんたちと一緒。
桃野くん、あんなに梨瑚ちゃんのファンだって言ってたのに、全然近寄ろうとしない。
照れてるのかな?
それとも、緊張するから避けてるのかな?
「そういえば梨瑚ちゃん、前に、桃野くんスカウトされそうって言ってたけど、それってホントにあったのかな?」
「ええ、やっぱりウチのマネージャーさんの目に留まったみたいですよ。たぶん今までもそういうことたくさんあっただろうって言ってましたけど。でもね、うふふ」
「どうしたの?」
「桃野さん、なんて断ったと思います?」
「んー、アイツのことだから、「興味ない」とか「引きこもりだから」とか?」
「あはは。私もそう思うなぁ」
「違いますよ」
「じゃ、なに?」
「「俺は「片桐純」の仕事にしか興味ないんで」って」
「へ?」
「おまけに「俺の身体は「片桐純」の仕事だから動くんで、他の仕事はムリです」って」
「マジで?アイツがそう言ったの?」
「あー見えて桃野さんって、すごいですよね。まぁ私も「片桐純」の大ファンだから気持ちわかりますけど。編集者冥利に尽きるんだろうなぁ」
「な、それっていつの話?最近?」
「いえいえ、「君に会えたら」の一番最初の顔合わせのパーティの時ですよ。私もその時初めて桃野さんにご挨拶させて頂いて」
「それって・・・アイツが自覚する前だろ・・・」
「「え?」」
「あ、いやいや、こっちの話。でもさ、きっとアイツ、編集者冥利とかそういう意味でそう言ったんじゃないと思うよ」
「じゃ、川上さんはどういう意味だと思うんですか?ウチのマネージャーさん、その一言で一発で諦めたって言ってたんですよ?」
「くく。それを俺に聞く?まーいずれにしても、アイツは表舞台には出ないよ。ホントにアイツ、性格的にそういうヤツじゃないし、そういうことに全く興味ないから」
「まぁ、桃野くんは優しすぎるから、そういうサバイバルな世界は向いてはないかもね」
「そうそう、アイツは地味ぃな仕事の方が向いてるって。あはは」
「そうなんですね。桃野さんってホント面白い。ふふ・・・あ、そういえば純さん、卒論は終わったんですか?」
「え、絢ちゃん、ちゃんと大学卒業できるの?あんなに忙しかったのに?」
「出来ますよ。川上さんは私のこと、バカにしすぎです!」
「その後はどうするんですか?執筆一本ですか?」
「区切りがいいからちょっと休むつもり。17歳からずっと書き続けてきたしね」
川上さんが硬い表情をしたけど、梨瑚ちゃんは気がつかず、そのまま話を続けた。
「そうなんですね。でもそしたら、桃野さんの仕事、しばらくなくなっちゃいますね。大丈夫かな、桃野さん」
「俺がそんな長いこと「片桐純」を休ませないから大丈夫。ちゃんとコイツ、俺が囲っとくから」
「なにまた勝手な事言ってるんですか?!」
「ふふ。川上さん、お願いしますね。新作楽しみにしてますから」
「梨瑚ちゃんまで!」
「私はまた純さんの作品を演じたいなぁ。私は「空き教室でいっぱいキスをしよう」が特に好きなんです。どの短編もすごく綺麗でしょう?読んでると瞼の裏に情景が浮かぶんです」
「ありがと」
「でも、たぶん一番好きなのは、「君に会えたら」のエッセイです」
「あぁ、その気持ちすごいわかる。だから俺、あれを毎回ドラマの最初に使うことにしたんだ」
「そうなんですか?」
知らなかった。
言ってくれればよかったのに。
「ちょっとだけいじったけど、耕介の親友、トオル役でナレーション担当の佐々木啓が読んでる」
え?
私はちょっと戸惑ったけど、とりあえず川上流にアレンジされたモノを聞くことにした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「zucca」は、銀座にある洋菓子店。
俺の親友、耕介は、ここであのコを見つけ、静かに恋に落ちた。
アイツの不器用さを「弱さ」だという人もいるだろう。
アイツの選択を「卑怯」だという人もいるだろう。
でも俺は、
アイツがその恋を宝物のように大事にしていることを知っている。
この瞬間が少しでも長く続いてくれるよう、いつも祈っているのを知っている。
それはきっとアイツが、「無条件の愛」と「生の儚さ」を知っているから。
「彼女の笑顔に出会えたのは「この世」の奇跡だ」
アイツはそう言って俺に笑った。
ここには、人には理解されにくい形の恋が存在する。
そして俺はこれを―――「愛」と呼ぶ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「本当にステキ。最終回楽しみにしてますから!哀しい結末だけは止めてくださいね?」
梨瑚ちゃんは私と川上さんに懇願した。
「それは川上さん次第だよ」
「川上さ~ん、お願いします!」
「まぁ、じっくり、ギリギリまで考えるよ」
川上さんの眼差しは真剣だった。
「外の空気吸うの、付き合ってよ」
クリスマス直前の夜は空気が澄んでいて心地よかった。
川上さんと2人でゆっくり歩く舗道。
立ち並ぶお店には、小さなイルミネーション。
お店からちょっと離れたところにあった小さな公園の自販で缶コーヒーを買って、ベンチに座る。
吐く息が少し白い。
「今年は「君に会えたら」のお陰で、クリスマスも正月もねぇなぁ」
「そうですねぇ」
「ま、絢ちゃんに会えるからいいけどさ」
「そっか、クリスマスは一日中打ち合わせですよねぇ。ヒドイな脇さんも」
「その後、飲もうよ」
「そうですね、残念だけど」
「なんで残念なんだよ?!喜べよ!」
「大学生活最後のクリスマスですよ?何が楽しくてこんなおじさんと・・・」
「てめぇ、ぶっ殺す!」
川上さんは私をはがいじめにした。
「ふえー、許して下さいっ」
「謝れ!」
「す、すみませんっ」
川上さんは笑って腕を離してくれた。
「桃野は?どうせ一緒に来るんだろ?」
「どうでしょう?」
「なに、ケンカでもしてるの?それだったら俺、めっちゃくちゃ嬉しいんだけど」
「別にケンカなんかしてないですよ。あの癒し系の桃野くんですよ?川上さんじゃないんですから」
「それもそうだな。じゃ、なんで来るかわからないの?」
「桃野くんだって、なんか用事があるかもしれないじゃないですか?会社の人達とパーティとか飲み会とか・・・」
「そんなの、アイツ速攻で断るだろ」
「そうですか?」
「そうだろ。アイツ引きこもりだし、絢ちゃんもいるし、俺のこと大好きだし」
「でも、桃野くんのためを考えたら、他の飲み会に参加してもらった方がいいでしょ?」
「どうして?」
「オヤゴコロです。いつまでもずっと一緒にいられるわけじゃないんだから・・・ちゃんと巣立って欲しいでしょ?そういう場所で、大切な人と出会えるかもしれないし」
「絢ちゃん、それってさ・・・」
TRRRRRRRRR
私のスマホが鳴った。
取ろうとすると、スマホを持っていた右手を川上さんに押さえられた。
そして―――
抱きすくめられた。
スマホが鳴り続けたまま。
「パパラッチ来ますよ?」
「いいよ、これは本当のことだから」
「本当じゃないですよ!」
「俺にとっては本当なんだって・・・ねぇ、いま絢ちゃんが言ったこと」
「え?」
川上さんは私を抱きしめたまま、耳元で話し続ける。
「・・・だから絢ちゃんは引っ越そうとしてるの?」
「え?」
「それだったらさ、桃野が追って来れないくらい遠いところに行ってよ」
「どういう意味ですか?」
「俺だけしか追っていけないようなところ。南極とかどう?」
「そんな寒いところ、行くわけないじゃないですか?!」
「くくっ。とにかくさ、桃野にも誰にも邪魔されないで、俺が絢ちゃんにたくさん愛を語れるところがいい。どこにする?」
川上さんはそのまま私の耳たぶを食べた。
「ふえっ!」
「なに今の。超カワイイんだけど・・・そんな声出されたら、止まらなくなっちゃうじゃん。もう一回・・・」
「なにしてるんですか?!」
スマホを右手に持った絶対零度の桃野くんが、上から私たちを見下ろしていた。
「あ、見つかっちゃったよ・・・桃野、マジうぜぇ。本気でいいとこだったのに」
川上さんは桃野くんにニヤっと笑って、私から離れた。
「絢ちゃん、もうお開きだから帰ろう?ここは危険だしね」
桃野くんは私の腕を掴んでどんどん歩いて行く。
なんかこの間と全く同じ状況・・・
「おい桃野!」
「なんですか?」
桃野くんは立ち止って後ろを振り返った。
「お前、クリスマスは用事あんの?」
「その日は一日中、一緒に仕事じゃないですか」
「その後は?」
「別に予定入れてませんけど?」
川上さんもオヤゴコロを見せようとしてるのかな?
「お前さ、会社の忘年会とかは?」
「行くわけないじゃないですか。行くと必ず面倒くさいことが起こるし、家にいた方が楽しいし。まぁ飯島さんに誘われたら断れませんけど。なんでそんなこと聞くんですか」
「お前の生活って、ホントに絢ちゃん中心で回ってるなぁって思ってな」
「なにが言いたいんですか?」
「それって、初めっからほぼ無意識でやってんだろ?仕事だからとかなんだとか、後付けでいろいろ言い訳してるけどさ」
ますます桃野くんのオーラが黒くなってきてる・・・
もうこういうの、止めて欲しいんだけど!
「っうか・・・絢ちゃんが南の島に行っちゃったら、お前どうやって生きてくんだろうって心配になってさ。絢ちゃんのコーヒーがないと生きていけないんだろ?まずそこからどうすんだよ」
「そんなこと川上さんには関係のないことですよ。絢ちゃん、帰ろう?」
「桃野!」
「なんですか!しつこいですよ!」
「覚悟決めた方がいいぞ。オマエももう、限界だろ?」
「・・・うるさいですよ。俺のこと、勝手に決めつけないでください」
「でもそうだろ?それともオマエの気持ちなんて、抑えきれるぐらいの、そんな程度のものなのかよ?」
「俺と川上さんとじゃ、やり方が違うだけですよ。マジでほっといてください」
「桃野」
「まだなんかあるんですか?!」
「絢ちゃんも俺も本気なんだよ」
「・・・」
「オマエがこのままだったら、死ぬのはオマエだからな」
帰りのタクシーの中、桃野くんは一言も話さなかった。
ずっと、何かを考えてるようだった。
二人の会話の意味は、よくわからなかったけど、
川上さんと桃野くんの間で、何かを焦っているのはわかる。
大丈夫、なのかな・・・
この重い空気の息苦しさを脱すべく、玄関を入るなり桃野くんに言った。
「コーヒー、飲むでしょ?」
「あぁ・・・」
「先にシャワー浴びておいでよ。私もそうするから」
「あぁ・・・」
しばらくして、寝る準備万端の桃野くんがベランダから入ってきた。
「コーヒーもうすぐ出来るよ」
「ありがとう・・・あのさ、絢ちゃん」
「ん?」
「話が、あるんだ」
私は2つのマグカップをコーヒーテーブルに置いた。
桃野くんは赤ソファーでうなだれている。
なんだろう、話って。
「どうしたの?川上さんのこと?」
「そうじゃなくて・・・絢ちゃんの好きな人のことなんだけど・・・」
「え?」
先日の引っ越しの件と言い、桃野くんは最近、何の前振りもなく突拍子もないことを言ってくる。
「まだ・・・その人のこと、好きなんだよね?」
「・・・うん」
「俺、思うんだけどさ・・・」
「うん?」
「スキだって、伝えた方がいいんじゃないかな」
「え?」
どうして?
なんで桃野くんはそんなことをいきなり言うの?
「ソイツ、妻子持ちとかじゃないよね?」
「なにそれ?」
「違うよね?」
「違うよ」
「彼女持ち?」
「違うと思うよ」
「そしたらさ、スキっていいなよ」
「なんで?」
「絢ちゃん、きっと両想いになるって。絢ちゃんがフラれるわけないよ」
「・・・」
「別に小説の方が大事でも大丈夫だって。人間の中ではソイツが一番なんだし、それもあの祐くんの後に絢ちゃんがスキになったヤツだよ。よっぽどのヤツなんだよね?そういう、そのままの絢ちゃんを、ちゃんと受け止めてくれるよ」
「・・・」
「そのキモチ、絶対大切にした方がいい・・・って、俺は思うから」
「桃野くん・・・」
「それに、万が一うまくいかなかったとしても、川上さんが喜んで面倒見てくれるだろうし」
「・・・そういう問題じゃないと思うけど」
「それに・・・俺だっているんだし」
「・・・どういう意味?」
「・・・いつでもハグしてあげるから。絢ちゃんが寂しくないように」
桃野くんは苦笑いした。
「・・・そっかぁ。桃野くんにそう言ってもらえて嬉しいな。でも・・・桃野くんはダメ」
「何が?」
「桃野くんは優しすぎるから」
「え?」
「私ね・・・たぶん桃野くんは単に押しに弱いヘタレなんじゃないと思う。ま、たしかに今まではちゃんと好きになった人はいなかったのかもしれないけど」
「・・・」
「桃野くんは優しいから・・・押されまくってるうちに、彼女たちの気持ちに応えられたらって思うようになって、ちょっと責任感じちゃって、それで付き合うんじゃない?」
「そんなんじゃないよ。・・・絢ちゃん買い被りすぎ。俺、誰にでも優しいヤツじゃないから」
「私はそうだと思うな・・・そんな桃野くんだから・・・私のことそこまでいろいろ考えてくれたんだよね。これ以上桃野くんに甘えたらさすがに天罰下るよ」
「俺的には、絢ちゃんに全然甘えられてる気がしないけど。むしろ、全然足りねぇし・・・」
「私が桃野くんに心配をかけてるからだけど・・・お願いだから私のことで責任感じないで。私は大丈夫だから」
「そんなんじゃない!・・・そんなんじゃ、ないんだよ・・・」
桃野くんは額に左手をあてて俯いた。
「まぁ、そうは言ってもね・・・桃野くんに、本当に本当に死ぬほど大切な人が出来たら、私のことは簡単に忘れちゃうと思うんだけどね」
「それは、絶対にありえないから・・・」
「ううん。その時は、そうなるよ。むしろ、私はそうなってほしい。私の事、頭の隅にも浮かばないくらい大切な人が出来て欲しい。そしたら、桃野くんの願いが叶うんだから」
「・・・あのさ、絢ちゃん、俺は・・・」
「私のこと心配してくれて本当にありがとう。嬉しかった。でも、私は告白するつもりはないし、南の島に行くから。だから、フラれた後に私の面倒見るとか、そういう心配、いらないからね。でも、仕事の時だけはちょっとだけ私の事思い出してね。ふふ」
私がそう言うと、桃野くんは少し顔を上げ、下から覗き込むように私を見つめた。
「俺は・・・絢ちゃんに幸せになってもらいたいんだ。できれば好きな人と一緒に。祐くんだってそう思ってると思う」
「・・・」
「だからさ・・・」
はぁ。
ほとんど聞こえないほどの溜息を吐いた後、桃野くんはこう言った。
「絢ちゃんの好きなヤツのこと教えてよ。不安だったらソイツが絢ちゃんのこと幸せに出来そうか確かめて・・・ちゃんとしたヤツだったら、俺が仲を取り持ってやるから」
「え?」
「まぁ、絢ちゃんが好きになったヤツだから、そこらへんは大丈夫だと思うけど」
「・・・」
「それに・・・川上さん本気だよ。冗談ぽく言ったりもするけど、あの人、絢ちゃんのこと真剣に想ってる。ちゃんと絢ちゃんのこと、考えてるよ」
「・・・」
「だから、このまま絢ちゃんが動かなかったら、川上さんはどんな手段を使っても、絢ちゃんを傍に置くつもり。わかってるよね?」
「・・・」
「でもそんなことしたって、絢ちゃんがソイツのことを好きな限り、絢ちゃんだけじゃなくて川上さんも幸せになれないんだよ」
「・・・」
「大丈夫。絢ちゃんがフラれるわけないから。俺が協力するし」
「・・・」
「だから教えてよ・・・絢ちゃんの好きな人が誰なのか」
―――そんなの、
桃野くんに言えるわけがなかった。
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TOKYO CHIC 2032号
「君に会えたら」 第37話 掲載
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今年のクリスマスイブは月曜日。
だから今日、21日の金曜日に、ドラマ「君に会えたら」のみんなでパーティを開こうということになった。
主演の高嶋くんと梨瑚ちゃん、他の俳優さんたちもやってきて、メンバー的に華やかな、でもカジュアルなパーティ。
脇さんが三宿のイタリアンレストランを貸し切ってくれた。
「梨瑚ちゃんって、本当に可愛いね。同じ人間とは思えないよ」
私がまじまじと梨瑚ちゃんを見つめると
「いいお化粧品があるんです。今度送りますね?」と笑った。
こんなに可愛くて性格もいいなんて、ホント、神様は不公平だよね。
「純さんって、不思議ですよね」
「なんで?」
「あんな鋭い作品を書くような人に見えないです」
あははっ。私は大笑い。
「それよく言われる。川上さんとか河野さんとか、いつもそれ言うよ?」
「そうでしょうね。作品からのイメージとのギャップが凄くて・・・それがいいんですけど」
「どういう人を想像してたの?」
「なんかもっとすっごい繊細で近寄りがたくて・・・よかったです。そう言う人じゃなくて」
「梨瑚ちゃーん、俺の絢ちゃん返して★」
そこに川上さんが邪魔しに来た。
「俺のってなんですか?!」
「わかってますって、川上さんは純さんLOVEですもんねぇ」
「そうそう!」
「私はもっと梨瑚ちゃんと話したいっ!」
「お前はレズか!」
「川上さん邪魔だからどっか行ってください」
「そんな冷たいコト言うなって・・・マジで凹むだろ?」
そんなかんだで結局は、3人で楽しく話した。
桃野くんは脇さんや他の俳優さんたちと一緒。
桃野くん、あんなに梨瑚ちゃんのファンだって言ってたのに、全然近寄ろうとしない。
照れてるのかな?
それとも、緊張するから避けてるのかな?
「そういえば梨瑚ちゃん、前に、桃野くんスカウトされそうって言ってたけど、それってホントにあったのかな?」
「ええ、やっぱりウチのマネージャーさんの目に留まったみたいですよ。たぶん今までもそういうことたくさんあっただろうって言ってましたけど。でもね、うふふ」
「どうしたの?」
「桃野さん、なんて断ったと思います?」
「んー、アイツのことだから、「興味ない」とか「引きこもりだから」とか?」
「あはは。私もそう思うなぁ」
「違いますよ」
「じゃ、なに?」
「「俺は「片桐純」の仕事にしか興味ないんで」って」
「へ?」
「おまけに「俺の身体は「片桐純」の仕事だから動くんで、他の仕事はムリです」って」
「マジで?アイツがそう言ったの?」
「あー見えて桃野さんって、すごいですよね。まぁ私も「片桐純」の大ファンだから気持ちわかりますけど。編集者冥利に尽きるんだろうなぁ」
「な、それっていつの話?最近?」
「いえいえ、「君に会えたら」の一番最初の顔合わせのパーティの時ですよ。私もその時初めて桃野さんにご挨拶させて頂いて」
「それって・・・アイツが自覚する前だろ・・・」
「「え?」」
「あ、いやいや、こっちの話。でもさ、きっとアイツ、編集者冥利とかそういう意味でそう言ったんじゃないと思うよ」
「じゃ、川上さんはどういう意味だと思うんですか?ウチのマネージャーさん、その一言で一発で諦めたって言ってたんですよ?」
「くく。それを俺に聞く?まーいずれにしても、アイツは表舞台には出ないよ。ホントにアイツ、性格的にそういうヤツじゃないし、そういうことに全く興味ないから」
「まぁ、桃野くんは優しすぎるから、そういうサバイバルな世界は向いてはないかもね」
「そうそう、アイツは地味ぃな仕事の方が向いてるって。あはは」
「そうなんですね。桃野さんってホント面白い。ふふ・・・あ、そういえば純さん、卒論は終わったんですか?」
「え、絢ちゃん、ちゃんと大学卒業できるの?あんなに忙しかったのに?」
「出来ますよ。川上さんは私のこと、バカにしすぎです!」
「その後はどうするんですか?執筆一本ですか?」
「区切りがいいからちょっと休むつもり。17歳からずっと書き続けてきたしね」
川上さんが硬い表情をしたけど、梨瑚ちゃんは気がつかず、そのまま話を続けた。
「そうなんですね。でもそしたら、桃野さんの仕事、しばらくなくなっちゃいますね。大丈夫かな、桃野さん」
「俺がそんな長いこと「片桐純」を休ませないから大丈夫。ちゃんとコイツ、俺が囲っとくから」
「なにまた勝手な事言ってるんですか?!」
「ふふ。川上さん、お願いしますね。新作楽しみにしてますから」
「梨瑚ちゃんまで!」
「私はまた純さんの作品を演じたいなぁ。私は「空き教室でいっぱいキスをしよう」が特に好きなんです。どの短編もすごく綺麗でしょう?読んでると瞼の裏に情景が浮かぶんです」
「ありがと」
「でも、たぶん一番好きなのは、「君に会えたら」のエッセイです」
「あぁ、その気持ちすごいわかる。だから俺、あれを毎回ドラマの最初に使うことにしたんだ」
「そうなんですか?」
知らなかった。
言ってくれればよかったのに。
「ちょっとだけいじったけど、耕介の親友、トオル役でナレーション担当の佐々木啓が読んでる」
え?
私はちょっと戸惑ったけど、とりあえず川上流にアレンジされたモノを聞くことにした。
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「zucca」は、銀座にある洋菓子店。
俺の親友、耕介は、ここであのコを見つけ、静かに恋に落ちた。
アイツの不器用さを「弱さ」だという人もいるだろう。
アイツの選択を「卑怯」だという人もいるだろう。
でも俺は、
アイツがその恋を宝物のように大事にしていることを知っている。
この瞬間が少しでも長く続いてくれるよう、いつも祈っているのを知っている。
それはきっとアイツが、「無条件の愛」と「生の儚さ」を知っているから。
「彼女の笑顔に出会えたのは「この世」の奇跡だ」
アイツはそう言って俺に笑った。
ここには、人には理解されにくい形の恋が存在する。
そして俺はこれを―――「愛」と呼ぶ。
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「本当にステキ。最終回楽しみにしてますから!哀しい結末だけは止めてくださいね?」
梨瑚ちゃんは私と川上さんに懇願した。
「それは川上さん次第だよ」
「川上さ~ん、お願いします!」
「まぁ、じっくり、ギリギリまで考えるよ」
川上さんの眼差しは真剣だった。
「外の空気吸うの、付き合ってよ」
クリスマス直前の夜は空気が澄んでいて心地よかった。
川上さんと2人でゆっくり歩く舗道。
立ち並ぶお店には、小さなイルミネーション。
お店からちょっと離れたところにあった小さな公園の自販で缶コーヒーを買って、ベンチに座る。
吐く息が少し白い。
「今年は「君に会えたら」のお陰で、クリスマスも正月もねぇなぁ」
「そうですねぇ」
「ま、絢ちゃんに会えるからいいけどさ」
「そっか、クリスマスは一日中打ち合わせですよねぇ。ヒドイな脇さんも」
「その後、飲もうよ」
「そうですね、残念だけど」
「なんで残念なんだよ?!喜べよ!」
「大学生活最後のクリスマスですよ?何が楽しくてこんなおじさんと・・・」
「てめぇ、ぶっ殺す!」
川上さんは私をはがいじめにした。
「ふえー、許して下さいっ」
「謝れ!」
「す、すみませんっ」
川上さんは笑って腕を離してくれた。
「桃野は?どうせ一緒に来るんだろ?」
「どうでしょう?」
「なに、ケンカでもしてるの?それだったら俺、めっちゃくちゃ嬉しいんだけど」
「別にケンカなんかしてないですよ。あの癒し系の桃野くんですよ?川上さんじゃないんですから」
「それもそうだな。じゃ、なんで来るかわからないの?」
「桃野くんだって、なんか用事があるかもしれないじゃないですか?会社の人達とパーティとか飲み会とか・・・」
「そんなの、アイツ速攻で断るだろ」
「そうですか?」
「そうだろ。アイツ引きこもりだし、絢ちゃんもいるし、俺のこと大好きだし」
「でも、桃野くんのためを考えたら、他の飲み会に参加してもらった方がいいでしょ?」
「どうして?」
「オヤゴコロです。いつまでもずっと一緒にいられるわけじゃないんだから・・・ちゃんと巣立って欲しいでしょ?そういう場所で、大切な人と出会えるかもしれないし」
「絢ちゃん、それってさ・・・」
TRRRRRRRRR
私のスマホが鳴った。
取ろうとすると、スマホを持っていた右手を川上さんに押さえられた。
そして―――
抱きすくめられた。
スマホが鳴り続けたまま。
「パパラッチ来ますよ?」
「いいよ、これは本当のことだから」
「本当じゃないですよ!」
「俺にとっては本当なんだって・・・ねぇ、いま絢ちゃんが言ったこと」
「え?」
川上さんは私を抱きしめたまま、耳元で話し続ける。
「・・・だから絢ちゃんは引っ越そうとしてるの?」
「え?」
「それだったらさ、桃野が追って来れないくらい遠いところに行ってよ」
「どういう意味ですか?」
「俺だけしか追っていけないようなところ。南極とかどう?」
「そんな寒いところ、行くわけないじゃないですか?!」
「くくっ。とにかくさ、桃野にも誰にも邪魔されないで、俺が絢ちゃんにたくさん愛を語れるところがいい。どこにする?」
川上さんはそのまま私の耳たぶを食べた。
「ふえっ!」
「なに今の。超カワイイんだけど・・・そんな声出されたら、止まらなくなっちゃうじゃん。もう一回・・・」
「なにしてるんですか?!」
スマホを右手に持った絶対零度の桃野くんが、上から私たちを見下ろしていた。
「あ、見つかっちゃったよ・・・桃野、マジうぜぇ。本気でいいとこだったのに」
川上さんは桃野くんにニヤっと笑って、私から離れた。
「絢ちゃん、もうお開きだから帰ろう?ここは危険だしね」
桃野くんは私の腕を掴んでどんどん歩いて行く。
なんかこの間と全く同じ状況・・・
「おい桃野!」
「なんですか?」
桃野くんは立ち止って後ろを振り返った。
「お前、クリスマスは用事あんの?」
「その日は一日中、一緒に仕事じゃないですか」
「その後は?」
「別に予定入れてませんけど?」
川上さんもオヤゴコロを見せようとしてるのかな?
「お前さ、会社の忘年会とかは?」
「行くわけないじゃないですか。行くと必ず面倒くさいことが起こるし、家にいた方が楽しいし。まぁ飯島さんに誘われたら断れませんけど。なんでそんなこと聞くんですか」
「お前の生活って、ホントに絢ちゃん中心で回ってるなぁって思ってな」
「なにが言いたいんですか?」
「それって、初めっからほぼ無意識でやってんだろ?仕事だからとかなんだとか、後付けでいろいろ言い訳してるけどさ」
ますます桃野くんのオーラが黒くなってきてる・・・
もうこういうの、止めて欲しいんだけど!
「っうか・・・絢ちゃんが南の島に行っちゃったら、お前どうやって生きてくんだろうって心配になってさ。絢ちゃんのコーヒーがないと生きていけないんだろ?まずそこからどうすんだよ」
「そんなこと川上さんには関係のないことですよ。絢ちゃん、帰ろう?」
「桃野!」
「なんですか!しつこいですよ!」
「覚悟決めた方がいいぞ。オマエももう、限界だろ?」
「・・・うるさいですよ。俺のこと、勝手に決めつけないでください」
「でもそうだろ?それともオマエの気持ちなんて、抑えきれるぐらいの、そんな程度のものなのかよ?」
「俺と川上さんとじゃ、やり方が違うだけですよ。マジでほっといてください」
「桃野」
「まだなんかあるんですか?!」
「絢ちゃんも俺も本気なんだよ」
「・・・」
「オマエがこのままだったら、死ぬのはオマエだからな」
帰りのタクシーの中、桃野くんは一言も話さなかった。
ずっと、何かを考えてるようだった。
二人の会話の意味は、よくわからなかったけど、
川上さんと桃野くんの間で、何かを焦っているのはわかる。
大丈夫、なのかな・・・
この重い空気の息苦しさを脱すべく、玄関を入るなり桃野くんに言った。
「コーヒー、飲むでしょ?」
「あぁ・・・」
「先にシャワー浴びておいでよ。私もそうするから」
「あぁ・・・」
しばらくして、寝る準備万端の桃野くんがベランダから入ってきた。
「コーヒーもうすぐ出来るよ」
「ありがとう・・・あのさ、絢ちゃん」
「ん?」
「話が、あるんだ」
私は2つのマグカップをコーヒーテーブルに置いた。
桃野くんは赤ソファーでうなだれている。
なんだろう、話って。
「どうしたの?川上さんのこと?」
「そうじゃなくて・・・絢ちゃんの好きな人のことなんだけど・・・」
「え?」
先日の引っ越しの件と言い、桃野くんは最近、何の前振りもなく突拍子もないことを言ってくる。
「まだ・・・その人のこと、好きなんだよね?」
「・・・うん」
「俺、思うんだけどさ・・・」
「うん?」
「スキだって、伝えた方がいいんじゃないかな」
「え?」
どうして?
なんで桃野くんはそんなことをいきなり言うの?
「ソイツ、妻子持ちとかじゃないよね?」
「なにそれ?」
「違うよね?」
「違うよ」
「彼女持ち?」
「違うと思うよ」
「そしたらさ、スキっていいなよ」
「なんで?」
「絢ちゃん、きっと両想いになるって。絢ちゃんがフラれるわけないよ」
「・・・」
「別に小説の方が大事でも大丈夫だって。人間の中ではソイツが一番なんだし、それもあの祐くんの後に絢ちゃんがスキになったヤツだよ。よっぽどのヤツなんだよね?そういう、そのままの絢ちゃんを、ちゃんと受け止めてくれるよ」
「・・・」
「そのキモチ、絶対大切にした方がいい・・・って、俺は思うから」
「桃野くん・・・」
「それに、万が一うまくいかなかったとしても、川上さんが喜んで面倒見てくれるだろうし」
「・・・そういう問題じゃないと思うけど」
「それに・・・俺だっているんだし」
「・・・どういう意味?」
「・・・いつでもハグしてあげるから。絢ちゃんが寂しくないように」
桃野くんは苦笑いした。
「・・・そっかぁ。桃野くんにそう言ってもらえて嬉しいな。でも・・・桃野くんはダメ」
「何が?」
「桃野くんは優しすぎるから」
「え?」
「私ね・・・たぶん桃野くんは単に押しに弱いヘタレなんじゃないと思う。ま、たしかに今まではちゃんと好きになった人はいなかったのかもしれないけど」
「・・・」
「桃野くんは優しいから・・・押されまくってるうちに、彼女たちの気持ちに応えられたらって思うようになって、ちょっと責任感じちゃって、それで付き合うんじゃない?」
「そんなんじゃないよ。・・・絢ちゃん買い被りすぎ。俺、誰にでも優しいヤツじゃないから」
「私はそうだと思うな・・・そんな桃野くんだから・・・私のことそこまでいろいろ考えてくれたんだよね。これ以上桃野くんに甘えたらさすがに天罰下るよ」
「俺的には、絢ちゃんに全然甘えられてる気がしないけど。むしろ、全然足りねぇし・・・」
「私が桃野くんに心配をかけてるからだけど・・・お願いだから私のことで責任感じないで。私は大丈夫だから」
「そんなんじゃない!・・・そんなんじゃ、ないんだよ・・・」
桃野くんは額に左手をあてて俯いた。
「まぁ、そうは言ってもね・・・桃野くんに、本当に本当に死ぬほど大切な人が出来たら、私のことは簡単に忘れちゃうと思うんだけどね」
「それは、絶対にありえないから・・・」
「ううん。その時は、そうなるよ。むしろ、私はそうなってほしい。私の事、頭の隅にも浮かばないくらい大切な人が出来て欲しい。そしたら、桃野くんの願いが叶うんだから」
「・・・あのさ、絢ちゃん、俺は・・・」
「私のこと心配してくれて本当にありがとう。嬉しかった。でも、私は告白するつもりはないし、南の島に行くから。だから、フラれた後に私の面倒見るとか、そういう心配、いらないからね。でも、仕事の時だけはちょっとだけ私の事思い出してね。ふふ」
私がそう言うと、桃野くんは少し顔を上げ、下から覗き込むように私を見つめた。
「俺は・・・絢ちゃんに幸せになってもらいたいんだ。できれば好きな人と一緒に。祐くんだってそう思ってると思う」
「・・・」
「だからさ・・・」
はぁ。
ほとんど聞こえないほどの溜息を吐いた後、桃野くんはこう言った。
「絢ちゃんの好きなヤツのこと教えてよ。不安だったらソイツが絢ちゃんのこと幸せに出来そうか確かめて・・・ちゃんとしたヤツだったら、俺が仲を取り持ってやるから」
「え?」
「まぁ、絢ちゃんが好きになったヤツだから、そこらへんは大丈夫だと思うけど」
「・・・」
「それに・・・川上さん本気だよ。冗談ぽく言ったりもするけど、あの人、絢ちゃんのこと真剣に想ってる。ちゃんと絢ちゃんのこと、考えてるよ」
「・・・」
「だから、このまま絢ちゃんが動かなかったら、川上さんはどんな手段を使っても、絢ちゃんを傍に置くつもり。わかってるよね?」
「・・・」
「でもそんなことしたって、絢ちゃんがソイツのことを好きな限り、絢ちゃんだけじゃなくて川上さんも幸せになれないんだよ」
「・・・」
「大丈夫。絢ちゃんがフラれるわけないから。俺が協力するし」
「・・・」
「だから教えてよ・・・絢ちゃんの好きな人が誰なのか」
―――そんなの、
桃野くんに言えるわけがなかった。
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