本篇完結 光に巻き込まれて目醒めてみれば、めちゃめちゃ甘くなった幼馴染みとお城がある国に飛ばされてました  硬派なあいつはどこいった!?  

小葉石

文字の大きさ
35 / 61

35 ごめん

しおりを挟む
 翔の話は衝撃的だった。だって、全部あいつだったじゃん…俺に、最初にしたのだって…
ここに来たのだって……なのにお前は止めようとした…?じゃあ、向こうのお前は?目の前の翔、お前は…?

「……晴…?」

 呆然としてる俺を翔が呼ぶ……

「ごめん…晴…泣くな…泣くなって……」

 自分の方が既に泣き顔なのに…傷、つけたよな……俺も……なにも聞かずに、問答無用で殴っちゃったよな……

「……ごめ…俺…知らなかった…何にも聞かずに、お前、殴っちゃったし……ごめん…」

「……晴…そっちに行っていい…?」

「やめろよ…お前も俺も、ひどい顔してるから…」

「そんなの、どうでもいい。晴…」

 ちゃんと俺に断ってから翔はこっちに来た。椅子の背もたれ側からギュウッと抱きしめられる。

「ごめん。もっと、早く話そうと思ってたんだけど、なんて切り出したら良いか……本当にごめん…」

「俺も…殴ってごめん……」

「ふふっそれは良いよ。俺は殴られる様なことしてるし。」

「喧嘩の誤解は解けた様で良かったです。落ち着いてからで良いので次は翔さんのことについて少し考えてみましょうね。う~ん、詳しそうな人、誰かいたかなぁ?」

「前の翔に戻れるかなぁ?」

 涙を拭きつつ俺が聞く。

「擦っちゃダメだよ、晴。」

 俺の手をそっと掴むと、翔は俺の目元を舐めた………!!

「うゎっお前!何してんの!?」

 スタルトさんの前で!オタオタする俺にスタルトさんが笑って流す。

「ふふふっ相変わらず仲の良い姿が見れて眼福ですね。翔さんの件はちょっとお待ちくださいね?知り合いに当たって情報を集めて来ますから。」

 スタルトさんに見られていたことで俺は真っ赤になった……

「晴……可愛い…」

 今はやめい……!!

「では、僕は一度帰ります。少し、力になってくれそうな人に知恵を借りましょうね。とにかく、お二人とも今日は良く休んでください。あ、晴君明日君はお休みでいいですよ?」

「え、あ、はい…すみません…」

「いえいえ…では。」

 スタントが帰った後は、晴を抱き締めている翔と晴が残る。

「……お前、ちゃんと戻れるかなぁ…?」

 気が抜けた様にポツリと呟く…

「…ん?俺は別にこのままでも良い。晴と一緒にいられたらそれで十分なんだ…」
 
 翔の奴…こんなこと言ってるけど、スタルトさん、翔の半分って言った。後の半分はあっちに居る?それって普通のことじゃないよな?異世界に飛ばされるのだって普通じゃないのに………帰られないっていってもこのままで身体は平気なのか?心配が増えてしまう…

「自分の身体だろ?ちゃんと考えろよ…」

「ん…晴…優しいな……」

 俺が優しいとかそんなことじゃ無くて…まぁいいか、誤解…解けたし?

「どうなるか分からないかもしれないけど、俺今何ともないし……こうして、晴と一緖にいられるだけで本当に十分……」

 ギュッと抱き締めていた腕に力を込めてくる。

「…簡単に言うなよ……でもお前がどうにかなったら、今度は俺がお前の面倒見てやる…!」

 お前の両親にも説明できない様な事態でお前がどうこうなったって言えないし、申し訳ない…お前にもここで世話になったし…

「幸せもんだな…俺………」

「……」

 何を思って感極まってるのか分からんが、翔はしばらくの間、じっと俺から離れなかった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺

福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。 目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。 でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい… ……あれ…? …やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ… 前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。 1万2000字前後です。 攻めのキャラがブレるし若干変態です。 無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形) おまけ完結済み

平凡な俺が完璧なお兄様に執着されてます

クズねこ
BL
いつもは目も合わせてくれないのにある時だけ異様に甘えてくるお兄様と義理の弟の話。 『次期公爵家当主』『皇太子様の右腕』そんなふうに言われているのは俺の義理のお兄様である。 何をするにも完璧で、なんでも片手間にやってしまうそんなお兄様に執着されるお話。 BLでヤンデレものです。 第13回BL大賞に応募中です。ぜひ、応援よろしくお願いします! 週一 更新予定  ときどきプラスで更新します!

処理中です...