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2 どうしたの?お前…
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は?なんだ?翔の奴、喧嘩だけじゃなくて手品でも始めたのか?それとも何かの祝いでクラッカーでも鳴らしたのか?
一瞬の事だが、あまりの激しい光に瞑ってしまっていた目をそぅっと開けた。
こんな朝っぱらから何やらかしたんだ翔の奴…!
「なに、したんだよ…お前…」
チカチカする目をしぱしぱと瞬けば、周りの違和感にギョッとする。
は?薄暗い?何で?日差しが眩しいくらいだったのに?さっきの光で目がおかしくなったか?
いや、目のチカチカは収まってるし、おかしいのはやっぱり周りだ…!
「おい!翔!」
勢いよく周りを見てそこに居ただろう翔に呼びかける。
「ん?」
おわ!!つい声が出そうになるのを、ぐっと堪えたが……
な!?近!こんなに近くにお前居た?って言うくらいの近距離に翔がいる。何故か、俺の腰にしっかりと奴の手を回してやがった……
「お前、近いって!なにしてんのさ?ここで…それより何でこんなに暗いのよ?俺達公園にいただろう?」
腰に回していない手は何故か俺の片手を握っているし……
本当……何してんの……?お前…………
「いいから!ちょっとお前離れろって!」
先ず状況把握だろう?何ここ?公園どこ行った?
俺は空いた手を翔の顔にバンっと当ててグリグリと引き剥がしにかかる。
「何で?離れる意味がわからない…」
は?何言ってるの?こいつ?こんなにくっ付いてる意味もわからんだろうが…!変な所にいるってのに、まさか、怖いのか?
「何?お前、怖いの?」
だからこんなにくっつくのかよ?信じられない様な目で翔を見つめる。
「怖い?誰が?」
ここ何年も見ていなかった翔の微笑み……?を持ってグィッと近付いてくる奴をバシッと受け止めながら、こいつ、笑ってんよ……?と少なからず俺は内心恐慌状態……ここ数年、ギロリと睨む鋭い目つきや、遠目で怒声を上げながら喧嘩をしている姿はよく見たものの、屈託なく子供の様に笑う姿なんてほぼ見ていない……
あぁ!もう!そんな事はどうでもいい!
「お前!いい加減にしろや!ちょっと周りを見てみろって!絶対にさっき居たところと違うだろ!?」
「そんな事、俺達に関係ある?」
力尽くで引き離そうとしている俺の努力を踏みにじる様にして翔の奴は難なく距離を詰めてくる。
くそっ!!
バッタバタと他校の生徒をなぎ倒す位の腕力と体力と体格では全部俺が負けてるっつーの!
「いい加減に!しろって!!」
ちょっと罪悪感は感じたけど、緊急事態だ。絶妙にすり寄ってくる翔と距離を取る為に、申し訳ないが腹に一発蹴りを入れさせてもらった。
「うっっ…」
体格差あれども痛いだろう…少しばかり前屈みになって動かなくなった隙に、距離を取る。
「なぁ!お前どうしちゃったわけ?そんなにベッタベタする奴じゃなかっただろ?さっきの光で頭までやられたのか?寝ぼけてんなら目を覚ませよ?んで、周りをよく見てみろって!!」
翔から距離を取りつつ辺りを見れば、薄暗くなってる周囲は森だと分かる。いや、分かっただけでどこの森だか、何でここにいるのかさっぱり分からないんだが…
キョロキョロと道らしき物を探したり、森の出口?をざっと周りを見て確かめたりしている俺の耳にあり得ない声が聞こえて来た。
「酷いな、晴……俺はずっとお前とくっ付いて居たいのに……」
最後の方は、いとも哀れな様を誘いそうな声音で言ってくる。
うわぁ……ダメだ、翔の頭の中、腐ってやがる……
一瞬の事だが、あまりの激しい光に瞑ってしまっていた目をそぅっと開けた。
こんな朝っぱらから何やらかしたんだ翔の奴…!
「なに、したんだよ…お前…」
チカチカする目をしぱしぱと瞬けば、周りの違和感にギョッとする。
は?薄暗い?何で?日差しが眩しいくらいだったのに?さっきの光で目がおかしくなったか?
いや、目のチカチカは収まってるし、おかしいのはやっぱり周りだ…!
「おい!翔!」
勢いよく周りを見てそこに居ただろう翔に呼びかける。
「ん?」
おわ!!つい声が出そうになるのを、ぐっと堪えたが……
な!?近!こんなに近くにお前居た?って言うくらいの近距離に翔がいる。何故か、俺の腰にしっかりと奴の手を回してやがった……
「お前、近いって!なにしてんのさ?ここで…それより何でこんなに暗いのよ?俺達公園にいただろう?」
腰に回していない手は何故か俺の片手を握っているし……
本当……何してんの……?お前…………
「いいから!ちょっとお前離れろって!」
先ず状況把握だろう?何ここ?公園どこ行った?
俺は空いた手を翔の顔にバンっと当ててグリグリと引き剥がしにかかる。
「何で?離れる意味がわからない…」
は?何言ってるの?こいつ?こんなにくっ付いてる意味もわからんだろうが…!変な所にいるってのに、まさか、怖いのか?
「何?お前、怖いの?」
だからこんなにくっつくのかよ?信じられない様な目で翔を見つめる。
「怖い?誰が?」
ここ何年も見ていなかった翔の微笑み……?を持ってグィッと近付いてくる奴をバシッと受け止めながら、こいつ、笑ってんよ……?と少なからず俺は内心恐慌状態……ここ数年、ギロリと睨む鋭い目つきや、遠目で怒声を上げながら喧嘩をしている姿はよく見たものの、屈託なく子供の様に笑う姿なんてほぼ見ていない……
あぁ!もう!そんな事はどうでもいい!
「お前!いい加減にしろや!ちょっと周りを見てみろって!絶対にさっき居たところと違うだろ!?」
「そんな事、俺達に関係ある?」
力尽くで引き離そうとしている俺の努力を踏みにじる様にして翔の奴は難なく距離を詰めてくる。
くそっ!!
バッタバタと他校の生徒をなぎ倒す位の腕力と体力と体格では全部俺が負けてるっつーの!
「いい加減に!しろって!!」
ちょっと罪悪感は感じたけど、緊急事態だ。絶妙にすり寄ってくる翔と距離を取る為に、申し訳ないが腹に一発蹴りを入れさせてもらった。
「うっっ…」
体格差あれども痛いだろう…少しばかり前屈みになって動かなくなった隙に、距離を取る。
「なぁ!お前どうしちゃったわけ?そんなにベッタベタする奴じゃなかっただろ?さっきの光で頭までやられたのか?寝ぼけてんなら目を覚ませよ?んで、周りをよく見てみろって!!」
翔から距離を取りつつ辺りを見れば、薄暗くなってる周囲は森だと分かる。いや、分かっただけでどこの森だか、何でここにいるのかさっぱり分からないんだが…
キョロキョロと道らしき物を探したり、森の出口?をざっと周りを見て確かめたりしている俺の耳にあり得ない声が聞こえて来た。
「酷いな、晴……俺はずっとお前とくっ付いて居たいのに……」
最後の方は、いとも哀れな様を誘いそうな声音で言ってくる。
うわぁ……ダメだ、翔の頭の中、腐ってやがる……
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