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しおりを挟む「で、おいくら位になります?」
少し、ワクワク、ホクホクするわよね?自分の価値が計られているような、知りたいような、知りたくないような………
ただ今、絶賛鑑定中。ご先祖様には悪いけれど、我が家の先祖の中には宝石狂いの方が居たようで、いくつか古めかしいデザインの物を私も引き継ぎ、譲り受けている。あと、社交界用の絹のドレスに付属品、趣味で集めていた香油類。これは幼い頃から香油に魅せられてはなけなしのお小遣いを貯めてかき集めた物。と、我が家から持ってきた凝ったデザインの家具。
「う~~ん、こんな物でどうでしょうかね?奥さん。」
質店店長が提示した値段表と睨めっこよ!
果たして、私の価値は!?
「全て新品とかなら、もう少し値を釣り上げてもよかったんですが、香油類は開いている物もありますからねぇ。あ、宝石は非常に状態も良くて申し分なかったですよ?」
う~~~む……これが私の価値……なのね。
ま、お金が全てじゃないけど、ほぼ自分の全財産だし、自分の価値と言ってもいいような気さえしてきたわ。
「奥さん?もう少しだけ、頑張りましょうか?」
あら、いけない。随分と険しい顔をしていたみたいね?店主を困らせる所だった…ごめんなさい。
「いえいえ、合計には不服はありませんから、これでお願いします。」
承認のサインをしておしまい!
随分とスッキリしちゃったわね…我が家。まだ二階には家具が入れたままになっているけど、自分が嫁いだ時に持って来たものはほぼ売ってしまったし。
質店さんが少し頑張ってくれたお陰で、この家自体は売らなくて済みそうだわ。出来たらお義父様とお義母様に返したいもの。
実は、お義父様とお義母様の新婚時代のお家だったなんて、歴史もロマンスも有るのに売るなんて勿体無いもの!
さぁて、明日からも次々片付けちゃいましょ!
う~~~~ん!と大きく伸びをして、凝り固まった身体に空気をいっぱいに入れてあげる。
あのお薬本当に凄くよく合うわ。気持ちよく体が動かせるんだもの!
当初の目的よりも、早く全てを済ませることができるかもしれないわね…
お気に入りの濃厚ハチミツミルクティーに、辟易する程苦い薬が数種類……目を閉じて、鼻を摘んで一気に飲み干してベッドへダイブ!
こんな事をしても、
お行儀悪いよお姫様、なんて笑顔で叱ってくれる人はもう此処にはいないのね…
懐かしさで胸を一杯にして目を閉じた。
良い夢が見れますように…
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