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 中心から口を離されたが、後ろに挿入された指は知らぬ間に増やされている。太く力強い指が的確にスロウルの快感を限界まで煽っていく。


「くぅ…!…くぁっ…やっめ…!」

 喘ぐ口を抑えて自分の腕を噛みしめても声を止める事が出来ない…


「スロウルお前はいい子だったからな。選ばせてあげよう。このまま放つか、入れられていくか、どちらがいい?」

「ふっ…ざ、けたっ…ことっ…」

「そうか、いい子だねスロウル、入れて欲しい様だ。」

「やめっ!」

 限界まで我慢させられているスロウルは既に涙目になって体を捩り、サタマーの腕を掴んで指の抽送を止めようとする。

「スロウル…早く欲しいとねだっているのか?可愛い子だ…」

 スロウルの頬に片手を添えたサタマーは、グッとスロウルの一番弱いところを指を揃えて突き上げる。


「ああぁっ…あっ…あぁっ…」


 ガクンッとスロウルの首が反り、背が跳ね上がる。目の前がチカチカするほどの快感を与えられ、スロウルは精を放った。

「おやおや、悪い子だねスロウル。服が汚れてしまったよ?入れて欲しかったんだろうに待ちきれなかったのか?」

 飛び散り放ったスロウルの精をペロペロと舐めながら、サタマーは自分の衣の前を寛げた。

「はぁっはっはっ」

 スロウルが呼吸を整える間も無く、入れられた指は尚も後ろを穿ち続けている。根元までグッと入れては抜き、グチッグチュッと絶え間なく音が響く。

 抗議の声も上げられず体が痙攣し反応するに任せるしかないスロウルに舌舐めずりをしてサタマーがのしかかった。

 指を引き抜き、寛げた衣からサタマー自身を引き摺り出す。硬く怒張したそれをスロウルの後ろへと当てがった。




「……そこまで!」

 ギィィと重い扉の音と共に見知った者の声…剣が鞘から抜かれる音…上に乗っているサタマーの体がビクッと硬直した、のを機にスロウルも握りしめていた剣の鞘を思い切り振りかぶってサタマーの腹部に一撃入れる。


「ぐぅっ」
 
 サタマーが呻き、腹を抑えたところで襟首を後ろから掴まれ、思い切り寝台の下に叩きつけられる。
 スロウルもその隙に寝台から転がり下りて下衣を整え、剣を握りしめる。


「おい、お前…何をした?」

 仰向けに倒されたサタマーの首横に、ザクッと剣を突き立てるのはアクサードだ。


「き、貴様、誰だ!」

「…答えろ。スロウに何をした?」

 アクサードの目は本気だ。倒すべき敵を目の前にした時の冷たい、覚悟の決まった目…
返答次第ではサタマーはそのまま首を切られてもおかしくない。

「ふんっお前に答える義理はないだろう!私はスロウルにしか話さないと言っていただろうが!」

 ギリ!!

「ひっ……」

 サタマーの首横に突き立てた剣がサタマーの首の皮に触れるまで倒されて行く。喉を短く鳴らし、身動きが取れなくなったサタマー。

 アクサードは獲物から目を離さない。万が一にもこの場でサタマーの有利点は無かった。


「スロウル!良いのか!私にこんな事をしても!さっき教えてやったろう事が現実になるぞ!」

「黙れ……」

「待って下さい!アクサード!子供達が!」

 不味い、アクサードの目は本気で首を取りに行っている。

「部隊長、命令を。直ぐにこいつの首を刎ねます。」


「待て待て、アクサード。まだ聞きたいことがあるんだ。」

 房の外から、のんびりとも受け取れる部隊長の声がする。スロウルが居る房内からは見えないが兵の足音が数名分聞こえて来るからには牢の外にも兵士が控えているはずだ。

 
 …誰が、持っている?


「何をです?先程の供述で良しとしませんか?」
 アクサードは早く切ってしまいたくて剣にも徐々に力が込められていくのがわかる。

 
 …先程の話も聞いていたのか?でも、毒は?声を潜めていたから外には聞こえていないかもしれない…


「スロウル!此奴に剣を引かせろ!出なければ、あの方が来られる時に嫌と言うほどの罰を与えてもらうぞ!!」

「くっ…アクサード!剣を引いてください!」

 仕方なしに、下衣だけ整えたスロウルが剣を握りしめているアクサードの手首を掴む。
 整えたとはいえ、シャツははだけ、ボタンすらもとまっていない。


「良い子だスロウル。あの方が来られた折にはお前も一緒に受け取らせてもらおう。先程の続きでタップリと可愛がってやるぞ。」

 スロウルが従順にアクサードを止めに入ったのに気を良くしたのか、サタマーは何か勘違いをしているようだが、毒のありかが分かるまでは、無謀なことは控えるべきだ。

 が、このサタマーの言葉を聞いて、アクサードの怒りにさらに油を注いでしまったのも分かった…アクサードはもう瞳に映る殺意すら隠そうとしていない…


「はぁ……なんで格好だスロウル。アクサードも共に下がれ!」
 

 部隊長が前に出る。

 ズリズリ、とサタマーはまだ身をかがめた状態で後退っていく。


「先程の事だがな。サタマーとやら。お前の身元はな、引き受けないとさ。」

「は?何を?何を言っている!」

「そう言う事で、此処には誰も迎えには来ないぞ?」

「そんな、そんな筈はない!あの方は!裏切らないと約束してくださった!ナッチェル公は!裏切りなど許さない方だ!!」

 叫ぶと同時に部隊長に飛びかかろうとするサタマーを、スロウル、アクサードが押さえつけ、地に伏させる。

「ああ、それからお前の手に落ちた者もすでに此方で押さえた。無駄な足掻きは止めるんだな。」

「!!部隊長!毒を!その者は毒を持っているはずです!子供達にかけると!!」

「あぁ、それでお前は良いようにされてたのか…確認しろ!」
 

「はっ!」
 
 数名の兵士が走っていく…


 …良かった……


「切っても良いですか?」

 地の底から聞こえる様なアクサードの声を隣で聞き、つい、ダメです、とスロウルウは嗜める。


「そう、まだダメだアクサード。重要参考人だからな?拘束具を持ってこい!」

 数名の兵士に囲まれたサタマーはあれよあれよと言う間に裸にされ拘束具を付けられて房内に収容される事になる。自分からは話しかける事も、動く事も出来ない状態だが、何をするか分からないと言う名目で城に引き渡されるまでこの状態が続くらしい。


「スロウル、怪我はないな?」

 部隊長の確認の声が掛かる。

「………はい、ありません。」

「はぁぁ…命令だアクサード、自室で待機。二、三日ゆっくりしていろ。用があればお前の侍従を通す。他の者は事後処理の持ち場に戻れ!」

 部隊長の一声で、地下牢に集まった兵士達は散って行く。
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