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「ふっ…ぁ…あ!」

 抵抗をしても無意味なものとして力を抜いた途端に、下履を下される。


「…!…やめ!」


 家族にですら、母にですら衣類を脱いだ姿など見せた事ないと言うのに…
 余りの事に何が起こっているのかスロウルには理解ができない。


「脱いでおいた方がいいぞ?じゃないと上手に出来ないからな?」

 直に触れて来るレオの手は大きく、熱く、少し骨張った手の感触が、より鮮明にスロウルを包み込む。


「んぁ…ぁっ……んぅっ…」
 

 腰から背筋に、下半身に甘い痺れが走って力が上手く入らない…
 崩折れそうになる体はレオがしっかりと後ろから抱きとめ支えていた。


「お前、まだほっそいな。ちゃんと食ってるか?」

 チュッチュッと音を立てながら、もう遠慮のないキスが耳から首に降らされる。


「やぁ……だ…ぁっ…」

「やだって声じゃないだろうが?声だけ聞くと、女の子だよな。」

 ククッと楽しそうな声が背後から聞こえて来る。

 
 スロウルには何が楽しいのかさっぱり分からない。見せたこともない肌を人目に晒し、それも一番恥ずかしい部位を他人に握られているなんて!
 恥以外の何者でもないのに、自分の体は怖い程に、その行為を刻み込まれ受け入れざるを得なくなっている…

 
「ふぅっ……ふっ……ぁっ」


 嫌々と首を振ってみても走る快感が強くて、もう逃げることさえ忘れてしまいグッタリとレオにもたれ掛かり、上向いた顔からは涙に潤んだ瞳が揺れる。

 
 レオは優しく緩急をつけてはスロウルを擦り上げ時折湿り気を帯びた先端をゆっくりと擦り上げる。

 
「あっ!……」


 そんな些細な刺激で、細い腰を震わせ呆気なく精を放つ…


「かっわいいな、お前…」

 力が抜け切り、浅く息を繰り返すスロウルの顔を上向かせると躊躇なく唇を奪う。舌を差し込まれ、スロウルの舌を強く吸われれば、また見知らぬ感覚に身を震わせる。


「んぅっ………っ…ふっ」


 苦しい息をなんとか楽にしようと口を開ければ、更に深く舌を差し込まれ苦しさに涙がこみ上げる。


 やっと解放されたかと思えば、体に力は入らないし、頭では理解できない羞恥に身体が震えて来た。


「お前、マジで危ないぞ?その顔、ヤバイからな?」


 レオの眉がキュッと寄り、なにやら苦しそうな感を受ける。


「最後までは無理だろぅな……もう少し付き合いなスロウル。」
 

 何が無理なのかと考える間も無く、力の抜けた体を引き寄せられた。
 

「スロウル、噛むなよ?噛んだら本当にお前に入れるからな?」

 
 理解が追い付かぬスロウルの顎を掴んで、口を開かせる。


「歯、当てない様に舐めてみな…」

「え?」


 何をと聞く間も無く、生暖かい弾力有る物が口の中に押し込められる。


「んぅぅぅっ…ぐぅ…」

「そう、噛むなよ?」


 何が、入れられたなんて確認したくもない。上を向けば少し興奮したレオの顔がある。


 信じ、られない…信じたく、無い……
 なんで、こんな事に……


 口腔を埋め尽くす肉棒の圧迫感や、味や匂いは初めてのもので、喉を突き上げて来る吐瀉感を必死になって我慢する。目からポロポロ涙が流れ、喉を突かれて呑み込めない唾液が首筋を伝って流れ出る。


「ふっ…ふっ……ふぅぅぅ…」


 スロウルの頭をガッチリ押さえられてしまっている為、口を離そうにも、離せない。

 舌で押し除けようにも更に強く押し入って来る。


「はっスロウル、舌を使ってるのか?お前初めてだろう?」

 何を勘違いさせたのか、押し出そうとするのはかえって喜ばせるだけの様で、そんな事を考える余裕も無く、ただ早く解放されたくて仕方なかった…

 はっはっと、聞こえる息遣いと、自分の出すくぐもった声、口腔を出入りする時の湿った音が頭に響く。
 レオの動きが早くなるにつれてスロウルの眉は険しく、更に涙は流れ出る。


「っ…お前、本当可愛いな…やば…」

 レオの声と共に、口の中の肉が一層大きく、硬くなると一気に温かい物が喉の奥に叩き込まれた。

「……っ!」


「ぶっごほっ…かはっ…はっ……かはっ…はぁ…うぇ…」

 口から肉棒が引き抜かれれば、中で出された物を吐き出しながら、新鮮な空気を求めて大きく息をする。


「あ、飲まなかったんだな。まいっか、スロウルお前初めてにしちゃ上手いぜ。」


 上手いも何もそんな事より、スロウルにとっては全てが衝撃で今すぐ此処から逃げ出してしまいたいくらいだ。


 呆然と汚れた体を整える事もなく、ヘタリとその場に座り込んでしまう。


「はっなんて顔してんだよ?こんな事日常的に皆するんだぞ?男だったら自分でする事も覚えるしな。戦場に行ったら、隊員同士で相手するんだからな?」


「え?」

 
 こんな事を?日常的……?


「お前なんて可愛いからな。直ぐに人気者になるだろうぜ。」

 チュッと前触れもなく額にキスを落とされた。


「ほら、綺麗にするぞ?丁度洗濯当番でよかったな?」


 何が良かったのか、悪かったのかスロウルはレオに言われるがまま、顔と下半身を洗い、衣類を身につけ本日の仕事をこなしていった。
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