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74 私の立場は如何なるのでしょう?
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其方を吸収しないと言った旦那様は、その後もしっかりと抱きしめた腕を離してはくれませんで…
「そうか、私は熱くて、輝いているのか?」
太陽の眷属ですから、輝きは眩しいくらいです。恥ずかしくて俯きながらコクリと肯く。
「不思議なものだな。自分自身ではわからない事をこうして教えてもらえるのは…」
旦那様の手は優しくて、いつも大切に至る所を撫でてくれる。
心地良くて、そのままボゥッとしてしまいそうになるけれど、このまま吸収されない私って、此れからは森の精霊?太陽の眷属?何方に属せば…
「どちらでも、好きな時に好きな所へ。」
「え?」
「其方とはこれから共に生きることが出来る。人の世でもその後も…シェインリーフ、其方を私の横に立たせたかった…」
何度も何度も髪に口付けては、スリスリと頬擦りされる旦那様。お顔は輝くばかりに満足そうに嬉しそうに…
「私を貴方の横に?」
「そうだ。我が伴侶として其方を立たせる。」
「わ、私はただの使用人ですよ?」
「命を共にする我が眷属なのに?いくら人の世でもそれは通るまい。」
シェインがいくら使用人と喚いても、国王には正体を伝えてあるし、精霊付きと言うだけでも国を挙げて保護される位に慎重に扱われてきたのだ。
それならば精霊自体が人型を取っているシェインの存在は人の世ではかなり稀有なものと言えるし、このまま使用人としての生活には無理がある。
すっかり困惑気味のシェイン。人の形を取って、人の世で力を回復する為に執事になり、此処に来た。精霊として扱われ、祀られる事など望んでもいない。
けれど、嬉しい。レーン様が隣にと、望んでくれることがこの上もなく嬉しい…
「無理をすることなどないし、誰も何も無理強いなどせん。望む所に其方はいて、其方の気持ちのままに私を望んでくれればそれで良い。」
きゅゅゅぅぅ……
望むままに、望める。手を伸ばしても伸ばしても届かなかった方を…もう二度とお顔をさえ望むこともできないと思っていた方を、好きな時に求める事が出来る…
今日までに起きたことが、やっと現実味を帯びて来て胸が苦しくなるくらいの幸福感に押しつぶされそうだ…
「何を泣く?」
シェインの深緑の、ガラット王子の髪と同色の黄金の輝きを加えた瞳から、大粒の涙がこぼれ落ちる。
「私も大概欲が深いな…シェインリーフが嫌だと言っても、無理やりにでも其方を私の元に引き上げるだろうな。こうやって…」
深い口付けと共に、シェインは強烈な感覚に襲われるが叫ぶ事も出来ずに、身体をしならせガラット王子に抱き縋る。
「っ……ふっ……!?」
精霊石は今手元にないのに、それを押されたときの様な、それ以上に深く、鮮明な感覚にシェインはなす術もない。
「はぁっ……はっ!」
こんな感覚、知らない…!!なんで…!?
涙目になりながら仰ぎ見れば、そっと額に口付けられた。
「シェインリーフ、苦しみよりも石には快楽を覚え込ませた。其方の石は何処にある?私の中だろう?私は其方ををいつでも呼べる。其方がただの執事では無く私のものだと、この手に抱く為に…!」
赤い、レーン様の深緑の差し色が入った瞳が燃える様に赤い。私に与えられるものも、ただ燃える様に熱く、どこまでも愛しかった…
「そうか、私は熱くて、輝いているのか?」
太陽の眷属ですから、輝きは眩しいくらいです。恥ずかしくて俯きながらコクリと肯く。
「不思議なものだな。自分自身ではわからない事をこうして教えてもらえるのは…」
旦那様の手は優しくて、いつも大切に至る所を撫でてくれる。
心地良くて、そのままボゥッとしてしまいそうになるけれど、このまま吸収されない私って、此れからは森の精霊?太陽の眷属?何方に属せば…
「どちらでも、好きな時に好きな所へ。」
「え?」
「其方とはこれから共に生きることが出来る。人の世でもその後も…シェインリーフ、其方を私の横に立たせたかった…」
何度も何度も髪に口付けては、スリスリと頬擦りされる旦那様。お顔は輝くばかりに満足そうに嬉しそうに…
「私を貴方の横に?」
「そうだ。我が伴侶として其方を立たせる。」
「わ、私はただの使用人ですよ?」
「命を共にする我が眷属なのに?いくら人の世でもそれは通るまい。」
シェインがいくら使用人と喚いても、国王には正体を伝えてあるし、精霊付きと言うだけでも国を挙げて保護される位に慎重に扱われてきたのだ。
それならば精霊自体が人型を取っているシェインの存在は人の世ではかなり稀有なものと言えるし、このまま使用人としての生活には無理がある。
すっかり困惑気味のシェイン。人の形を取って、人の世で力を回復する為に執事になり、此処に来た。精霊として扱われ、祀られる事など望んでもいない。
けれど、嬉しい。レーン様が隣にと、望んでくれることがこの上もなく嬉しい…
「無理をすることなどないし、誰も何も無理強いなどせん。望む所に其方はいて、其方の気持ちのままに私を望んでくれればそれで良い。」
きゅゅゅぅぅ……
望むままに、望める。手を伸ばしても伸ばしても届かなかった方を…もう二度とお顔をさえ望むこともできないと思っていた方を、好きな時に求める事が出来る…
今日までに起きたことが、やっと現実味を帯びて来て胸が苦しくなるくらいの幸福感に押しつぶされそうだ…
「何を泣く?」
シェインの深緑の、ガラット王子の髪と同色の黄金の輝きを加えた瞳から、大粒の涙がこぼれ落ちる。
「私も大概欲が深いな…シェインリーフが嫌だと言っても、無理やりにでも其方を私の元に引き上げるだろうな。こうやって…」
深い口付けと共に、シェインは強烈な感覚に襲われるが叫ぶ事も出来ずに、身体をしならせガラット王子に抱き縋る。
「っ……ふっ……!?」
精霊石は今手元にないのに、それを押されたときの様な、それ以上に深く、鮮明な感覚にシェインはなす術もない。
「はぁっ……はっ!」
こんな感覚、知らない…!!なんで…!?
涙目になりながら仰ぎ見れば、そっと額に口付けられた。
「シェインリーフ、苦しみよりも石には快楽を覚え込ませた。其方の石は何処にある?私の中だろう?私は其方ををいつでも呼べる。其方がただの執事では無く私のものだと、この手に抱く為に…!」
赤い、レーン様の深緑の差し色が入った瞳が燃える様に赤い。私に与えられるものも、ただ燃える様に熱く、どこまでも愛しかった…
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